13 今の時代に私たちが直面する試練は,イエス・キリストの初期の弟子たちが直面したものとよく似ています。現代のエホバの証人は,誤った情報に影響された反対者たちから,暴言や暴力を受けてきました。使徒たちの時代と同じように,反対の多くは狂信者たちの扇動によるものです。その人たちの間違った教えや慣行は,神の言葉の中で暴かれています。(使徒 17:5-9,13)時折エホバの民は,政府が保障する法的権利に訴えて,救済を得てきました。(使徒 22:25; 25:11)しかし,支配者たちが私たちの活動に禁令を課して,クリスチャンの宣教をやめさせようとする場合もあります。(詩 2:1-3)そうした状況の下でも,私たちは勇気を出して,次のように述べた忠実な使徒たちの模範に倣います。「私たちは,人ではなく神に従わなければなりません」。(使徒 5:29)
14 世界中で愛国主義の風潮が高まっており,良い知らせを伝えるという神から命じられた奉仕を放棄させようとする圧力が強くなっています。神に仕える人たちは皆,「野獣とその像」の崇拝に関する,啓示 14章9-12節の警告をかつてないほど強く意識しています。私たちは,ヨハネが述べた次の言葉の重みを実感しています。「この点で,聖なる人たち,神のおきてを守り,イエスへの信仰を持ち続ける人たちには,忍耐が必要になります」。
15 もしかしたら,戦争,革命,迫害や禁令といった試練のために,クリスチャンとしての崇拝を表立って行うことが難しくなるかもしれません。会衆の集会を開けなくなったり,支部との連絡が取れなくなったりすることが考えられます。巡回監督の訪問を受けられなくなったり,出版物が届かなくなったりすることもあり得ます。そのようなことが起きたら,どうしたらよいでしょうか。
16 その状況で自分にできることを可能な限り行ってください。個人研究は行えるでしょう。多くの場合,少人数で個人の家に集まって学ぶこともできます。過去の出版物や聖書そのものを集会の資料として使えます。心配したり過度に恐れたりしないようにしましょう。統治体はおそらく短期間のうちに,何らかの形で責任ある兄弟たちと連絡を取れるようにします。
17 たとえクリスチャンの仲間と連絡が取れなくなり,孤立してしまったとしても,エホバとイエス・キリストはすぐそばにいてくださる,ということを覚えておきましょう。希望をしっかり持ち続けることができます。エホバは,そのような状況でも祈りを聞き,聖なる力であなたを力づけることができます。エホバに導きを求めましょう。あなたはエホバに仕えており,イエス・キリストの弟子なのですから,目ざとく機会を見つけて伝道してください。そのような努力はエホバに祝福され,やがて他の人たちも一緒に正しい崇拝を行うようになるかもしれません。(使徒 4:13-31; 5:27-42。フィリ 1:27-30; 4:6,7。テモ二 4:16-18)
18 もし,使徒や他の人たちのように死の危険にさらされた場合には,「死者を生き返らせる神」を信頼してください。(コリ二 1:8-10)神が復活させてくださるという信仰があれば,最も厳しい反対にも耐えられます。(ルカ 21:19)その点でもキリスト・イエスは手本を残しています。イエスは,試練の下で忠実を保てば他の人たちも忍耐するように励まされる,ということを知っていました。あなたも同じように,兄弟たちの励みになれます。(ヨハ 16:33。ヘブ 12:2,3。ペテ一 2:21)
19 迫害や反対のほかにも,いろいろな難しい状況に耐えなければならないでしょう。例えば,区域の人々の無関心さに気落ちすることがあるかもしれません。身体的または精神的な病気と闘ってきた人や,人間の弱さに起因するさまざまな不自由を強いられてきた人もいます。使徒パウロも,奉仕を妨げたり難しくしたりする試練に耐えなければなりませんでした。(コリ二 12:7)1世紀のクリスチャンでフィリピにいたエパフロデトも,「自分が病気になったのを[友人たち]に知られたことで気落ち」しました。(フィリ 2:25-27)自分や他の人の不完全さが,とりわけ耐え難い問題となる場合もあります。仲間のクリスチャンや,家族との間にさえ,不和が生じることもあるかもしれません。しかし,エホバの助言に従う人は,そうした状況に直面しても忍耐し,問題を乗り越えることができます。(エゼ 2:3-5。コリ一 9:27; 13:8。コロ 3:12-14。ペテ一 4:8)