ダニエル書では ネブカドネザルが巨大な像を建て,それを崇拝するように命じ,従わない者たちを火の燃え盛る炉に投げ込んだ。(ダニエル 3:1-6)
歴史によると ネブカドネザルはバビロンで大規模な建築事業を行いました。ブリタニカ百科事典(英語)によれば,「自分の栄誉のためだけでなく,神々をたたえるため」でした。「『人々に偉大な神々への畏敬の念を持たせたのは自分だ』と言」いました。
古代のバビロンの記録には,処刑に火の燃える炉が使われたことが何度か出てきます。その中には支配者が命じた処刑もありました。ネブカドネザルの時代のある文書には,バビロンの神々を侮辱したという罪状で役人が処刑されたことが書かれています。次のような記録です。「窯に投げ込んで,殺し,燃やし,焦がし,……煙を立ち上らせ,灼熱の炎で殺すのだ」。
ダニエル書では ネブカドネザル王は自分の建築事業を誇った。(ダニエル 4:29,30)
歴史によると 「ネブカドネザルが後世に残した記録によれば,……自分が正義を貫き,権力を持つ偉大な王であると考えていた」ようです。 例えば,ある建物にはネブカドネザルの次のような言葉が刻まれています。「わたしは瀝青とれんがで,動かすことのできない山のような巨大な城壁を築[いた]。わたしはエサギラとバビロンの防備を強化し,わたしの治世の名声を永久に確立した」。 バビロンで発掘されたれんがの多くには,ネブカドネザルの名前の刻印があります。
ダニエル書では ベルシャザル王はダニエルにバビロンの「王国の第3の地位を与えよう」と言った。(ダニエル 5:1,13-16)
歴史によると ダニエル 5章の出来事が起きた時,バビロンの王はナボニドスという人でした。しかし,ナボニドスはその治世の大半をバビロンではなくアラビアで過ごしました。その間,誰がバビロンで治めたのでしょうか。歴史家レイモンド・フィリプ・ドーアティーは「ナボニドスとベルシャザル」(英語)という本の中で次のように言っています。「くさび形文字の記録には,ナボニドスが長男つまりベルシャザルに王権を託したことが書かれている。……ベルシャザルが不在の君主である父親に代わって王としての職務を果たした」。ナボニドスとベルシャザルがすでに王国の第1と第2の地位を占めていたので,ベルシャザルはダニエルに第3の地位を与えると言いました。