6. 格言 1章22-25節によると,真の知恵に耳を貸そうとしないのはどんな人たちですか。
6 多くの人は,真の知恵が「通りで大声で叫」んでも,耳を貸そうとしません。聖書によれば,知恵を退ける人たちには3つのグループがあります。「経験のない人」,「あざける人」,「愚かな人」です。(格言 1:22-25を読む。)では,こうした人たちが神の知恵を退けるのはなぜか,私たちはどうすればこうした態度を避けることができるかを考えていきましょう。
7. 「経験のない人」の中に,あえて変化しようとしない人がいるのはなぜですか。
7 「経験のない人」とは,世間知らずで,簡単に説得されたりだまされたりする人のことです。(格 14:15,脚注)私たちは伝道でそうした人たちに会うことがあります。確かに,非常に大勢の人が,宗教指導者や政治指導者に惑わされています。中には,自分がだまされてきたことを知ってショックを受ける人もいます。しかし,格言 1章22節に出てくる人は,経験のなさを好んでいるので,あえて変化しようとしません。(エレ 5:31)「自分の好きなことをしたい。聖書の教えを学んだり聖書の基準に従ったりはしたくない」と考えているのです。カナダのケベック州に住む,1人の信心深い女性は,訪ねてきたエホバの証人に対して,こう言いました。「もしうちの司祭が私たちを惑わしているとしても,それはその司祭の責任であって,私たちの責任ではありません」。同じように考えている人は大勢います。でも私たちは,あえて変化しようとしないこうした人たちのようにはなりたくありません。(格 1:32; 27:12)
8. 経験を積んでいくために,どんなことができますか。
8 聖書が,経験のないままでいるのではなく,「理解力の点では大人にな」るようにと勧めているのももっともなことです。(コリ一 14:20)私たちは,聖書の教えを当てはめることによって経験を積んでいくことができます。そうしていくなら,問題を避けたり賢い決定をしたりする上で聖書が助けになる,ということを少しずつ実感できるでしょう。この点で自分がどれほど成長しているかをチェックするのは良いことです。聖書を勉強し,集会に出席するようになってしばらくたっているのに,献身やバプテスマの段階まで進歩していないなら,それはなぜでしょうか。すでにバプテスマを受けているなら,良い知らせを伝えたり教えたりする面で成長しているでしょうか。何かを決めなければいけない時には,聖書の教えに沿った決定をしているでしょうか。人と接する時,イエスの手本に倣うようにしているでしょうか。改善できるところに気が付いたなら,「経験の浅い人を賢くする」エホバの教えについてじっくり考えるようにしましょう。(詩 19:7)
9. 「あざける人」は,どのようにして知恵を退けていますか。
9 神の知恵に耳を貸そうとしない2つ目のグループは,「あざける人」です。私たちは伝道でそのような人に会うことがあります。こうした人たちは,あざけることを好んでいます。(詩 123:4)聖書は,終わりの時代にあざける人たちが多く見られると警告しています。(ペテ二 3:3,4)正しい人ロトの婿たちと同じように,神からの警告に注意を払わない人がいます。(創 19:14)聖書の教えに従って生きる人たちをあざ笑う人も少なくありません。あざける人は,「神を敬わずに欲望のままに」行動します。(ユダ 7,17,18)あざける人について聖書が述べていることは,背教者やエホバを退ける人たちにぴったり当てはまるのではないでしょうか。
10. 詩編 1編1節からすると,あざける人にならないために何ができますか。
10 どうすれば,あざける人にならないよう,自分を守れるでしょうか。1つの方法は,批判的な態度を取る人たちと関わりを持たないようにすることです。(詩編 1:1を読む。)それで,背教者の言うことを聞いたり書いた物を読んだりは決してしません。気を付けていないと,私たちは批判的になって,エホバや組織からの指示に疑いを持つようになってしまうかもしれません。そうならないために,次のように考えましょう。「自分は新しい指示や説明があった場合,消極的なことばかり言うだろうか。教え導いている人たちのあら探しをする傾向があるだろうか」。こうした良くない点をすぐに改善するなら,エホバは喜んでくださいます。(格 3:34,35)
11. 「愚かな人」はエホバの道徳基準に対してどんな態度を取りますか。
11 知恵を退ける3つ目のグループは,「愚かな人」です。こうした人たちが愚かと言えるのは,神の道徳基準に従って生きるのではなく,自分が正しいと思うことを行っているからです。(格 12:15)そのようにして,知恵の源であるエホバを退けているのです。(詩 53:1)そうした人たちは,伝道している私たちに対して,聖書の基準に従っていることを厳しく批判することがよくあります。とはいえ,より良い生き方を示すことはできません。聖書の次の言葉の通りです。「愚かな人は真の知恵を獲得できない。町の門の所で何も言う事がない」。(格 24:7)愚かな人が真の知恵を語ることはできません。ですから,エホバが「愚かな人から離れていよ」と警告しているのも当然のことです。(格 14:7)
12. 愚かな人のようにならないために,どんなことができますか。
12 愚かな人は神の助言を嫌いますが,私たちは神の考え方や道徳基準への愛を強めたいと思っています。そうする上で,神の基準に従うことの結果と従わないことの結果を比較することが役に立ちます。愚かにもエホバの基準を退ける人はどんな問題を経験しているか,そして,私たちは神に従うことによってどれほど良い生き方ができているかを考えてみてください。(詩 32:8,10)
13. エホバはご自分の助言に無理に従わせようとしますか。
13 エホバは全ての人が知恵を得られるようにしていますが,それを押し付けたりはしません。それでも,知恵に耳を傾けない人がどんな結果になるかを明らかにしています。(格 1:29-32)エホバに従おうとしない人は,「当然の報いを受け」ることになります。悲しみや苦痛を経験し,最後には滅ぼされるのです。一方,エホバの素晴らしい助言に耳を傾け,従う人には,次のような保証が与えられています。「私の言うことを聞く人は安心して暮らし,災いを恐れて動揺することはない」。(格 1:33)