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「斧」と切る者ものみの塔 1976 | 5月1日
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帝国主義者との決済は約束されている
20,21 イザヤ書 10章12節から14節によると,エホバはなぜ「アッシリア人」の言うことに関心を向けられますか。
20 わたしたちはどう考えますか。エホバのみ名の置かれている都市を脅かすようなことが言われているなら,エホバご自身が関心をお向けになるべきではないでしょうか。それは当然のことです。そこでエホバは預言者イザヤにより,アッシリア帝国建設者の自己賛美の独白を突如妨げ,こう言われます。
21 「そして,エホバがシオンの山とエルサレムでその業をことごとく成し終えるとき,わたしはアッシリアの王の心のおごりの実と,その目の高ぶりのうぬぼれに対して決済を行なうことにする。それは彼がこう言ったからだ。『自分の手の力で確かにわたしは行動し,自分の知恵でそうする。わたしには確かに理解力があるからである。わたしはもろもろの民の境を除き,蓄えられた彼らの物をわたしは必ず略奪し,わたしは強力な者のように住民を卑しめた。そして,巣でもあるかのように,わたしの手はもろもろの民の資源をつかみ,残されている卵を人が集めるときのように,実にわたしはまさに全地をかき集める。翼をはばたかる者も,口を開く者も,声高に話す者も確かにいなくなる』」― イザヤ 10:12-14,新。
22 征服を世界的なものにするためには,「アッシリア人」はどんな戦利品を取らねばなりませんでしたか。
22 「アッシリア人」の口から出たその言葉からすると,世界強国アッシリアが,サマリアを攻略するだけで満足しないことは明らかです。アッシリアは「まさに全地をかき集める」ことを望むでしょう。エルサレムとユダの地は集めるには良い卵でした。アッシリアの帝国主義者は,全世界を征服する力と知恵と理解力が自分にはある,と考えていました。
23,24 (イ)「アッシリア人」が全地をかき集めるのは,どんな点で,捨てられた巣から人が卵を集めるのに似ている,と彼は考えましたか。(ロ)エホバが,このことに関しては言うべきことがある,と感じられたのはなぜですか。
23 「アッシリア人」にしてみれば,そうすることは,驚いた親鳥が捨てていった巣から卵を取り出すのと同じように容易なことに思えたでしょう。卵を取ろうとして伸ばす侵略の手を打ち返す翼のはばたきはないでしょう。抗議の口を開くこともされないでしょう。アッシリアの軍隊が行なう略奪や強奪や追放に対して声高に不平を鳴らすこともないでしょう。それで「アッシリア人」は征服した領土を思うままにし,境界線を変えたり消し去ったり,あるいは人々を生まれた土地から追放したりするでしょう。ちょうど,生き残ったイスラエル人を,神から与えられたイスラエルの地からアッシリアに追放し,人のいなくなったその地を他の国民集団で再植民したときと同じように。
24 エホバは,「アッシリア人」の切に望んでいた獲物が,エルサレムとユダの地であることをご存じでした。そこは,地上に残る,エホバの崇拝の最後の拠点でした。それについては,エホバにも当然言うべきことがありました。事態がそこに立ち至っては,エホバは行動を余儀なくされました。
25 当時,シオンの山とエルサレムに,エホバが行なわれる業がありましたが,それはなぜですか。
25 西暦前八世紀のその危険な時に,エホバは,「イスラエルの光……その聖なる者」として,シオンの山とエルサレムとにおいて,一つのなすべき業がありました。(イザヤ 10:17,新)背教の王アハズの治世中に,ユダの地は,エルサレムを含め,異教の偶像崇拝で汚されてしまいました。しかし,その子ヒゼキヤの治世の初めに,エホバの霊がエルサレムのその新しい王を動かし,国から偽りの崇拝と無価値な神々を一掃させ,エホバの神殿の立っていたシオンの山とエルサレムに,エホバの清い崇拝を復興させました。ヒゼキヤは,「アッシリア人」がサマリアを覆す五年前に統治を開始しました。そして29年間,西暦前716年まで,義をもって支配しました。
26 エホバは今や何をする機が熟したとお考えになりましたか。これにはどのアッシリア王が関係していましたか。
26 ヒゼキヤ王は,父アハズ王がアッシリアと結んでいた軍事同盟を解消し,その結果,「アッシリア人」とヒゼキヤの神エホバとが対決するに至りました。エホバが,神に反抗するアッシリアの王を罰し,そうすることによって,「アッシリアの王の心のおごりの実と,その目の高ぶりのうぬぼれとに対して決済を行なう」機がちょうど熟したとお考えになったのは,そのような状況の下にあった時でした。(イザヤ 10:12,新)このこととかかわりのあった王は,サルゴン二世の子,セナケリブでした。彼の長い名前には,「シンは兄弟らを増したもう」,または「シンが(失せた)兄弟らを戻したまわんことを」という意味がありました。「シン」という語は,アッシリアの月神の名前でした。
27 エホバは,アッシリアの内部組織に干渉することなく,なおそれをご自分の象徴的「斧」としてどのように使うことができましたか。
27 わたしたちの時代にも,セナケリブに符合するものがあります。したがって,エホバがその現代の対型的「斧」をどのように扱って切ることを行なわれるかは,研究に価する興味深い問題です。この研究を始めるに当たって,次のことを忘れないようにしましょう。つまりエホバはアッシリア帝国にそれ自身の組織を所有させたということです。エホバは同帝国内部の諸制度には干渉されなかったのです。それでもエホバは世界強国アッシリアを,ご自分の「斧」として使うことができました。ではどのように用いられたのでしょうか。アッシリアの襲撃を方向づけることにより,その象徴的な「斧」をその攻撃すべきところに誘導することにより,それをお用いになったのです。そのようにしてエホバは,ご自分が切ろうと思うものを切り倒させたのです。b
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生き方を変えさせたタイプの仕事ものみの塔 1976 | 5月1日
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生き方を変えさせたタイプの仕事
● インドで開かれた,「神の勝利」地域大会で話をするよう割り当てられた一人のエホバのクリスチャン証人は,話の原稿を職場の同僚にタイプしてもらうよう取りきめることができました。その同僚は原稿の資料に夢中になり,自分もその大会に出席できるかどうかを知りたいと思いました。もちろん出席することができ,実際に出席しました。最初の日に深い感銘を受けたその人は,会社に有給休暇の申請を出しました。許可が得られその人は大会のプログラム全部に出席しました。その後真剣に聖書を研究するようになり,エホバの証人の集会すべてに出席し始め,間もなく,自分の学んでいる事柄を他の人々に話すようになりました。家族は熱心なヒンズー教徒であり,家族からの反対に直面しながらも,その人はしっかり立ち,イエス・キリストの忠節な弟子になることを望んでいます。
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