3. エホバについて語る点で,どんな心構えが必要ですか。ローマ 10章14節からどんなことを学べますか。
3 エホバとエホバの王国についていつでも語れるようにしておきましょう。(マタ 24:14。ローマ 10:14を読む。)語るなら,イエスに倣えます。イエスが地上に来たのは,1つとして,父エホバについて人々に教えるためでした。(ヨハ 18:37)どのように話すかも大切です。エホバについて話す時は,「温和な態度と深い敬意を示し」,相手の気持ちや考えを思いやる必要があります。(ペテ一 3:15)そうすれば,ただ語るだけでなく,教えることができ,恐らく心を動かせるでしょう。
4. 格言 9章9節によれば,忠告を与えることはなぜ相手のためになりますか。
4 長老は,兄弟や姉妹に必要な忠告をためらわずに与えるべきです。もちろん,気まずい思いをさせないよう,良い時を選ぶ必要があります。周りに人がいない状況で話すよう気を配ります。長老はいつでも,相手の尊厳を傷つけない話し方をするよう努めます。それでも,賢く行動するのに役立つ聖書の原則をきちんと伝えます。(格言 9:9を読む。)勇気を出して話すことはなぜ大切ですか。対照的な2つの例を考えましょう。息子を矯正するのを怠った父親と,王になる人に進言した女性の例です。
5. 大祭司エリは話すべき時に話さなかったといえるのはなぜですか。
5 大祭司エリは息子たちに愛情を注ぎました。しかし,息子たちはエホバを敬っていませんでした。幕屋で祭司として働くという重責を担っていたのに権限を乱用し,エホバへの捧げ物を不敬に扱い,性的に不道徳なことを平気で行いました。(サム一 2:12-17,22)モーセの律法によれば,エリの息子たちは死刑にされるべきでした。しかし,エリは息子たちを甘やかし,やんわりたしなめるだけで幕屋での職務をそのまま行わせました。(申 21:18-21)エリの判断についてエホバはどう感じましたか。「なぜあなたは私よりも息子たちを尊んでいるのか」と問いただし,悪人である息子たちを死なせることにしました。(サム一 2:29,34)
6. エリの行動からどんなことを学べますか。
6 エリの行動からどんなことを学べますか。エホバに仕える友人や親戚がエホバの基準に背くことをしているなら,その点を指摘しましょう。エホバが任命した人たちに助けを求めるよう勧め,そうしたかどうかを確かめる必要もあります。(ヤコ 5:14)エリのように,友人や親戚をエホバよりも尊ぶという間違いをしてはなりません。矯正が必要な人に問題を指摘するには勇気が要りますが,そうするだけの価値があります。エリとは逆の行動を取ったイスラエル人アビガイルの例を考えましょう。
7. アビガイルがダビデに話しに行ったのはなぜですか。
7 アビガイルは裕福な地主ナバルの妻です。ダビデは部下たちと共にサウル王から逃げていた間に,ナバルの羊飼いたちと行動し,ナバルの羊を略奪隊から守りました。ナバルは感謝しませんでした。それどころか,ダビデから遣わされた部下たちが食料や水の援助を求めた時に腹を立て,怒鳴り散らしました。(サム一 25:5-8,10-12,14)ダビデはナバルの家の男たちを皆殺しにすることにします。(サム一 25:13,22)どうすれば災いを回避できるでしょうか。アビガイルは,自分が話すべき時であることをわきまえ,勇気を奮ってダビデに会いに行きました。腹を立て,おなかを空かせ,武器を持った400人の男たちのもとに出て行ったのです。
8. アビガイルの行動からどんなことを学べますか。
8 アビガイルはダビデに会った時,勇気を奮い,敬意を込め,説得力のある話し方をしました。自分のせいではないのにダビデに謝りました。正しいことを愛している人という信頼を込めてダビデに進言しました。また,エホバが自分を助けてくださるに違いないと考えました。(サム一 25:24,26,28,33,34)誰かが重大な過ちを犯しそうだと気付いたなら,アビガイルに倣い,勇気を奮ってそのことを指摘しましょう。(詩 141:5)敬意を示しながらも大胆に語る必要があります。その人のことを思って忠告するなら,真の友になれます。(格 27:17)
9-10. 長老はどんなことをわきまえながら忠告を与えますか。
9 とりわけ長老は勇気を奮い,道を踏み外した兄弟姉妹を正さなければなりません。(ガラ 6:1)長老は,自分も不完全で忠告が必要な場合があることを謙遜に認めています。だからといって,矯正すべき人を戒めずに放置することはしません。(テモ二 4:2。テト 1:9)忠告を与える時は,辛抱強く教え,上手に話すよう努めます。兄弟を愛しているので助けます。(格 13:24)とはいえ,長老が一番気に掛けるのはエホバを敬うことです。エホバの基準を守り,会衆の清さが損なわれないようにします。(使徒 20:28)
10 ここまでで,話すべき時について考えました。一方,黙っているべき時もあります。黙っていることを難しく感じるどんな状況がありますか。