「神しん聖せいな秘ひ密みつの中なかの神かみの知ち恵え」

1-2. 私わたしたちは聖せい書しょに書かかれているどんな秘ひ密みつに心こころを引ひかれますか。どうしてですか。

秘ひ密みつは人ひとの興きょう味みをそそり，人ひとを悩なやませることもあります。秘ひ密みつを守まもるのは簡かん単たんではありません。しかし聖せい書しょによれば，「神かみの栄えい光こうは物もの事ごとを秘ひ密みつにしておくこと」です。（格かく言げん 25:2）創そう造ぞう者しゃであり主しゅ権けん者しゃであるエホバには，物もの事ごとを人にん間げんに秘ひ密みつにしておく権けん利りがあります。そして，自じ分ぶんが決きめた時ときに秘ひ密みつを明あかします。

² エホバは聖せい書しょの中なかで，私わたしたちの心こころを引ひく1つの秘ひ密みつを明あかしています。それは「[神かみ]の意い志しについての神しん聖せいな秘ひ密みつ」と呼よばれています。（エフェソス 1:9）その秘ひ密みつについて学まなぶと，単たんに好こう奇き心しんが満みたされるだけでなく，どうすれば罪つみと死しから救すくわれるかが分わかります。エホバの計はかり知しれない知ち恵えがいかに素す晴ばらしいかを感かんじることもできます。

3-4. 創そう世せい記き 3章しょう15節せつの預よ言げんが希き望ぼうを与あたえるものだったのはどうしてですか。どんな点てんは謎なぞでしたか。

³ エホバが地ち球きゅうと人にん間げんを造つくった時ときに望のぞんでいたのは，パラダイスで完かん全ぜんな人にん間げんが幸しあわせに暮くらすことでした。しかし，アダムとエバが罪つみを犯おかしたせいで，そのエホバの目もく的てきはくじかれてしまったかのようでした。でも神かみはすぐに手てを打うち，こう言いいました。「私わたしは，あなた[蛇へび]と女おんなの間あいだ，またあなたの子し孫そんと女おんなの子し孫そんの間あいだに敵てき意いを置おく。彼かれはあなたの頭あたまを砕くだき，あなたは彼かれのかかとに傷きずを負おわせる」。（創そう世せい記き 3:15）

⁴ 謎なぞめいた言こと葉ばです。蛇へび，女おんな，蛇へびの頭あたまを砕くだく子し孫そんとは，いったい誰だれのことでしょうか。アダムとエバにはよく分わかりませんでした。でも神かみのこの言こと葉ばは，2人ふたりの子し孫そんのうち神かみに従したがう人ひとたちに希き望ぼうを与あたえるものでした。いずれ悪あくが取とり除のぞかれ，エホバの当とう初しょの意い図と通どおりになることを伝つたえていたからです。とはいえ，どのようにそうなるかは謎なぞでした。聖せい書しょによれば，それは「神しん聖せいな秘ひ密みつの中なかの神かみの知ち恵え，隠かくされた知ち恵え」でした。（コリント第だい一いち 2:7）

 5. エホバが秘ひ密みつを少すこしずつ明あかすことにしたのはどうしてですか。

⁵ 「秘ひ密みつを明あきらかにされる神かみ」であるエホバは，この秘ひ密みつについても人にん間げんが理り解かいできるようにしました。（ダニエル 2:28）とはいえ，少すこしずつ明あかすことにしました。愛あい情じょう深ぶかい父ちち親おやが幼おさない子こ供どもを教おしえるのに似にています。幼おさない子こ供どもから「赤あかちゃんってどこから来くるの？」と聞きかれたら，賢かしこい父ちち親おやはその子こが理り解かいできる程てい度どのことだけを伝つたえます。そして子こ供どもが大おおきくなるにつれて，もっと多おおくのことを教おしえていきます。同おなじようにエホバも，一いち番ばんいいタイミングを見み計はからって自じ分ぶんの考かんがえを人にん間げんに伝つたえます。（格かく言げん 4:18。ダニエル 12:4）

 6. （ア）契けい約やくを結むすぶことにはどんなメリットがありますか。（イ）エホバが人にん間げんと契けい約やくを結むすんだのはどうしてですか。

⁶ エホバはどのように自じ分ぶんの考かんがえを伝つたえていったのでしょうか。一いち連れんの契けい約やくによって，少すこしずつ秘ひ密みつを明あかしていきました。あなたも，車くるまなどを買かったり，家いえを借かりたりするために，契けい約やくを結むすんだことがあるかもしれません。そうした契けい約やくにより，同どう意いした内ない容ようが守まもられるということが保ほ証しょうされます。でも，どうしてエホバが人にん間げんとわざわざ契けい約やくを結むすぶのでしょうか。エホバが約やく束そくを守まもると言いえば，それで十じゅう分ぶん保ほ証しょうになるのではないでしょうか。確たしかにそうですが，それでもエホバは幾いくつかの契けい約やくを結むすぶことにより，自じ分ぶんが必かならず約やく束そくを果はたすことを一いっ層そうはっきりと示しめしました。そのようにして，エホバは親しん切せつにも，約やく束そく通どおりになることを不ふ完かん全ぜんな人にん間げんが確かく信しんしやすいようにしてくれました。（ヘブライ 6:16-18）

7-8. （ア）エホバはアブラハムとどんな契けい約やくを結むすびましたか。それにより神しん聖せいな秘ひ密みつについてどんなことが明あかされましたか。（イ）エホバは約やく束そくの子し孫そんがどの家か系けいに生うまれるかを，どのように少すこしずつ明あきらかにしましたか。

⁷ 人にん間げんが楽らく園えんを追おい出だされてから2000年ねん以い上じょう後のちに，エホバは忠ちゅう実じつなアブラハムにこう言いいました。「あなたの子し孫そんを必かならず，天てんの星ほし……のように多おおくしよう。……あなたの子し孫そんによって地ち上じょうの全すべての国こく民みんが祝しゅく福ふくを受うける。あなたが私わたしの言いったことに従したがったからである」。（創そう世せい記き 22:17，18）エホバは単たんに約やく束そくをしただけでなく，アブラハムと契けい約やくを結むすび，必かならずその通とおりになると誓ちかうことまでしました。（創そう世せい記き 17:1，2。ヘブライ 6:13-15）主しゅ権けん者しゃである主しゅが，わざわざ契けい約やくを結むすんでまで人にん間げんを祝しゅく福ふくしたいと思おもってくれているのは，本ほん当とうにうれしいことではないでしょうか。

⁸ このアブラハム契けい約やくにより，創そう世せい記き 3章しょう15節せつの「女おんなの子し孫そん」がアブラハムの子し孫そんであることが明あかされました。では，それは誰だれなのでしょうか。やがてエホバは，アブラハムの息子むすこたちのうちイサクの家か系けいにその子し孫そんが生うまれることを明あきらかにしました。そして，イサクの2人ふたりの息子むすこのうちヤコブの家か系けいが選えらばれました。（創そう世せい記き 21:12; 28:13，14）後のちにヤコブは，12人にんの息子むすこの1人ひとりに次つぎの預よ言げんを語かたりました。「王おう笏しゃくはユダから離はなれず，司し令れい官かんのつえも足あしの間あいだから離はなれない。ついにシロ[意い味み，「それが属ぞくする者もの」，脚きゃく注ちゅう]が来きて，あらゆる民たみが彼かれに従したがう」。（創そう世せい記き 49:10）こうして，約やく束そくの子し孫そんがユダの家か系けいに生うまれ，王おうになることが分わかりました。

9-10. （ア）エホバはイスラエル国こく民みんとどんな契けい約やくを結むすびましたか。それによって神かみの民たみはどのように守まもられましたか。（イ）人じん類るいが贖あがないを必ひつ要ようとしていることが，律りっ法ぽうによってどのように明あきらかになりましたか。

⁹ 紀き元げん前ぜん1513年ねん，エホバは神しん聖せいな秘ひ密みつについてさらに多おおくのことを明あきらかにしました。アブラハムの子し孫そんであるイスラエル国こく民みんと契けい約やくを結むすぶことによってです。そのモーセの律りっ法ぽう契けい約やくは，今いまではもう無む効こうになっていますが，エホバの意い図と通どおり約やく束そくの子し孫そんが生うまれるために重じゅう要ような役やく割わりを果はたしました。どうしてそう言いえるか，3つの点てんを考かんがえてみましょう。1つ目めの点てんとして，律りっ法ぽうはいわば壁かべのように神かみの民たみを守まもりました。（エフェソス 2:14）エホバの正ただしい法ほう令れいを守まもったユダヤ人じんは異い国こく人じんから離はなれていたので，約やく束そくの子し孫そんを生うみ出だす血ち筋すじが守まもられました。そのおかげもあって，イスラエル国こく民みんは存そん続ぞくし続つづけ，神かみが定さだめた時ときにユダ族ぞくにメシアが生うまれることになりました。

¹⁰ 2つ目めの点てんとして，律りっ法ぽうは人じん類るいが贖あがないを必ひつ要ようとしていることをはっきり示しめしました。罪つみ深ぶかい人にん間げんには，その完かん全ぜんな律りっ法ぽうを全すべて守まもり通とおすことはできませんでした。それで律りっ法ぽうは，「約やく束そくを与あたえられた子し孫そんが来くる時ときまで」の間あいだ，人ひと々びとの「違い犯はんを明あきらかに」するものとなりました。（ガラテア 3:19）律りっ法ぽうの下もとでは，罪つみを許ゆるしてもらうために動どう物ぶつを犠ぎ牲せいとして捧ささげることになっていました。しかし，パウロが書かいたように，「雄お牛うしやヤギの血ちは罪つみを取とり去さることができない」ので，罪つみを完かん全ぜんに許ゆるしてもらうには完かん全ぜんな犠ぎ牲せいが必ひつ要ようでした。キリストの贖あがないの犠ぎ牲せいが必ひつ要ようだったのです。（ヘブライ 10:1-4）律りっ法ぽう契けい約やくはそのことを忠ちゅう実じつなユダヤ人じんに示しめし，「キリストに導みちびく保ほ護ご者しゃ」となりました。（ガラテア 3:24）

11. 律りっ法ぽう契けい約やくはイスラエル国こく民みんにどんな素す晴ばらしい希き望ぼうを与あたえましたか。イスラエルは全ぜん体たいとしてはどうなりましたか。

¹¹ 3つ目めの点てんとして，律りっ法ぽう契けい約やくはイスラエル国こく民みんに素す晴ばらしい希き望ぼうを与あたえました。エホバによると，イスラエル国こく民みんは契けい約やくを守まもるなら，「祭さい司したちが治おさめる王おう国こく，聖せいなる国こく民みん」になれました。（出しゅつエジプト記き 19:5，6）その言こと葉ば通どおり，天てんの王おう国こくで治おさめる祭さい司しとして最さい初しょに選えらばれたのはイスラエル人じんたちでした。しかし，イスラエルは全ぜん体たいとしては律りっ法ぽう契けい約やくに背そむき，約やく束そくのメシアを受うけ入いれなかったので，聖せいなる国こく民みんになることができなくなりました。では，ほかに誰だれが祭さい司しとして選えらばれるのでしょうか。その人ひとたちは約やく束そくの子し孫そんとどんな関かん係けいがあるのでしょうか。神しん聖せいな秘ひ密みつのこうした面めんは，神かみが定さだめた時ときに明あきらかにされることになっていました。

12. エホバはダビデとどんな契けい約やくを結むすびましたか。その契けい約やくにより，神かみの神しん聖せいな秘ひ密みつについてどんなことが分わかりましたか。

¹² 紀き元げん前ぜん11世せい紀き，エホバはもう1つ契けい約やくを結むすび，神しん聖せいな秘ひ密みつについてさらに明あかしました。忠ちゅう実じつなダビデ王おうにこう約やく束そくしたのです。「私わたしはあなたの子し孫そん……を立たて，その人ひとの王おう国こくを確かく立りつする。……私わたしは彼かれの王おう国こくの王おう座ざが永えい遠えんに揺ゆるがないようにする」。（サムエル第だい二に 7:12，13。詩し編へん 89:3）これで約やく束そくの子し孫そんがダビデの家か系けいに生うまれると分わかりました。しかし，普ふ通つうの人にん間げんが永えい遠えんに治おさめることなどできるでしょうか。（詩し編へん 89:20，29，34-36）また，人じん類るいを罪つみと死しから救すくえるでしょうか。

13-14. （ア）詩し編へん 110編ぺんの言こと葉ばから，エホバが選えらんだ王おうについてどんなことが分わかりますか。（イ）エホバの預よ言げん者しゃたちにより，約やく束そくの子し孫そんについてさらにどんなことが明あきらかにされましたか。

¹³ ダビデは聖せいなる力ちからに導みちびかれてこう書かきました。「エホバは私わたしの主しゅに告つげた。『私わたしの右みぎに座すわっていなさい。私わたしがあなたの敵てきたちをあなたの足あし台だいとして置おくまで』。エホバは誓ちかった。考かんがえを変かえることはない。『あなたは永えい遠えんに祭さい司し。メルキゼデクのような祭さい司し』」。（詩し編へん 110:1，4）ダビデがここで言いっていたのは，約やく束そくの子し孫そんであるメシアのことでした。（使し徒と 2:35，36）その王おうは，エルサレムからではなく，エホバの「右みぎ」で天てんから治おさめます。イスラエルだけでなく地ち球きゅう全ぜん体たいを治おさめる権けん威いを与あたえられるのです。（詩し編へん 2:6-8）さらに，エホバはメシアが「メルキゼデクのような祭さい司し」になると誓ちかっています。このことから，アブラハムの時じ代だいに王おうであり祭さい司しでもあったメルキゼデクのように，約やく束そくの子し孫そんも神かみから任にん命めいされて王おうおよび祭さい司しになることが分わかります。（創そう世せい記き 14:17-20）

¹⁴ その後ごも預よ言げん者しゃたちにより，エホバの神しん聖せいな秘ひ密みつがさらに明あかされていきました。例たとえばイザヤは，約やく束そくの子し孫そんが自じ分ぶんの命いのちを犠ぎ牲せいとして捧ささげることを明あきらかにしました。（イザヤ 53:3-12）ミカは，メシアがどこで生うまれるかを予よ告こくしました。（ミカ 5:2）ダニエルは，メシアがいつ現あらわれ，いつ死しぬかを具ぐ体たい的てきに預よ言げんしました。（ダニエル 9:24-27）

15-16. （ア）エホバの子こはどのようにして「女じょ性せいから生うまれ」ましたか。（イ）イエスは人にん間げんの両りょう親しんから何なにを受うけ継つぎましたか。いつ約やく束そくの子し孫そんとして現あらわれましたか。

¹⁵ メシアについてのいろいろな預よ言げんがどのように実じつ現げんするかは，約やく束そくの子し孫そんが実じっ際さいに現あらわれるまでは謎なぞのままでした。ガラテア 4章しょう4節せつに書かかれている通とおり，「時ときが満みちると，神かみはご自じ分ぶんの子こを遣つかわしました。その方かたは女じょ性せいから生うまれ……ました」。それは紀き元げん前ぜん2年ねんのことで，その年としに天てん使しがユダヤ人じんの処しょ女じょマリアにこう告つげました。「あなたは妊にん娠しんして男おとこの子こを産うみます。イエスと名な付づけなさい。その子こは偉い大だいな者ものとなり，至し高こう者しゃの子こと呼よばれます。エホバ神かみは父ちちダビデの王おう座ざを彼かれに与あたえ[ます。] 聖せいなる力ちからがあなたに働はたらき，至し高こう者しゃの力ちからがあなたを覆おおいます。それで，生うまれる子こは聖せいなる者もの，神かみの子こと呼よばれます」。（ルカ 1:31，32，35）

¹⁶ その後ご，エホバは自じ分ぶんの子この命いのちを天てんからマリアの胎たい内ないに移うつし，その子こが女じょ性せいから生うまれるようにしました。マリアは完かん全ぜんな人にん間げんではありませんでしたが，イエスがマリアから不ふ完かん全ぜんさを受うけ継つぐことはありませんでした。「神かみの子こ」だったからです。また，イエスの人にん間げんの両りょう親しんはどちらもダビデの子し孫そんだったので，イエスにはダビデの王おう権けんを受うけ継つぐ権けん利りがありました。（使し徒と 13:22，23）西せい暦れき29年ねんにイエスがバプテスマを受うけた時とき，エホバはイエスに聖せいなる力ちからを注そそいで王おうおよび大だい祭さい司しに任にん命めいし，「これは私わたしの愛あいする子こ」と言いいました。（マタイ 3:16，17）約やく束そくの子し孫そんがついに現あらわれたのです。（ガラテア 3:16）神しん聖せいな秘ひ密みつについてさらに多おおくのことを明あきらかにする時ときが来きました。（テモテ第だい二に 1:10）

17. 創そう世せい記き 3章しょう15節せつについてさらにどんなことが分わかりましたか。

¹⁷ イエスは地ち上じょうで伝でん道どうした間あいだに，創そう世せい記き 3章しょう15節せつに出でてくる「蛇へび」とはサタンのことで，蛇へびの「子し孫そん」とはサタンに従したがう人ひと々びとのことだと教おしえました。（マタイ 23:33。ヨハネ 8:44）後のちに，サタンや子し孫そんがどのように砕くだかれて永えい久きゅうに滅ほろびることになるかも明あきらかになりました。（啓けい示じ 20:1-3，10，15）そして，「女おんな」が神かみの妻つまとも言いえる「上うえにあるエルサレム」であることも分わかりました。それはエホバの組そ織しきの天てんにある部ぶ分ぶんのことで，天てん使したちで構こう成せいされています。a （ガラテア 4:26。啓けい示じ 12:1-6）

18. 「新あたらしい契けい約やく」は何なんのために結むすばれましたか。

¹⁸ 神しん聖せいな秘ひ密みつについて最もっとも意い外がいな事じ実じつが明あきらかになったのは，イエスが亡なくなる前まえの晩ばんのことでした。その時ときイエスは忠ちゅう実じつな弟で子したちに，「新あたらしい契けい約やく」について話はなしました。（ルカ 22:20）それまでのモーセの律りっ法ぽう契けい約やくと同おなじように，この新あたらしい契けい約やくも「祭さい司したちが治おさめる王おう国こく」を生うみ出だすためのものでした。（出しゅつエジプト記き 19:6。ペテロ第だい一いち 2:9）しかし，この契けい約やくによって生うみ出だされるのは文も字じ通どおりの国こく民みんではなく，「神かみのイスラエル」と呼よばれる比ひ喩ゆ的てきな国こく民みんです。それは天てんに行いくよう選えらばれた忠ちゅう実じつなクリスチャンたちのことです。（ガラテア 6:16）新あたらしい契けい約やくの当とう事じ者しゃであるその人ひとたちは，将しょう来らいイエスと共ともに，地ち上じょうにいる人ひとたちが神かみから祝しゅく福ふくを受うけられるようにします。

19. （ア）不ふ完かん全ぜんな人にん間げんが「祭さい司したちが治おさめる王おう国こく」の一いち員いんになれるのはどうしてですか。（イ）聖せいなる力ちからによって選えらばれたクリスチャンが「新あたらしい創そう造ぞう物ぶつ」と呼よばれているのはどうしてですか。どれほどの人ひとたちがイエスと共ともに天てんから治おさめることになりますか。

¹⁹ では，不ふ完かん全ぜんな人にん間げんが，やがて人じん類るいに祝しゅく福ふくをもたらす「祭さい司したちが治おさめる王おう国こく」の一いち員いんになれるのはどうしてでしょうか。新あたらしい契けい約やくが，キリストの弟で子したちを断だん罪ざいするものではなく，イエスの犠ぎ牲せいに基もとづいて罪つみが許ゆるされるようにするものだからです。（エレミヤ 31:31-34）弟で子したちはエホバから清きよい者ものと認みとめられると，聖せいなる力ちからを注そそがれ，エホバの天てんの家か族ぞくの養よう子しとして選えらばれます。（ローマ 8:15-17。コリント第だい二に 1:21）そのようにして「新あらたに誕たん生じょう」し，「天てんに取とっておかれて」いる財ざい産さんを得えるという「生いきた希き望ぼうを与あたえ」られます。（ペテロ第だい一いち 1:3，4）人にん間げんにとって全まったく新あたらしい立たち場ばに変かわるので，聖せいなる力ちからによって選えらばれたクリスチャンは「新あたらしい創そう造ぞう物ぶつ」と呼よばれています。（コリント第だい二に 5:17）聖せい書しょによると，14万まん4000人にんがイエスと共ともに天てんから地ち上じょうの人ひと々びとを治おさめることになります。（啓けい示じ 5:9，10; 14:1-4）

20. （ア）西せい暦れき36年ねんに，神しん聖せいな秘ひ密みつについてさらにどんなことが明あきらかにされましたか。（イ）どんな人ひとたちが，アブラハムに約やく束そくされた祝しゅく福ふくを味あじわうことになりますか。

²⁰ イエスに加くわえ，聖せいなる力ちからによって選えらばれたクリスチャンも「アブラハムの子し孫そん」ということになります。b （ガラテア 3:29）最さい初しょに選えらばれたのはユダヤ人じんのクリスチャンでした。しかし西せい暦れき36年ねんに，神しん聖せいな秘ひ密みつについてさらに新あたらしいことが明あきらかにされました。ユダヤ人じんではない人ひとたちにも天てんに行いく希き望ぼうが与あたえられるということです。（ローマ 9:6-8; 11:25，26。エフェソス 3:5，6）では，アブラハムに約やく束そくされた祝しゅく福ふくを味あじわえるのは，聖せいなる力ちからによって選えらばれたクリスチャンだけなのでしょうか。そうではありません。イエスの犠ぎ牲せいは全ぜん人じん類るいのためのものだからです。（ヨハネ第だい一いち 2:2）エホバは後のちに，数かぞえ切きれない「大だい群ぐん衆しゅう」がサタンの体たい制せいの滅ほろびを生いき残のこることも明あきらかにしました。（啓けい示じ 7:9，14）そして，パラダイスで永えい遠えんに生いきる見み込こみがある人ひとたちがさらに大おお勢ぜい生いき返かえらされます。（ルカ 23:43。ヨハネ 5:28，29。啓けい示じ 20:11-15; 21:3，4）

21-22. 神しん聖せいな秘ひ密みつのどんなところに，エホバの知ち恵えが表あらわれていますか。

²¹ 神しん聖せいな秘ひ密みつについて考かんがえると，「極きわめて多た様ような神かみの知ち恵え」の素す晴ばらしさが分わかります。（エフェソス 3:8-10）この秘ひ密みつの内ない容ようをすぐに考かんがえ出だし，徐じょ々じょに明あきらかにしてきたのは，本ほん当とうに知ち恵えのあることです。エホバは人にん間げんが一いち度どに全すべてを理り解かいできないことを考こう慮りょに入いれただけでなく，神かみを信しん頼らいして待まつ態たい度どを示しめす機き会かいも与あたえたのです。（詩し編へん 103:14）

²² イエスを王おうとして選えらんだことにも，エホバの知ち恵えがよく表あらわれています。エホバの子こであるイエスは，ほかのどんな天てん使しや人にん間げんよりも信しん頼らいできます。地ち上じょうで人にん間げんとして生いきていた時とき，いろいろ大たい変へんな経けい験けんをしたので，人にん間げんが抱かかえる問もん題だいをよく分わかってくれます。（ヘブライ 5:7-9）イエスと一いっ緒しょに治おさめる人ひとたちはどうでしょうか。これまで何なん世せい紀きにもわたって，世せ界かい中じゅうからさまざまな生おい立たちの男だん女じょが聖せいなる力ちからによって選えらばれてきました。その人ひとたちはありとあらゆる問もん題だいに直ちょく面めんし，それを乗のり越こえてきました。（エフェソス 4:22-24）そのような人ひとたちが王おうおよび祭さい司しとなって私わたしたちを思おもいやり深ぶかく助たすけてくれるのは，本ほん当とうに心こころ強づよいことです。

23. エホバの神しん聖せいな秘ひ密みつについて，どんなことに感かん謝しゃできますか。どうしていきたいと思おもいますか。

²³ 使し徒とパウロはこう書かきました。「神しん聖せいな秘ひ密みつは隠かくされ，過か去この体たい制せいや過か去この世せ代だいには知しられていませんでした。しかし今いまや，神かみの聖せいなる人ひとたちに啓けい示じされました」。（コロサイ 1:26）確たしかに，エホバに選えらばれた聖せいなる人ひとたちは神しん聖せいな秘ひ密みつについて多おおくのことを理り解かいし，それを大おお勢ぜいの人ひとに知しらせてきました。エホバが私わたしたちに「ご自じ分ぶんの意い志しについての神しん聖せいな秘ひ密みつを知しらせてくださった」ことを考かんがえると，感かん謝しゃの気き持もちでいっぱいになります。（エフェソス 1:9）ぜひともこの秘ひ密みつを他たの人ひとにも知しらせ，エホバの偉い大だいな知ち恵えについて学まなべるように助たすけていきましょう。