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共産主義者の指導者達に請願するものみの塔 1957 | 6月1日
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共産主義者の指導者達に請願する
『われ,なんじと女のあいだ,および汝のすえと女のすえの間にうらみを置かん。』とヱホバ神は,エデンの園にいた蛇に告げました。私たちの時代にいたるまで,その敵意は存続して来ました。特に今日その敵意は共産主義者の支配者がヱホバの証者に対して抱く憎しみの中に,はつきり表われています。―創世 3:15。
実際のところ,この敵意は極めて苛烈なものであつたため,ロシヤやシベリヤにいるヱホバの証者の消息は,長年のあいだ知ることができませんでした。しかし,最近になつてから,その地や鉄のカーテンの背後の他の地にも,幾千人という証者のいることが追々判明してきました。
1949年に至るまで,これらの証者たちに対して注意を向けることは,殆どなかつたのです。その年の7月,ヱホバの証者の地域大会がドイツのベルリン,ウッドランド会場で開かれ,そのとき東ドイツの証者になされる共産主義者の圧制に対して,約1万8000人の大会出席者は抗議を採決しました。その翌年,ヤンキー野球場で行われたヱホバの証者の国際大会で,約8万5000人の大会出席者は決議を採決しました。その中には,『共産主義勢力や,他の政府権力によるヱホバの証者への迫害反対』の抗議も含まれていたのです。
その時以来,鉄のカーテンの背後にいる幾千人もの証者の活動や,苦しみを知らせる多くの消息が得られました。そのことは,世俗の新聞雑誌にも出版されましたが,また「ものみの塔協会」の雑誌の中にも出版されました。
鉄のカーテンの背後にいる証者たちは,外部の兄弟たちと連絡を取りたい,と切望してきました。証者たちは,支配者に訴願しましたが,何の救も得られなかつたのです。それで,自分たちの為に他の地の証者たちがロシヤの政府に請願をして頂きたい,と願い出ました。これらの証者になされる迫害についての事実は,ますます多くなつています。その事実から照し合わせて,ロシヤ政府の指導的な権威者に請願することは,適当なことに思えました。
従つて,1956年の夏から1957年の2月頃までにわたり,世界の各地で行われたヱホバの証者の199の地域大会でそのような請願が採決されました。その会合のとき,合計46万2936人は,請願に熱意をこめて賛成しました。199の地域大会の中でも,モスコーに送られた最初の請願は,フィンランドで採決されました。その請願をここに転載します。(日本語訳)
請願は採決される
社会主義ソヴェット共和国,モスコー
ソヴェット連邦閣僚会議議長,
ニコライ・エイ・ブルガーニン首相へ
謹啓
1956年6月30日,フィンランド,ラプランド,ケミでの地域大会に,多くのヱホバの証者の会衆から参集した我々1136名の代表者は,次の声明文によつて,貴下も知られるごとく,貴下の広大な国に幾千人もいる我々の友なるクリスチャンに関して,貴下の御配慮を願うことを決議いたします。
過去の2年間に,有名なニュース通信や,母国に送還された人々のもたらしたロシヤのニュースによると,(1)ボルクタ収容所内には,約2000人のヱホバの証者が居るか,もしくは今まで居りました。(2)1951年の4月の初めに,バルチック諸州からベサラビアまでに至る地域で,約7000人のヱホバの証者が逮捕され,トムスクとイルクックのあいだ,およびシベリヤのバイカル湖近くの辺地に貨車で移送されました。(3)ヨーロッパ・ロシヤからシベリヤにかけて,また北は北極海にまで至る地,更には北極のノバヤ・ゼムルヤ島にもある50以上の収容所に,ヱホバの証者が収容されています。(4)これらの多くの証者たち,特に前に述べました7000人の多くは,シベリヤ抑留の最初の2年間に栄養不足のために死にました。
請願
ヱホバの証者を客観的に調査して頂けば分る通り,ヱホバの証者には,投獄,追放,懲役というような罰を受ける罪がひとつもないことが明白です。我々は今,貴下の政府に請願し,次のことをお願いするのは最も時宜を得たものであると信じます。すなわち,正義と真理,かつ平和を愛することで著名なこれらの誠実なクリスチャンたちが,(イ)釈放されること。(ロ)クリスチャン会衆を組織することを認可すること。そして,国内のすべての会衆を包含すると共に,他の国にあるのと同じ様式に従つて,責任ある奉仕者と僕たちを有する巡回区,および地域区を組織することを認可すること。(ハ)アメリカ合衆国,ニューヨーク・ブルックリンのヱホバの証者のクリスチャン統治体と定期の連絡を確立することを認可すること。(ニ)全世界にわたつて,ヱホバの証者の用いている他の聖書交書と共に,ロシヤ語,ウクライナ語および必要とする他の言語で「ものみの塔」雑誌を受け取り,出版することを認可すること。
事実の陳述
ヱホバの証者は,約160の国でほとんど地上のすべての国において,活動を行つている64万人以上の奉仕者で成り立つクリスチャンの群です。ヱホバの証者の使用する月2回発行の雑誌「ものみの塔」および「目ざめよ!」は,半月ごとに400万部以上の印刷数を有し,44の言語で出版されています。
そのわけで,ヱホバの証者はすべての国民から来ています。しかし,ヱホバの証者に関するかぎり,平和共存,一般共存,そして永久共存の問題は,完全に解決されています。ヱホバの証者の中では,あらゆる人種的,国家的,かつ宗教的な障壁と偏見は取りのぞかれています。そして,ヱホバの証者は,神への愛と隣人への愛という二つの最大ないましめに従い,キリストの追随者となつて兄弟たちの群を形成しています。このわけで,ヱホバの証者は,カトリック教徒,プロテスタント教徒,また他の宗教制度に入つている者の時折り為すごとく,戦場において互に殺し合うことはできませんし,またいたしません。
ローマの総督ボンテオ・ピラトに向つて,イエス・キリストは「私の国はこの世のものではない」と言われました。それで,パレスチナにおいてピラトの代表したローマ帝国は,イエスの宗教的な活動に心配する必要がなかつた,ということが分ります。イエス・キリストは,権力を持つ政治的な政府と戦わず,また政治的な興味や野心を抱いていませんでした。彼は政党の指導者ではなく,ユダヤ人のためにローマ帝国に敵対して戦うとか,またローマ帝国のためにユダヤ人に敵対して戦う,というようなことをしなかつたのです。キリストは,すべての悪の根を指摘し,また霊的な癒しの業を果されました。その業は今日までつづき,イエスの真の追随者のなす宣教によつて地上のすべての国に行きわたつています。イエスはまたピラトに言われました,『私は真理について証をするために生れ,また,そのために世に来たのである。』その後,不当にも,また偽善的にもイエスを訴えたユダヤ人の宗教家に向い,ピラトは『私にはこの人になんの罪も見出せない。』と言いました。―ヨハネ 18:36-38。
今日のヱホバの証者は,なんの犯罪もいたしません。彼らは『汝らは我が証人なり。これヱホバ宜えるなり』という神の御命令に従つています。(イザヤ 43:10,12)ヱホバの証者は,先ず神のものを神に,次に地上の政治支配者には政治支配者のものを返します。(マタイ 22:21)キリストの教えに従つて,彼らはロシヤ人,中国人,フィンランド人および他の多くの国の者によつて構成される普遍的な兄弟関係をつくり上げ,しかも全地にわたつて急速に発展進歩しています。ヱホバの証者は,何人にも害を加えませんし,またこの世の争に対しては中立を保ちます。それ故に,ヱホバの証者は,如何なる暴動活動およびスパイ活動にも従事しません。ヱホバの証者は,国家主義者でもなければ,利己的な資本家でもなく,また帝国主義者でもありません。真のクリスチャンであるヱホバの証者は,決してそのような者にはなれません。また共産主義であろうと,民主主義であろうと,或は資本主義であろうと,ヱホバの証者は,いかなる政治上の主義,理念のためには決して戦うことをしません。この世の事柄に対して中立の立場を保つ故に,アメリカおよび他の西欧諸国においては,ヱホバの証者は「共産主義者」と呼ばれており,共産主義者の支配する国々では,「帝国主義者」と呼ばれてきました。共産主義者の政府は,ヱホバの証者を「帝国主義のスパイ」として告訴し,裁判を行つて懲役20年の長期に達する刑を宣告してきました。しかし,ヱホバの証者が暴動活動やスパイ活動に従事したことは一度といえどもないのです。
そのわけで,たとえそれが一日であろうと,又は25年であろうと,ヱホバの証者を投獄したり,抑留したり,或は追放することは,絶対間ちがいのことであつて,しかも最も根本的な正義に反することです。
西欧諸国だけでなく,共産主義者の支配する国々においても,ヱホバの証者は,信頼と信用の置ける良心的な働き人である,と認められています。ヱホバの証者は,それぞれの住む国の市民として,自分たちの義務を正しく果しています。ヱホバの証者は,賢明な人々であつて,偽りの宗教のなすあらゆる悪い教えや圧制を信じていません。ヱホバの証者は,盗みもしなければ泥酔して生産を低下させるようなことをしません。またいかなる破壊的な行動にも決して従事いたしません。ソ連邦政府は,聖書を印刷し,ソヴェット社会主義共和国内においての聖書の配布を最近認可しましたが,ヱホバの証者はその聖書の教えに従います。
キリストの追随者なるヱホバの証者が,他の人といちじるしく異る点は,キリストの言われた次のいましめを従順に行うと主張することです。『この御国の福音はすべての民に対してあかしをするために,全世界に宣べ伝えられるであろう。そして,それから最後が来るのである。』(マタイ 24:14,新口)それ故に,迫害や反対を受けようとも,また生命の危険を冒しても,ヱホバの証者は,すべての国民の中でこの事を今日でもなしつづけています。イエスの次の言葉通りです,『あなた方は,私の名のゆえにすべての民に憎まれるであろう。』また『私があなた方をつかわすのは,羊を狼の中に送るようなものである。』― マタイ 24:9; 10:16,新口。
貴下の政府は,真のキリスト教設立者のこの言葉を成就する責任にあずかりたいと望みますか。
話合の申出
我々の統治体なるものみの塔聖書冊子協会の代表者が,アメリカ合衆国内にある貴下の代表者とでも,またはモスコーにおいて貴下の政府と直接に,この事柄を更に話し合うことができれば幸いなことと存じます。
貴下は西欧諸国から多くの代表が貴下の首都および国家を訪問することを許可しておられます。それで,ヱホバの証者の代表がモスコーを訪問することを許可せられるよう御配慮して頂くのは,如何でしようか。その代表は,貴下に更に多くの事柄をお知らせすると共に,いろいろの収容所内にいる我々のクリスチャン兄弟を訪問する許可を貴下に求めるでしよう。収容所内のクリスチャン兄弟たちは,程無くして貴下の命により釈放せられるものと我々は信じています。
現在のところ,我々の為し得る事は,ロシヤの刑務所,懲役収容所,および追放者収容所にいるヱホバの証者の事柄を全世界に知らせることです。信仰を同じくする我々の友であり兄弟である彼らの状態を世界に知らせるのは,我々の義務であります。しかし,貴下ロシヤの政府が,ヱホバの証者をそのような場所から自由に釈放して貴国の自由市民として働くことを許し,かつイエス・キリストの残した模範に従いつつ,安らかで静かな生活を送ることを許した,ということを我々は世界に告げたい,と望むものです。―テモテ前 2:1-6。
貴下がこの請願を検討されて,本件の理非を考慮され,これについての好意ある御返事を御送付されますようお願いいたします。
敬具
ヱホバの証者
カレ・サラバラ
1956年6月30日,フィンランド,ラプランド,ケミで,大会責任者マッチ・ケイ・チァイネンにより,この決議の採決が動議さる。大会司会者エルッキ・カンカッパにより贊成さる。ケミ地域大会により満場一教採決さる。公共関係役員バイノ・パラリにより証明さる。
どのように受け取られたか
どの大会の時でも,4人のヱホバの証者は出席者を代表して,3通の請願に署名しました。その1通は,直接モスコーのブルガーニン首相のところに送られ,1通は大会の行われた国に駐在しているロシヤ大使のところに郵送され,もう1通はものみの塔協会の本部に送られました。そして,余分のものは,新聞社に廻されましたが,新聞社はだいたいにおいて良い記事を載せていました。
ロシヤの政府は,この請願に対してどう応じましたか。今日にいたるまで,ロシヤの政府は,その請願を無視しました。一言も聞かれません。しかし,すくなくとも1通はモスコーで受け取られました。そのことは,アメリカ合衆国の郵便局の受取りから,請願がロシヤの政府に届けられて受理されたことが分ります。
また,各国に駐在しているロシヤの大使に請願を個人的に手渡す努力もなされました。しかし,ほとんどの場合,大使自身に会うことは不可能でした。ウルガイにいる大使の秘書は,その請願が嘘であると言つて,そのことに関係するのを全く拒絶しました。そして,ロシヤでは崇拝の自由が保証されている,と主張しました。オーストリヤ,ネーデルランド,スイスのような国々でも,同様な努力が払われましたが,その結果は大同小異のものでした。
フランス駐在の大使の秘書は,その請願を受理しました。しかし,「フランスにいるフランス人が,ロシヤにいるロシヤ人について心配懸念する理由」が分らなかつたのです。忠節は,国家的な障壁や相違を乗り越えます。しかし,共産主義の訓練を受けたこの人には,そのことがとうてい理解できなかつたのです。
アメリカでは,大使が不在であつたため,次席のストリガノフ氏と会見する取り極めがなされました。会話中に,証者はその訪問の目的や,ヱホバの証者の採つた立場を述べ,そして証者たちと和合することはロシヤ政府の為になる,と告げました。そして又,おそらく誤解や虚報の故にロシヤの政府はそのような処置を取つたのであろう,と指摘し,かつポーランド政府の採つた道をすすめました。ポーランドの政府は,証者たちを調査して,証者に対する告訴が事実無根なることを知るや,証者たちを牢獄から釈放したのです。
しかし,ストリガノフ氏は,次のように述べたのです。つまり,ロシヤについては実に多くの偽りがひろめられており,もしロシヤ内に投獄されている人がいるとすれば,その理由は宗教の故によるのでなく,法律に違反したからだ,というのです。そして,戦争についての証者の立場は間ちがいであつて,ロシヤの法律はヱホバの律法よりも高く,ロシヤではロシヤの法律に従わねばならぬ,と語りました。ヱホバの御名を耳に聞くや,再三再四嘲笑し,請願受理を拒絶しました。請願を恰も爆薬のように見なして,手に触れることすら欲しなかつたのです。
しかし,ヱホバの証者はすぐに失意しません。ヱホバの証者は,戦をあつさりと断念しません。鉄のカーテンの背後にいて圧迫を受けている兄弟たちを助けようと,証者たちは,絶えず誠実な努力を払つて来ました。1957年3月1日,共産主義者の指導者たちに次のような合同の請願を送りましたが,それはその努力を表明するものです。
社会主義ソヴェット共和国,モスコー
ソヴェット連邦閣僚会議議長
ニコライ・エイ・ブルガーニン首相へ
謹啓
ヱホバの証者と呼ばれる世界的なクリスチャンの群の統治体は,貴下に書状を送ります。
今日,ペンシルバニヤのものみの塔聖書冊子協会の指導の下に,不断に発展するクリスチャン奉仕者の制度,ヱホバの証者は,全世界162の国々や,共和国や,植民地で宇宙の全能の神にして創造主なるヱホバの御言葉を教えています。彼らは,真のクリスチャンであつて,聖書に述べられている正義の標準や原則に従い,ヱホバ神の真正な崇拝を行つています。
ソヴェット社会主義共和国内には,苦しい状態の下にいながらも最高の神ヱホバに奉仕を捧げようと忠実に努めているヱホバの証者が幾千人もいます。その多くは,逮捕されて投獄されています。他の者たちは,自分の家からはずつと遠いシベリヤに流刑されています。その理由は,犯罪をしたとか,またはなんらかの政治的な活動を行つた,というのでは決してありません。ヱホバの証者は,地上にいる民の中でも最も平和を愛する群で,かつ法律を守る群です。彼らが罰を受けている理由は,証者たちがイエス・キリストのいましめにしつかり従う献身したクリスチャンである,という事実によるのです。たしかに,彼らは神の御国と神の義を先ず求めます。マタイ伝 6章33節のところで,すべてのクリスチャンたちは,そうせよ,とキリストが命ぜられていたからです。しかし,そうする傍わら,証者は自分の住んでいる国 ― 創造主の最高の法律とは反対の法律をつくる国を除いて ― の法律全部にも従います。ヱホバの証者は,良心的であり,注意深く行つて『カイザルのものはカイザルに,神のものは神に返し』ます。―マタイ 22:21,新口。
長年にわたつて,ソヴェット連邦内にいるヱホバの証者は非常な艱難とつらい迫害を耐え忍んできました。彼らは奉仕者たちの中より委員と代表をつくり,実施されている規則に従つて自分たちの宗教制度を登記しようとしました。ところが,どの場合もヱホバの証者は拒絶されており,そのクリスチャン制度の登記が許可せられる代りに,代表の奉仕者は逮捕されているのです。幾千人というヱホバの証者が,クリスチャン崇拝をするという理由で,ソヴェット連邦中で投獄されているか,シベリヤに流刑されているのです。そのことは,ひろく世界中に知れ渡つています。
すべてのヱホバの証者は,ヱホバ神の奉仕者として奉仕する厳粛な誓を立てており,この道より決して離れないでしよう。ヱホバの証者は,神の御国の良いたよりを伝道せよ,という大切ないましめを受けています。彼らは神に忠実でなければならず,また模範を残したイエス・キリストの使徒たちのごとく,同じ神権的な律法に導かれねばなりません。使徒たちは,その崇拝の故に多くの反対と身体上の苦しみを受けました。聖書の使徒行伝 5章17-40節には,初代クリスチャンの受けた多くの試錬の一つが記されています。その時,クリスチャンではない著名な弁護士ガマリエルは,今日にも適用する裁定の原則を述べました。今日,ソヴェット連邦内にいるヱホバの証者の逮捕と関連して,貴下がそのことに留意せられるよう望むものです,『その企てや,しわざが,人間から出たものなら,自滅するだろう。しかし,もし神から出たものなら,あの人たちを滅すことはできまい。』
ヱホバの証者は神の僕です。彼らの業は神のものです。それで,ソヴェット連邦を含むすべての国で,ヱホバの証者は,クリスチャン生活をなして,最高者を崇拝しなければなりません。そしてヱホバ神の助けを受けることにより,そのことをなし行うでしよう。真のクリスチャンたちは,互に愛し合い,友なるクリスチャンたちの安否を深く気づかいます。危急の場合には,真のクリスチャンは物質的にも,霊的にも援助し合います。ヱホバの証者は,そのような真のクリスチャンであります。そのわけで,過ぐる9ヵ月のあいだ全世界のヱホバの証者は,ソヴェット連邦の高職につかれている貴下に請願状を送り,貴下の国に住む友なるヱホバの証者に対する虐待を調査すると共に,キリストにある私たちの兄弟たちに崇拝の自由を許されるよう,お願いしたのです。
その請願は,199のヱホバの証者の大会より,幾十という言語に書かれて貴下宛に送られました。どの請願状も,書留航空便で送りました。更に,この重大な事柄を間ちがいなく貴下に御知らせする為,各請願状はそれぞれの国の外交代表者を通して貴下に届けるようにしました。
全世界では,合計46万2936人のヱホバの証者が,この請願を是認しました。そして,ソヴェットに住んでいて苦しみを受けたヱホバのクリスチャン証者たちを釈放するという,ソヴェット社会主義共和国政府の取る処置についてのニュースを待つています。
全世界のヱホバの証者の統治体として,我々はソヴェット連邦内にいるヱホバの証者の諸問題についての合同の請願を送る権威を有しています。かつ,最高至上の神ヱホバの奉仕者として,この重大な問題について貴下の御配慮を願う,という責務を神の前に有しています。話合をする為にモスコーに何時でも代表団を送る用意が整つています。
請願を述べている46万2936人のヱホバの証者を代表する我々は,貴下の至急の御返答を要求するものであります。いまや,最高の神ヱホバの御前にあつて,責任は貴下に課せられているのです,『恐らくは,汝ら神に敵する者とならん。』― 使行 5:39。
ペンシルバニアのものみの塔聖書冊子協会の理事の提出
会長,エヌ・エッチ・ノア
副会長・エフ・ダヴリユ・フランズ
会計事務長,グラント・スーター
会計事務長補佐,エッチ・エッチ・リーマー
理事,ティ・ジェー・スリバン
理事,エル・エイ・スウィングル
理事,エム・ジー・ヘンシェル
この事柄を推し進めることによつて,ヱホバの証者は3つの義務を果しました。証者はヱホバの至上権に証を立てました。また,ヱホバの敵に対して,その行の悪を指摘すると共に,鉄のカーテンの背後にいる兄弟たちを助けようと努力しました。
証者たちは,イエスの次の約束に信頼しています,『神は,日夜叫び求める選民のために,正しいさばきをしてくださらずに長い間そのままにしておかれることがあろうか。あなた方に言つておくが,神はすみやかにさばいて下さるであろう。』― ルカ 18:7,8,新口。
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共産主義者の偽善ものみの塔 1957 | 6月1日
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共産主義者の偽善
1905年,ニコライ・レーニンは『なぜ我々は無神論者なることを宣伝の中で言わないのか』とたずねていました。共産主義者たちは,もちろん無神論を提唱しないならば帰依者を更に多く得られると考えていたのです。ところが,自分たちに都合の良いとき,そして自分たちの宣伝を効果的にするためなら,共産主義者は神を呼ぶのになんのためらいもしません。最近,ソヴェットの指導者ニキタ・エス・クルシチョフは,スターリンは間ちがいをしたがその間ちがいは肝要のものでないと語り,更に『どの共産主義者もスターリンのごとくに戦い得るように神の承認を求む』と語りました。すべての共産主義者をスターリンのごとくにしてもらいためにクルシチョフは神の承認を求めています。いま,ロバート・イノ・シャーウッド著『ルーズベルトとホプキンス』という本からの1節を引用しましよう,『とつぜんスターリンは「神の助けによりこの計画が成功しますように!」(チャーチルがルーズベルトになした訳によると,「神がこの企てを栄えさせますように!」)と叫んだ。余の聞いたことによれば一時のあいだ宗教学校で教育を受けたスターリンが神の助けを願うことは,なにも新しい異例のことでない,とのことだ。』共産主義の世界では偽善は際限なく行われているのです。
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