5. 神の名前はどんな非難を受けてきましたか。あなたはそのことについてどう感じますか。
5 名前に対する非難。エホバはご自分の名前を愛していて,全ての者がそれに敬意を示すことを望んでいます。(イザ 42:8)しかし,約6000年にわたって神の名前は非難されてきました。(詩 74:10,18,23)このことは,エデンの園で始まりました。悪魔(ギリシャ語では「中傷する者」という意味)は神を非難し,アダムとエバに幸せになるのに必要なものを与えていない,と主張しました。(創 3:1-5)その時以降,エホバは,人間に本当に必要なものを与えていない,という偽りの非難を受けてきました。イエスは,お父さんエホバの名前に繰り返し非難が浴びせられていることを本当につらく感じていました。それで,弟子たちにこう祈るよう教えました。「天におられる私たちの父よ,お名前が神聖なものとされますように」。(マタ 6:9)
6. 主権についての問題を解決するために,エホバが十分の時間を与えたのはなぜですか。
6 主権に対する反抗。エホバには天と地を治める絶対的な権利があり,その統治の仕方は最高に良いものです。(啓 4:11)しかし,悪魔は天使や人間を惑わし,神にはその権利がないと思わせようとしてきました。エホバの主権が正しいかどうかについての問題は,すぐに解決できるようなものではありません。それで神は,賢明にも,人類に十分の時間を与えました。創造者の助けなしに自分たちを治めようとしても必ず失敗する,ということをはっきりさせるためです。(エレ 10:23)神が辛抱した結果,この件は一度限り解決され,二度と問題になることはありません。全ての人は,エホバの統治の方法が最高に良いものであり,神の王国だけが地球に本当の平和と安全をもたらせる,ということを知るようになるのです。
7. 誰がエホバに反逆してきましたか。そうした者たちに対して,エホバはどう行動しますか。
7 子供たちの反逆。エホバは,ご自分の子供である天使や人間を,傷のない完全なものとして創造しました。しかし,天使の1人が反逆して,サタン(「反抗する者」という意味)になり,完全な人間アダムとエバをエホバに反逆させました。やがて,その反逆に加わる天使や人間も現れました。(ユダ 6)後に,神に選ばれたイスラエル国民の中にも,エホバを退け,偽の神々を崇拝するようになった人たちがいました。(イザ 63:8,10)エホバが,裏切られたと感じたのも当然です。それでも,エホバは忍耐してきました。そして,全ての反逆者を滅ぼす時まで忍耐し続けます。その時が来れば,エホバに忠実な者たちも大きな喜びを経験します。この体制の悪をもはや忍耐する必要がなくなるからです。
8-9. エホバに関して,サタンはどんなうそをついていますか。私たちはそれに対してどう行動しますか。
8 悪魔のうそ。サタンは,エホバに仕える正直な人ヨブを非難し,エホバに忠実な人たち全ても自分の得になるからエホバに仕えている,と主張しました。(ヨブ 1:8-11; 2:3-5)悪魔は現代に至るまで同じ主張を続けています。(啓 12:10)私たちは,エホバへの愛の気持ちから試練を忍耐し,忠実を保つことにより,サタンの主張が全くのうそであることを示せます。忍耐するなら,私たちもヨブと同じように祝福を受けることができます。(ヤコ 5:11)
9 サタンは,間違った宗教の指導者たちを使って,エホバは残酷な神で人間に苦しみをもたらしている,と思わせようとしています。子供が死ぬと,「神様はさらに天使を必要としていたので,その子を天に召された」と言う人さえいます。愛情深いお父さんエホバに対する,なんと不敬な言葉でしょう。私たちは,重い病気にかかったり愛する人を亡くしたりしても,神を責めるようなことは決してしません。それどころか,将来エホバが病気を癒やし,亡くなった人を復活させてくださることを信じています。そして,エホバが本当に愛情深い神であることを,耳を傾ける全ての人に話します。そうすれば,エホバはご自分をあざける者に答えることができます。(格 27:11)
10. 詩編 22編23,24節から,エホバについてどんなことが分かりますか。
10 ご自分に仕える人たちが苦しむのを見ること。エホバは思いやりがある神です。私たちが迫害や病気や不完全さに苦しむのを見ると,非常につらく感じます。(詩編 22:23,24を読む。)エホバは,私たちの苦しみを理解していて,それを終わらせたいと願っています。そして,実際に終わらせてくださいます。(出エジプト記 3:7,8,イザヤ 63:9と比較。)その時,「神は[私たち]の目から全ての涙を拭い去ります。もはや死はなくなり,悲しみも嘆きも苦痛もなくなります」。(啓 21:4)
11. 死の眠りに就いた忠実な人たちのことをエホバはどう思っていますか。
11 友たちとの死の別れ。エホバは,死の眠りに就いた忠実な人たちのことをどう思っているでしょうか。その人たちに再び会いたい,と願っています。(ヨブ 14:15)エホバが,友であるアブラハムに会えなくてどれほど寂しく思っているか,想像できますか。(ヤコ 2:23)「顔を合わせて」話したモーセについてはどうでしょうか。(出 33:11)そして,ダビデやほかの詩編作者が歌う美しい賛美の歌をどれほど聞きたいと思っているでしょう。(詩 104:33)神の友であるこれらの人たちは死の眠りに就いているとはいえ,エホバは彼らのことを忘れていません。(イザ 49:15)その性格の細かな点まで,全てを覚えています。聖書によると,「彼らは皆,神から見て生きているのです」。(ルカ 20:38,脚注)そして将来,エホバは友たちを復活させます。その時,彼らが心からの祈りと崇拝を捧げるのを再び見ることができるのです。愛する家族や友達を亡くした人は,こうした点を考えると慰めを得られるでしょう。
12. 終わりが近づいたこの邪悪な時代に,エホバは特にどんなことをつらく感じていますか。
12 人々が邪悪な人に抑圧されるのを見ること。エデンで反逆が始まった時,エホバは問題が解決される前に状況が悪くなっていくことをご存じでした。エホバは,この世界に見られる悪や不公正や暴力を憎んでいます。孤児ややもめといった,弱くて無力な人たちのことを特に深く気に掛けています。(ゼカ 7:9,10)そして,ご自分に忠実に仕える人たちが抑圧されたり投獄されたりするのを見ると,とてもつらく感じます。エホバは,ご自分と共に忍耐している私たち全てのことを愛しているのです。
13. 人間はどのように堕落していますか。エホバはそれに対してどう行動しますか。
13 人類の道徳的な堕落。サタンは,神と似た者として創造された人間を堕落させることに喜びを感じています。エホバは,ノアの時代の「人々がひどく邪悪」なのを見て,「地上に人を造ったことを嘆き,心に痛みを感じ」ました。(創 6:5,6,脚注,11)その時と比べて,世界の状況は良くなっていますか。いいえ,なっていません。あらゆる性的不道徳が広まっているのを見て,悪魔は大喜びしていることでしょう。異性間でも同性間でも,不道徳な行為が行われているのです。(エフェ 4:18,19)サタンは,エホバを崇拝している人が重大な罪を犯すと,特に喜びます。やがて,エホバは辛抱するのをやめ,不道徳なことを行い続ける人を除き去ります。
14. 神が造った地球や動物は,人間のせいでどうなっていますか。
14 地球が損なわれていくのを見ること。人は,「人を支配し,人に害を及ぼしてきた」だけでなく,エホバから委ねられた地球や動物をきちんと管理できていません。(伝 8:9。創 1:28)一部の専門家によると,人間のせいで今後数年以内に100万種以上の生物が絶滅する恐れがあります。 自然界は危機に直面している,と言われているのも不思議ではありません。しかし感謝すべきことに,エホバは「地を損なっている人々[を]滅ぼ」して地球全体をパラダイスに変える,と約束しています。(啓 11:18。イザ 35:1)