9. 知恵が必要なのはどうしてですか。
9 問題: どうしたらいいか分からない。試練に遭った時には,良い決定をしたいと思うことでしょう。エホバに喜ばれることを行い,兄弟姉妹のためになり,エホバに忠実に仕え続けるためです。良い決定ができるよう,エホバに助けを求めたいと思います。(エレ 10:23)何を行い,反対する人たちに何を言うべきかを知るには,知恵が必要です。どうしたらいいか分からないと,無力感に襲われ,喜びを失ってしまうかもしれません。
10. ヤコブ 1章5節によると,知恵を得るために何をする必要がありますか。
10 解決策: エホバに祈って知恵を求める。喜んで試練を忍耐するには,まずエホバに祈り,良い決定ができるように知恵を求める必要があります。(ヤコブ 1:5を読む。)エホバがなかなか祈りに答えてくれないと感じる場合,どうしたらいいでしょうか。ヤコブは,神に「求め続けてください」と言っています。私たちが知恵を求め続けても,エホバはいら立ったり怒ったりしません。試練を忍耐するための知恵を「惜しみなく与えて」くださいます。(詩 25:12,13)私たちが試練に遭っていることを知っていて,感情移入し,助けたいと思っています。そう考えると喜びが湧いてきます。では,エホバはどのように知恵を与えてくださるのでしょうか。
11. 知恵を得るために,ほかにどんなことをする必要がありますか。
11 エホバはご自分の言葉を通して知恵を与えてくださいます。(格 2:6)その知恵を得るには,聖書と聖書に基づく出版物を学ばなければなりません。でも,知識を蓄えるだけでは不十分です。エホバのアドバイスに従うことによって,学んだ知恵を生活の中で生かす必要があります。ヤコブは,「神の言葉を実践する人になってください。聞くだけの人になってはなりません」と書いています。(ヤコ 1:22)神の助言の通りにするなら,私たちは平和を求めるようになり,分別があって憐れみ深い人になれます。(ヤコ 3:17)そういう人は喜びを失うことなく,試練に立ち向かえます。
12. 聖書をよく知ることが大切なのはどうしてですか。
12 神の言葉は鏡のような働きをし,自分の直すべきところに気付かせてくれます。(ヤコ 1:23-25)例えば,神の言葉を学んで,気が短いところを直す必要があることに気付くかもしれません。誰かや何かのせいで腹を立てそうになっても,エホバの助けによって温和でいることができます。温和な人は,いろいろな問題とうまく向き合えます。落ち着いて考えて,良い決定ができます。(ヤコ 3:13)聖書をよく知ることは本当に大切です。
13. 聖書に出てくる人たちの例を調べるとよいのはどうしてですか。
13 何かをしてしまってから,それが間違いだったと分かることがあります。失敗から学ぶのはつらいことです。知恵を得るもっと良い方法は,他の人の成功や失敗から学ぶことです。それでヤコブは,聖書に出てくるアブラハム,ラハブ,ヨブ,エリヤの例について考えるように勧めています。(ヤコ 2:21-26; 5:10,11,17,18)その人たちはエホバに仕え続け,喜びを奪いかねない試練を忍耐することができました。私たちもエホバの助けによって同じように忍耐できる,ということが分かります。
14-15. 疑いの気持ちを持つのが危険なのはどうしてですか。
14 問題: 疑いの気持ち。聖書の中に,よく理解できない箇所がありますか。あるいは,エホバが期待通りに祈りに答えてくれないと感じていますか。そういうことが原因で,疑いの気持ちが生じる場合があります。疑いの気持ちを持っていると,信仰が弱くなり,エホバとの関係が損なわれます。(ヤコ 1:7,8)将来への希望も失ってしまうかもしれません。
15 使徒パウロは,将来への希望をいかりに例えました。(ヘブ 6:19)いかりは,嵐の時に船が流されて座礁するのを防ぎます。しかし,鎖で船としっかりつながっていなければ役に立ちません。さびがいかりの鎖をもろくするように,疑いの気持ちは私たちの信仰を弱くします。疑いの気持ちがある人は,反対されると,エホバが必ず約束を果たすという信仰を失ってしまうかもしれません。信仰を失うと,希望も失ってしまいます。ヤコブが書いているように,疑う人は「風に吹かれて揺れ動く海の波のようです」。(ヤコ 1:6)そういう状態だと,全く喜びを感じられないでしょう。
16. 疑いの気持ちがあるならどうすべきですか。
16 解決策: 疑いの気持ちを晴らし,信仰を強くする。優柔不断であってはなりません。預言者エリヤの時代に,エホバの民は優柔不断になっていました。エリヤは民にこう言いました。「あなたたちはいつまでどっち付かずの態度を取っているのですか。もしエホバが真の神なら,その方に従いなさい。しかし,もしバアルがそうなら,バアルに従いなさい」。(王一 18:21)私たちにも同じことが言えます。エホバが神であり,聖書が神の言葉であり,エホバの証人が神の民であることを,調べて確信する必要があります。(テサ一 5:21)そうすれば疑いの気持ちはなくなり,信仰が強くなるでしょう。なかなか疑いの気持ちが晴れないなら,長老に助けを求めてください。エホバに仕える喜びを失わないように,すぐに行動しなければなりません。
17. 勇気を失うとどうなりますか。
17 問題: 落胆の気持ち。聖書にはこうあります。「苦難の時に落胆するなら,力が失われる」。(格 24:10)「落胆する」と訳されているヘブライ語には,「勇気を失う」という意味もあります。勇気を失うと,すぐに喜びも失ってしまいます。
18. 「忍耐」という言葉にはどんな意味がありますか。
18 解決策: エホバに頼り,忍耐するための勇気をもらう。試練を忍耐するには,勇気が必要です。(ヤコ 5:11)ヤコブが使った「忍耐」と訳されている言葉には,立っている場所から動かないという意味もあります。兵士が自分の持ち場で勇敢に立ち続け,敵からどんなに激しく攻撃されても一歩も下がらない様子をイメージできるかもしれません。
19. 使徒パウロの手本からどんなことを学べますか。
19 使徒パウロは,勇気と忍耐の素晴らしい手本を残しました。自分は弱いと感じることもありましたが,エホバに頼って必要な力をもらったので,忍耐することができました。(コリ二 12:8-10。フィリ 4:13)私たちも,エホバの助けを必要としていることを謙遜に認めるなら,力や勇気を与えていただけます。(ヤコ 4:10)