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「私たちの神の家をなおざりにしない」ものみの塔 1966 | 6月1日
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巧みに取り上げました。聖書からそれらについて話し合ったところ,彼女は神のみ心を行ないたいと述べました。そしてただちに,クリスマスツリー,再臨の花環,宗教的な肖像,ロザリオなどを火で焼き捨てたのです。この研究は大変良く進歩しました。
一伝道者とある期間研究していた別の婦人は,自分の教会を脱退することに決めました。教会を去ったところ,その教会の牧師が彼女を訪ねてきました。牧師は,どうして教会を去ったのかと尋ねました。そこで彼女が,牧師は神のみ名を見過ごしているゆえ,もはや真理を十分に人に教えてはいないと告げると,神のみ名は実のところそれほど重要なことではないと牧師は答えました。その牧師は,彼女に会費の支払を怠ったことが教会を去った真の理由だろうと言いました。ここで彼女は小切手帳を取り出し,金額を書き込み,それを牧師に渡しました。小切手に彼女の署名がないのに気付いた牧師は,署名がなければ無効だと言いました。そこで彼女はこう答えました。「もしわたしの名前がそれほどに重要ならば,天と地の創造者のお名前ははるかに重要ではないでしょうか」。もちろんのこと,彼女は小切手に署名せず,それどころか牧師に続けて証言しました。遂に牧師は,もし教会の信者がエホバの証人のもつ熱意の半分でも持ち合わせているならば,教会はもっとよくなることだろうと言いました。
「羊」の世話をして「狼」から守るには,しばしば勇気をもって決定を下すことが要求されます。ひとりの若い姉妹が,ある婦人と6ヵ月ほど聖書の勉強をしていました。婦人はよく進歩していました。その婦人には14歳になるむすこがひとりいました。ある日,勉強をしているところに,このむすこがかなり興奮した様子ではいってきて,伝道者のことを警察に知らせたので間もなく警官がやって来るだろうと言いました。少年は警察に知らせたことを後悔していたのです。自分のむすこのしたことにその婦人がすっかり当惑したのを見て,伝道者は慰め励ましてから,すぐに裏口より逃げました。伝道者はその後どうしましたか。翌日,その少年が学校に行っている時間を見計って再びその婦人を訪れ,前日,実際に2人の警官がきたことを知りました。警官は,どんな「若い女」が来ていたかを知りたかったのです。普通の親しそうな年配の女の人だったと,その婦人は警官に告げました。すると,警官たちは次のように議論をはじめました。エホバの証人は危険人物だということを一般の人々に知らせようとしている権威筋の努力にもかかわらず,年寄りばかりか実際のところますます多くの若者までがエホバの証人になっており,彼らは刑務所に入れられることにさえ驚かないというのです。警官が言ったことに,この婦人が少しも動揺していないことが伝道者にはわかりました。それどころか,彼女は伝道者がこんなにも早く訪ねてくれたことを大変喜んでいました。むすこが学校にいる時間に,研究は続けられました。
真理を学ぼうとする人々の前にある妨げを取り除くためには慎重さが大切です。ある伝道者が一ラジオ修理工に最初会って,証言したところ,かなりの興味を示しましたが,驚いたことに再び訪問しないでほしいと言いました。これは明らかに人を恐れたためでした。しかし伝道者はそれであきらめることなく,この人のことをある姉妹に話し,今度はこの姉妹が自分の古物のラジオをその人に修理してもらうことにして持って行きました。こうして姉妹はラジオが修理できたかどうかを聞きに行くたびに,数回にわたって彼と話す機会をつくることができたのです。彼は少しずつ確信を持てるようになり,今では伝道者との聖書研究を喜んで行なっています。
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読者からの質問ものみの塔 1966 | 6月1日
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読者からの質問
● 詩篇 72篇8節で述べられている川は何を指していますか。
ソロモン王の広範囲にわたる平和な支配に関するこの詩篇の中に次の約束があります。「彼は海から海まで治め,川から地のはてまで治めるように」(詩 72:8)アブラハムに対するエホバの約束を思い出すなら,この「川」という語がどの境界線を指しているかを理解することができます。
アブラハムはかつてユフラテ川の「向こう」に住んでいたことがあり,そこで彼の父はほかの神々に仕えていました。(ヨシュア 24:2,15)しかし,彼がカナンへ来てから,彼の子孫がカナンの南の「エジプトの川から,かの大川ユフラテまで」の土地を受けるであろうと神が約束されました。(創世 15:18)それゆえ,ユフラテ川が約束の地の境界線の一つであったと理解されていました。(出エジプト記 23章31節と申命記 11章24節を比較して下さい)ソロモン王の統治期間中にイスラエルが治めた地域はユフラテ川にまで及びました。―歴代志下 9:26。
興味深いことにヘブル語聖書の一部をアラミヤ語に翻訳し注解を加えたユダヤ教のタルグムは詩篇 72篇8節の中で「川」のかわりに「ユフラテ川」と書いています。海から海に,ユフラテ川から地のはてまで治めるとは,イスラエルの王の場合,広範囲な支配を指しており,大いなるソロモンであるイエス・キリストは全地をくまなく支配します。
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