13 私たちは人の過ちを見過ごして許そうとしますが,だからといって悪事を気にしないわけではなく,容認するわけでもありません。悪い行いの中には,受け継いだ不完全さだけが原因ではないものもあります。また,ささいな過ちとは言えない悪事を見過ごすのは,正しいことではありません。(レビ 19:17。詩 141:5)律法契約の下では,罪の重大さに程度の違いがありました。それはクリスチャンの場合も同様です。(ヨハ一 5:16,17)
14 仲間のクリスチャンとの間で重大な問題が生じることもあり,イエスはそれを解決するための明確な手順を示しました。次の3つのステップに注目してください。「もし仲間が罪を犯したなら,[1] 行って,あなたと彼の間だけで罪を明らかにしなさい。彼があなたの話を聞くなら,あなたは仲間を助けたのです。しかし,もし彼が聞かないなら,[2] 1人か2人を連れていきなさい。どんなことも2人か3人の証言によって確かめられるためです。もし彼が,その人たちが話すことを聞かないなら,[3] 会衆に話しなさい。もし会衆が告げることも聞かないなら,彼を,あなたにとって,異国の人や徴税人のような者としなさい」。(マタ 18:15-17)
15 イエスが続けて語った,マタイ 18章23-35節の例えからすると,マタイ 18章15-17節で言及されている罪には,金銭や財産の関係した問題が含まれると思われます。例えば,借りたお金を返さなかったり詐欺を働いたりする場合です。また,人を中傷し,その人の評判をひどく傷つける,といった過ちも含まれるでしょう。
16 会衆内の誰かがあなたに対してそのような罪を犯した証拠があるとしても,すぐに長老に仲裁を頼むべきではありません。イエスの助言に従って,まず,苦情を言いたい相手と話し合ってください。他の人を巻き込まずに,2人だけの間で問題を解決するように努めましょう。覚えておきたいこととして,イエスは「1度だけ行って彼の罪を明らかにしなさい」とは言いませんでした。ですから,その人が過ちを認めず,許しを求めないとしても,しばらくしてから再び話し合いに行くとよいかもしれません。そのようにして問題を解決できるなら,罪を犯した人はきっと,その罪についてあなたが他の人に話さなかったことや,会衆内での自分の評判が損なわれなかったことに感謝するでしょう。あなたは「仲間を助けた」ことになるのです。
17 過ちを犯した人が責任を認め,許しを求めて,問題を正すようにした場合,それ以上何かを行う必要はありません。それは重大な罪ではありましたが,この種の過ちは関係する当人同士で解決できます。
18 もし「あなたと彼の間だけで」罪を明らかにしてもその人を助けることができなかったなら,イエスが言った通り「1人か2人を連れていき」,再び話し合ってください。連れていく人たちも,仲間を助けることを目指しているべきです。あなたが過ちと考えている行いを実際に見聞きした人たちが望ましいですが,目撃証人がいない場合には,1人か2人に話し合いの証人となってくれるように依頼できます。問題になっている件に関して経験がある人たちであれば,本当に過ちが犯されたのかどうかを見定めることができるかもしれません。長老が証人となるよう頼まれた場合,会衆を代表して行くわけではありません。その件を扱うように長老団から任命されたのではないからです。
19 まずは2人だけで,さらに他の1人か2人を連れていって話す努力を繰り返し払ったものの,問題が解決せず,それを大目に見るわけにはいかないと感じるのであれば,会衆の監督たちに報告すべきです。監督たちが目指すのは,会衆の平和と清さを保つことです。長老に話したなら,その問題を長老たちに委ね,エホバを信頼してください。決して,他の人の行いのために信仰を妨げられたり,エホバに仕える喜びを奪われたりしないようにしましょう。(詩 119:165)
20 群れの牧者たちはその件について調査します。もし相手の人が確かにあなたに対して重大な罪を犯しており,悔い改めておらず,相応の償いをしようともしないことが分かったなら,監督たちはその人を会衆から追放することでしょう。そのようにして群れを守り,会衆の清さを保ちます。(マタ 18:17)