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  • 出エジプト(エジプト脱出)
    聖書に対する洞察,第1巻
    • ファラオの布告 さらに,別の要素を考慮できるでしょう。それは,男の子はすべて誕生時に殺すようにというファラオの布告です。この布告はあまり効果がなく,存続したのは短期間だったようです。アロンはモーセよりも3年ほど前(つまり,西暦前1597年)に生まれましたが,当時,そのような布告は実施されていなかったようです。聖書はファラオの布告があまり功を奏さなかったことをはっきり述べています。産婆仲間の頭で,他の産婆を監督していたと思われるヘブライ人の女であるシフラとプアは,王の命令を実行しませんでした。この二人は自分たちの下で働く産婆たちに命令どおりの指示を与えなかったようです。その結果,「この民は一層多くなり,非常に強大になって」ゆきました。そこで,ファラオは生まれたばかりのイスラエル人の男の子を皆,ナイル川に捨てるよう自分の民すべてに命じました。(出 1:15-22)しかし,エジプトの一般民衆はヘブライ人をそれほど憎んではいなかったようです。ファラオの実の娘でさえモーセを救い出しました。また,ファラオはほどなくして,もし自分の布告が効力を保ち続けるなら,貴重な奴隷たちを失うことになるという結論に達したのかもしれません。後に,エジプト脱出が行なわれた当時のファラオは,ヘブライ人を奴隷労働者として重視していたからこそ彼らを去らせようとしなかったのです。

  • 予知,あらかじめ定める
    聖書に対する洞察,第2巻
    • すでに考察した忠実なアブラハムの事例は,これらの原則を示す一例です。それと対照的なのは,良い反応を示さなかったエジプト脱出の時のファラオの事例です。エホバは,「強い手をもってするのでなければ」,ファラオがイスラエル人に出て行く許しを与えないことを予知し(出 3:19,20),初子の死を招く災厄をあらかじめお定めになりました。(出 4:22,23)神がファラオをどう扱われたかに関する使徒パウロの論議は,神があらかじめ定めた目的にしたがい,個々の人の以前からの傾向や心的態度とは関係なく任意に個人の心をかたくなにするという意味に誤解される場合が少なくありません。(ロマ 9:14-18)同様に,多くの翻訳によれば,神はモーセに対し,「[ファラオの]心を固くする」とお告げになりました。(出 4:21。出 9:12; 10:1,27と比較。)しかし,幾つかの翻訳はこのヘブライ語の記述を,エホバが「[ファラオの]心を大胆にならせる」(ロザハム)とか,「[ファラオの]心をかたくなにならせる」(新世)というように訳しています。ロザハム訳の付録は,このような訳し方の裏付けとして,ヘブライ語では,ある出来事の誘発や許容が,あたかもその出来事の原因でもあるかのように提示される場合が多く,「明確な命令でさえ,許容を意味するにすぎないと解さなければならないことがある」と述べています。例えば,出エジプト記 1章17節の元のヘブライ語本文は字義通りには,産婆が「男の子たちを生きるようにさせた」となっていますが,実際には,子供たちを殺さないでおくことによって生きることを許したという意味です。ロザハムは,裏付けとしてヘブライ語学者のM・M・カーリシュ,H・F・W・ゲゼニウス,およびB・デーヴィスを引き合いに出した後,ファラオに関する本文のヘブライ語の意味は,「ファラオが自分自身の心を固くすることを神は許され ― 彼を容赦し ― 彼の内にあった悪を成し遂げる機会つまり好機を彼にお与えになったということ,まさにそういうことにすぎない」と述べています。―エンファサイズド・バイブル,付録,919ページ。イザ 10:5-7と比較。

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