9. ダニエル 2章28,31-35節の預言は,最後の世界強国をどのように描いていますか。それはいつ生まれましたか。
9 ダニエル 2:28,31-35を読む。私たちは現在,この預言が実現しているのを見ています。ネブカドネザルが見た夢は,「最後の日々に」,つまりキリストが統治を始めた後にどんなことが起きるかを示しています。イエスの地上の敵には,聖書で予告されている最後の世界強国も含まれています。それは,「鉄と粘土でできた足」として描かれています。この世界強国はすでに登場しています。第1次世界大戦中にイギリスとアメリカが特別な協力関係を結んだ時に生まれました。この英米世界強国とそれ以前の世界強国の違いについて,ネブカドネザルの夢に出てくる像から,少なくとも2つの点を理解できます。
10. (ア)ダニエルの預言の中で,英米世界強国はどのように表されていますか。(イ)私たちはどんな危険を避ける必要がありますか。(「粘土に気を付けてください!」の囲みを参照。)
10 1つ目の点として,これまでの世界強国は,金や銀といった単一の金属で表されていたのに対し,英米世界強国は鉄と粘土が混ざったものとして描かれています。この粘土は「人の子孫」,つまり一般の人々を表しています。(ダニ 2:43,脚注)現代の私たちが見ている通り,人々が選挙で大きな力を持っていたり,公民権運動や抗議運動や労働組合に関係した活動を行ったりするために,この世界強国の指導者たちは自分が願った通りのことを実行できていません。
11. 英米世界強国が支配していることから,今が終わりの時であるという確信が強まるのはなぜですか。
11 2つ目の点として,英米世界強国が巨大な像の足として描かれていることから,これが聖書に出てくる最後の世界強国で,これに続くものはないということが分かります。この世界強国は,神の王国によって他の全ての政府と共に滅ぼされ,突然の終わりを迎えます。 (啓 16:13,14,16; 19:19,20)
12. ダニエルの預言から慰めと希望を得られるのはなぜですか。
12 この預言が私たちのためになるのはなぜか。ダニエルの預言から,今が終わりの時であるということをいっそうよく理解できます。2500年ほど前にダニエルは,バビロンの次に4つの世界強国が登場し,エホバに仕える人たちに大きな影響を与えることを預言しました。そして,英米世界強国が最後に登場することも明らかにしました。こうしたことを考えると,神の王国が間もなく人間の政府を跡形もなく滅ぼし,地球全体を治めるということが理解できるので,私たちは慰めと希望を得ることができます。(ダニ 2:44)
13. 啓示 17章9-12節に出てくる「8人目の王」と「10人の王」は何を表していますか。この預言はどのように実現してきましたか。
13 啓示 17:9-12を読む。第1次世界大戦によって大きな破壊がもたらされた結果,終わりの時代に関する聖書の別の預言も実現することになりました。世界中の指導者たちは,世界を平和にすることを願って,1920年1月に国際連盟を設立しました。この組織は,1945年10月に国際連合として再び登場しました。聖書の中では,「8人目の王」と呼ばれていますが,世界強国ではありません。国際連合が力を発揮できるのは,世界の国々からの支持があるからです。これらの政治勢力は,聖書の中で「10人の王」と呼ばれています。
14-15. (ア)啓示 17章3-5節から,「大いなるバビロン」についてどんなことが分かりますか。(イ)人々は間違った宗教に対してどんな態度を取るようになっていますか。
14 啓示 17:3-5を読む。ヨハネは聖なる力を受けて,幻の中で1人の娼婦を見ました。この娼婦は,「大いなるバビロン」と呼ばれていて,世界を惑わしている間違った宗教全体を表しています。この幻はどのように実現してきましたか。間違った宗教は,長い間,世界の政治組織と密接に協力し,それを支持してきました。しかし,間もなくエホバは,政治勢力の心に「ご自分の考えを……入れて実行させ」ます。どんな結果になるでしょうか。「10人の王」で表されている政治勢力が間違った宗教を攻撃し,滅ぼします。(啓 17:1,2,16,17)
15 大いなるバビロンの終わりが近いと言えるのはなぜでしょうか。この点を理解するために,古代のバビロンについて考えてみましょう。この都市は,ユーフラテスという大きな川に守られていました。「啓示」の書は,大いなるバビロンを支持する人たちを「水」に例えています。(啓 17:15)そして,その水が「枯れ」るとも述べています。これはつまり,世界を惑わしている間違った宗教全体が支持者の多くを失うということです。(啓 16:12)現代,この預言の通り,かなりの数の人たちは間違った宗教を捨て,別のところに助けを求めるようになっています。
16. 国際連合の登場と大いなるバビロンの滅びに関する預言を理解することが,私たちのためになるのはなぜですか。
16 これらの預言が私たちのためになるのはなぜか。国際連合の登場と間違った宗教の衰退も,今が終わりの時代であることの証拠です。確かに,大いなるバビロンの支持者という水は枯れつつありますが,それによって間違った宗教が最終的に滅びるわけではありません。先ほど考えた通り,エホバが「10人の王」(国際連合を支持する政治勢力)の心に「ご自分の考えを……入れて実行させ」ます。政治勢力による間違った宗教の滅びは突然に生じるので,世界の人々は驚くことになります。 (啓 18:8-10)大いなるバビロンの滅びは,世界を揺り動かし,多くの困難を生じさせるでしょう。それでも,エホバに仕える人たちは,少なくとも2つの理由で喜ぶことができます。1つは,長い間エホバ神に敵対してきた間違った宗教がついに滅びるからです。もう1つは,私たちがこの邪悪な体制から救い出される時が近いからです。(ルカ 21:28)