今いま，迫はく害がいに備そなえましょう

 1. 迫はく害がいに備そなえる必ひつ要ようがあるのはなぜですか。

イエスは亡なくなる前まえの晩ばん，自じ分ぶんの弟で子しとなる人ひと全ぜん員いんが憎にくまれると言いいました。（ヨハ 17:14）実じっ際さいこれまで，エホバに忠ちゅう実じつに仕つかえるクリスチャンは，真しんの崇すう拝はいに反はん対たいする人ひとたちから迫はく害がいされてきました。（テモ二に 3:12）今いまの体たい制せいの終おわりが近ちかづくにつれて，敵てきの攻こう撃げきはさらに強つよまることでしょう。（マタ 24:9）

2-3. （ア）恐おそれは人ひとにどんな影えい響きょうを与あたえますか。（イ）この記き事じではどんなことを考かんがえますか。

² 迫はく害がいに備そなえて，どんなことができるでしょうか。これからどんな迫はく害がいに遭あうのか，あれこれ想そう像ぞうする必ひつ要ようはありません。恐おそれと不ふ安あんの気き持もちでいっぱいになってしまうからです。実じっ際さいにはまだ迫はく害がいに遭あっていないのに，エホバに仕つかえるのをやめてしまうかもしれません。（箴しん 12:25; 17:22）恐おそれは「敵てき対たい者しゃである悪あく魔ま」が使つかう強きょう力りょくな武ぶ器きです。（ペテ一いち 5:8，9）では，敵てきの攻こう撃げきに負まけないために何なにができるでしょうか。

³ この記き事じでは，どうすればエホバとの絆きずなを強つよめられるか，今いまそうすることが必ひつ要ようなのはなぜかを考かんがえます。勇ゆう気きを奮ふるい起おこすためにできる事こと柄がらも取とり上あげます。人ひとに反はん対たいされ憎にくまれる時とき，何なにができるかも学まなびます。

 4. ヘブライ 13章しょう5，6節せつにあるように，わたしたちはどんなことを固かたく信しんじるべきですか。なぜですか。

⁴ エホバはわたしたちを愛あいしておられ，決けっして見み捨すてたりはされない，と固かたく信しんじる。（ヘブライ 13:5，6を読よむ。）過か去この「ものみの塔とう」の記き事じには，こう述のべられています。「神かみをよく知しっている人ひとは，試し練れんに遭あう時ときにも神かみに全まったく頼たよります」。本ほん当とうにそのとおりです。迫はく害がいに遭あっても忠ちゅう実じつを保たもつには，エホバを愛あいし，エホバに全まったく頼たよることが必ひつ要ようです。エホバがわたしたちに愛あい情じょうを抱いだいておられることを疑うたがうべきではありません。（マタ 22:36-38。ヤコ 5:11）

 5. エホバの愛あいを感かんじ取とるために，どんなことができますか。

⁵ エホバと親したしくなることを目もく標ひょうにして，聖せい書しょを毎まい日にち読よむ。（ヤコ 4:8）聖せい書しょを読よむ際さい，エホバの優やさしさに注ちゅう目もくしましょう。エホバの言こと葉ばや行こう動どうに表あらわれている愛あいや愛あい情じょうを感かんじ取とってください。（出しゅつ 34:6）身み近ぢかな人ひとから愛あいされたことがないために，神かみが愛あいしてくださっていることをなかなか信しんじられない人ひともいます。あなたもそうですか。もしそうなら，エホバがどのように憐あわれみと親しん切せつを示しめしてくださったかを，一いち日にちの終おわりに思おもい出だすようにしましょう。（詩し 78:38，39。ロマ 8:32）自じ分ぶんの経けい験けんを思おもい巡めぐらし，聖せい書しょを読よんで熟じゅっ考こうするなら，エホバがしてくださったことをたくさん挙あげられるでしょう。エホバがしてくださったことへの感かん謝しゃが深ふかまれば，エホバとの絆きずなも強つよまります。（詩し 116:1，2）

 6. 心こころから祈いのるとよいのはなぜですか。詩し編へん 94編ぺん17-19節せつには，どんなことが述のべられていますか。

⁶ いつも祈いのる。父ちち親おやの腕うでに抱だかれた男おとこの子このことを想そう像ぞうしてみてください。男おとこの子こは安あん心しんして，その日ひにあったうれしかったことや悲かなしかったことを何なんでも話はなします。わたしたちも，父ちちエホバに毎まい日にち心こころから祈いのるなら，エホバと親したしくなれます。（詩し編へん 94:17-19を読よむ。）祈いのる際さい，「心こころを……水みずのように注そそぎ出だ」してください。恐おそれや不ふ安あんの気き持もちをすべて愛あい情じょう深ぶかい父ちちエホバに伝つたえるのです。（哀あい 2:19）そうすれば，「一いっ切さいの考かんがえに勝まさる神かみの平へい和わ」が与あたえられ，穏おだやかな気き持もちになれます。（フィリ 4:6，7）エホバをいっそう身み近ぢかに感かんじることもできるでしょう。（ロマ 8:38，39）

 7. 王おう国こくに関かんする神かみの約やく束そくを固かたく信しんじるべきなのはなぜですか。

⁷ 神かみの王おう国こくに関かんする約やく束そくが実じつ現げんすることを固かたく信しんじる。（民みん 23:19）神かみの約やく束そくに対たいする信しん仰こうが弱よわまると，サタンとその手て先さきによる脅おどしに簡かん単たんに負まけてしまいます。（箴しん 24:10。ヘブ 2:15）王おう国こくに関かんする神かみの約やく束そくが実じつ現げんするという信しん仰こうを，今いまどのように強つよめられるでしょうか。時じ間かんを取とって，神かみの約やく束そくについて学まなんでください。約やく束そくの実じつ現げんを信しんじられる理り由ゆうも考かんがえましょう。そのような研けん究きゅうをするとよいのはなぜですか。信しん仰こうのゆえに7年ねん間かん服ふく役えきしたスタンレー･ジョーンズ兄きょう弟だいの例れいを考かんがえましょう。b 忠ちゅう実じつを保たもつうえで何なにが役やく立だちましたか。兄きょう弟だいはこう述のべています。「神かみの王おう国こくについてしっかり学まなび，王おう国こくが成なし遂とげる事こと柄がらを信しんじ，一いっ瞬しゅんたりとも疑うたがわなかったので，圧あつ力りょくを受うけても動どうじませんでした」。神かみの約やく束そくに対たいする強つよい信しん仰こうがあれば，エホバと親したしくなれます。恐おそれに負まけることはありません。（箴しん 3:25，26）

 8. 集しゅう会かいに定てい期き的てきに出しゅっ席せきすべきなのはなぜですか。

⁸ 集しゅう会かいに定てい期き的てきに出しゅっ席せきする。集しゅう会かいに出しゅっ席せきすることは，エホバと親したしくなるうえで欠かかせません。集しゅう会かいへの出しゅっ席せきをどれほど大たい切せつに見みているかは，今こん後ご，迫はく害がいに遭あっても信しん仰こうを保たもてるかどうかを左さ右ゆうするからです。（ヘブ 10:24，25）なぜそう言いえますか。今いま，ちょっとしたことで集しゅう会かいを休やすんでいるなら，将しょう来らい，自じ分ぶんの身みに危き険けんが及およぶような場ば合あいに集しゅう会かいに行いくことは，もっと難むずかしいでしょう。他た方ほう，集しゅう会かいに行いくことを決けつ意いしている人ひとは，たとえだれかに反はん対たいされても，出しゅっ席せきすることをやめたりしません。ですから，今いま，集しゅう会かいを大たい切せつにしましょう。そうすれば，どんなに反はん対たいされても，たとえ政せい府ふに集しゅう会かいを禁きん止しされても，人にん間げんより神かみに従したがい続つづけることができます。（使し徒と 5:29）

 9. 迫はく害がいに備そなえて聖せい句くを覚おぼえるとよいのはなぜですか。

⁹ 好すきな聖せい句くを覚おぼえる。（マタ 13:52）わたしたちの記き憶おく力りょくは完かん璧ぺきではありませんが，エホバは強きょう力りょくな聖せい霊れいによって聖せい句くを思おもい出ださせてくださいます。（ヨハ 14:26）東ひがしドイツで独どく房ぼうに入いれられたある兄きょう弟だいは，こう述のべています。「その時ときまでに数すう百ひゃくの聖せい句くを暗あん記きしていたことは，本ほん当とうに祝しゅく福ふくとなりました。聖せい書しょの様さま々ざまな論ろん題だいについて黙もく想そうすることで，さもなければむなしかったであろう日ひ々びを過すごせたのです」。覚おぼえていた聖せい句くが，エホバとの友ゆう情じょうを保たもち，忠ちゅう実じつに忍にん耐たいする助たすけになりました。

10. 歌うたを覚おぼえるとよいのはなぜですか。

¹⁰ エホバへの賛さん美びの歌うたを覚おぼえ，歌うたう。パウロとシラスはフィリピで投とう獄ごくされた時とき，覚おぼえていた賛さん美びの歌うたを歌うたいました。（使し徒と 16:25）旧きゅうソ連れんの兄きょう弟だいたちも，シベリアに流る刑けいにされた時とき，歌うたで気き持もちを奮ふるい立たたせました。マリヤ･フェドゥン姉し妹まいは，みんなと一いっ緒しょに覚おぼえている賛さん美びの歌うたを全ぜん部ぶ歌うたった，と述のべています。賛さん美びの歌うたを歌うたうと元げん気きになり，エホバを身み近ぢかに感かんじたのです。わたしたちもお気きに入いりの賛さん美びの歌うたやオリジナルソングを歌うたうと元げん気きが出でるのではないでしょうか。今いまのうちに覚おぼえるようにしましょう。（「勇ゆう気きをください」の囲かこみを参さん照しょう。）

11-12. （ア）サムエル第だい一いち 17章しょう37，45-47節せつによると，ダビデが勇ゆう気きを奮ふるい起おこせたのはなぜですか。（イ）ダビデの例れいからどんな大たい切せつなことを学まなべますか。

¹¹ 迫はく害がいに立たち向むかうには勇ゆう気きが必ひつ要ようです。自じ分ぶんには勇ゆう気きが足たりない，と思おもったら何なにができるでしょうか。本ほん当とうの勇ゆう気きは体からだの大おおきさ，体たい力りょく，能のう力りょくに左さ右ゆうされません。ゴリアテに立たち向むかった少しょう年ねんダビデのことを考かんがえてください。巨きょ人じんゴリアテに比くらべれば，ダビデは小こ柄がらで体たい力りょくも劣おとっており，戦たたかいの装そう備びも十じゅう分ぶんではありませんでした。剣つるぎさえ持もっていなかったのです。でもダビデは勇ゆう気きにあふれていました。尊そん大だいなゴリアテと戦たたかうため，力ちから強づよく走はしって行いきました。

¹² ダビデがそれほどの勇ゆう気きを示しめせたのはなぜでしょうか。エホバが共ともにいることを固かたく信しんじていたからです。（サムエル第だい一いち 17:37，45-47を読よむ。）ゴリアテが自じ分ぶんと比くらべてどれほど大おおきいかではなく，エホバと比くらべてどれほど小ちいさいかに思おもいを向むけました。わたしたちも，エホバが共ともにおられること，反はん対たい者しゃたちが全ぜん能のうの神かみに比くらべてはるかに小ちいさな存そん在ざいであることを忘わすれないようにしましょう。（代だい二に 20:15。詩し 16:8）では，迫はく害がいが生しょうじた時ときに勇ゆう気きを示しめせるよう，今いま何なにができますか。

13. 迫はく害がいが生しょうじた時ときに勇ゆう気きを示しめせるよう，今いま何なにができますか。

¹³ 神かみの王おう国こくの良よい知しらせを伝つたえることが役やく立だちます。伝でん道どうすることで，エホバに頼たよるようになり，人ひとへの恐おそれを克こく服ふくできるからです。（箴しん 29:25）筋きん肉にくがトレーニングで強きょう化かされるように，家いえから家いえに，公こう共きょうの場ば所しょで，非ひ公こう式しきに，ビジネス街がいで伝でん道どうするなら，勇ゆう気きも強きょう化かされます。勇ゆう気きを出だして伝でん道どうするなら，今こん後ご，わたしたちの活かつ動どうが禁きん止しされても伝でん道どうし続つづけることができるでしょう。（テサ一いち 2:1，2）

14-15. ナンシー･ユエン姉し妹まいとバレンチーナ･ガルノフスカヤ姉し妹まいから何なにを学まなべますか。

¹⁴ 素す晴ばらしい勇ゆう気きを示しめした2人ふたりの姉し妹まいの例れいを考かんがえてみましょう。ナンシー･ユエン姉し妹まいは身しん長ちょうが150㌢にも満みたない小こ柄がらな女じょ性せいですが，恐おそれに負まけませんでした。c 神かみの王おう国こくの良よい知しらせを伝つたえることをやめなかったため，中ちゅう国ごくの刑けい務む所しょや収しゅう容よう所じょで20年ねん以い上じょう過すごしました。尋じん問もんの際さいには係かかり官かんから，「中ちゅう国ごく一いち強ごう情じょうな人にん間げん」だと言いわれました。

¹⁵ バレンチーナ･ガルノフスカヤ姉し妹まいは旧きゅうソ連れんで3度ど投とう獄ごくされ，刑けい期きは合ごう計けい21年ねんに及およびました。d どんな罪つみに問とわれたのでしょうか。伝でん道どうをやめなかったために，当とう局きょくから「極きわめて危き険けんな犯はん罪ざい者しゃ」とみなされたのです。この2人ふたりの姉し妹まいが大おおきな勇ゆう気きを示しめせたのはなぜでしょうか。エホバが共ともにいることを固かたく信しんじていたからです。

16. どうすれば本ほん当とうの勇ゆう気きを示しめせますか。

¹⁶ これまで考かんがえてきたとおり，勇ゆう気きを奮ふるい起おこすには，自じ分ぶんの体たい力りょくや能のう力りょくに頼たよるのではなく，エホバが共ともにいて，わたしたちのために戦たたかってくださることを信しんじる必ひつ要ようがあります。（申しん 1:29，30。ゼカ 4:6）そうすれば本ほん当とうの勇ゆう気きを示しめせます。

17-18. ヨハネ 15章しょう18-21節せつで，イエスはどんなことを述のべましたか。

¹⁷ 人ひとに認みとめてもらえるのはうれしいことですが，たとえ人ひとに憎にくまれたとしても自じ尊そん心しんを失うしなうべきではありません。イエスはこう言いいました。「いつでも，人ひと々びとがあなた方がたを憎にくむとき，またいつでも，人ひとの子このために人ひと々びとがあなた方がたを締しめ出だし，非ひ難なんし，あなた方がたの名なをいとわしいものとして退しりぞけるとき，あなた方がたは幸さいわいです」。（ルカ 6:22）イエスはどんな意い味みでそう述のべたのでしょうか。

¹⁸ クリスチャンは人ひとに憎にくまれることを喜よろこぶ，と言いっていたのではありません。むしろイエスは現げん実じつに起おきる事こと柄がらを述のべていました。わたしたちは世よのものではありません。イエスの教おしえに従したがって生せい活かつし，イエスが伝つたえたメッセージを広ひろめるので，世よから憎にくまれます。（ヨハネ 15:18-21を読よむ。）わたしたちはエホバに喜よろこばれたいと願ねがっています。ですから，人ひとに憎にくまれるとしても，引ひけ目めを感かんじる必ひつ要ようはありません。

19. 使し徒とたちの手て本ほんにどのように倣ならえますか。

¹⁹ 人ひとに言いわれることやされることを気きにしてエホバの証しょう人にんであることを恥はじる，ということのないようにしましょう。（ミカ 4:5）イエスが処しょ刑けいされた後のち，エルサレムの使し徒とたちが示しめした手て本ほんを考かんがえると，人ひとへの恐おそれを克こく服ふくしようという気き持もちが強つよまります。彼かれらは，自じ分ぶんたちがユダヤ人じんの宗しゅう教きょう指し導どう者しゃたちに強つよく憎にくまれていることを知しっていました。（使し徒と 5:17，18，27，28）それにもかかわらず，毎まい日にち神しん殿でんに出でかけ，自じ分ぶんがイエスの弟で子しであることを人ひと々びとにはっきりと伝つたえました。（使し徒と 5:42）恐おそれに負まけて萎い縮しゅくすることはありませんでした。わたしたちも，同どう僚りょうやクラスメートや近きん所じょの人ひとたちに，自じ分ぶんがエホバの証しょう人にんであることをいつもはっきりと伝つたえることができます。そのようにして，人ひとへの恐おそれを克こく服ふくしましょう。（使し徒と 4:29。ロマ 1:16）

20. 使し徒とたちが人ひとに憎にくまれても幸しあわせだったのはなぜですか。

²⁰ 使し徒とたちは幸しあわせでした。なぜですか。自じ分ぶんたちが憎にくまれている理り由ゆうを知しっており，エホバの望のぞまれることを行おこなったために不ふ当とうな扱あつかいを受うけるとしても，それを栄えい誉よと考かんがえたからです。（ルカ 6:23。使し徒と 5:41）後のちに使し徒とペテロはこう述のべました。「たとえ義ぎのために苦くるしみを受うけることがあっても，あなた方がたは幸さいわいです」。（ペテ一いち 2:19-21; 3:14）正ただしいことを行おこなっているゆえに憎にくまれている，ということが分わかっていれば，人ひとへの恐おそれに負まけてエホバに仕つかえるのをやめてしまうことは決けっしてないでしょう。

21-22. （ア）迫はく害がいに備そなえて，あなたは何なにをしたいと思おもいますか。（イ）次つぎの記き事じではどんなことを学まなびますか。

²¹ 迫はく害がいや禁きん令れいがいつ生しょうじるか，わたしたちの崇すう拝はいがどんな影えい響きょうを受うけるのかは分わかりません。でも分わかっていることがあります。今いま，エホバとの絆きずなを強つよめ，勇ゆう気きを奮ふるい起おこし，人ひとに憎にくまれた時ときに何なにができるかを考かんがえておくなら，迫はく害がいに備そなえられるということです。そのような備そなえをしておけば，今こん後ご迫はく害がいに遭あってもエホバに忠ちゅう実じつに仕つかえ続つづけることができるでしょう。

²² では，わたしたちの活かつ動どうが禁きん止しされた場ば合あい，どうすればよいでしょうか。次つぎの記き事じでは，禁きん令れい下かでエホバに仕つかえ続つづけるうえで役やく立だつ聖せい書しょの教おしえを学まなびます。