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オカルトが盛んなのはなぜか目ざめよ! 1981 | 3月8日
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オカルトが盛んなのはなぜか
この20世紀の科学的な考え方のおかげで,人々は多くの迷信から解き放され,そのことに感謝しています。しかし,科学ではどうしても,説明のつかないように思える事実も依然として数多くあります。一般の人々の理解からは“隠された”ならわしにかかわるオカルト(秘術)もその一つです。
イスラエル人の神秘主義者ユリ・ゲラーのことを考えてみましょう。ゲラーがドイツのテレビに出演した時,幾つかの非常に奇妙なことが起きました。最後にゲラーは,自分の実験に参加したい人は壊れた時計かスプーン,フォークを持ち寄るよう勧めました。そして,指定された日の予定の時間きっかりに,人々は目を閉じて,ゲラーのことをひたすら考えることになっていました。
翌日,ビルト・ツァイトゥンク紙はセンセーショナルな出来事を大々的に報じました。古い時計は時を刻み始め,スプーンやフォークはねじ曲がり,電球は破裂したのです。
どんな力が働いていたのでしょうか。それを見極めることができますか。好奇心をそそるこうした疑問の答えを見いだそうと,神秘主義や秘術,その他の超常現象を研究する人の数が急速に増えています。
必要を満たす
神秘的な事柄を探る第一線に若い人々がいても驚くには当たりません。若い人々は元来,想像力に富んでいます。しかし,英国諸島の代表的な“魔女”の一人,ロイス・ボーンが指摘しているように,若い人々がこうしたものに引かれることにはより深い理由があります。ボーンは,自著,「わたしたちの間にいる魔女」と題する本の中でこう語っています。「既成の組織宗教が衰退状態にあり,人々の目にする現象を科学がいつでも説明できるわけではないため,オカルトやそれに関連した分野に対する関心が最近再び高まっている。同じ疑問に対して人々は違った答えを探し求めているのである。若者は生命の神秘の答えを得ることを熱望しており,その願いを充足させるために異教思想に関心を向けている。若者の中には,オカルトの世界のいかがわしい分派集団の,外部とは隔離された状態に引き寄せられ,そうしたものに付き物のありとあらゆる危険に身をさらす者が出ないとも限らない」。
科学も諸教会も超自然現象に対して満足のゆく説明を与えて来なかったのです。また,人生の意義を求める多くの人々を満たされぬままの状態に放置して来ました。しかし,疑問は答えを必要とします。その答えを得る一つの明らかな手段はオカルトを研究することであると考える若者が今日多くなっているのです。しかし,その際,『そうしたものに付き物の危険』は意識的に軽視されるか無視されています。
死と超自然現象
愛する人を亡くした後の一時期は特にストレスの高じる時です。悲嘆に暮れる親族は,正確な知識がないため,あらゆる手段を尽くして故人ともう一度連絡を取ろうと試みることがよくあります。その際最もよく行なわれるのは,霊媒を交えた交霊会です。
著名な政治家の中にもこの種のオカルトのとりこになった人は少なくありません。戦時中カナダの首相を務めたマッケンジー・キングは,オカルトの研究を行なっていたことでよく知られています。キングは,死んだ母親だけでなく,米国のF・D・ルーズベルト大統領を含む故人となった有名な人々からも導きを得ていると主張しました。英国の元首相アーサー・バルフォア(1917年に出されたパレスチナに関する“バルフォア宣言”で有名)も,婚約者が悲劇的な死を遂げた後,生涯のかなりの期間にわたって同様の心霊的な試みを行ないました。
今日,オカルトに対する関心を魅力のある無害な気晴らし程度に考える人が増えています。しかし,いざなわれるままにオカルトに手を出す人は,予想もしないような深刻な問題に巻き込まれることがよくあります。
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人を引き付けるオカルトの力目ざめよ! 1981 | 3月8日
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人を引き付けるオカルトの力
「我々がほとんど知らず,力も及ばない何らかの勢力もしくは影響力が存在することを今日認めないのは愚か者か無知な者だけである」。ピーター・アンダーウッドは自著「オカルトの世界へ」の序文でこう警告しています。
こうした勢力に関心を持つ人は少なくありません。かつてカナダで魔女の会に属していたことのある一人の女性は次のように語りました。「ビクトリアに旅行するたびに少なくとも12人の魔女に会います。その中には著名な実業家も少なくありません。……日中,これらの人々は他の人と区別がつきません」。
英国諸島には現在,魔女として知られている人が6,000人おり,20人に一人がオカルトと積極的なかかわりを持っています。ドイツでは,5万人以上が呪術を行なっています。南アフリカでは秘術が法律によって禁止されていますが,白人のうち4万人から9万人が“魔術”に手を出していると思われます。
オカルトがこれほど盛んなのはなぜでしょうか。
人々を引き付けるもの
「銀行の通帳に書き込めなくなるほどお金を得たいと思いますか。スルタンもうらやむような愛の生活を送りたいですか。敵を打ち砕き,友人に報いを与える至高の力を手に入れたいと思いますか。……秘術はあなたの心の願いをかなえてくれます」。
これは,魔術に関する本の広告の一文ですが,多くの人がオカルトに引き寄せられるそもそもの理由を示しています。そこでは,金銭,性,力が約束されています。愛する故人と交信することや将来を知ることを真剣に願っている人もいます。また,単なる好奇心から手を出す人もいます。
これには成果が伴うと主張する人も少なくありません。英国で写真屋を営むある夫婦は“極めて性的な入会儀式”の後,悪魔的なグループに加わりましたが,それと共に商売が急に繁盛するようになりました。そのグループを抜けると途端に,営業不振に陥りました。
これほど都合よく事の運ばない場合もあります。アフリカのリベリアで,著名な政治家の息子と他の何人かの人が秘術を使って政治的な権力を得ようと謀りました。若者は大使になりたかったのです。これらの人々は土地の漁師を殺害し,その体の一部をお守りや秘薬としました。しかし,その魔術は助けとはなりませんでした。人々の注目のうちに裁判が行なわれ,犯行に加わった7人は絞首刑になりました。
室内ゲームのもたらす結果
オカルトに単なる好奇心を抱いているだけの人は,ウィジャ盤(コックリさんに似たもの)のような無害とされている物品を使ってみたいという誘惑に駆られることがよくあります。よく知られているこうした盤は無害な室内ゲームとして宣伝され売られています。これが製造業者に多くの富をもたらしたことは明白です。しかし,それは無害でしょうか。害があると考えている人は少なくありません。
カナダのある女性流行歌手は,ウィジャ盤から「わたしたちの側にいらっしゃい」と語り掛けられた後,数回自殺を図りました。アルバータ州に住む孤独な一女性は,カルガリーのナイトクラブに行けば『夢で見た男性』と会えるだろう,と勧められました。その女性は『夢で見た男性』に会うどころか,打ちたたかれ,強姦されてしまいました。一昨年のこと,フロリダ州のマイアミ市で,ウィジャ盤で遊んでいた生徒たちが,自分たちは悪霊にとりつかれていると言いだして,大騒ぎになりました。「学校全体が荒れ狂っていた」と警察官は語りました。生徒たちは壁をけって穴を開け,ドアを引きはがすなど手の付けられない状態でした。教師の話によると,「(ウィジャ盤)の中に霊がいるとわめく少女たちがいました」。
ウィジャ盤の使用を『無害な室内ゲーム』程度に考えてこれに手を出す人には多くの場合,その使用の際に生じるおそれのある事態に対処する心構えができていないことは明らかです。オカルトに引き付けられることにより,確かにある結果が生じます。しかし,それは自分の望んでいるような結果でしょうか。
その予言はどれほど信頼できるか
人生が不確かなものであるため,多くの人は将来を知りたいと願っています。オカルトは将来に対するそうした知識を与えることを約束しています。
それが的中するように思えることがあります。ノースカロライナ州のある魔女は,近所の女性がある定められた日に死ぬことを予言しました。その隣人は予告されていたその日に死にました。酒と薬を飲み過ぎたのです。
有名な星占い師ジーン・ディクソンは,1963年にテキサス州のダラスでケネディ大統領が死ぬことを自分が予言していたと主張しています。しかしこの女星占い師は,1966年にベトナム戦争が終了するという自分の予言については多くを語りません。ディクソンに関する記録を全般的に調査した科学者の一グループは,ディクソンの予言が情報に基づく普通の人の予測と比べて正確であるとは言い難いとの結論に達しました。
実際に,将来のことを見通せるのでしょうか。それとも秘術を行なう人は,予言を的中させることもそうでないこともある霊の勢力と結び付いているにすぎないのでしょうか。
愛する故人か
愛する故人と交信しようとしてオカルトに関心を向けるようになる人は少なくありません。ノースカロライナ州の前述の魔女は,死んだ義理の息子と交信を望んで交霊会に集まった隣人の家族にあの予言を語りました。その結果は悲劇的なものでした。
“死んだ親族”が霊媒を通して語り掛け,自分が当人であることを示す納得のゆく証拠を挙げるように思えることもありますが,交信相手の霊者は多くの場合,復しゅう心を抱いていたり気まぐれな性格であったりすることを示します。ウィジャ盤を使った一研究者は,交信相手の性格に「極めて特徴あるサディスト的精神異常」が認められると断定しました。生前,愛を示してくれていた親族が,死ぬと残忍になるのはなぜでしょうか。愛する故人であると主張する霊たちは欺きを働いているのではないでしょうか。
カナダ人の一夫婦はあるオカルトのグループと関係を持つようになりましたが,自分たちの人格が変化したことと会員の間の悪行に恐れをなして結局そこから逃げ出しました。「秘術を遊び程度に考えてこれに手を出す人は,ダイナマイトをもてあそぶようなものです」と二人は語りました。
オカルトに手を出す人は,たとえ以前に疑いを抱いてはいても,超人間的な勢力が働いていることに確信を持つようになります。しかし,オカルトにかかわりを持つようになった人の中には,自分が邪悪なクモの巣のわなに掛かってしまったと感じる人が少なくありません。
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オカルトの力から逃れる目ざめよ! 1981 | 3月8日
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オカルトの力から逃れる
オカルトに手を出した人の多くが今や,自分たちは超人間的な勢力の支配下に置かれていると感じています。それが何であるかは定かでないのですが,とにかくそこから逃れることを切望しています。そうした勢力の下から逃れることは可能でしょうか。
どうにかして由由の身になろうと懸命に努力するにつれ,幾つかの深刻な問題に直面することでしょう。霊の領域からの声に脅される人もいます。オカルトの術を行なっている人の反対に遭うこともあります。
幾世紀も昔のこと,キプロス島に秘術を行なうバルイエスという名のユダヤ人がいました。この者はエルマという名でも知られる呪術師でした。エルマという名は,元来,バビロン的呪術を行なうペルシャの祭司の称号をギリシャ語にしたものです。バルイエスはパフォスにいるローマの執政官代理の宮廷魔術師および相談役の地位にあったものと思われます。使徒 13章6-12節で聖書の述べるところによると,使徒パウロがその地にやって来て,執政官代理にキリスト教の原則を説いた時,エルマは占いを行なう宗派の“祭司”としての有力な地位を失うまいと激しく反対しました。しかし,執政官代理は,パウロの伝えた真の神「エホバの教え」を受け入れ,その邪悪な影響力から解放されました。
この20世紀においても幾万もの人々が,聖書の中にあり,エホバの証人の教える「エホバの教え」を心の中に取り入れて,オカルトの力から自由にされてきました。そうした人々が学んだ事柄の一つに秘術の背後にある超人間的な霊の勢力の正体があります。それは善良な霊どころか邪悪な霊たち,悪霊たちです。ご自身も目に見えない領域から来られたイエス・キリストは,悪霊たちの存在を知っておられ,悪霊たちについて語られました。(ルカ 4:33-35; 10:18-20; 13:16)その支配から逃れるには,悪霊たちよりも強大な力の源,すなわち神ご自身からの助けを得なければなりません。これは,聖書から真理を学び,それを自分の生活に適用しエホバ神に全幅の信頼を置いて初めて可能になります。
この点に関する最近の体験談を幾つか考えてみましょう。それらの人々がどのようにオカルトにかかわりを持つようになったのか,どんな行ないによってオカルトの力の影響下に入るようになったのかに注目してください。また,それが人々の生活にどんな影響を及ぼしたか,どのようにそれから首尾よく逃れることができたかにも注意を向けてください。
秘術の大祭司は自由を求める
英国に住むゴードンは魔女でした。(人々は男性であるゴードンを“魔術師”と呼ばず,“魔女”と呼んだ。)次に記すのはゴードンの経験です。
「オカルトとの結び付きは,心霊研究協会に入った時に始まりました。その後何年かにわたり,私は幾百もの交霊会の様子を観察したり,それに参加したりしました。直接談話や物体浮揚,心霊体<エクトプラズム>,幻姿[オカルトの力によって物体の姿が現われること]などほとんどすべての心霊現象を目撃しました。同時に,占いや透視,探魂術[対象物に触ることにより人物や物体に関係のある事実を見抜く術]を行なう力が自分に備わっていることを知りました。
「秘術の能力を一層身に着けるため,私は仏教徒の集まりの会員になって超越的瞑想を始めました。じきに,東洋哲学はオカルトの根本を知る自然の踏み石であることが分かりました。新しい仲間である老練なカバラ研究家から,数多くの魅惑的な事柄を教えてもらいました。興味をそそる神秘の世界が目の前に大きく広がりました。私は文献を読みあさり,深く研究をしました。
「秘術の儀式や超越的魔術に対する私の理解が深まるにつれ,国中に友人の輪が広がりました。私はタローカードを判読したりカバラaに注釈を加えたりする面で熟達してゆきました。しだいに高度の秘術を伝授され,やがて私は魔女の会の大祭司となりました。そして,妻を含む多くの人に秘術を教えました。妻は女大祭司となりました。
「しかし,私個人にとっても,また魔術の面でも物事はうまくゆきませんでした。私の会の中では互いにねたみを抱いたり口論したりすることがよくありました。会同士も互いに対抗心を燃やし,別のグループに魔術をかけることさえありました。さらに悪いことに,やがて(秘術には付き物の)性的に不潔な事柄の影響を受け,私たちの結婚は悲しい破綻を迎えました。b 私は『軽い』麻薬を使うようになり,しだいに不幸と幻滅のふちに沈んでゆきました。
「このような時に,たまたま知り合った人が,私が秘術に関係していることを知り,「『大いなるバビロンは倒れた』神の王国は支配する!」と題する本をくれました。本の題を見てすぐに興味を覚えました。古代バビロンがあらゆる『神秘宗教』の宝庫であったこと,また『大いなるバビロン』について述べている聖書の啓示の書には数多くの神秘的な事柄が記されていることをよく知っていました。この本を熱心にまた注意深く読みました。私の頭の中はまだ混乱していましたが,これによってオカルトの陰湿な影響力からの自由を得る明確な第一歩を踏み出したことになりました。
「時がたつうちに,事態は一層悪くなってゆきました。必死だった私は,ある晩,友人がくれた『バビロン』の本に書かれてあった,『助けが必要な方はエホバの証人と連絡をお取りください』という一文を思い起こしました。電話帳を繰って,一番近くに住むエホバの証人に電話をかけました。夜遅かったにもかかわらず,受話器の向こうの人は私の話に注意深く耳を傾けてくれました。1時間もしないうちに,その人は私の家の戸口に立っていました。
「新しい友人である土地の会衆の長老は,私の話した事柄を真剣に気遣ってくれました。私はその友人を魔術を行なう部屋に案内しました。友人が周囲を見てひどく驚いている様子を今でも思い浮かべることができます。部屋中にオカルトと関係のある絵画が置かれていました。入会の儀式に用いる二振りの刀,呪文を唱える時に用いる数珠,それに香炉が,アルサムの短剣と共に飾られていました。この短剣は,霊の勢力を呼び寄せて人間と接触させる時に,魔女が円や星型五角形を描くのに用いるものです。イシス(『魔術の女王』)をかたどった実物大の黒い頭部の像が,アモン・ラー(エジプトの『神々の王』)の明るいオレンジ色の彫像や小帆船の模型と並んで置かれていました。この帆船は,死者の海を渡って魂を運ぶことの象徴と考えられていました。私たち二人はその部屋の中で明け方まで話し合いました。私は大いに助けを必要としていました。
「かねてから敬意を抱きながらも,その内容はほとんど知らなかった1冊の書物,聖書を中心に話し合いは進められました。系統だった聖書研究を行なう手引きとして,「とこしえの命に導く真理」と題する小さな書籍を用いました。その後何週間かの間に,私は悪と悪霊たち,および人間の思考を支配し動かすその力に関する単純明快な真理を学びました。
「申命記 18章10-12節(新)の次の言葉を初めて読んだ時ひどく動揺させられたのを覚えています。『あなたのうちに,自分の息子あるいは娘に火の中を通らせる者,占いを用いる者,魔術を行なう者や,吉凶の徴を求める者,呪術者,あるいは,まじないで他の人を縛る者,霊媒に相談する者,物事の専門的な予告者,死人に問う者がいるべきではありません。これらのことを行なう者は皆,エホバにとって忌み嫌うべきもの(だ)からです』。
「聖書の中にこのような言葉があるなどとは思ってもみませんでした。これは大きな衝撃でした。事実,自分が行なって来た事柄に大きな罪の意識を感じ,良心が悩まされるようになりました。一方,その結果,真理の輪郭が一層鮮明になっていき,私はそのことを感謝しました。
「後に,初期クリスチャンも悪霊崇拝や魔術の問題と真剣に取り組んだことを読んで驚かされました。火が滅びの象徴であることはかねてから知っていたので,クリスチャンになったエフェソスの人々が持っていた魔術の本を火に燃やすという行動を自ら進んで取ったことを読んだとき,c 自分も同様の行動を取る必要があると思いました。そこで,一晩祈った後,荒れ地に行って,本や絵画を一つ残らず燃やしてしまいました。秘術を行なう際に用いた多くの金属の付属物も,高価な物でしたが,同じように壊して捨ててしまいました。
「徐々にではありましたが確実に,私は悪霊の影響力から解き放されてゆきました。それは簡単なことではありませんでした。魔女たちをはじめかつての友人たちはあらゆる手を尽くして私を思いとどまらせようとしました。しかし,新たに見いだしたこの自由は私にとって宝のように価値があり,妥協して捨てることなどできませんでした。邪悪な勢力は強力ですが,やがて,善を行なう勢力の方がより強力であることが分かるようになりました。真理と光の神エホバに仕えながら今享受している幸せや安全に対して,私には感謝すべき大きないわれがあります。―コリント第二 4:3-6」。
ストーンヘンジにおけるUFO探し
近年,未確認飛行物体(UFO)を目撃したという報告がかなり多くなっています。こうした経験の多くが,雲の影や気象観測用の気球,航空機などを見誤るとか単なる想像にすぎないといった,ごくありきたりの事柄であるのは明白です。一方,英国国教会のノリッジの主教は,ロンドンの議会の上院でUFOについて次のように語り,真面目な懸念を表明しました。「私は,[目撃者]がひどく取り乱し,霊につかれたような様相を示すことさえある例を数多く知っている。その多くは疑いなく悪いものである」。
ソールズベリー平原にあるストーンヘンジは,英国諸島に900以上もある環状の土盛り,および環状列石の中でも最古のものと考えられています。d UFOを見ようとして,人々はよくここに集まって来ます。
ロバートという名の青年はそこに定期的に出掛けて行って“UFO探し”をし,数多くの不可解な現象を目にしました。ロバートは,その真相を突き止めようとして,これに関係のある書物を読みあさり,結果としてオカルトに深入りするようになりました。ロバートは自分の経験をさらにこう語っています。「私は人が変わってしまい,自分は預言者で特別の仕事を行なうよう割り当てられていると考えるようになりました。異常な力を身に着け,何日も続けて飲食を断ち,睡眠を取らずに過ごせました。両開きのカーテンを,見つめるだけで開けることさえできました。ある時など,土地の警察署に連行され,警察の精神科医の調べを受けました。その医師は私が麻薬を使用していると考えたのです。しかし,その医師は何の助けにもなりませんでした。私はとうとう精神病院に入れられました。病院から出された時には,ひどく気落ちしており,体の内から聞こえる声に駆り立てられるままに,自殺を図りました。
「それでも心の奥底では命を愛しており,自分を束縛している邪悪な力から自由になりたいと望んでいました。そのような時に,幼いころ母がエホバの証人と聖書の討議を行ない,自分もその場に座らされていたことを思い出しました。そこで,その時会ったエホバの証人と連絡を取ることにしました。連絡が取れるとすぐに,『とこしえの命に導く真理』と題する本の『邪悪な霊者が存在しますか』という章を用いて聖書の研究が始まりました。この討議を通して聖書が正しく教えられた結果,私は真理を確信し,心から願っていた自由を得られるようになりました」。
“エクソシスト”
何年か前に,映画“エクソシスト”が封切られて以来,それを見た多くの人に悪い影響の臨んだことが多数報告されています。モーリーンは無神論者でした。その映画のことが余りにも話題に上るので,友人と見に行くことにしましたが,それによって劇的な事態が生じました。
「これまで目にしたこともない恐ろしい映画でした。身の毛のよだつのを覚えました。自分の身に何かが生じつつあるのが感じ取れました。体中の震えが止まらず,やっとの思いで座席を立ち,映画館を出ました。しかし,これは問題のほんの始まりにすぎませんでした。
「家に帰った時には,泣き出さんばかりでした。主人は,初めからそんな映画を見に行くなと言っていたので,慰めてはくれませんでした。主人の言うとおりでした。映画の場面が夢になって現われ,その晩は眠ることができませんでした。
「その後何週間かの間に事態は一層悪化していきました。床に就くのが恐ろしく,床に入っても冷や汗を流して目を覚ますという有様でした。どこに行っても何かに付きまとわれているように感じられ,家の中に何かいることが分かりました。気が狂ってしまうように思われました。
「こうした邪悪な勢力がいるのであれば,良い勢力も存在するに違いないことを思い付き,お守りとして身に着ける十字架を探しました。同じ目的で,聖クリストファーのメダルも買い求めました。神がいるなら助けてくださるはずだと考え,毎晩それを手に祈りました。しかし,事態は一向に改善されず,実際悪くなる一方のように思えました。
「ある日,友人に自分の問題を打ち明けたところ,その友人は私の助けになるかもしれない本を持っていると言いました。友人もエホバの証人からそれをもらったのでした。それは『とこしえの命に導く真理』と題する本でした。さっそくその本を開き,まず邪悪な霊者に関する章を,次に『神とはだれですか』と題する章を読みました。
「その本を読んでいた時に,サタンに対するイエスの次の言葉が目に留まりました。『サタンよ,離れ去れ!「あなたの神エホバをあなたは崇拝しなければならず,彼だけに神聖な奉仕をささげなければならない」と書いてあるのです』。その時,悪魔はイエスを離れたと記されていました。e この本をさらに読み進み,自分も同じようにしようと考えました。初めはこの言葉を心の中で繰り返していましたが,後になると勇気を奮い起こして声に出して言うようになりました。このようにして初めて,眠れるようになりました。
「その後,友人と会った時,その本が役に立ったかどうか尋ねられ,知識をさらに得たければエホバの証人と連絡を取るように言われました。
「近くにエホバの証人の家族が住んでいることを知っていました。その家族と一緒に聖書研究をするよう勧められた時,すぐさまその機会をとらえました。以前の無知の状態から聖書の知識を身に着けるにつれ,少しずつ事態が良くなってゆきました。しかし,完全な由由を享受するようになったのは,異教の宗教的な物品やお守りをすべて最終的に処分してからのことでした」。
何らかの形のオカルトの力から解放されたいと望んでおられますか。そうであれば,エホバの証人と連絡をお取りください。エホバの証人は悪魔払いを行なうまじない師ではありませんが,エホバ神ご自身の助けを受けるために何を行なう必要があるかについて聖書の述べている事柄を知っています。―ヤコブ 4:7,8。
[脚注]
a カバラとは,基本的にはヘブライ語聖書の秘教的解釈のことです。聖書中の文字を様々な数値に置き換えるなど,その教えは複雑かつ難解です。オカルトの研究者はその神秘主義的観念を理解しようとして多くの時間を費やしてきましたが,カバラやそれに関するおびただしい解釈をマスターしたと主張できる人はほとんどいません。
b 聖書によると,悪霊となった者たちは,倒錯した性欲を満たすために大洪水前の世界に化肉した人間となって現われた霊者たちのことです。この点は注目に値します。―創世 6:1-4,11; ユダ 6,7をご覧ください。
c 使徒 19章11-20節の記録をお読みください。
d “ヘンジ”と呼ばれるこれらの巨石記念物は,ドルイド教の司祭が,魔術を特徴とし,魂の不滅や転生を信じる宗教の儀式に関連して用いたものです。
[9ページの図版]
イシス
アモン・ラー
[11ページの図版]
ストーンヘンジ
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仕事をお探しですね目ざめよ! 1981 | 3月8日
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仕事をお探しですね
ブラジルの「目ざめよ!」通信員
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