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だれに復活の希望があるかものみの塔 1965 | 6月1日
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27 使徒行伝の示すところによれば,このような者の中には,ゲヘナのさばきを逃れた人がありましたか。
27 パリサイ人の中にも,クリスチャン使徒パウロとなったタルソのサウロのように悔い改め,天国を閉ざすことをやめた人もありました。(使行 7:58; 8:1-3; 9:1-30; 22:1-5; 23:6。ピリピ 3:4-6)使徒行伝 2章10節,8章27-39節にも,割礼を受けた改宗者のことが出ており,また使徒行伝 6章7節は「エルサレムにおける弟子の数が,非常にふえていき,祭司たちも多数,信仰を受け入れるようになった」ことを述べています。宗教的な偽善を捨てたこれらの人々は,クリスチャンの信仰に忠実に留まり,こうしてかつてはゲヘナのさばきを受ける身であったにもかかわらず,それを無事に逃れることができました。彼らは「蛇……まむしのすえ」悪魔を宗教的な父とした者たち,「悪魔でありサタンである龍」のすえでないことを証明しました。―ヨハネ 8:44。黙示 20:2。
28 ギリシャ語のゲヘナという語は何から出ていますか。原語を文字通りに訳すと,どんな言葉になりますか。
28 ゲヘナとはいったいどんな場所であり,またそれは何を象徴していますか。ギリシャ語の「ゲヘナ」は,「ヒンノムの谷」を意味するヘブライ語のゲー・ヒンノムを音訳した言葉です。ギリシャ語の言葉ゲヘナの音節「ゲ」は,「谷」を意味するヘブライ語のゲー(גיא)に相当し,残りの部分「ヘナ」はヒンノムに相当します。ヒンノムはさばき人ヨシュアの時代にいたある人の名前でした。
29 ゲヘナははじめ何でしたか。ヨシュア記 15章8節,18章16節によれば,そこで何が行なわれましたか。
29 ヒンノムの谷という名称が聖書の中にはじめて出てくるヨシュア記 15章8節を読むと,それはベニヤミンとユダの支族の領地を区切る境界線であり,エルサレムと関連しています。(ユダの)境はベンヒンノム〔ヒンノムの子〕の谷に沿って,エブスびとの地,すなわちエルサレムの南のわきに上り,ヒンノムの谷〔ヘブライ語でゲーヒンノム,ラテン語でゲ・エンノム〕の西にある山の頂に上る。これはレパイムの谷の北の果にあるものである」。ギリシャ語七十人訳はこれをオノムのファランクスすなわちオノムの裂け目(割れ目,小谷,峡谷)と呼んでいます。ヒンノムの谷は,ベニヤミンの支族の境界に関連してヨシュア記 18章16節にも出ています。
30 ゲヘナはイスラエル人によってどのように悪用されましたか。そのような悪用を防ぐために,何が行なわれましたか。
30 昔のエルサレムの西および西南にあったヒンノムの谷は,背教のユダヤ人によって悪用されるようになりました。歴代志下 28章3節はエルサレムのアハズ王に関して次のことを述べています。「ベンヒンノムの谷〔ゲー・ベネノム,七十人訳〕の谷で香をたき,その子らを火に焼いて供え物と(した)」。(また歴代下 33:6。エレミヤ 7:31,32。32:35)ヒンノムの谷がバアルの偶像崇拝に使われ,この偽りの神に人身御供をささげるために用いられたので,忠実なヨシヤ王はこの谷をわざと汚しました。列王紀下 23章10節はヨシヤ王について次のことを述べています。「王はまた,だれもそのむすこ娘を火に焼いて,[偽りの神]モレクにささげ物とすることのないように,ベンヒンノムの谷にあるトペテを汚した」。d この谷は現在ワディ・エル・ラバービと呼ばれています。
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その2ものみの塔 1965 | 6月1日
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その2
1 イエス時代のゲヘナとは何でしたか。それはどんな刑罰の象徴として用いられましたか。
ゲヘナすなわちヒンノムの谷は,クリスチャン・ギリシャ語聖書中に12回述べられています。イエス・キリストの時代にそれはエルサレムの城壁の外にあった谷であり,火の燃える場所でした。ゆえにそれは地上にあったのです。それはおよそ人間に臨む刑罰のうちで最悪のものの象徴となりました。たとえば山上の垂訓の一部であるマタイ伝 5章22節において,イエスはこう言われました。「すべて兄弟を怒る者は,審判にあふべし。また兄弟にむかひて,愚者よといふ者は,衆議にあふべし。また痴者といふ者は,ゲヘナの火にあふべし」。(文語)このようにイエスは「ゲヘナの火」を第3番目の,そして最悪の段階のものとしています。なぜそうですか。人を痴者と呼んでゲヘナの火に宣告された者は殺され,しかも葬られないからです。その死体はゲヘナの火で焼かれてしまうので,骨をひろってつぼにおさめることも行なわれません。それでこのような人は黄泉(ヘーデース)に行くとは述べられていません。
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