9-10. 太陽系や地球がある場所,また木星や月の働きに,エホバの力がどのように表れていますか。
9 エホバの創造する力は,地球からもはっきり分かります。広大な宇宙の中で,地球は絶好の場所にあります。ある科学者たちによれば,多くの銀河は生命が存在できる環境ではないようです。天の川銀河の大部分も,生命の存在には適していません。中心部は恒星が密集していて,放射線量が高く,星と星が危険なほど接近することがよくあります。外縁部では,生命に欠かせない元素の多くが存在しません。でも私たちの太陽系は,まさに理想的な場所にあります。
10 地球は,遠く離れた木星に守られています。木星は地球の1000倍以上ある巨大な惑星で,非常に強い引力を持っています。そのため,宇宙空間を飛ぶ物体を引き寄せたり,その方向を変えたりします。科学者たちは,もし木星がなければ,巨大な物体が現在の1万倍も多く地球に降り注ぐだろうと考えています。もっと近くに目を移すと,地球は独特な衛星である月の恩恵も受けています。月は美しい“夜間照明”であるだけでなく,地球の傾きを一定に保つ役割も果たしています。その傾きのおかげで,地球には毎年きちんと季節が巡ってきます。これも,地球上の生命にとって貴重な贈り物です。
11. 大気は地球をどのように保護していますか。
11 エホバの創造する力は,見事に設計された地球のあらゆる面に表れています。例えば,地球を保護している大気について考えてみましょう。太陽光線には,体に良いものだけでなく,極めて有害なものも含まれています。有害な紫外線が大気の上層に当たると,酸素がオゾンに変わります。その結果できたオゾン層は,有害な紫外線の大半を吸収します。ですから,地球はいわば自前の日傘によって守られているのです。
12. 水の循環には,エホバの創造する力がどのように表れていますか。
12 オゾン層は大気の一部にすぎません。大気にはほかにもさまざまな気体が含まれていて,地球上で暮らす生き物にとって理想的な比率で混ざり合っています。大気中では,水の循環という素晴らしいことも起きています。毎年,太陽の熱により,海から40万立方㌔以上の水が蒸発します。その水蒸気は雲になり,風によって広く遠く運ばれます。そして,ろ過されたきれいな水が雨や雪や氷となって降り,海に流れ込みます。伝道の書 1章7節に書かれている通りです。「川は海に流れていく。しかし海があふれることはない。川は始まりから,また流れる」。このような循環を可能にする力を持っているのは,エホバだけです。
13. 地球上の植物や地面の中を見ると,創造者の力についてどんなことが分かりますか。
13 生物にも目を向けてみましょう。30階建てのビルよりも高くそびえるセコイアの大木から,海に満ちて酸素の大半を生み出している微小な植物プランクトンに至るまで,植物にはエホバの創造する力がはっきり見られます。地面の中にも生物が無数にいます。さまざまな虫,菌類,微生物などが複雑に連携し合い,植物の成長を助けています。地面には力がある,と聖書に書かれているのもうなずけます。(創世記 4:12,脚注)
14. 極小の原子にどんな力が秘められていますか。
14 エホバは確かに「ご自分の力によって地を造った方」です。(エレミヤ 10:12)神の力は,極小の創造物にも見られます。例えば原子は,一直線に100万個並べても人間の髪の毛の太さほどにもなりません。そして,1つの原子を14階建てのビルほどの大きさに拡大したとしても,その原子の核はビルの7階にある塩粒ほどの大きさにしかなりません。それなのに,その極めて小さな原子核に,核爆発の際に生じる膨大なエネルギーが秘められているのです。