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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1953
塔53 8/1 263–267ページ

唯一の神

『ヱホバよ汝に比うべき者なし。』― エレミヤ 10:6。

1 エレミヤは,ヱホバが他に比類のない方であることを,如何に認めて居ますか?

ヱホバは他に比類のない方であり,この事は,エレミヤが荘巖に,しかも簡潔に認めて居る所であります ―『ヱホバよ汝に比うべき者なし,汝は大いなり,汝の名はその権威のために大いなり。汝万国の王たる者よ,誰か汝を畏れざるべきや,汝を畏るるは当然なり,そは万国のすべての博士たちの中にもその諸国のうちにも汝に比うべき者なければなり。ヱホバは真の神なり,彼は活る神なり,永遠の王なり,……ヱホバは其の能をもて地をつくり,其の智慧をもて世界を建て,その明哲をもて天をのべ給えり……天地を造らざりし諸神は地の上よりこの天の下より失せ去らんと。』― エレミヤ 10:6,7,10,12。11。

2 (イ)ヱホバの唯一性を認識することは,何故大切ですか?(ロ)人をただす質問はどんなものですか?

2 ヱホバの此の唯一性は,重要な真理であり,その認識は正しい慾望を自覚するすべての人々にとつて,必要欠くべからざるものです。偽りの神々はごく一般的であります。それはあらゆる人々の手に持たれて居ります。然し,ヱホバはそれらの神々の類ではありません。地の民は多くの種類の神々を拝み,それに仕えて居ます。多くの色々な形式によるその様な礼拝習慣は,色々な宗教の習慣となつて居ます。我々は,それら多くの神々に気づいて居ります。我々は全地に,色々な宗教がひろまつて居ることを知つて居ます。そして,『キリスト教従』の国と非キリスト教徒の国々の無数の神々が合体され,偶像,呪物,その他の目標無き『聖物』等,それ自体が拝まれ且又人間と霊の生物崇拝の仲介物となる物がすべて一緒にされて居るのです。或人にとつては,宇宙の天体や,創生の原因となる自然力などが神であります。富と力は多くの人の神となつて居り,又,高位にある宗教的指導者,軍事的,政治的,経済的指導者達も,多くの人々の神々となつて居ます。或者は,その様な神々は本当でないと否定するかも知れませんが,上記の物,及び動物や昆虫すら神々として拝まれて居るという事は,誰も否定できません。あなたは,誰を礼拝しますか? それとも何を礼拝しますか? あなたは誰に,或は何に,自分を捧げて居ますか?

3 (イ)神々を区別することは妥当ですか?(ロ)真の神は,誰のうちに愛に満ちた認識を見出しますか?

3 堕落した神々と,その信者達の列からかけ離れて,高いところに在す方は,唯一のヱホバであります。ヱホバの唯一性は,我らの誠実な讃美を湧きたたせます。我々は,この真の神と,偽りの神とを区別しなければなりません。この神と他のすべての神々とを区別することは誠に妥当であります。事実,我々はそうしなければならないのです。正義の神は不義な生物に訴えません。正義と愛の神は,不正と憎しみに満ちた人々のうちに,調和ある応答を見出せません。若しあなた方が,愛に満ちた認識を持つて神に応答出来るなら,あなた方は本当に幸福な人々です。―マタイ 5:6-9。

4 クリスチャンの信仰は,ヱホバに関して何を必要としますか?

4 上述した神の予言者は,神を『ヱホバ』と申して居ます。『ヱホバ』とは真の神の名です。それは,神御自身が自ら命名し,自らを明らかにされた御名であります。『神』とは,『主』と言う場合と同様,一つの称号でありますが,『ヱホバ』とは名,つまり御名であります。ヱホバは,その創造の業,偉大なる御業及び真理の御言葉聖書を通じて,御自分の唯一性を表明し,彼のみが真の神であり,彼の外に神は無いという事を表明して居ます。従つて,クリスチャンの信仰を表明するにも,真の神と他のすべての神々とをはつきり区別する必要があります。―詩 145。

5 ミカ書 4章によれば人々はどんな名によりて歩みますか? それは何時ですか?

5 ミカ書 4章の予言は,現代の素晴しい『末の日』が,ヱホバの御名の立証と彼の絶対至上権の確立とによつて明示されるという事を予期して,次の様に申して居ります。『末の日にいたりてヱホバの家の山々諸々の山の巓に立ち諸の嶺にこえて高く聳え万民河のごとく之に流れ帰せん,即ち衆多の民来りて言わん,去来我らヱホバの山に登り,ヤコブの神の家にゆかん,ヱホバその道を我らに教えて我らにその路を歩ましめ給わん,……すべての民はみな各々其の神の名によりて歩む,然れども我らは我らの神ヱホバの名によりて永遠に歩まん。』― ミカ 4:1,2,5。

6 (イ)現在多くの人々は何故ヱホバへの礼拝に転じますか?(ロ)又他の多くの人は何故その様に転じませんか?

6 さて,これらの『末の日』に於いて,男も女も,神の御言葉,聖書に記されて居る真理の知識を得て,ヱホバへの礼拝と奉仕に転じます。その動機は何でしよう? それは実に決定的です。即ちそれは正義の誘引力です。正義を愛する人々は,聖書の正しい教理と高度な原則に応答しますから,聖書に記されて居る神に応答します。誠実な心の持主は,ヱホバという名の神を礼拝します。不義と悪を愛する我利的な人々は,その様に応答しません。『光がこの世に来たが,人々は,自分の行いが悪い為に,光よりはかえつて暗闇を愛した,このことがつまり裁きである。すべて悪いことをする人々は光を嫌う,その行いを照らし出されたくないためである。しかし誠実な行いをして居る者は光に来る,その行いが神に在つてなされたものであることを明かにされたいからである。』― ヨハネ 3:19-21,口語。

7,8 (イ)ヱホバの御名が曖昧になるのをすべての人々が快よしとしますか? 誰がそうでありませんか?(ロ)これに関して,ヱホバは如何に申して居ますか?

7 或人々は,真の神を礼拝することに深い関心を持ち,神の御名が曖昧になることを快しとしませんでした。この様な関心を持つて居た人々に,アブラハム,イサク,ヤコブが居ります。創世記 13章4節は次の様に記して居ます。『アブラハム,ヱホバの名をよべり。』ヤコブはヱホバ神によつてイスラエルと名づけられましたが,それはヤコブの全家族の者がすべて異神を棄て』た後に於いて,ヱホバが嘗てアブラハムと結んだ契約をヤコブに確証した時のことです。(創世記 35章)今やイスラエルと名づけられたヤコブの子孫達は,イスラエル民族となつたのです。古代エジプトに於いて神の御名の立証を成し遂げるにあたり,神はモーセに次の様に申しました。『神またモーセに言い給いけるは汝かくイスラエルの子孫に言うべし,汝らの先祖たちの神アブラムの神イサクの神ヤコブの神ヱホバ我を汝らにつかわし給うと。是は永遠にわが名となり,世々わが誌となるべし。』(出埃 3:15。)モーセはエジプトの神々を礼拝しませんでした。彼はヱホバを礼拝しました。彼はヱホバを愛しました。

8 ヱホバ御自身も,後に僕モーセを通じてこう申しました ―『汝の神ヱホバは神の神主の主大にしてかつ権能ある畏るべき神にましまし人を偏り視ず,また賄賂を受けず(申命 10:17。)今日,他の人々が真の神を礼拝し,御名の栄光に深い関心をよせて居ります。その人々が,ヱホバの唯一性を認識して居ることは次の様な言葉のうちに表現されて居ります。『われはわが心をつくして汝に感謝し,もろもろの神の前にて汝をほめ歌わん,ヱホバはわれに係れることを全うしたまわん,ヱホバよ汝の憐みはとこしえにたゆることなし,願くは汝の手のもろもろの事跡をすて給うなかれ』― 詩 138:1,8。

9 この研究に於いて,我々は何に興味を持つでしょう?

9 現在我々が更に多くの聖書的知識を求めて居るのは,この真の神とその神に仕える者に関してであり,又神とその礼拝者達の関係についてであります。先ず第一に,真の神ヱホバ御自身が御言葉を通じて人間にあらわし給うた外の御地位について考えてみましよう。

創作者

10 何がヱホバを創作者として顕現しますか?

10 ヱホバは偉大なる創作者として顕現給うて居ります。ヱホバの無生物創造に関する証拠は我々の周囲到るところに,存在しています。何故なら,聖書は次の様に簡潔に宣言して居るからです ―『ヱホバ神地と天を造り給えり。』(創世 2:4)人類すべては,素晴しい地と天の存在を認めて居りながら,余りにも多くの人々が被造物の彼方にその創造主を仰ごうとして居ません。これと対照に,詩篇には誠実な態度が書きあらわされて居ます ―『われらの主ヱホバよ,汝の御名は地にあまねくして尊きかな,その栄光を天におき給えり! 我汝の指のわざなる天を観,なんじの設け給える月と星とをみるに,世人はいかなるものなればこれを聖念にとめ給うや?』(詩 8:1,3,4)神の創つた無生物は,神の讃美を少しも変えません。そして,人々がヱホバの創り給うた物の中,その無生物の分野に関して多くの知識を得るならば,人々は,科学の証明したあらゆる事実が,ヱホバの創造に関する聖書真理を確証し,証明して居るという事を発見することでしよう。

11 創造者の地位に関する論争は何の間に生じましたか?

11 ヱホバの創造した有生物は,人もあらゆる動物も,それ自体の存在が,その創造主を証明して居ります。創世記 2章7節は『ヱホバ神……人を造り給えり』と宣明して居ます。ヱホバは人を造り給うたのです。ヱホバの至上権に関する論争が生じたのは,その智的被造物間に於いてでした。その中には人類も含まれて居ます。この論争は下等動物間には見出されませんでした。それは,確かに地や天の無生被造物間には見出されませんでした。それは人類間に見出されたのです。何故なら人類すべてが偉大なる恩恵者を讃美したのではないからです。人間は,無生被造物の様に自動的に,一定の線にそつて動くのではなく,又下等動物の如く本能によつて動くのでもありません。人間はそれより高等です。それは,人間となつたイエスに関する予言の示して居る通りであります ―『彼に御手のわざを治めしめ万物をその足下におさ給えり,すべての羊,うし,また野の獣,そらの鳥,うみの魚,もろもろの海路をかようものをまで,皆しかなせり,われらの主ヱホバよ,汝の御名は地にあまねくして尊きかな。』― 詩 8:6-9,ア標。ヘブル 2:6-9。

12 (イ)我々にはどんな素晴しい撰択が出来ますか?(ロ)ヱホバを愛する為には,何が必要ですか?

12 各人は,ヱホバに与するか反するかのどちらかを自ら撰べるのです。そして,ヱホバを愛する為には,正義を愛することが必要であるという事を,常に心にとめておかなければなりません。何故なら神は完全に正義な方であるからです。不義を愛する者が神に与すると主張しても,ヱホバはそれらと悉く縁を切ります。彼の記した筬言に(8:13)は次の様にあります。『ヱホバを畏るることは悪を憎むことなり,我は傲慢と驕奢悪しき道と虚偽の口とを憎む。』人間は,自分の心の欲望を基本として,その論争に直面して居ます ―『人は自らの慾に迷わされ捉えられて,誘惑されるのである。そこで慾が孕んで罪を生み,罪が熟して死をもたらす。だから,すべての汚れたものや,増加わる悪を捨てて,植えつけられた御言葉を,やさしい心持で,受けなさい。この御言葉はあなた方の魂を救うことができる。そして御言葉を行う人となりなさい。自分を欺いて,聞くだけの人となつてはならない。』(ヤコブ 1:14,15,21,22)創作者に仕えなさい。

制度

13 (イ)加うるにヱホバは何をつくりますか?(ロ)一つの制度は何ですか?

13 偉大なる創作者は,無生物,生長する物,生ける物を産み出したばかりでなく,彼はそれらすべてに加えて制度をも創り給うています。制度は,その内部にある者すべてに共通な目的を達成する為,人々を以つて組織されたものであります。それは,仕事を遂行する為の協力を意識します。我々は色々な目的を持つた色々な制度を数多知つて居ります。家族も一つの制度であります。教会も,宿も,クラブも会社も,政府も,軍隊も,みな夫々の制度であります。そして我々はそれらを良く知つて居ます。一つの目的の為に,幾人かがその目的遂行の為交るならば,その結果として,或種の制度が生まれます。大勢の智的生物の存在そのものが,制度の存在することを認めて居ます。

14 一つの制度はどんな意味に於いて,一単位ですか。

14 一つの制度は,多くの点から見てそれ自体一つの単位であります。これは,一つの組合が一『法人』と呼ばれることによつても示されて居ります。ウェブスターの新国際辞典第二版(英文)は次の事を示して居ります。即ち英国と米国の慣習法と成文律とに於いて,一組合は,『政治団体か,共同団体かであり,一法人として行動する権威を法律によつて与えられて居る団体』であると示されて居ます。その中には多くの人々が居りますが,それは一体です。一組合は屢々,『それ』(三人称単数)と言われます。それを形成する原動力をその創作者と言えましよう。政府の権威も組合をつくりますから,その創作者となります。人の作つたその様な制度は『父』又は『母』と呼ばれることがあるでしようか?と尋ねることでしよう。その通りです,『親会社』という言葉が可成り普通に使われて居ますが,その意味は一般に良く知られて居ます。その様な『親』がそれと親戚関係の『法人団体』をつくります。我々は『国民の誕生』という様な言葉を良く知つて居ります。そして,この言葉遣いは,人々の一群を指して居ります。その一群の人々は,或手段を通じて,一つの制度を作つたのであります。その制度は,政府として,或は国民として『誕生』したものであります。

15 制度の主要素は何ですか?

15 一つの制度に関して言うならば,その内部に居る個々の者の聯合が主な要素であります。個々の人を除外するならば,制度は全くなくなります。共通な目的をもつて,共通な原動力をもつて個々が聯合した時,一つの制度が誕生します。

16,17 ヱホバの天の宇宙的制度について事実を示して下さい。

16 神の作つた制度中には,正しい天の生物も居ります。聖書は,卒直にしかも象徴的な言葉をもつて,彼ら天の生物が秩序正しく行動し,互にヱホバを讃美し,真理の伝達に関して奉仕し,悪と悪魔の制度の霊を征服し,人類が彼らを拝することを斥け,キリスト教徒に自ら仕えて居るという事を,明示して居ります。彼らは,イスラエル民族をエジプトから導き出さなければなりませんでした。そして,聖書は,彼らが他の組織的な活動をも行うと示して居ります。(出エジプト 14:19。イザヤ 6章。ヘブル 2:14,新世。黙示録 8,9,16章)それらの行動の各々は,制度が存し,その制度を通じて神の忠実な天使達が神を讃美する為に仕えて居るという事を示して居ります。

17 従つて,ヱホバが宇宙的な大制度をつくられたという事が分ります。ヱホバはその制度内の人々に,為すべき仕事を与えます。そして,彼の僕である人々は,ヱホバに献身し,その御業を行います。それは神の建物から成る制度であります。そして,制度内にある者にとつて制度と交り,その活動に参加し,その創作者に献身することは最も大切なことであります。

18 初代クリスチャンの制度は,如何につくられましたか?

18 地上に於いても,ヱホバ神を拝して居る男女が居ります。制度がヱホバによつて創られました。その制度のクリスチャン会衆は一つであります。神をおそれる人々は,イエスの教えを通じて,互に引き寄せられ,制度を組織しました。クリスチャン会衆の初期時代,使徒達は,一つの宣教する制度でありました。マルコ伝 3章14節,15節(口語)には次の様にあります。『そこでイエスは十二人をあげて,使徒と呼ばれた。これは彼らを手もとにおき,或は伝道にやり,或は悪鬼を追出す権威を持たせるためであつた。』キリストイエスの追従者達の会衆はキリストによつて組織されて伝道の制度となり,その任務を行いました。それは,キリストの次の言葉に示されて居る通りです。『それ故に,あなた方は行つてすべての国民を弟子とし,父と子と聖霊との名によつて,バプテスマを施し,私があなた方に命じたすべてのことを守るように彼らに教えなさい。』この任務が,イエスの直接語つた人々だけに限られず,クリスチャン会衆の全期間を通じて,我々の時代に至るまでもすべてのクリスチャンの任務であるという事は,イエスの結びの言葉によく示されて居ります ―『見よ私は世の〔組織制度の,新世〕終りまで,いつもあなた方とともにいるのである。』― マタイ 28:19,20,口語。

19 (イ)クリスチャンの会衆は人間の作ったものでないという事が,どうして分りますか?(ロ)それにどの様にして会員が加えられましたか?

19 イエスの昇天当時のクリスチャン制度つまり,教会又は会衆に,更に多くの会員が加わりました。それはペンテコストに於ける聖霊降臨の直後のことでした。『そこでペテロの言葉を受け入れた人たちはバプテスマを受けたが,この日に凡そ三千の魂が加えられた。』何に加えられたのでしよう? 真の神の礼拝に献身した人々に加えられ,クリスチャンの制度即ち会衆に加えられたのです。『彼らは,使徒たちの教えに専心し,協同生活をなし,パンをさき,祈ることを専らつとめた。』(使行 2:41,42,口語)初代クリスチャン会衆の後期に於いて,使徒パウロはコリントの会衆に次の如く書きおくりました ―『賜は異つていても,み霊は同一である。任務は違つていても,主は同一である。働きは様々であつても,めいめいに全力を発揮させ給う神は同一である。』(コリント前 12:4-6口語)この聖句に於いても,次の真理が示されて居ます。即ち,主なるキリストイエスを通じ,又御霊の働きを通じて,クリスチャン会衆を組織するのは,神御自身であり,クリスチャンの『教会』は人の作つた制度でないという真理です。『さればこそ,神は御意に従つて,身体に諸器官を,― その一つ一つを,― おかれたのである。』『もし一つの器官が苦しめば,すべての器官が共に苦しむ。もし一つの器官が尊ばれるならば,すべての器官が共に喜ぶのである。さて,あなた方はキリストの身体であり,部分部分としてはその器官である。そこで神は教会に〔各々のものをおかれたのである,新世〕― コリント前 12:18,26-28,口語。

20 (イ)クリスチャンの会衆を定義し,それについて述べて下さい。(ロ)それは今日どの様に建てられますか?

20 クリスチャン会衆は,クリスチャンの総体,即ちキリストの体であり,キリストイエスを通じて,又真理の御言葉の働きを通じて,ヱホバ神が組織したものであります。その御言葉は,キリストを通じて,又神の御力である聖霊の働きを通じて,人々を神に引き寄せるのであります。このクリスチャンの大会衆は,その創設者であり頭であるイエスに始り,現代に至るまで発展して居るのです。そして,地上に残つて居る会員によつて代表されて居ります。その会衆内には,小さいクリスチャン会衆が幾つもあり,全地にわたり,色々な地域に存在して居ります。この様にして,大きな制度内つまり大きな会衆内に,会の制度即ち会衆が存するのです。この事は,使徒パウロがピリピ人に宛てた言葉によつても認められて居ります ―『キリストイエスの僕であるパウロとテモテとから,ピリピにあつてキリストイエスにあるすべての聖徒たち,監督たち,執事たちへ。』(ピリピ 1:1,口語)これは,人間の作つた制度の或登録表に男女を登録して建てたものでしようか? いいえ,そうでありません。それは,各々神に献身した人々が聯合して建てられたのです。それらの人々は御言葉の要求に添い,制度の創設者がクリスチャンに課した仕事を承認し,互に協力してその仕事を忠実に行い,ヱホバの御名を讃美して居ります。

21 クリスチャンの制度は,どんな点から一人の『人』でありますか?

21 使徒パウロは一人の婦にたとえて語つて居りますが,それは,そのクリスチャン会衆について言つて居るのです。彼はこう申して居ります ―『実は,私はあなた方を神の嫉妬をもつて嫉妬する。というのは,私はあなた方を一人の男に許婚した。純潔な乙女としてキリストに添わせようとしたのだ。』(コリント後 11:2,口語)この言葉は,制度を一人の『人』として示して居ります。この様に,クリスチャンの会衆は,一人の純潔な乙女としてあらわされて居ります。又,それは,ヱホバ神の宇宙的大制度のもとにある一人の子供,つまり子孫であります。

22,23 イスラエル国民に関し(イ)ヱホバが如何にして制度をつくり,御自分の礼拝のためにそれを如何に用い給うか説明して下さい。(ロ)それと神の宇宙的制度との関係について述べなさい。

22 クリスチャンの会衆が組織される前には,イスラエル民族そのものが,神の作つた制度でした。事実,それは『教会』つまり制度と言われて居ます。(使行 7:38,新世)それをつくる前に,ヱホバは僕アブラハムにその御目的を宣明しました。それはアブラハムとの契約と称される宣明,主に創世記 12章の1節から9節までに良く示されました。この契約は,アブラハム自身に対して,又彼の息子イサクに対して,更に彼の孫ヤコブに対して,再三確証されました。(創世 18:18; 22:18; 26:4; 28:13,14)ヤコブの名は,イスラエルと変名され,イスラエルの息子達及びその子供達がイスラエルの12の支族となりました。(創世記 49章)ヱホバ神は,終にイスラエルの支族をエジプトの地から導き出し,彼らと国民的契約を結びました。彼らは,野営をしながら,組織的にエジプトから脱出しました。『神紅海の曠野の道より民を導き給う,イスラエルの人々行往をたて,エジプトの国より出ず。』(出埃 13:18)イスラエル民族の制度が後にとつた行動に関しては,出エジプト記の18章に記されて居ます ―『又,汝すべての民の中より賢くして神を畏れ真実を重んじ利を悪むところの人を選み,之を民の上に立て,千人の司となし百人の司となし,五十人の司となし,十人の司となすべし。而して彼らをして常に民をさばかし……むべし。』(21,26)その後,ヱホバ神はシナイ山に於いてモーセを通じて,イスラエルに律法を与えました。その時契約を与えたのです。そして,この素晴しい記事は,聖書の出エジプト記 19章と20章にあります。

23 そこで,我々はヱホバ神がイスラエル民族を以つて一つの国家的な制度をつくり,その制度内に非イスラエル人も抱含されたことを知ります。その非イスラエル人は,ヱホバの礼拝に加わり,神の御要求にそつた人々であります。このイスラエル王国の神権国家は,神の僕でした。何故なら,それは,ヱホバが宇宙的大制度内の正しい人々を通じて組織し,産み出したものであるからです。天使もその制度と関係がありました。(ガラテヤ 3:19)ヱホバ神は,その国民に御言葉を与え,僕達に御霊を与えました。そして,制度そのものは,その国民個々その為に働きました。その結果は,すべてのものの為になり,ヱホバの御名讃美となりました。その会員,つまりイスラエル国民個々は,イスラエル制度の子らでありました。―アモス 3:1。

24 今まで何を学びましたか? どこに此の続きはありますか?

24 前述の事柄は,ヱホバの至上なることと,創造主としての慈愛深い御準備とを或程度示して居ます。又,神のつくつた制度内に住む人々とヱホバの関係をも紹介して居ます。この後者の点に関し御言葉が何と記して居るか,更に深く考えてみましよう。どうぞ次の記事をごらん下さい。

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