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知識を増して平和を追い求めるものみの塔 1963 | 4月1日
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29 夜中になって出発します。四方から迫る暗やみは,壁のように物音を消してしまいます。だれかが暗やみの中でころんで敵の目をさましたり,あるいはギデオンの合図を待ちきれずに,神のとりきめを無視して先走るならばどうでしょうか。緊迫した空気がひしひしと感じられます。何秒という時間が何時間にも思われます。いよいよ近づきました。部署につく歩哨の息を殺した声さえ聞えてきます。天幕の兵士たちは眠りこんでいます。すると突然301人の吹くラッパが鳴り渡り,301のかめが砕かれ,301人の声が「エホバの剣ギデオンの剣なるぞ」と叫ぶと共に301のたいまつがいっせいに高く掲げられました。
30 ミデアン人は大恐慌に陥りました。大混乱に陥った無数の天幕では同志うちが始まり,ミデアン人はけわしい土地の上を先を争って逃げ出したのです。しかし同志うちにあったり,あるいはギデオンの命によりヨルダンの渡し場で逃げ道をふさいだイスラエル人の剣にかかって12万人が殺されました。
31 (イ)後日に備えて記憶に留めておくための良い方法は何ですか。(ロ)しかし心に留めておくべき最も肝要な点は何ですか。
31 この光景を忘れることはできません。それで勉強しているとき,読んでいる事柄を感じとるようにすれば,忘れる心配はありません。すべての感覚を働かせなさい。心に光景を思い浮かべなさい。想像力を働かせなさい。その出来事の中の一人物になってごらんなさい。食物を味わい,馬を走らせ,岩をよじ登り,ラッパを吹き,濡れた草を踏んで歩くなど,その場に自分がいることを想像し,その場の空気を感じとりなさい。そうしながら,そこに与えられている教えを自分に適用しなさい。なぜその行動がとられたか,エホバの御心がどのように関係しているかを心に銘記するとき,この知識を必要に応じて役立たせることができます。ギデオンの行いは聖書にしるされて長く記憶されていることに注目して下さい。また更に重要なことにエホバが勝利を与えられたことを心に留めて下さい。―サムエル前 12:11。詩 83:9,11。イザヤ 9:4; 10:26。ヘブル 11:32。
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日毎に知識を増し加えなさいものみの塔 1963 | 4月1日
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日毎に知識を増し加えなさい
1 人間の知恵を得る人と神の言葉の知恵を得る人との成長をくらべなさい。
聖書から新しく学んだ事柄を快よく受け入れない人が往々にしています。疑いなくそれは聖書の真理と一致しない自分の考えを捨てなければならないからです。神の教えをおいて,人間の知恵に固執しているならば,いかに知識をふやしても,それは人を誇らせ,ねたみ,争い,疑いに満ち,平安のない不健全な心を生み出すに過ぎません。(テモテ前 6:3-5)自分の人格をあらたにし,利己的な考えを捨てて,聖書の原則に固く従うとき,大きな幸福を味わいます。(エペソ 4:22-24)そして以前のことを考えてみると,前に抱いていた考えが理にかなっていないこと,いまは真理と論理に従って聖書全体にわたり,詳細な理解を得ていることに感慨をあらたにすることでしょう。
2,3 勉強中に参照の聖句をひいたり,辞書その他をしらべることは必要ですが,その際に何を避けるべきですか。
2 与えられている時間内で最大の効果をおさめるには,研究している主題からはなれないことが大切です。辞書をひいてある言葉の意味をしらべるにしても,その頁にある全部の語の定義を読んでいたのでは,勉強がはかどりません。主題をまず頭にいれておき,それを裏づけるための,関連した事柄はそれぞれの場所において考えるようにしなさい。そうしないと,知識は未完成の絵合わせのようになってしまい,主題から離れなければ,エホバの御心を示す完全な絵になるものが,ばらばらでまとまらないままになってしまいます。たとえば前の記事の中で,士師記 7章2節にある主題をつかんでいなければ,ギデオンについて読んでも,ほとんど得るところがないでしょう。
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