16章
まことの神とあなたの将来
「この神秘的な宇宙には,人間がそれは確かだと感じ得る事柄が一つある。人間それ自体は宇宙の最大の霊的存在ではない。……宇宙には人間自身よりも霊的にもっと偉大な実在者がいる。……人間の目標は現象界の背後の実在者との霊的な交わりを求め,それも自己をその絶対的な霊的実体に調和させることを目指してそのような交わりを求めることである」―「一歴史家による宗教の研究方法」,アーノルド・トインビー著。
1 (紹介の言葉を含める。)(イ)歴史家トインビーは人間と宇宙について何を認めましたか。(ロ)聖書は「絶対的な霊的実体」をどのように明らかにしていますか。
過去6,000年のほとんどの期間,人類は一層強い熱意を抱いて,あるいはそれほどではないにせよ,その「絶対的な霊的実体」を見いだそうとして探求してきました。その「実体」は各々主要な宗教により,それぞれ異なった名を付されてきました。あなたがヒンズー教,イスラム教,仏教,神道,儒教,道教,ユダヤ教,キリスト教,もしくは他のどんな宗教を奉ずるにせよ,「絶対的な霊的実体」を表わす名があります。しかし,聖書はこの実体に名,性,および性格を付与しています。それはつまり,生ける神エホバです。この特異な神はペルシャのキュロス大王に対して,「わたしはエホバであり,ほかにはいない。わたしのほかに神はいない。……わたし自身が地を造り,その上に人をも創造した」と言われました。―イザヤ 45:5,12,18。詩編 68:19,20。
エホバ ― 信頼できる預言の神
2 将来に関する信頼できる情報を得たいなら,だれに頼るべきでしょうか。それはなぜですか。
2 エホバは神を探求する人類の歩みの真の究極目的となる方です。エホバはご自分が最初から結末を告げ得る預言の神であることを明らかにして,預言者イザヤを通して次のように言われました。「昔の最初のことを思い出せ。わたしは神たる者であり,ほかに神もわたしのような者もいないことを。終わりのことを初めから,また,まだ行なわれていなかったことを昔から告げる者。『わたしの計り事は立ち,わたしは自分の喜びとすることをみな行なう』と言う者。……わたしはそれを話したのである。わたしはまた,それをもたらすであろう。わたしはそれを形造ったのであり,また,それを行なうであろう」― イザヤ 46:9-11; 55:10,11。
3 (イ)聖書の預言によれば,どんな出来事を予見できますか。(ロ)サタンは不信者に対して何をしてきましたか。それはなぜですか。
3 このような信頼できる預言の神がおられるので,分裂をもたらす様々な宗教のある世界の体制がどうなるかを知ることができます。同時に,世界の運命を左右できるように思える種々の強力な政治組織に何が降り懸かるかを予測することもできます。それよりもさらに,人類をまことの神エホバから引き離してきた多数の宗教により,『不信者の思いをくらまして』きた,「この事物の体制の神」サタンをどんな終わりが待ち受けているかをも予告できます。ですが,サタンはなぜそのような『思いをくらます』業をしてきましたか。それは,『神の像であるキリストについての栄光ある良いたよりの光明が輝きわたらないようにする』ためです。―コリント第二 4:3,4。ヨハネ第一 5:19。
4 地球と人間の将来に関するどんな疑問に答える必要がありますか。
4 同時に,わたしたちは予告されたそれらの出来事の前途に控えている事柄を知ることができます。地球は最後にどんな状態になるのでしょうか。汚染され,損なわれ,森林は切り払われてしまうのでしょうか。それとも,地球と人類は再生されるのでしょうか。これから述べますが,聖書はこれらの疑問すべてに答えています。しかし,まず最初に,ごく近い将来の出来事に注目してみましょう。
「大いなるバビロン」の実体は明らかにされる
5 ヨハネは幻で何を見ましたか。
5 西暦96年に,聖書の「啓示」の書の内容はパトモス島にいた使徒ヨハネに明らかにされました。聖書の証拠によれば,人類は1914年以来,a 終わりの時に生活していますが,「啓示」の書には,その終わりの時に起きる主要な出来事が生き生きと描写されています。ヨハネが幻で見たそれらの象徴的な情景の一つは,「大いなるバビロン,娼婦たちと地の嫌悪すべきものとの母」と呼ばれる,けばけばしく身を装った,ごう慢な娼婦に関するものです。この女はどんな状態でしたか。「わたしは,その女が聖なる者たちの血とイエスの証人たちの血に酔っているのを見た」と記されています。―啓示 17:5,6。
6 大いなるバビロンはなぜ支配を行なう世の政治的な要素を表わしてはいませんか。
6 この女はだれを表わしていますか。わたしたちはその実体を憶測するよう任されているわけではありません。消去法を使って,この女の仮面をはぐことができます。ヨハネはその同じ幻の中でみ使いが次のように言うのを聞きました。「さあ,多くの水の上に座る大娼婦に対する裁きをあなたに見せよう。地の王たちは彼女と淫行を犯し,地に住む者たちは彼女の淫行のぶどう酒に酔わされた」。地の王たち,つまり支配者たちがこの女と淫行を犯すのであれば,このことはその娼婦が,支配を行なう世の政治的な要素を表わし得ないことを意味しています。―啓示 17:1,2,18。
7 (イ)大いなるバビロンはなぜ商業的な要素を表わすことができませんか。(ロ)大いなるバビロンは何を表わしていますか。
7 同じ記述は,「地の旅商人たちは彼女の恥知らずのおごりの力で富を得た」と告げています。ですから,大いなるバビロンは世の企業的,つまり「商人」的な要素を表わすこともできません。しかし,霊感を受けて記された句は,「あなたの見た水,娼婦が座っているところは,もろもろの民と群衆と国民と国語を表わしている」と述べています。政治支配者たちと淫行を犯し,商業上の権益を維持しながら交易を行ない,また栄光を帯びて,もろもろの民と群衆と国民と国語の上に座っている象徴的な娼婦に関する描写と合致する,この世の体制の他のどんな主要な要素が残っていますか。それはまさしく,あらゆる変装をした偽りの宗教です。―啓示 17:15; 18:2,3。
8 さらにどんな事実が大いなるバビロンの実体を確証していますか。
8 これが大いなるバビロンの実体であることは,み使いがこの女をその『あらゆる国民を惑わした心霊術的な行ない』のゆえに罪に定めていることにより確証されています。(啓示 18:23)様々な形態の心霊術はすべて,悪霊の霊感を受けた,宗教的な性格のものです。(申命記 18:10-12)ですから,大いなるバビロンは宗教的な実在物を象徴しているに違いありません。この女はまことの神エホバから注意をそらせるためにサタンが人々の思考の中で助長している,サタンの偽りの宗教の世界帝国全体であることを聖書の証拠は示しています。―ヨハネ 8:44-47。コリント第二 11:13-15。啓示 21:8; 22:15。
9 多くの宗教にはどんな一貫した共通の特徴が見られますか。
9 これまで本書の至る所で述べたように,世界の諸宗教のいわば混乱したつづれ織りには,一貫した共通の特徴が見られます。多くの宗教は神話に源を発しています。ほとんどすべての宗教は,人間の死後,不滅の魂とされるものが生き残り,あの世へ行く,もしくは別の生き物に転生するという,ある種の信仰によって結び合わされています。地獄と呼ばれる,恐ろしい責め苦と拷問の場所があるという信仰を共通の特徴として持っている宗教は少なくありません。ほかには,三つ組の神々,三位一体,および母神に対する古代異教の信仰で結びつけられている宗教もあります。ですから,それらの宗教はすべて,娼婦,つまり「大いなるバビロン」という一つの複合的な象徴のもとに一まとめにされているのは,実に適切なことです。―啓示 17:5。
偽りの宗教から逃げ去るべき時
10 宗教的な娼婦に関しては,どんな終わりが預言されていますか。
10 聖書は,地球を取り巻くほどのこの娼婦が最後にどんな運命をたどることを予告していますか。「啓示」の書は象徴的な言葉遣いで,この女が政治的な要素の手にかかって滅ぼされる様子を描写しています。それら政治的な要素は,国際連合,つまりサタンの血まみれの政治体制の像である「緋色の野獣」を支える「十本の角」によって象徴されています。―啓示 16:2; 17:3-16。b
11 (イ)偽りの宗教はなぜ神により罪に定められていますか。(ロ)大いなるバビロンはどうなりますか。
11 サタンの偽りの宗教の世界帝国のこの滅びは,それら諸宗教に対する神の不利な裁きの結果です。それらの宗教は圧制的な政治上の情夫たちと共謀し,彼らを支持しているゆえに霊的な淫行の罪を負っていることが明らかにされます。偽りの宗教は愛国心に促されて,それぞれの国の支配階級のエリートたちと戦争に際して手を握ると共に,無実な人々の血ですそを汚してきました。ですから,エホバは大いなるバビロンに反対するご自分の意志を遂行し,彼女を荒廃させるという考えを政治的な要素の心にお入れになります。―啓示 17:16-18。
12 (イ)バビロンが滅ぼされる時,命を助けていただくには,あなたは今,何をしなければなりませんか。(ロ)真の宗教の特徴となっているのは,どんな教えですか。
12 このような将来が世界宗教の目前に迫っている今,あなたは何をすべきでしょうか。その答えはヨハネの聞いた天からの声が語った次のような言葉のうちにあります。「わたしの民よ,彼女の罪にあずかることを望まず,彼女の災厄を共に受けることを望まないなら,彼女から出なさい。彼女の罪は重なり加わって天に達し,神は彼女の数々の不正な行為を思い出されたのである」。ゆえに,今こそ,サタンの偽りの宗教の帝国から出て,エホバの真の崇拝に加わるよう命ずる,み使いの勧めに従うべき時です。(377ページの囲み記事をご覧ください。)― 啓示 17:17; 18:4,5。エレミヤ 2:34; 51:12,13と比較してください。
ハルマゲドンは近い
13 間もなくどんな出来事が起きるに違いありませんか。
13 「啓示」の書は,「彼女の災厄は一日のうちに来る。それは死と嘆きと飢きんであって,彼女は火で焼き尽くされるであろう」と述べています。聖書の預言すべてが示すところによれば,その「一日」,つまり刑が速やかに執行される短い時が今や近づいています。実際,大いなるバビロンの滅びは,「全能者なる神の大いなる日の戦争……ハルマゲドン」で最高潮に達する「大患難」の時期を招来するものとなります。ハルマゲドンのその戦争,もしくは戦いの結果,サタンの政治体制は打ち破られ,サタンは底知れぬ深みに入れられることになります。そして,義の新しい世が姿を現わします!―啓示 16:14-16; 18:7,8; 21:1-4。マタイ 24:20-22。
14,15 どんな聖書預言の成就が明らかに近づいていますか。
14 今やすでに,もう一つの目覚ましい聖書預言がわたしたちの眼前で成就する時が迫っています。使徒パウロは次のように預言して,警告しました。「さて,兄弟たち,時と時期については,あなた方は何も書き送ってもらう必要がありません。エホバの日がまさに夜の盗人のように来ることを,あなた方自身がよく知っているからです。人々が,『平和だ,安全だ』と言っているその時,突然の滅びが,ちょうど妊娠している女に苦しみの劇痛が臨むように,彼らに突如として臨みます。彼らは決して逃れられません」― テサロニケ第一 5:1-3。
15 かつて好戦的で,互いに疑い合っていた諸国民が今や,世界の平和と安全を宣言できるようになる情勢に向かって慎重に動いているように見えます。ですから,やはり別の角度から見ても,偽りの宗教,諸国民,およびその指導者であるサタンにエホバの裁きが下される日の近いことが分かります。―ゼパニヤ 2:3; 3:8,9。啓示 20:1-3。
16 今日,ヨハネの助言はなぜ非常に適切ですか。
16 今日,何百万もの人々は,あたかも物質的な価値のみが永続する有意義なものだという考えに基づく生き方をしています。しかし,この腐敗した世界が提供するのは浅薄なはかないものです。そのようなわけで,ヨハネの次のような助言は非常に適切です。「世も世にあるものをも愛していてはなりません。世を愛する者がいれば,父の愛はその人のうちにありません。すべて世にあるもの ― 肉の欲望と目の欲望,そして自分の資力を見せびらかすこと ― は父から出るのではなく,世から出るからです。さらに,世は過ぎ去りつつあり,その欲望も同じです。しかし,神のご意志を行なう者は永久にとどまります」。あなたは永久にとどまるほうを望まれるのではないでしょうか。―ヨハネ第一 2:15-17。
約束された新しい世
17 まことの神を求める人たちの将来はどうなりますか。
17 神がキリスト・イエスを通して世を裁こうとしておられるのですから,その後はどうなるのでしょうか。遠い昔,神はヘブライ語聖書の中で,この地球上の人類に対するご自分の最初の目的,すなわち従順な人類に楽園<パラダイス>となる地上で完全な命を享受させるという目的を遂行することを預言なさいました。サタンはその目的を覆そうとしましたが,神の約束は無効にされませんでした。ですから,ダビデ王は次のように書くことができました。「悪を行なう者たちは断ち滅ぼされるが,エホバを待ち望む者たちは,地を所有する者となるからである。そして,ほんのもう少しすれば,邪悪な者はいなくなる。……義なる者たちは地を所有し,そこに永久に住むであろう」― 詩編 37:9-11,29。ヨハネ 5:21-30。
18-20 この地球上では,どんな変化が起きますか。
18 その後,地球の状態はどうなりますか。完全に汚染され,焼き尽くされてしまいますか。森林は焼き払われてしまいますか。そんなことは決してありません! エホバは元々,地球が釣り合いの取れた,清いパラダイスの園になるよう意図されました。人間が地球を誤用してきたにもかかわらず,そのようになる潜在力があります。しかし,エホバは,「地を破滅させている者たちを破滅に至らせる」ことを約束なさいました。地球的な規模の破滅に近づく状況が生じたのは,20世紀だけのことです。では,エホバがご自分の所有物,つまりご自分の創造物を守るために間もなく行動を起こされるということを信ずるべき,いよいよ十分の理由があります。―啓示 11:18。創世記 1:27,28。
19 このような変化は間もなく,「新しい天と新しい地」に関する神の取り決めのもとで起きるはずです。それは新しい天空と新しい惑星のことではなく,再生された人類の社会の存在する,一新された地球に対する新たな霊的支配権を意味しています。その新しい世では,仲間の人間が搾取されたり,あるいは動物が利己的に利用されたりすることはありません。暴力行為や流血行為もありません。家のない人もいませんし,飢えや圧制もありません。―啓示 21:1。ペテロ第二 3:13。
20 神のみ言葉はこう述べています。「『そして,彼らは必ず家を建てて住み,必ずぶどう園を設けてその実を食べる。彼らが建てて,だれかほかの者が住むことはない。彼らが植えて,だれかほかの者が食べることはない。わたしの民の日数は木の日数のようになり,わたしの選ぶ者たちは自分の手の業を存分に用いるからである。……おおかみと子羊が一つになって食べ,ライオンは雄牛のようにわらを食べる。蛇に関しては,その食物は塵となる。これらはわたしの聖なる山のどこにおいても,害することも損なうこともしない』と,エホバは言われた」― イザヤ 65:17-25。
新しい世の基礎
21 新しい世はなぜ確実な事柄ですか。
21 『このすべてはどうして可能なのだろうか』と問う方がおられるかもしれません。それが可能なのは,「偽ることのできない神が,久しく続いた時代の前に」,人類は回復させられて完全な状態で永遠の命を受けることを「約束された」からです。そして,この希望の根拠は,使徒ペテロにより仲間の油そそがれたクリスチャンにあてて記された最初の手紙の中で次のように言い表わされています。「わたしたちの主イエス・キリストの神また父がたたえられますように。神はその大いなる憐れみにより,イエス・キリストの死人の中からの復活を通して,生ける希望への新たな誕生をわたしたちに与えてくださったのです。すなわち,朽ちず,汚れなく,あせることのない相続財産への誕生です」。―テトス 1:1,2。ペテロ第一 1:3,4。
22 新しい世の希望の基本となる事柄とは何ですか。それはなぜですか。
22 イエス・キリストの復活は義の新しい世の希望の基本となる事柄です。なぜなら,イエスは清められた地を天から支配するよう神により任じられているからです。パウロもまた,次のように書き記して,キリストの復活がいかに肝要なことかを強調しました。「しかしながら,今やキリストは死人の中からよみがえらされ,死の眠りについている者たちの初穂となられたのです。死がひとりの人を通して来たので,死人の復活もまたひとりの人を通して来るのです。アダムにあってすべての人が死んでゆくのと同じように,キリストにあってすべての人が生かされるのです」― コリント第一 15:20-22。
23 (イ)キリストの復活はなぜ肝要なことですか。(ロ)復活させられたイエスは,ご自分の追随者にどんな命令をお与えになりましたか。
23 対応する贖いとしてのキリストの犠牲の死とその復活は,「新しい天」,つまり王国の支配権と,変化し,再生された人類,つまり「新しい地」の社会の希望の根拠となりました。同時に,キリストの復活により,忠実な使徒たちの行なった,宣べ伝えて教える業にはずみがつけられました。記述はこうなっています。「しかしながら,十一人の弟子はガリラヤに赴き,[復活させられた]イエスが彼らのために取り決めた山に行った。そして,イエスを見ると,彼らは敬意をささげた。しかし,ある者たちは疑った。すると,イエスは近づいて来て,彼らにこう話された。『わたしは天と地におけるすべての権威を与えられています。それゆえ,行って,すべての国の人々を弟子とし,父と子と聖霊との名において彼らにバプテスマを施し,わたしがあなた方に命令した事柄すべてを守り行なうように教えなさい。そして,見よ,わたしは事物の体制の終結の時までいつの日もあなた方と共にいるのです』」。―マタイ 19:28,29; 28:16-20。テモテ第一 2:6。
24 イエスの復活はさらに,どんな祝福を保証するものとなっていますか。
24 イエスの復活はまた,人類のための別の祝福,つまり死者の復活を保証するものとなっています。イエスがラザロを死人の中からよみがえらされたことは,将来さらに包括的な復活が行なわれることのしるしでした。(248-250ページをご覧ください。)イエスはかつてこう言われました。「このことを驚き怪しんではなりません。記念の墓の中にいる者がみな,彼の声を聞いて出て来る時が来ようとしているのです。良いことを行なった者は命の復活へ,いとうべきことを習わしにした者は裁きの復活へと出て来るのです」― ヨハネ 5:28,29; 11:39-44。使徒 17:30,31。
25 (イ)新しい世の人々はすべて,どんな選択をすることができますか。(ロ)新しい世では,どんな形態の宗教が広く行なわれますか。
25 戻って来る,自分の愛する人たちを迎える,それも多分,各々の世代の人々が順次,そうすることができるのは何と大きな喜びでしょう。その後,新しい世では人は各々完全な状態で,まことの神エホバを崇拝するか,それとも反対者として命を失うかどうかを決めることができます。そうです,新しい世ではただ一つの宗教,つまり唯一の形態の崇拝しかありません。賛美はすべて,愛ある創造者に帰せられ,従順な人間は皆,「王なるわたしの神よ,わたしはあなたを高めます。定めのない時に至るまで,まさに永久にあなたのみ名をほめたたえます。……エホバは大いなる方,大いに賛美されるべき方。その偉大さは探りがたい」と述べた詩編作者の言葉をそのまま繰り返すことでしょう。―詩編 145:1-3。啓示 20:7-10。
26 あなたはなぜ神のみ言葉,聖書を調べるべきでしょうか。
26 あなたは世界の主要な宗教をそれぞれ比較してみたのですから,エホバの証人の信条の基盤となっている,神のみ言葉,聖書をさらに調べるよう,お勧めいたします。まことの神を見いだせることをご自分で確かめてください。ヒンズー教徒,ムスリム,仏教徒,神道信者,儒教徒,道教徒,ユダヤ教徒,クリスチャンその他,どんな信仰を抱いている人であれ,今は,生ける,まことの神と自分との関係を吟味すべき時です。もしかすると,あなたの宗教は,ご自分ではどうすることもできない自分の出生地によって決まったものかもしれません。聖書が神について述べる事柄を調べたからといって,確かに何一つ失うわけではありません。そうすることは,ご自分の生涯の中で,この地球とその上の人類に対する主権者なる主であられる神の目的を本当に知る機会となるかもしれません。そうです,エホバの使者で,この本をあなたにお届けした,その証人たちと共に聖書を研究することにより,まことの神を誠実に探求しておられるあなたは,ご自分を満足させることができるでしょう。
27 (イ)イエスはあなたにどんな勧めの言葉を述べておられますか。(ロ)本書の主題と調和して,イザヤは何をするよう,すべての人に勧めていますか。
27 イエスは,「求めつづけなさい。そうすれば与えられます。探しつづけなさい。そうすれば見いだせます。たたきつづけなさい。そうすれば開かれます」と,いたずらに言われたのではありません。預言者イザヤの次のような音信に留意するなら,あなたも,まことの神を見いだした人たちの一人になれるでしょう。「あなた方は見いだせるうちにエホバを尋ね求めよ。近くにおられるうちに呼びかけよ。邪悪な者はその道を,害を加えようとする者はその考えを捨て,エホバのもとに帰れ。神はその者を憐れんでくださる。わたしたちの神のもとに帰れ。神は豊かに許してくださるからである」。―マタイ 7:7。イザヤ 55:6,7。
28 あなたがまことの神を見いだすのをだれが援助できますか。
28 もし,あなたがまことの神を尋ね求めておられるのでしたら,ご遠慮なくエホバの証人と連絡をお取りください。c なお時間が残されている間,み父とそのご意志について詳しくお知りになるよう,証人たちは無償で喜んでご援助いたします。―ゼパニヤ 2:3。
[脚注]
a 終わりの日に関する詳細な説明をお読みになりたい方は,ものみの塔聖書冊子協会が1982年に発行した,「あなたは地上の楽園で永遠に生きられます」と題する本の148-154ページをご覧ください。
b 「啓示」の書のこれらの預言を詳しく考慮したい方は,ものみの塔聖書冊子協会が1988年に発行した,「啓示の書 その壮大な最高潮は近い!」と題する本の33-37章をご覧ください。
c 連絡先の一覧表については,384ページをご覧ください。
[377ページの囲み記事/図版]
真の宗教を見分ける方法
1. 真の宗教は唯一まことの神エホバを崇拝することを教えます。―申命記 6:4,5。詩編 146:5-10。マタイ 22:37,38。
2. 真の宗教はキリスト・イエスによって神に近づくことを説きます。―ヨハネ 17:3,6-8。テモテ第一 2:5,6。ヨハネ第一 4:15。
3. 真の宗教は無私の愛を説き,そのような愛を実践します。―ヨハネ 13:34,35。コリント第一 13:1-8。ヨハネ第一 3:10-12。
4. 真の宗教は世の政治や紛争によって汚されることのない状態を保ち,戦時下では中立を守ります。―ヨハネ 18:36。ヤコブ 1:27。
5. 真の宗教は聖書を神の言葉として受け入れることにより,神は真実な方であるとします。―ローマ 3:3,4。テモテ第二 3:16,17。テサロニケ第一 2:13。
6. 真の宗教は戦争,あるいは個人的な暴力行為を黙認しません。―ミカ 4:2-4。ローマ 12:17-21。コロサイ 3:12-14。
7. 真の宗教はあらゆる人種,言語,および部族の人々を首尾よく一致させ,国家主義や憎しみではなく,愛を説きます。―イザヤ 2:2-4。コロサイ 3:10,11。啓示 7:9,10。
8. 真の宗教は利己的な利得,もしくは給料のためではなく,愛ゆえに神に仕えることを唱道し,人間ではなく,神の栄光をたたえます。―ペテロ第一 5:1-4。コリント第一 9:18。マタイ 23:5-12。
9. 真の宗教は,ある種の政治的,もしくは社会的な哲学ではなく,神の王国を人間の確かな望みとして宣明します。―マルコ 13:10。使徒 8:12; 28:23,30,31。
10. 真の宗教は人間と地球に対する神の目的に関する真理を教えますが,不滅の魂や地獄の永遠の責め苦などに関する宗教的なうそを教えたりはせず,神は愛であることを教えます。―裁き人 16:30。イザヤ 45:12,18。マタイ 5:5。ヨハネ第一 4:7-11。啓示 20:13,14。
[図版]
宣べ伝える業に携わるオランダの証人たち
[373ページの図版]
地球には地球それ自体が楽園(パラダイス)となる潜在力がありますが,そうなるには義にかなった恒久的な世界政府が必要です。そして,神はそのような政府を約束しておられます
[374ページの図版]
イエスは天へ戻る前に,良いたよりを全世界で宣べ伝えて教えるよう,ご自分の弟子たちにお命じになりました
[379ページの図版]
死者の復活は,全世界の人類に喜びをもたらします