砂

モーセはゼブルンとイッサカルの部族を祝福した際，これらの部族が『海の満ちあふれる富と砂の中の隠された蓄えを吸う』と述べました。（申 33:18，19）これは，それらの部族が海と陸の富をもって祝福されることを意味していたのかもしれません。

聖書の中で，「海の砂」は数え切れないほどの多さや非常な豊富さを表わすのに再三用いられています。（創 22:17; 32:12; 41:49; ヨシュ 11:4; 詩 78:27; 139:17，18; エレ 15:8; ヘブ 11:12）しかし，各々の場合に考慮されているのは，天文学的に大きな数ではありません。とはいえ，見る者にとっては，関係している人や物の数があまりに多いので，確かめることができません。例えば，サウル王の時代にイスラエルに向かって来たフィリスティア人の軍勢の一部は，「おびただしさの点で海辺にある砂粒のような民」と描写されています。（サム一 13:5）ヨハネが幻の中で見たように，底知れぬ深みから解放された後のサタンに誤導される者たちの数は，「海の砂のよう」であったと言われています。つまり，その数は非常に大きかったので，ヨハネはどれほど大勢なのかを確認できなかったのです。―啓 20:8。

忠実なヨブは自分のいら立ちの大きさについて説明し，「それは海の砂よりも重い」と言明しました。（ヨブ 6:3）わずか1立方㍍の湿った砂の重さは平均1,900㌔あります。一担ぎの砂は重い荷ですが，愚かな人のいら立ちは，それに耐えねばならない人にとってもっと重い荷です。箴言 27章3節の，「石と砂の荷の重たさ ― しかし，愚かな者によるいら立ちはその両者よりも重い」という言葉にこの点が暗示されています。