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モーセ聖書に対する洞察,第2巻
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エホバはモーセがイスラエルの年長者たちに提出できる信任状を,み使いを通してお与えになりました。その信任状は,しるしとしての意味を持つ三つの奇跡の形で与えられました。聖書の中で,奇跡を行なう力が人間に与えられたことを記しているのは,この箇所が最初です。―出 4:1-9。
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モーセ聖書に対する洞察,第2巻
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モーセの指示を受けてアロンが最初に行なった奇跡は,エホバがエジプトの神々よりも優れていることを証明しました。ただし,ファラオは以前よりもかたくなになります。(出 7:8-13)そのあと,三番目の災厄が生じた時には,祭司たちでさえ「これこそ神の指です!」と認めざるを得ませんでした。さらに彼らは,はれ物の災厄でひどく打たれたので,その災厄の続いている間,モーセに抵抗するためにファラオの前に出ることさえ全くできませんでした。―出 8:16-19; 9:10-12。
災厄は和らげることも,かたくなにすることもある モーセとアロンは十の災厄の各々をふれ告げる者となりました。ふれ告げられた通りに災厄が臨み,エホバを代表する権限がモーセに託されていることが証明されました。エジプトでエホバのみ名が宣明され,多くの人の口に上るようになり,その結果,エホバのみ名に対して心を和らげる人々と,かたくなにする人々が出ました。イスラエル人とエジプト人の一部の人たちは心を和らげましたが,ファラオとその助言者および支持者たちはかたくなになったのです。(出 9:16; 11:10; 12:29-39)エジプト人は,自分たちが自分たちの神々を怒らせたとは考えませんでした。彼らの神々を裁いているのはエホバであることを知っていたのです。九つの災厄が実際に下された時までに,モーセも「エジプトの地で,ファラオの僕たちの目や民の目には非常に大いなる者」となっていました。―出 11:3。
イスラエルの人々の間でも際立った変化が生じました。彼らは当初モーセの信任状を受け入れましたが,ファラオの命じた労働条件が厳しくなるのを身をもって体験してからは,モーセに不平を述べるようになりました。そのためモーセは失意してエホバに訴えたほどです。(出 4:29-31; 5:19-23)その時に至高者は,アブラハム,イサク,ヤコブの待ち望んでいた事柄をこれから実行に移すつもりであることを啓示して,モーセを強められました。つまりイスラエルを救い出し,約束の地に大いなる国民として定住させてエホバというご自分のみ名の意味を十分明らかにされるのです。(出 6:1-8)それでもイスラエルの人々はモーセに聞き従おうとしませんでした。しかし九番目の災厄が終わった今,彼らはモーセに堅く従い,協力したので,十番目の災厄の後,モーセはイスラエル人を組織し,「戦闘隊形」という秩序正しい方法で彼らを導き出すことができました。―出 13:18。
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