14-15. キリストの弟子になるには,自分はクリスチャンだとかイエスを愛していると言うだけでは不十分です。どうしてそう言えますか。
14 現在,世界中には,自分はクリスチャンだと言う人が何億人もいます。赤ちゃんの時に洗礼を受けて,そのまま親と同じ教会に通っている人もいます。イエスを愛していて,自分の救い主だと信じている,と言う人もいるでしょう。でも,それだけでキリストの弟子だということになるのでしょうか。そうではありません。イエスは自分の弟子になる人たちに,もっと多くのことを期待しています。
15 多くの国では,ほとんどの人がキリスト教を信じていると言います。では,そういう国々ではイエス・キリストの教えが守られているでしょうか。それとも,ほかの国々と同じように,憎しみや犯罪や不公正が見られるでしょうか。
16-17. 自分はクリスチャンだと言う人であっても,何が欠けていることが多いですか。イエスの本当の弟子はどういう人ですか。
16 イエスによれば,イエスの本当の弟子は単にクリスチャンを名乗るだけでなく,クリスチャンにふさわしく行動します。例えばイエスはこう言いました。「私に向かって『主よ,主よ』と言う人全員が天の王国に入るのではなく,天にいる私の父の望むことを行う人だけが入ります」。(マタイ 7:21)イエスを主とあがめる人たちの多くが,天の父の望むことを行わないのはどうしてでしょうか。裕福な若い支配者と同じように,「1つのことが欠けて」いるからです。イエスや天の父を,自分の全てを尽くして愛してはいないのです。
17 自分はクリスチャンだと言う大勢の人は,キリストを愛しているとも言いますが,本当の意味で愛しているとは言えません。イエスとエホバへの愛は,口先だけのものであってはならないからです。イエスは,「私を愛する人は私の言葉を守ります」と言いました。(ヨハネ 14:23)また,自分を羊飼いに例えた時にこうも言いました。「私の羊は私の声を聞きます。私は彼らを知っており,彼らは私に付いてきます」。(ヨハネ 10:27)ですから,キリストを本当に愛しているかどうかは,言葉や感情だけでなく,主に行動に表れます。
18-19. (ア)イエスについて学ぶとどんな気持ちになりますか。(イ)この本にはどんな特徴がありますか。長年キリストに従ってきた人にもどのように役立ちますか。
18 私たちは,心の中で考えていることや願っていることを行動に移すものです。ですから,まず自分の内面を磨かなければなりません。イエスはこう言いました。「永遠の命を得るには,唯一の真の神であるあなたと,あなたが遣わされたイエス・キリストのことを知る必要があります」。(ヨハネ 17:3)イエスのことをよく知るために聖書を読んでじっくり考えると,心の中でイエスへの愛が育まれます。そして,イエスにしっかり従って生きていきたいという気持ちが強くなっていきます。
19 この本は,イエスについて学ぶのに役立ちます。イエスの地上での生活や宣教を細かく解説するというより,どうすればイエスに見習えるかを分かりやすく取り上げています。 この本を使って聖書という鏡をのぞき込み,「自分は本当にイエスの後に従っているだろうか」と考えてみましょう。(ヤコブ 1:23-25)たとえ長年,立派な羊飼いの後に従ってきたとしても,改善できることが何かしらあるものです。聖書はこう勧めています。「自分がクリスチャンの信条の通りに生きているかどうか,いつも確かめてください。自分がどんな人かをいつも調べてください」。(コリント第二 13:5)自分が愛情深い立派な羊飼いの教え通りにできているかどうかを確かめることは,本当に大切です。エホバが私たちの指導者として任命したイエスに従おうと一生懸命に努力すれば,必ず私たちのためになります。
20. 次の章ではどんなことを考えますか。
20 あなたがこの本を学んで,イエスとエホバへの愛をいっそう強めることができますように。いつもそのような愛を抱いているなら,今の世の中で最高に充実した幸せな生活を送れるだけでなく,私たちが立派な羊飼いに導かれるようにしてくださったエホバを永遠にわたって賛美することができます。キリストについて学ぶには,まずその方がエホバの目的の中でどのような役割を担っているかを正しく理解することが大切です。第2章では,そのイエスの役割について取り上げます。