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競い合う王たちの終わりが近づくダニエルの預言に注意を払いなさい
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終わりの時における「押し」
15 南の王はどのように北の王を「押し」ましたか。
15 「終わりの時に,南の王は彼と押し合う」と,み使いはダニエルに告げました。(ダニエル 11:40前半)南の王は「終わりの時」の間,北の王を『押して』きたでしょうか。(ダニエル 12:4,9)確かにそうしてきました。第一次世界大戦後,当時の北の王であったドイツに懲罰的な講和条約が課されたことは,確かに「押し」であり,報復を誘発しました。南の王は第二次世界大戦で勝利を収めた後,恐るべき核兵器の標的を自分のライバルに定め,北の王に対抗する強力な軍事同盟,つまり北大西洋条約機構(NATO)を結成しました。同機構の役割について,英国の一歴史家はこう述べています。「ヨーロッパの平和を脅かす主因として認識されてきたのはソビエト連邦であり,北大西洋条約機構は同連邦を“封じ込める”ための主要な手段であった。その任務は40年にわたって遂行され,議論の余地がないほどの成功を収めた」。冷戦期間中,南の王による「押し」には,ハイテク技術を駆使したスパイ活動や,外交や軍事面での攻勢が含まれるようになりました。
16 北の王は南の王による押しに,どのように応じましたか。
16 北の王はどのように応じましたか。「これに対して北の王は兵車と騎手と多くの船とをもって強襲する。彼は必ず多くの土地に入り,みなぎりあふれて通り行く」。(ダニエル 11:40後半)終わりの日の歴史的特色となってきたのは,北の王の領土拡張政策でした。二度目の世界大戦中に,「王」であったナチは自国の国境からみなぎりあふれて周囲の国々に入り込みました。その戦争が終結した時,後を継いだ「王」は強大な帝国を築きました。冷戦中,北の王は代理戦争の形で,さらにはアフリカ,アジア,中南米諸国で生じた暴動の際にライバルと戦いました。北の王はまことのクリスチャンを迫害し,その活動を妨げましたが,やめさせることは決してできませんでした。また,北の王が軍事面でも政治面でも攻勢に出た結果,幾つもの国がその統制下に置かれました。まさにみ使いが預言したとおりです。「彼はさらに飾りの地[エホバの民の霊的地所]にも入り,多くの土地がつまずきに渡される」― ダニエル 11:41前半。
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競い合う王たちの終わりが近づくダニエルの預言に注意を払いなさい
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南の王による「押し」には,ハイテク技術を駆使したスパイ活動や,軍事行動による威嚇も含まれている
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