5. ヤコブはラバンのせいでどんな大変な経験をしましたか。(表紙の絵を参照。)
5 聖書時代のエホバに仕えた人たちは,思いも寄らない問題にぶつかることがありました。ヤコブの例を考えてみましょう。ヤコブは父親から,エホバに仕える親族であるラバンの娘と結婚するようにと言われました。そして,エホバが豊かに祝福してくださるとも言われました。(創 28:1-4)それでヤコブは正しいことを行い,カナンからラバンの家まで旅をしました。ラバンには,レアとラケルという2人の娘がいました。ヤコブは妹のラケルのことが好きになり,ラケルと結婚するために7年間働くことを約束しました。(創 29:18)でも,ヤコブの願った通りにはいきませんでした。ラバンはヤコブをだまし,姉のレアと結婚させました。1週間後にラケルとも結婚することを許しましたが,そのためにもう7年間働くことを条件にしました。(創 29:25-27)さらに,ラバンは仕事の報酬の面でもヤコブを不当に扱いました。結局,合計20年にわたって,ラバンはヤコブを利用したのです。(創 31:41,42)
6. ヤコブはほかにもどんなつらい経験をしましたか。
6 ヤコブはほかにも大変な経験をいろいろとしました。ヤコブにはたくさんの息子がいましたが,兄弟の仲がいつも良かったわけではありませんでした。兄たちは弟のヨセフを奴隷として売ることさえしました。シメオンとレビは,家族の評判やエホバの名前を傷つけるようなことを行いました。さらに,愛する妻ラケルは2人目の子供を産んだ時に亡くなってしまいました。年を取ってからも,ひどい飢饉が生じたためにエジプトに引っ越さなければならなくなりました。(創 34:30; 35:16-19; 37:28; 45:9-11,28)
7. エホバはヤコブをどのように祝福しましたか。
7 ヤコブはこうした大変なことがあっても,エホバとエホバの約束を信じ続けました。エホバはそんなヤコブのことを喜び,たくさんの祝福を与えました。例えば,ヤコブはラバンからひどい扱いを受けましたが,エホバからたくさんの物を与えられて豊かになりました。ずっと前に死んだと思っていたヨセフとも再会することができました。そのことをエホバに心から感謝したに違いありません。ヤコブはエホバとの強い絆があったので,いろいろな問題を乗り越えることができました。(創 30:43; 32:9,10; 46:28-30)私たちも思いも寄らない問題にぶつかるかもしれませんが,エホバとの絆をしっかり保つなら乗り越えることができます。
8. ダビデはどんなことを願っていましたか。
8 ダビデは,エホバのためにしたいと思ったことを全てできたわけではありませんでした。例えば,ダビデはエホバの神殿を建てたいと思っていました。そのことについて預言者のナタンに話すと,ナタンはこう言いました。「何でも心にあることを行いなさい。真の神があなたと共にいます」。(代一 17:1,2)ダビデはこの言葉に背中を押されたように感じ,ますますやる気になったことでしょう。早速,このプロジェクトの計画を立て始めたかもしれません。
9. ダビデは残念な知らせを聞いてどうしましたか。
9 でも,エホバは「その夜」,神殿を建てるのはダビデではなくダビデの息子であるとナタンに伝えます。(代一 17:3,4,11,12)この残念な知らせをナタンから聞いたダビデはどうしたでしょうか。目標を調整しました。ソロモンが神殿を建てるのに必要なお金や資材を一生懸命に集めました。(代一 29:1-5)
10. エホバはダビデにどんな祝福を与えましたか。
10 エホバは,神殿を建てるのはダビデではないということを伝えた後,すぐにダビデと契約を結びました。それは,ダビデの子孫の1人が王として永遠に治めることになる,という約束でした。(サム二 7:16)千年統治の間に新しい世界に復活してきたダビデは,王イエスが自分の子孫であることを知ってどれほど喜ぶことでしょう。こうしたことを考えると,たとえ自分の願っている奉仕が全部行えなかったとしても,エホバは私たちが思ってもみなかったような祝福を与えてくださる,ということを確信できます。
11. 1世紀のクリスチャンは,思った時に王国が来なかったとはいえ,どんな素晴らしい経験をしましたか。(使徒 6:7)
11 1世紀のクリスチャンも難しい問題を経験しました。例えば,神の王国が来ることを心から願っていましたが,いつ実現するのか分かりませんでした。(使徒 1:6,7)そうした中でも,伝道に打ち込みました。良い知らせが広まっていく様子を見て,自分たちの働きをエホバが確かに祝福してくれていることを実感したでしょう。(使徒 6:7を読む。)
12. 1世紀のクリスチャンは飢饉が起きた時どうしましたか。
12 ある時には,「全土に」大飢饉が生じました。(使徒 11:28)1世紀のクリスチャンも影響を受けなかったわけではありません。家族の頭は,家族を養うことができるだろうかと不安になったことでしょう。伝道をもっと行いたいと思っていた若い人たちも,その計画を延期した方がいいだろうか,と考えたかもしれません。1世紀のクリスチャンはいろいろな変化に順応し,できることを行って伝道を続けました。そして,自分の持ち物をユダヤのクリスチャンと喜んで分け合いました。(使徒 11:29,30)
13. 飢饉を経験したクリスチャンは,どんな祝福を受けましたか。
13 飢饉を経験した1世紀のクリスチャンに,エホバはどんな祝福を与えたでしょうか。救援物資を受け取った人たちは,エホバが支えてくれていることをじかに感じたでしょう。(マタ 6:31-33)助けに来てくれた人たちとの絆も深まったはずです。そして,寄付やその他の方法で救援活動をサポートした人たちも,与える喜びを味わいました。(使徒 20:35)エホバは状況の変化に順応した全ての人に豊かな報いを与えたのです。
14. バルナバとパウロにどんなことが起きましたか。どんな良い結果になりましたか。(使徒 14:21,22)
14 1世紀のクリスチャンは迫害されることがよくありました。思いも寄らない時に迫害が生じることもありました。バルナバとパウロがルステラで伝道していた時のことを考えてみましょう。最初,人々は2人を歓迎し,話をよく聞いていました。でも,反対者が「群衆を説き伏せた」ので,喜んで話を聞いていた人たちがパウロに石を投げつけ,殺そうとしました。(使徒 14:19)それでも,バルナバとパウロはほかの場所で伝道を続けました。その結果,「かなり大勢の人々が弟子とな」りました。当時のクリスチャンも,2人の言葉や行動に力づけられました。(使徒 14:21,22を読む。)迫害に遭っても2人が伝道をやめなかったので,とても良い結果につながりました。私たちも,エホバから委ねられている務めを一生懸命行い続けるなら,たくさんの祝福を経験できるでしょう。