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話すべき時と黙っているべき時ものみの塔(研究用)2020 | 3月
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研究記事12
話 すべき時 と黙 っているべき時 「
黙 っているのに時 があり,話 すのに時 がある」。伝 道 3:1,7124
番 の歌 揺 るぎない愛 何 を学 ぶかa話 すのが好 きな人 もいれば,口 数 が少 ない人 もいます。この記 事 の主 題 聖 句 にも述 べられている通 り,話 すのに時 があり,黙 っているのに時 があります。(伝 道 3:1,7を読 む。)兄 弟 姉 妹 についていえば,もっと話 してほしいと思 う場 合 もあれば,話 し過 ぎだと感 じる場 合 もあります。2.
話 す能 力 の正 しい用 い方 を決 めるのは誰 ですか。2
話 す能 力 はエホバが与 えてくださったものです。(出 4:10,11。啓 4:11)エホバは聖 書 の中 で,話 す能 力 の正 しい用 い方 を教 えています。この記 事 では,話 すべき時 と黙 っているべき時 とを判 断 するための聖 書 中 の例 を考 えます。私 たちが話 す事 柄 を聞 いてエホバはどう思 うか,ということも考 えます。まず,話 すべき時 について考 えましょう。話 すべき時 3. エホバについて
語 る点 で,どんな心 構 えが必 要 ですか。ローマ 10章 14節 からどんなことを学 べますか。3 エホバとエホバの
王 国 についていつでも語 れるようにしておきましょう。(マタ 24:14。ローマ 10:14を読 む。)語 るなら,イエスに倣 えます。イエスが地 上 に来 たのは,1つとして,父 エホバについて人 々 に教 えるためでした。(ヨハ 18:37)どのように話 すかも大 切 です。エホバについて話 す時 は,「温 和 な態 度 と深 い敬 意 を示 し」,相 手 の気 持 ちや考 えを思 いやる必 要 があります。(ペテ一 3:15)そうすれば,ただ語 るだけでなく,教 えることができ,恐 らく心 を動 かせるでしょう。4.
格 言 9章 9節 によれば,忠 告 を与 えることはなぜ相 手 のためになりますか。4
長 老 は,兄 弟 や姉 妹 に必 要 な忠 告 をためらわずに与 えるべきです。もちろん,気 まずい思 いをさせないよう,良 い時 を選 ぶ必 要 があります。周 りに人 がいない状 況 で話 すよう気 を配 ります。長 老 はいつでも,相 手 の尊 厳 を傷 つけない話 し方 をするよう努 めます。それでも,賢 く行 動 するのに役 立 つ聖 書 の原 則 をきちんと伝 えます。(格 言 9:9を読 む。)勇 気 を出 して話 すことはなぜ大 切 ですか。対 照 的 な2つの例 を考 えましょう。息子 を矯 正 するのを怠 った父 親 と,王 になる人 に進 言 した女 性 の例 です。5.
大 祭 司 エリは話 すべき時 に話 さなかったといえるのはなぜですか。5
大 祭 司 エリは息子 たちに愛 情 を注 ぎました。しかし,息子 たちはエホバを敬 っていませんでした。幕 屋 で祭 司 として働 くという重 責 を担 っていたのに権 限 を乱 用 し,エホバへの捧 げ物 を不 敬 に扱 い,性 的 に不 道 徳 なことを平 気 で行 いました。(サム一 2:12-17,22)モーセの律 法 によれば,エリの息子 たちは死 刑 にされるべきでした。しかし,エリは息子 たちを甘 やかし,やんわりたしなめるだけで幕 屋 での職 務 をそのまま行 わせました。(申 21:18-21)エリの判 断 についてエホバはどう感 じましたか。「なぜあなたは私 よりも息子 たちを尊 んでいるのか」と問 いただし,悪 人 である息子 たちを死 なせることにしました。(サム一 2:29,34)6. エリの
行 動 からどんなことを学 べますか。6 エリの
行 動 からどんなことを学 べますか。エホバに仕 える友 人 や親 戚 がエホバの基 準 に背 くことをしているなら,その点 を指 摘 しましょう。エホバが任 命 した人 たちに助 けを求 めるよう勧 め,そうしたかどうかを確 かめる必 要 もあります。(ヤコ 5:14)エリのように,友 人 や親 戚 をエホバよりも尊 ぶという間 違 いをしてはなりません。矯 正 が必 要 な人 に問 題 を指 摘 するには勇 気 が要 りますが,そうするだけの価 値 があります。エリとは逆 の行 動 を取 ったイスラエル人 アビガイルの例 を考 えましょう。7. アビガイルがダビデに
話 しに行 ったのはなぜですか。7 アビガイルは
裕 福 な地 主 ナバルの妻 です。ダビデは部 下 たちと共 にサウル王 から逃 げていた間 に,ナバルの羊 飼 いたちと行 動 し,ナバルの羊 を略 奪 隊 から守 りました。ナバルは感 謝 しませんでした。それどころか,ダビデから遣 わされた部 下 たちが食 料 や水 の援 助 を求 めた時 に腹 を立 て,怒 鳴 り散 らしました。(サム一 25:5-8,10-12,14)ダビデはナバルの家 の男 たちを皆 殺 しにすることにします。(サム一 25:13,22)どうすれば災 いを回 避 できるでしょうか。アビガイルは,自 分 が話 すべき時 であることをわきまえ,勇 気 を奮 ってダビデに会 いに行 きました。腹 を立 て,おなかを空 かせ,武 器 を持 った400人 の男 たちのもとに出 て行 ったのです。8. アビガイルの
行 動 からどんなことを学 べますか。8 アビガイルはダビデに
会 った時 ,勇 気 を奮 い,敬 意 を込 め,説 得 力 のある話 し方 をしました。自 分 のせいではないのにダビデに謝 りました。正 しいことを愛 している人 という信 頼 を込 めてダビデに進 言 しました。また,エホバが自 分 を助 けてくださるに違 いないと考 えました。(サム一 25:24,26,28,33,34)誰 かが重 大 な過 ちを犯 しそうだと気 付 いたなら,アビガイルに倣 い,勇 気 を奮 ってそのことを指 摘 しましょう。(詩 141:5)敬 意 を示 しながらも大 胆 に語 る必 要 があります。その人 のことを思 って忠 告 するなら,真 の友 になれます。(格 27:17)9-10.
長 老 はどんなことをわきまえながら忠 告 を与 えますか。9 とりわけ
長 老 は勇 気 を奮 い,道 を踏 み外 した兄 弟 姉 妹 を正 さなければなりません。(ガラ 6:1)長 老 は,自 分 も不 完 全 で忠 告 が必 要 な場 合 があることを謙 遜 に認 めています。だからといって,矯 正 すべき人 を戒 めずに放 置 することはしません。(テモ二 4:2。テト 1:9)忠 告 を与 える時 は,辛 抱 強 く教 え,上 手 に話 すよう努 めます。兄 弟 を愛 しているので助 けます。(格 13:24)とはいえ,長 老 が一 番 気 に掛 けるのはエホバを敬 うことです。エホバの基 準 を守 り,会 衆 の清 さが損 なわれないようにします。(使 徒 20:28)10 ここまでで,
話 すべき時 について考 えました。一 方 ,黙 っているべき時 もあります。黙 っていることを難 しく感 じるどんな状 況 がありますか。黙 っているべき時 11. ヤコブはどんな
例 えを用 いましたか。この例 えが適 切 なのはなぜですか。11
話 すべきでないことを話 さない,というのは必 ずしも簡 単 ではありません。聖 書 の筆 者 ヤコブは,その難 しさをこう説 明 しています。「言 葉 で過 ちを犯 さない人 がいれば,それは完 全 な人 で,体 全 体 を制 御 できます。馬 を従 わせるために口 にくつわをかませれば,馬 の体 全 体 を操 れます」。(ヤコ 3:2,3)くつわは,手 綱 につないで馬 の口 にかませます。手 綱 を引 くことにより,馬 を思 い通 りの方 向 に進 ませたり停 止 させたりできます。手 綱 を離 すなら,馬 は暴 走 し,馬 も乗 っている人 も大 けがをします。話 し方 もコントロールしないなら,大 きな被 害 が及 びます。手 綱 を引 くかのように舌 を制 御 し,黙 っているべきどんな状 況 があるでしょうか。12.
誰 と話 す時 に舌 を制 御 すべきですか。12
兄 弟 か姉 妹 が内 密 にすべき情 報 を持 っている時 ,あなたはどうしますか。私 たちの活 動 が禁 止 されている国 で奉 仕 している人 に会 ったとします。どのように伝 道 し集 会 を開 いているか,詳 しく知 ろうとしますか。これは舌 を制 御 すべき時 です。もちろん,悪 気 はないでしょう。兄 弟 たちを心 から気 に掛 けているので,様 子 を知 りたいという気 持 ちも分 からなくはありません。兄 弟 たちのために具 体 的 に祈 りたいとも思 います。それでも,内 密 のことを知 っている兄 弟 姉 妹 に圧 力 を掛 けるのは,その人 に対 する愛 の欠 けた行 為 です。また,その人 を信 頼 して働 く現 地 の兄 弟 姉 妹 にとっても不 親 切 なことです。禁 令 下 にあり,ただでさえ大 変 な状 況 で働 いている兄 弟 姉 妹 に余 計 な負 担 を掛 けたくはありません。そのような土 地 で働 く兄 弟 姉 妹 は,伝 道 や他 の活 動 がどのように行 われているかについての詳 細 が知 られることを望 んでいません。13.
格 言 11章 13節 にある通 り,長 老 はどのように行 動 すべきですか。なぜですか。13 とりわけ
長 老 は,格 言 11章 13節 の原 則 を守 り,内 密 の事 柄 を漏 らさないよう気 を付 けます。(読 む。)長 老 が結 婚 している場 合 には注 意 が必 要 です。夫 婦 はよく意 思 を通 わせ,本 当 の気 持 ちや心 の奥 にある思 いや気 掛 かりなことを伝 え合 うなら強 い絆 を保 てます。でも長 老 は,会 衆 の兄 弟 姉 妹 の「内 密 のこと」を明 かしてはなりません。明 かすなら信 頼 を失 い,自 分 の良 い評 判 を損 ないます。会 衆 で責 任 ある立 場 に任 命 されている人 は,「二 枚 舌 を使 わず」,信 頼 して話 してくれた人 を裏 切 りません。(テモ一 3:8)うわさ好 きであってはなりません。長 老 は妻 を愛 しているなら,知 る必 要 のない情 報 を漏 らして妻 に不 必 要 な荷 を負 わせることはしません。14.
長 老 の妻 は,夫 が良 い評 判 を得 られるようどんなことに気 を配 れますか。14
妻 は内 密 のことを話 すよう夫 に圧 力 を掛 けてはなりません。夫 の良 い評 判 が損 なわれることのないためです。圧 力 を掛 けないなら,夫 を困 らせずに済 みます。夫 を信 頼 して話 をした兄 弟 姉 妹 を敬 うことにもなります。何 よりもエホバに喜 ばれます。会 衆 の平 和 と一 致 に貢 献 できるからです。(ロマ 14:19)私 たちが話 す事 柄 を聞 いてエホバはどう思 うか15. エホバはヨブの3
人 の友 人 のことをどう思 いましたか。なぜですか。15 ヨブ
記 から,いつ,どのように話 すかについて多 くを学 べます。一 連 の悲 惨 な経 験 をしたヨブのもとに,4人 の人 がやって来 ました。慰 めや忠 告 を与 えるためです。4人 はかなりの間 ,黙 ったままでした。しかし,そのうちの3人 であるエリパズ,ビルダド,ツォファルは,その後 の発 言 から読 み取 れる通 り,ヨブをどのように力 づけられるかを考 えていたわけではありません。ヨブの間 違 いをどのように証 明 できるかを考 えていたのです。3人 の発 言 には,一 部 正 しい内 容 もありました。しかし,ヨブやエホバについて語 った事 柄 の多 くは不 親 切 か,事 実 に反 するものでした。3人 はヨブを容 赦 なく批 判 しました。(ヨブ 32:1-3)エホバはどうしましたか。3人 に強 い怒 りを抱 きました。愚 かなことをしたと責 め,ヨブに祈 ってもらうよう指 示 しました。(ヨブ 42:7-9)16. エリパズ,ビルダド,ツォファルの
行 動 からどんな点 を学 べますか。16 エリパズ,ビルダド,ツォファルの
行 動 から幾 つかの点 を学 べます。第 一 に,兄 弟 を批 判 すべきではありません。(マタ 7:1-5)話 す前 に,相 手 の話 をよく聞 きましょう。そうして初 めて兄 弟 たちの状 況 が分 かります。(ペテ一 3:8)第 二 に,話 す時 は親 切 で正 確 な事 柄 を語 りましょう。(エフェ 4:25)第 三 に,私 たちが人 にどのように話 すかにエホバは注 目 しています。17. エリフの
対 応 からどんなことを学 べますか。17
次 にヨブの所 に来 たのはエリフです。エリフはアブラハムの遠 い親 戚 です。ヨブと3人 の友 人 の話 をよく聞 いていました。しかも,細 心 の注 意 を払 っていたことがうかがえます。ヨブの気 持 ちを思 いやりながらも,正 しい考 え方 ができるよう率 直 な忠 告 を与 えているからです。(ヨブ 33:1,6,17)エリフはエホバが誉 れを受 けることを一 番 気 に掛 けていました。自 分 や他 の人 が誉 れを受 けることを考 えていたのではありません。(ヨブ 32:21,22; 37:23,24)エリフの対 応 から,黙 って話 を聞 くべき時 があることを学 べます。(ヤコ 1:19)忠 告 を与 える時 は,自 分 に注 目 させるのではなく,エホバが栄 光 を受 けることを一 番 気 に掛 けるべきです。18.
話 す能 力 が与 えられていることへの感 謝 をどのように示 せますか。18
話 す能 力 をエホバからの贈 り物 と見 ている人 は,いつ,どのように話 すかに関 する聖 書 の勧 めに従 います。賢 い王 ソロモンは,エホバに導 かれてこう書 きました。「適 切 な時 に話 される言 葉 は,銀 の器 の中 の金 のリンゴのようだ」。(格 25:11)人 の話 をよく聞 き,話 す前 に考 えましょう。そうすれば私 たちが語 る言 葉 は,高 価 で美 しい,金 のリンゴの装 飾 品 のようになります。口 数 が多 いか少 ないかにかかわらず,人 の励 みになり,エホバに喜 ばれる言 葉 を語 れます。(格 23:15。エフェ 4:29)話 す能 力 を与 えてくださったエホバへの感 謝 を表 す,何 よりの方 法 です。
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