枝えだとして実みを結むすび，イエスの友ともであり続つづける

イエスは心こころに響ひびく話はなしをして使し徒とたちを励はげましています。時じ刻こくは遅おそく，真ま夜よ中なかを過すぎていると思おもわれます。イエスはここで，使し徒とたちの意い欲よくを高たかめる別べつの例たとえを話はなします。

イエスは，「私わたしは真しんのブドウの木き，私わたしの父ちちは耕こう作さく者しゃです」と話はなし始はじめます。（ヨハネ 15:1）このイエスの例たとえは，数すう百ひゃく年ねん前まえにイスラエル国こく民みんについて語かたられた事こと柄がらと似にたところがあります。当とう時じは，イスラエル国こく民みんがエホバのブドウの木きと呼よばれていました。（エレミヤ 2:21。ホセア 10:1，2）しかし，エホバは彼かれらを捨すて去さります。（マタイ 23:37，38）ですから，イエスがこの例たとえで教おしえるのは別べつのことです。ブドウの木きはイエスで，天てんの父ちちは西せい暦れき29年ねんに聖せい霊れいでイエスに油あぶらを注そそいだ時ときからずっとこの木きを育そだててきました。しかしイエスは，自じ分ぶん1人ひとりがその木きを表あらわすのではないことを示しめし，こう言いいます。

「父ちちは，この木きで実みを結むすんでいない枝えだを全すべて切きり落おとし，実みを結むすんでいる枝えだを全すべて手て入いれして，さらに実みを結むすぶようにします。……枝えだがブドウの木きに付ついていなければ実みを結むすべないように，あなたたちも私わたしと結むすび付ついていなければ実みを結むすべません。私わたしはブドウの木き，あなたたちはその枝えだです」。（ヨハネ 15:2-5）

イエスは自じ分ぶんが去さった後のち，援えん助じょ者しゃである聖せい霊れいを忠ちゅう実じつな弟で子したちに送おくると約やく束そくしました。その時ときから51日にち後ご，使し徒とたちと他たの弟で子したちはその聖せい霊れいを受うけ，ブドウの木きの枝えだになります。全すべての「枝えだ」はイエスと結むすび付ついていなければなりません。なぜでしょうか。

イエスはこう説せつ明めいします。「私わたしと結むすび付ついていて，私わたしが結むすび付ついている人ひと，その人ひとは多おおくの実みを結むすびます。あなたたちは私わたしから離はなれては何なにも行おこなえません」。忠ちゅう実じつな弟で子したちという「枝えだ」は，イエスの特とく質しつに倣ならい，他たの人ひとに神かみの王おう国こくについて積せっ極きょく的てきに伝つたえ，もっと多おおくの人ひとを弟で子しとすることにより，多おおくの実みを結むすびます。イエスと結むすび付ついたままでいなかったり，実みを結むすばなかったりするなら，どうなりますか。イエスは，「私わたしと結むすび付ついたままでいない人ひとは……投なげ捨すてられて……しまいます」と話はなします。しかし，こうも言いいます。「あなたたちが私わたしと結むすび付ついたままでいて，私わたしが言いったことがあなたたちの心こころにとどまっているなら，自じ分ぶんが願ねがうどんなことでも求もとめなさい。それはかなえられます」。（ヨハネ 15:5-7）

ここでイエスは，すでに2度ど話はなした，おきてを守まもることについて話はなします。（ヨハネ 14:15，21）「私わたしのおきてを守まもるなら，いつも私わたしに愛あいされます。私わたしが父ちちのおきてを守まもっていつも父ちちに愛あいされるようにしているのと同おなじです」。それから，イエスのおきてを守まもっていることを示しめす大たい切せつな方ほう法ほうについて，次つぎのように教おしえます。「私わたしがあなたたちを愛あいした通とおりにあなたたちが互たがいを愛あいすること，これが私わたしのおきてです。友とものために自じ分ぶんの命いのちをなげうつことより大おおきな愛あいはありません。私わたしが命めいじていることを行おこなうなら，あなたたちは私わたしの友ともです」。（ヨハネ 15:10-14）

もう少すこしすれば，イエスは自じ分ぶんに信しん仰こうを抱いだく人ひと全すべてのために命いのちを差さし出だして，愛あいを示しめします。弟で子したちはイエスの模も範はんを考かんがえる時とき，同おなじように自じ分ぶんを犠ぎ牲せいにするほどの愛あいを示しめしたいと思おもうはずです。この愛あいはイエスの弟で子しであることの証しょう明めいになります。イエスが言いった通とおりです。「あなたたちの間あいだに愛あいがあれば，全すべての人ひとは，あなたたちが私わたしの弟で子しであることを知しります」。（ヨハネ 13:35）

使し徒とたちはイエスが自じ分ぶんたちを「友とも」と呼よんだことに気き付づいたでしょう。イエスはそう呼よぶ理り由ゆうについて話はなします。「私わたしはあなたたちを友ともと呼よびました。天てんの父ちちから聞きいた事ことを全すべてあなたたちに知しらせたからです」。イエスの親したしい友ともになり，イエスが父ちちから聞きいた事こと柄がらを教おしえてもらえるというのは何なんと素す晴ばらしいのでしょう。しかし使し徒とたちがその友ゆう情じょうを保たもつには，「実みを結むすび続つづけ」なければなりません。もしそうするなら，「あなたたちが私わたしの名なによって父ちちに何なにを求もとめても，父ちちが与あたえてくださる」とイエスは保ほ証しょうします。（ヨハネ 15:15，16）

「枝えだ」であるイエスの弟で子したちの間あいだの愛あいは，彼かれらが今こん後ご直ちょく面めんする出で来き事ごとを忍にん耐たいするために必ひつ要ようです。イエスは，弟で子したちが世よから憎にくまれるという現げん実じつに注ちゅう意いを向むけるとともに，こう言いって励はげまします。「もし世よがあなたたちを憎にくむなら，あなたたちを憎にくむ前まえに私わたしを憎にくんだということをあなたたちは知しります。あなたたちが世よの人ひと々びとのようだったら，世よから好このまれることでしょう。ところが，あなたたちは……世よの人ひと々びとのようではないので，世よから憎にくまれます」。（ヨハネ 15:18，19）

イエスは，世よが弟で子したちを憎にくむ理り由ゆうについて，さらにこう言いいます。「世よの人ひと々びとは，私わたしの名なのためにあなたたちをこのようにひどく扱あつかいます。私わたしを遣つかわした方かたを知しらないからです」。イエスの奇き跡せきはイエスを憎にくむ者ものたちを断だん罪ざいします。イエスはこう説せつ明めいします。「私わたしは，ほかの誰だれもしなかった事ことを世よの人ひと々びとの間あいだで行おこないました。もし私わたしがそうしていなかったなら，彼かれらには何なんの罪つみもないでしょう。しかし今いま，彼かれらは私わたしを見みた上うえで憎にくみ，私わたしの父ちちをも憎にくみました」。世よから憎にくまれるのは預よ言げんの実じつ現げんでもあります。（ヨハネ 15:21，24，25。詩し編へん 35:19; 69:4）

イエスは聖せい霊れいという援えん助じょ者しゃを送おくるともう一いち度ど約やく束そくします。イエスの弟で子したち全すべては，この強きょう力りょくな力ちからの助たすけに頼たよりつつ「証しょう言げんし」，実みを結むすびます。（ヨハネ 15:27）