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土壌侵食の問題目ざめよ! 1980 | 6月8日
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特別の許可を得ないかぎり,冬の火入れは法律で禁じられています。
“砂漠化”の脅威に面している国では,砂漠の侵入を食い止めるための方策が講じられてきました。ホフーフの近くにあるアルハサオアシスが徐々に砂漠になってゆくのを阻止するため,サウジアラビアの人々はギョリュウ,アカシア,ユーカリ樹を合計1,000万本植えました。この国では,石油化学製品で作った“にかわ”を砂に吹きつけて砂の粒子を大きくし,砂が風に運ばれるのを防ごうとする試みもなされています。リビアでは,砂漠の下にあるいわゆる“化石水”が利用されてきました。米国で開発された灌漑技術の助けを借りて,サハラ砂漠に大規模な円形農地も出現しました。中国では,シンチャンウイグル自治区の砂漠地域に草地やぶどう畑を作ることに成功し,綿花その他の作物が栽培されています。
イスラエル人は,古代ナバテア人がネゲブ砂漠に作った水収集システムを再建し,これをアーモンドやピスタシオの果樹園の灌水に用いています。ネゲブでは滴下<ドリップ>灌漑システムも用いられています。これは,コンピューター監視装置を利用して,植物の根元に少量の水を直接供給するものです。
しかし,環境が取り返しのつかないような被害を受ける手前でこれを救おうと努力している人々の前には,依然として多くの障害が立ちはだかっています。1977年に国連は,「人類史上これまでに見たことのない規模の」国際協力を呼び掛けました。そのような協力が実現する見込みはありますか。ナイロビで開かれた会議は,政治的な敵対感情や不一致のために台なしになりました。一オブザーバーはこう語りました。「公開の場でも秘密会でもこれほどひどい政治的なけなし合いや実質の伴わない誇張が行なわれるのを見ていると,人間の思いにこそ最も荒廃した砂漠があると思えてくる」。
政府の立法措置では十分の効果を上げることはできません。なぜなら,法律は人間の利己的な欲望を変えるものとはならないからです。侵食の問題,また人類の直面している他の多くの問題を解決するには,全く新しい事物の体制,問題に対する新しい取り組み方,そして「あなたは隣人を自分自身のように愛さねばならない」という偉大な律法を基盤にして進歩することが求められます。(マタイ 22:39)そのような変化をもたらす力を有しておられるのは,この美しい惑星の偉大な創造者だけです。このかただけが,当初,様々な自然の力の間に存在していた完全な均衡を回復させる力を持っておられます。
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外見では判断できない目ざめよ! 1980 | 6月8日
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外見では判断できない
第一印象に基づいて他の人を判断するのはどれほど当を得たことでしょうか。英国の個人経営者協会の年次会議で行なわれた直観力テストによると,これらの専門家の場合でさえその即断はあてになりません。例えば,幾つかの論題について10人の人が話している様子をビデオテープに撮り,それをこれら個人経営者たちの前で放映しました。一般に個人経営者たちは自分に似ている人を好み,その人をより知性的な人物とみなしました。ところが,そうした判断のほとんどは間違っていたのです。「どんな大学教育を受けた人も,大学教育を受けなかった人より[判断の点で]優れてはいなかった」と,「今日の心理学」誌は伝えました。また,「全般的に,男性のほうが女性より少しよい」という結果が出て,女性の直観力に痛い一打が加えられました。わたしたちは,人類を裁くために神に任命されたかたが「自分の目に映る単なる外見で裁きを行なうことなく,単に自分の耳で聞く事柄によって戒めることもない」のを知って,大いにうれしく思います。―イザヤ 11:3,新。
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