イスラエル人の祭司は,音を震わせてラッパを吹くこともありました。宿営全体が移動することをエホバが望んでいるという合図です。(民 10:5,6)宿営の移動を整然と秩序正しく行うには,一人一人に大きな努力が求められました。時には,複雑な気持ちになった人もいたでしょう。
例えば,移動の呼び掛けがあまりに頻繁で急過ぎると感じる人もいたでしょう。「雲が夕方から朝までしかとどまらない」ケースです。次の移動までに「2日でも1カ月でもそれ以上でも」宿営し続けることもありました。(民 9:21,22)宿営は何回移動しましたか。民数 33章には,イスラエル人が宿営した場所が40ほどあったと書かれています。
日陰になる所に宿営できた人もいたことでしょう。「広大で恐ろしい荒野」の中でも,日陰だったらまだ過ごしやすかったでしょう。(申 1:19)そこから移動するのは気が進まないと感じたかもしれません。
ある部族が移動を始めても,自分たちの番が来るまで待たなければならない部族もありました。音を震わせて吹くラッパを全員が聞きましたが,全員が同じタイミングで移動を開始できたわけではありません。音を震わせて吹くと,まず東側のユダ,イッサカル,ゼブルンの部族が移動しました。(民 2:3-7; 10:5,6)これらの部族が出発すると,祭司が2度目にラッパを震わせて吹き,今度は南側の3部族が出発しました。全部族が移動するまで,祭司はこれを繰り返しました。
あなたも組織上の調整がなされ,受け入れるのが難しいと感じたことがあるかもしれません。幾つもの点が調整され,気持ちが付いていかないと感じたことでしょう。以前の取り決めの方が都合が良く,変わらないでほしかったと思うかもしれません。いずれにしても,辛抱が求められ,慣れるまでに時間がかかったでしょう。それでも受け入れるよう真剣に努力するなら,エホバの祝福を経験できます。
モーセの時代,エホバは男性,女性,子供から成る何百万もの民を荒野で導きました。エホバの導きと世話がなければ生き延びることはできなかったでしょう。今日,私たちもエホバの導きのおかげでエホバとの絆を保ち,強めることさえできています。これからも,ラッパによる合図を聞き分けて従ったイスラエル人に倣っていきましょう。