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神の裁きは,神の個性を明らかにするものみの塔 1976 | 2月1日
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ませんでした。しかし,ノアの子孫の多くはそのように考えませんでした。人々は,全地に広がるようにとの人間に対する神のご意志に反して,バベルに,高い塔を持つ都市を築き始めました。人々はこう言いました。「さあ,われわれは自分たちで都市を,またその頂が天に達する塔を建て,名を揚げよう。われわれが地の全面に散らされるといけないから」。(創世 11:4,新)しかし,公正の神エホバは,全地に散る代わりに団結しようとした,その反抗的な企てを終わらせました。
聖書は,神がバベルの建築者たちに対して速やかな処置を取られた理由を示して,次のように述べています。「民は一つで,みな同じ言葉である。彼らはすでにこの事をしはじめた。彼らがしようとする事は,もはや何事もとどめ得ないであろう」。(創世 11:6,口)この言葉は,反逆的な人間たちが組織的かつ協調的な努力によって,何ものにも阻止されることなく自分たちの反抗的な企てを遂行しようとするのを,全知の創造者が予知しておられたことを示しています。時たつうちに,人間は次々に悪い事柄を考え出したことでしょう。そして,一致した行動に訴え,その邪悪な目的を遂げようとしたはずです。
知恵を持たれるエホバ神は,悪事のためのそのような一致した行動を妨げるための処置を取られました。神は,バベルの建築者たちの言語を混乱させたのです。もはや互いに意思の疎通ができなくなったため,人々はその建築工事を中止しました。それ以来,人々は言語上の障壁に妨げられ,団結して誤った目的を首尾よく遂行することはできなくなりました。―創世 11:7。
今日わたしたちは,人間の言語を混乱させるために神が行動されたことに感謝しなければなりません。最近人間の行なってきた事柄,例えば大量殺りく兵器の開発などについて考えてください。人々は分裂し,独自に作業を進めているにもかかわらず,地球を荒廃させるに足るほどの兵器が蓄積されてきました。言語上の障壁による分裂がなかったなら,人間がどれほどまで極端に走っていたかを考えるだけでもぞっとします。バベルでの建築に関連して,神が反抗的な人間について言われた次の言葉は,確かに誇張などではありませんでした。「彼らがしようとする事は,もはや何事もとどめ得ないであろう」。
過去における神の裁きは,確かに神の公正さや知恵を表わしています。それはまた,神が地とその上に住む人間に対するご自分の目的を成就するという意図をもって物事を扱ってこられたことをも示しています。これは,現在の邪悪な事物の体制に対する,神の来たるべき裁きに関して特に真実です。その裁きは,とどまる所を知らない悪すべてを終わらせ,この地を楽園に変えるための道を開きます。
地と人間に対する神の栄光ある目的の実現にあずかる人々の一員になりたいと思うなら,今それと調和した生活をする必要があります。過去において神の目的を無視して不利な裁きを受けた人々と違い,あなたは義人ノアのように,創造者に喜ばれることを行ないたいと思われるに違いありません。そうすることによって初めて,地が美しい楽園に変えられるのを目撃し,また楽園に変える業に加わることを待ち望むことができるのです。
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はるかに優れた知恵ものみの塔 1976 | 2月1日
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はるかに優れた知恵
● フィリピンに住む一人の青年は大学在学中,同室の学生がさまざまの不潔な習慣を持っていたので,彼はその学生の悪習を改めさせようとして何度も努力しましたが,失敗しました。次いで,大学を出て五か月たった後,その同室の学生に再び会った彼は,すっかり驚かされました。以前の同室の学生が大きな変化を遂げたのを目のあたりに見たのです。エホバの証人と一緒に神のみ言葉を研究した結果,ほんの2,3か月のうちにその学生の生活に及んだ影響に感心し,この青年もまた聖書研究を始めました。その後,エホバの証人と交わるようになってから,こう述べました。「私たちがいわゆる学問のすべてを駆使しながらも失敗してきたのに,教育的才能の点では無名のこれらの若い人々が成果を収めているのであれば,ここには私たちが大学で学んだ事柄よりもはるかに優れた知恵があります」。―「エホバの証人の1975年の年鑑」より
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