ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 増大する致命的な脅威
    目ざめよ! 1989 | 10月22日
    • 増大する致命的な脅威

      悪魔主義,すなわち悪魔崇拝は広まっています。その特徴となっているのは,動物や人間を犠牲にする儀式,性的虐待,その他の犯罪行為です。悪魔主義者たちは何を信じているのでしょうか。この宗教がそんなにも興味を引くのはなぜでしょうか。「目ざめよ!」誌は,そうした質問に答えると共に,この恐ろしい宗教の背後にいる者の正体を暴露します。

      大人の人間が他の人間に忍び寄り,飢えたライオンのようにその獲物を殺し,血を飲み,心臓や他の部分を食べる,しかもそれがみな宗教の名のもとに行なわれるということを考えると,恐ろしくて気絶しそうになるでしょうか。

      母親と父親が自分の子供を提供し,他の人たちがその子に性的ないたずらをする,そして最後にその子は祭壇の上で殺され,それを見守る人たちがみな宗教的な満足を味わう場面を想像すると,ぞっとしますか。

      男たちが葬儀場で,彼らの言う神聖な霊者を喜ばせるため,死体と性関係を持つところを想像すると,胸が悪くなりますか。

      親を殺して死体をばらばらにした年若い子供が,自責の念も悔恨の情も示していない ― すべては悪魔を喜ばせるためなのだ,といった記事を読むと,身も心も凍りますか。

      宗教儀式の時に身に付けるため,墓から遺体を掘り起こしてその頭を盗んだり,手足の指を関節のところで切断するような人たちがいることなど,とても信じられないと思いますか。

      嬰児を血のしたたる犠牲としてささげられるよう,13歳から25歳までの女性会員に子を産ませることを奨励する宗教についてはどう思いますか。

      あなたはこれを読みながら,『映画製作者たちは今度は何を考え出すのだろう』と思われるかもしれず,『どうせただの作り話だ』と言われるかもしれません。本当にそうでしょうか。

      今お読みになった事柄は実際に起きた事なのです。映画台本作家の想像による作り話ではありません。あなたの住んでおられる町でも,このような事が起きたかもしれません。もしまだ起きていないとしても,起きるおそれは大きくなっているのです。

      動物や人間の犠牲,児童虐待,若い処女に対する強姦,乱交,その他同様の活動を儀式の一部としている宗教は,悪魔主義あるいは悪魔崇拝と呼ばれています。悪魔主義の儀式は余りにも奇怪で常軌を逸しているため,そのような事柄を礼拝の一部として行なう人々がいることを信じようとしない人が,当局者の中にも,一般の人たちの中にも少なくありません。

      悪魔主義の教団は,ほんの数年前までは比較的に信奉者の少ない教団でしたが,今では脅威となっていて,その悪影響は増大しています。サンフランシスコのある警察官は,「悪魔主義は80年代の新興宗教である」と報告しています。オーストラリアの指導的な犯罪研究専門家の一人は,「悪魔主義は,オーストラリアにおける組織犯罪の一部である。その中核をなす信奉者はオーストラリア全土で推定2万人はおり,悪魔崇拝,乱交パーティー,動物やもしかしたら人間さえも犠牲としてささげる儀式などを盛んに行なっている。行方不明児童のリストの背後にもこの運動があり,また麻薬や墓地荒らしにもこの運動が深くかかわっているものと私は信じている」と語りました。

      悪魔崇拝者の教団は,普通,9人ないし13人,場合によってはそれより多い成員の小グループに組織されています。当局の推定によると,1946年に米国ではそのようなグループが1万ほどあり,1976年には4万8,000,1985年には13万5,000ほどになりました。それらのうちどれほどのグループが非暴力的なのか,まただれが暴力的なグループを避けているかは不明です。1986年3月7日付のナショナル・カトリック・リポーター紙によれば,米国テキサス州エルパソ市には「あらゆる年齢層の悪魔主義者2,000人を擁する150の活発なグループがある」ということです。また,「米国ペンシルバニア州警察公報」は,「悪魔主義はアメリカで高まりを見せている。悪魔主義者たちによる暴力行為が報告されない日はないほどだ」と伝えています。

      しかも悪魔主義は,医師,弁護士,実業家,警察官,看護婦,司祭,主婦,軍関係者など,この世の中でれっきとした職業に就いている人たちで成る会員を誇っているのです。しかし新しい会員について言えば,世界各地の高校生や大学生の中から募って大きな成果を上げました。そのため今日では,多くの場所の会員の大半は十代の若者たちです。

      1988年8月26日付のニュージーランド・ヘラルド紙は,「14歳という若さの子供たちが悪魔主義の世界に誘い込まれていた」と報じています。カナダのある官吏は,「おもしろ半分に悪魔主義に手を出している……子供は,筋金入り(の悪魔主義者)と同じほど危険な存在だ」と述べました。

      カナダの非行少年短期収容所で働くある職員は,そこに収容されている多くの若者たちについてこう言いました。「驚いたことに,これらの子供たちの中には悪魔崇拝者が実に多い。彼らは悪魔主義のシンボルの入れ墨をしている。祭儀も行なう。実際に悪魔を信じているのだ」。

      そこに収容されている18歳の女性も,悪魔主義が自分の仲間の間で人気があることを認めました。あるカナダの若者は,アルバータ州で活動している,成員400人の悪魔主義の教団に所属していることを認めました。犯罪について調べているカナダの一専門家は,「ティーンエージャーの悪魔崇拝者を軽々しく放免すべきではない」と言いました。

      そういう教団に属する人たちは,秘密厳守の誓いを含め,生涯そのグループから離れないことを確約します。「会員となってその様々な犯罪活動に携わったなら,グループとの関係を絶つことは許されない」と,ナショナル・シェリフ誌は報じ,「秘密厳守のおきてを破った者は,自分と家族の者の命を重大な危険にさらすことになる」と付け加えています。「[彼らは]話さないようプログラムされており,話せば自滅するようなプログラムになっている」と,シカゴの一当局者は語りました。

      また,グループの会員は名前を明かさないように,警官に知られないように努めています。ある筋によれば,「彼らは,凶悪な犯罪を行なっても,もし当局に見破られて起訴されるなら,サタンからの報いは得られない,と信じている」のです。ですから,一つの悪魔主義の教団が犯人と分かるのは,多くの場合,偶然にすぎません。警察が,殺人現場に残されたしるし ― 例えば,逆様にされた聖書のページ,そしてその近くの泥の中に描かれた十字架,犠牲者の血で書かれた666という数字 ― をオカルトとのかかわりを示すしるしと理解するようになったのは,つい最近のことです。

      それにしても,自分たちの宗教の名において暴力を働くのはなぜでしょうか。次の記事では,その衝撃的な理由が幾つか取り上げられています。

      [3ページの囲み記事]

      信じ難いが,それは事実

        米国ペンシルバニア州警察の行方不明者捜査課の「公報」は,「捜査官にとって,司祭服を着,悪魔を象徴する物で身を飾った者たちが行なう犯罪行為についての奇妙で奇怪な話を信じるのは難しい場合がある」と報告している。

        しかし,同「公報」によれば,「悪魔主義者たちによる暴力行為が報告されない日はないほどだ。国中の警察が,悪魔主義集団の仕業と考えられる殺人,傷害,暴行,児童虐待,動物に対する残虐行為などの報告を受けている」という。

  • 暴虐を推し進める運動 ― なぜ?
    目ざめよ! 1989 | 10月22日
    • 暴虐を推し進める運動 ― なぜ?

      悪魔主義すなわち悪魔崇拝の歴史は,最初の人間の時代にまでさかのぼります。最初の人間夫婦が創造者なるエホバ神から離反するに至ったのは,サタンが擬装してエデンの園にいたからでした。(創世記 3:1-6。啓示 12:9)そのため最初の人間夫婦は,サタンの最初の味方という汚名を永久に残すことになりました。

      悪魔主義はその後幾千年かの間に,妖術,黒魔術,魔法その他多くの様々な形態のオカルトとして醜悪な姿を現わしてきました。しかしそれは欺まん的なもので,サタンという名や,それらがサタン崇拝であることは,その信奉者や,それらを実際に行なっている人たちは大抵知りませんでした。

      ところが,20世紀に入ってからは,悪魔崇拝がおおっぴらに,著しく復興し,今日では世界の多くの場所に広まっています。悪魔主義は,大胆な新しいイメージで宗教界に登場しています。もはや表面を取り繕った慈善という装いで正体を隠すことはしていません。それどころかサタンは,想像し得る最も暴力的な方法で崇拝されています。

      今世紀における悪魔主義の初期の創始者たちの中に,アリースタ・クローリという名の英国人がいました。クローリは,1905年に米国カリフォルニア州ロサンゼルスで,「オルドー・テンプリ・オリエンティス」という名称の悪魔主義のグループを組織しました。そして間もなく,増大する一教団に認められてその指導者となりました。クローリは自著「律法の書」の中で,「汝の欲するところをなせ。これが律法のすべてである」という新しい信条を唱道しました。この哲学に基づいてクローリは,人に知られているあらゆる道徳規範や聖書の教える原則に反する行為を唱道しました。そのため,殺人,暴力,強姦,人身御供などが宗教儀式の一部になりました。

      クローリは人間の犠牲についてこう書いています。「人間の犠牲はほとんどの目的に最もよくかなっており,全く罪のない,知力の優れた男児は最も満足のいく最適の犠牲である」。クローリは,自分のことを「世界一邪悪な男」と言ったことがありました。彼はある精神病院に入っていましたが,その後英国の安っぽい下宿屋でヘロイン中毒のために死んだと言われています。

      しかし不幸なことに,宗教の名によって「自分のしたいようにせよ」というクローリの自由の哲学は,彼と共に死に絶えませんでした。ある著述家はこう観察しています。「アリースタ・クローリの影は[ロサンゼルス地方]に大きく現われているが,彼の行き過ぎた行ないも今日の悪魔崇拝者たちがすることに比べれば影が薄れる」。

      悪魔に対する忠誠

      悪魔は世界を支配するというのがサタン崇拝者の信念です。しかも,ロバート・J・バリーがナショナル・シェリフ誌の中で書いているところによると,「世の終わりが到来するとき,ルシファー(魔王)の勢力は神とキリストの勢力を打ち負かし,天を支配する。そのため悪魔主義者は,この世だけでなく,来たるべき世においても悪魔を支持すべく忠誠を誓う」のです。

      ほかに,「キリストとサタンは世の終わりをもたらすために連合勢力を有している」と信じているサタン崇拝者たちもいると言われています。ある悪魔主義教団は,キリストはサタンを殺し屋として用いていると言います。したがって,モーリ・テリーが自著「究極の悪」の中で述べているところによれば,「サタン崇拝はキリスト崇拝に通じていた。サタンの名によって殺すことは,実際にはキリストのために殺すことで,神から与えられた使命だった」のです。

      教団の宗教教義や実践の一部として「冒涜,殺人,強姦,革命,悪とされる事柄」を行なうことを望むと言ったのは,アリースタ・クローリでした。実際,ある教団の指導者は,「汝殺すべし!」という明確なスローガンを掲げました。それこそ正に悪魔主義教団の会員が行なってきた事柄であることは明白です。

      ある人は彼らが暴虐を働く理由を次のように説明しました。「強姦は処女の清さを奪う目的で行なわれるが,サタン崇拝者たちにとってそれには特別な意味がある。放火は大火災,すなわちハルマゲドンの象徴であり,殺人は混乱を広め,『悪い者は悪い事を行なう』というダニエルの預言を成就するためである」。

      あるサタン崇拝者たちの教義を調べてみると,彼らがアドルフ・ヒトラーを崇拝に値する人物と考えていることも分かります。事実,ある著述家は,「彼らはヒトラーがもたらした滅びを,来たるべき事柄の準備とみなしており,その大事件に加わりたいと考えている」と言いました。

      ヒトラー礼賛の背後にある根本的理由は何でしょうか。独自の調査を行なう記者,モーリ・テリーの説明によると,一つの理由は「アルファベットの各文字に数字を当てる数霊術の表にあった。この方法によると,Aは100に等しく,Zは125に匹敵した。ヒトラーの名字の文字に対応する数字(107,108,119,111,104,117)を合計すると,聖書の啓示の書(黙示録)の大いなる野獣の数字,666になる」ということです。

      そう言えば,あちこちのグループの集会場所の壁,あるいは公共の建造物の壁や橋に666という数字が描かれています。HTやHHという文字はヒトラーを表わしていると言われ,稲妻の形をした,ドイツの親衛隊のSSは,「天から地獄までの威力」を象徴していると言われています。悪魔主義者たちはかぎ十字も用いています。「これらはみな,自分たちが仕えるサタン-ヒトラーという獣のしるしだ」と,ある会員は言いました。

      集会は暴虐を招く

      この集団の集会には1年に20回を超える特別の行事があると言われています。その多くは,いわゆるキリスト教の祝祭と同じ時に行なわれます。これは,善あるいは聖と考えられているものをことごとく汚す手段になると彼らがみなす事柄と一致しています。ハロウィーンは,悪魔主義の祭りの主要なものです。集会もしくは宴会は秘密の場所で行なわれ,事情によってその場所は変わります。「集団の集会を開く前には,処女[少女]に対する強姦,ホロコースト[放火],あるいは人か動物の儀式的殺害によってサタンを喜ばせなければならない」と,テリーは書いています。

      犬や猫を犠牲としてささげるのは,その教団にとって重要なことです。例えば,ニューヨーク市近郊のある場所では,ある1年間に,皮をはがれたドイツ・シェパードやドーベルマンが85匹も発見されました。こうしたことはみな悪魔主義者たちの仕業と考えられています。体の様々な部分は,不思議な力が宿っていると信じられているため,切り取られて食べ尽くされることが少なくありません。血は,教会から盗んだ銀の聖さん杯に入れて回し飲みされます。これらはみなサタン崇拝の一部なのです。言うまでもなく,人間の犠牲はサタンを一層喜ばせる最高の捧げ物と考えられています。多くの場合,サタンはそのようにしてなだめられます。

      それにしても,このサタンとは何者ですか。本当に存在しているのでしょうか。それとも,妄想の所産にすぎないのでしょうか。

      [7ページの囲み記事/図版]

      悪魔をなだめるための犠牲

        去る4月,米国テキサス州との境にほど近い,メキシコのマタモロス市郊外で,犠牲として殺された12人以上の男性の遺体が発見されて,世界は衝撃を受けました。タイム誌は次のように伝えています。

        「殺害者たちは,悪魔の機嫌を取るため,スープに足や腕の骨,動物の頭蓋などを混ぜ,犠牲者の脳や心臓を煮た。検死を済ませるのに病理学者が二人で……ほぼ四日かかるほど,悪魔崇拝者たちのしたことは悪らつなものだった」。

        悪魔崇拝者たちは,人間の犠牲をささげて自分たちの神をなだめるなら神に保護される,と信じていました。ある警部補の話によると,殺害者たちは「警察に逮捕されないよう,銃弾に当たって死ぬことがないよう,お金をもっと稼ぐことができるよう」悪魔に祈ったということです。

  • サタン ― その仮面を外す
    目ざめよ! 1989 | 10月22日
    • サタン ― その仮面を外す

      サタンは今日,世界的な注目を浴びています。サタンについては,新聞,雑誌,宗教冊子などに多くのことが書かれ,ラジオやテレビの番組でも,サタンの名を持つ宗教のことが盛んに取り上げられてきました。

      公共の場所のベンチ,橋の上,廃屋となったビルの壁,店舗の正面などにはペンキで,板ガラスの窓などには白い塗料で,「サタン」という名が,普通のつづりや逆のつづりで書かれているのが見かけられます。人々の中でも特に若者たちが,サタンという名の付いた宗教に魅力を感じ,結局そのわなにかかってしまうという現象が顕著になっています。

      しかし,広く知られているにもかかわらず,サタンとは一体だれか,あるいは何かということになると,意見はまちまちです。サタンの最も献身的な追随者たちをも含め,多くの人にとって,サタンは正体不明の存在です。ある宗教学の教授は,「一人の文字通りの人間をサタンと信じている人もいれば,サタンとは比喩的表現であると考える人,そんな者はいないと簡単に片付けてしまう人までおり,全く千差万別だ」と言いました。

      バプテスト神学校で宗教学を教える別の教授が,サタンの特性を神の大敵としてではなく,『神の僕』として記述したとき,激しい宗教的怒りが爆発しました。バプテスト教会の出版会社には,この解説に抗議する電話が盛んにかかり,多くの投書が舞い込みました。バプテスト教会の保守的な牧師は,「もしサタンが神の僕として認められるのであれば,我々は神を敵に回すことになる」と言いました。ところが,バプテスト教会の牧師であるもう一人の宗教学の教授は,バプテスト教会の理事会はサタンに関する「バプテスト教会の公式見解を出すための票決をしたわけではない」と反論しました。

      実際に多くの教会の教会員は,自分の宗教がサタンについてどんなことを教えているのかよく知りません。ある新聞の記者は,「サタンについて教会員が信じるべき事柄を示す教義を有する教会はほとんどなく,その問題は全く個人の判断にゆだねられている」と述べています。悪魔とは人の内面の悪を表わすものにすぎない,などと教えている人たちもいます。例えば,長老派教会の牧師,A・D・エリソンは,イエスは荒野にいた時,超自然の悪魔のような者によってではなく,イエス自身の自己中心的傾向によって誘惑されたと主張します。

      教会指導者たちがサタンの実在を疑問視しているのですから,教会員が同じように疑念を抱くのも不思議ではありません。

      サタンの正体

      しかし,サタンとはだれであるかに関して聖書の述べることは非常に明確です。全能の神は,天においてご自分の前に出入りする,ご自分の僕となる霊の被造物を多数創造されました。聖書は,神が『地の基を置き』,それを将来の人間の住みかとして創造された時,「神の子たち[み使いである霊の被造物]がみな称賛の叫びを上げはじめた」ことを明らかにしています。(ヨブ 38:4,7)やがて,それらのみ使いのひとりが自分の創造者に背き,反逆者,反対者となりました。

      その最初の反対者,すなわちサタン(「反抗者」という意味)が,蛇を代弁者としてエバに話しかけ,神に背くよう誘惑したのです。(創世記 3:1-6)サタンが「初めからの蛇」とも呼ばれているのはそのためです。(啓示 12:9)イエスご自身はサタンのことを,「その者は,その始まりにおいて人殺しであり,真理の内に堅く立ちませんでした。真実さが彼の内にないからです」と言われました。(ヨハネ 8:44。ヨハネ第一 3:8)こうしてイエスは,サタンがかつてはエホバ神の恵みを享受していた者,しかし神に反逆した者であることを明らかにされました。

      悪魔とは,悪という抽象的原理を指すにすぎないと言う人もいますが,聖書の中でサタンのものとされている特質や行動は,人格的存在にしか当てはまりません。確かに聖書は,サタンが実在する,肉眼では見えない霊者であることを示しています。サタンの目的は,自ら公然と認めているとおり,人類を創造者なるエホバ神に仕えさせないようにすることです。サタンが荒野でイエスを誘惑したとき,イエスが悪という単なる特質,もしくは『自分の自己中心的傾向』に誘惑されたはずはありません。イエスは「偽りも汚れもなく,罪人から分けられ」ていた,と聖書にはっきり述べられていますから,イエスの内に悪や利己心が宿ることなどあり得ないからです。―ヘブライ 7:26。ルカ 4:1-13。

      権力欲

      サタンは,他の者たちを支配したい,彼らの神になりたい,崇拝されたいという欲望から権力欲に駆られ,神に反逆しました。(コリント第二 4:4)サタンはアダムとエバに力と自由を得ることを勧めました。それはつまり,「神のようになって」正邪善悪を自分で決めることです。(創世記 3:5)今でもサタンが自分の崇拝者たちに提供しているのは力と自由です。

      ですから,ショーンという名の十代の悪魔主義者は,自分の両親ともう一人の人を殺害した直後,「おれは自由だ。人を殺しても良心のかしゃくを感じない」と書いています。また別の時には,「おれは神を捨て,キリストを捨て,サタンにだけ仕える。……サタン万歳」と,自分の血で書きました。

      十代の若者で以前に悪魔主義教団の会員だったランディー・ショーズは,「当時は,あの力が全部自分のものだったのだから最高だった」と説明し,『自分を保護する仲間から,他人を害する儀式や呪文から,そしてまた秘密主義から来る力に魅せられていた』ことを強調しました。

      確かに,多くのサタン崇拝者の間には,サタンの教えに従う者は力が得られるという信念があります。そしてそれを一部の悪魔崇拝者たちは,罰を受けずに殺人を行なう力と解釈しています。サタンの崇拝者たちが起こした殺人事件に関する報道から分かるように,彼らは殺人によって悪魔の機嫌を取ることができると本当に信じているのです。ですから,悪魔崇拝という増大する脅威を真剣に受け止める必要があります。

      欺かれてはならない

      忘れないでください。サタンは実在者です。だれかの想像の所産ではありません。サタンの最大の喜びは,神と神の言葉聖書の信用を落とすことであり,できるだけ多くの者を滅びの網に捕らえることです。しかし,神はすでにサタンに対する行動を開始し,サタンを天から追い出して地の領域に監禁することをよしとされました。サタンが地の領域に監禁されたことが,近年の悪魔主義復興の一因となっていることは疑えません。―啓示 12:7-12。

      親の立場にある人は,よく気をつける必要があります。子供たちが悪魔主義に走るのは,多くの場合,親が子供に必要な愛と心遣いを示さないからです。子供たちは見捨てられたように思って恨みを抱き,いとも簡単に悪魔主義者を募る者の餌食になってしまうのです。

      しかし,幸いなことに,サタンとその影響が存在しなくなる時が近づいています。間もなくサタンとその追随者はみな敗北を喫し,完全な滅びを被ります。サタンとその悪霊たちが不敵にも反抗してきた大いなる神エホバは,ご自分の戦士なる王イエス・キリストを用いて,それら邪悪な者たちを一掃されます。(ヨハネ第一 3:8。啓示 20:1-3,10)その間あなたは,サタンに抵抗する人たち,まことの神エホバの組織された崇拝者たちの愛ある兄弟関係の中で保護される人たちの中におられますように。

      [9ページの囲み記事]

      本当に保護となるもの

        ある男性は,米国ニューヨーク州ミドルタウンのタイムズ・ヘラルド・レコード紙への投書の中で,自分がどうしてオカルトの力を求めるようになったかを説明していました。この人は,その力を得る方法が書かれている二人の心理療法医の著書に傾倒したことがありました。「その方法を綿密に実行したところ,6週間にわたって夜ごとに恐怖に襲われました」と,その人は説明しています。

        そして,続けてこう語りました。「幸いにも,二人のエホバの証人が私にアドバイスしてくれました。特に,エホバに祈るようにと勧められたので,毎晩,異様な気持ちになり始めた時に祈るようにしました」。どんな結果になったでしょうか。

        この人はこう言っています。「最後に恐怖に襲われた夜,私に取りついていた何者かはその手を緩めました。……その時以後,嫌な経験をしたことは一度もありません」。この人は新聞に投書したとき,「神はオカルトの慣行に関係する人たちをとがめておられる(申命記 18:10-13)」ということを学びました。―1988年2月27日付。

        上記の聖句には一部こう記されています。「あなたの中に,……占いに頼る者,魔術を行なう者,吉凶の兆しを求める者,呪術を行なう者,また,まじないで他の人を縛る者,霊媒に相談する者,出来事の職業的予告者,死者に問い尋ねる者などがいてはいけない。すべてこうした事を行なう者はエホバにとって忌むべきものであ(る)」。

      [10ページの囲み記事]

      親の皆さん,兆候に気をつけてください

        悪魔崇拝には若者たちの心に訴える力があるので,親は自分の子供が巻き込まれている兆候はないか,警戒すべきです。悪魔主義教団についての権威者,イーボン・ピータソンは次のように語りました。

        「彼ら(若者)は信頼してくれる人を必要としている。……だれでもいいから自分に注意を向けてくれる人……耳を傾けてくれる人を切に求めている。それらの教団は耳を傾けることに非常にたけている」。

        米国ニュージャージー州に住むカウンセラー,アンジェロ・ピアリはこう警告しています。「『それは一時的な流行にすぎない』と思う人もいることだろう。だが,それこそ悪魔主義者たちの望んでいることなのだ。彼らは暴露されることを望んでいない。自分たちの活動の真意が明るみに出されることを望んではいない」。

        若い人たちが聴く音楽に気をつけることは特に重要です。今日のヘビー・メタル・ロックと呼ばれる音楽は,悪魔主義的なメッセージや象徴で満ちていることが少なくありません。「それは殺傷せよというメッセージが織り込まれていて,極端に倒錯的である。それは暴力を行動に移したいという子供の欲求を満たすのだ」と,ピータソンは述べています。

        昨年,ニュージャージー州の14歳のある若者が,自分の母親を刺し殺して自殺しました。彼の部屋の壁には,ヘビー・メタル・ロック演奏家のポスターが一杯張ってありました。後でその少年の父親は,「子供たちが聴いている音楽に気をつけるよう,親の皆さんに言ってあげてください」と頼みました。その父親の話によると,息子は殺人を犯す前の週ずっと,「血のことや母親を殺すことについての」ロックソングばかり歌っていたということです。

        確かに,悪魔主義は死を招く大きな脅威になっています。それと闘うための第一段階は,情報を取り入れ,そしてそれに立ち向かうことです。そうです,わたしたちのする戦いは「邪悪な霊の勢力に対するもの」であると述べている聖書は正しいのです。(エフェソス 6:12)サタンとその悪霊たちは本当に存在しており,すべての悪魔的な行為の背後にいるのは彼らなのです。

日本語出版物(1955-2025)
ログアウト
ログイン
  • 日本語
  • シェアする
  • 設定
  • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
  • 利用規約
  • プライバシーに関する方針
  • プライバシー設定
  • JW.ORG
  • ログイン
シェアする