一致は真実を語ることから生まれる
「おのおの隣り人に対して真実を語りなさい。」― エペソ 4:25,新口。
1,2 歴史と聖書は,諸国家が世界の一致を達成していない理由をどのように示していますか。
世界の一致は,長いあいだにわたる多くの人の夢であり希望でありました。彼らは世界平和を切望してきました。平和条約が調印されたとき,軍縮会議が開かれたとき,はては国際連盟とか国際連合などの公の討論の場ができたとき,その希望はかなえられるかに思われました。しかし歴史は冷酷にも,人間が世界を一致させ得なかったことを証明しています。1940年4月3日号の「コンソレーション」誌は,長い人間の歴史を概略して次のように述べています。「3421年の人間の歴史をふりかえって見るとその間平和であった年は268年しかない。あとの年は全部戦争の年で,そのあいだに8000の平和条約が粉みじんに砕かれている」。したがって歴史は,世界の諸国家が,胸に一物もちながらいかに多くの条約を結び,また外交という名の下に互いにおせじを言い,平和の言葉を語るものであるかを示しています。諸国家は今日に至るまで真実を語り合っておらず,そのために世界の平和と一致をもたらし得ない状態です。
2 預言者ダニエルは,何世紀も将来のことを見とおして,大国間に真実がないことを次のように預言しました。「このふたりの王は,害を与えようと心にはかり,ひとつの食卓に共に食して,偽りを語るが,それは成功しません。終りはなお定まった時の来るまでこないからです」。(ダニエル 11:27,新口)諸国家のかけひきやあざむきでは,世界の一致を達成することはできません。真実を認めることも話すこともしない諸国家は,そのために破滅へ向かっています。国際連合は,望みなきまでに分裂しています。国々は人類のあらゆる問題に対する解決策を含む真理の偉大な源を認めようとしていません。
真理とは何か
3,4 (イ)真理とは何ですか。(ロ)諸国家が現在歩んでいるどんな道が,詩篇 2篇で,預言されていましたか。(ハ)聖書が科学的な事柄においても真実であることを証明する例をあげなさい。
3 世界の外交の確実な失敗を告げるダニエルの預言をのせた同じ本が,それに対する解答を与えています。イエス・キリストは,み父すなわち偉大なる創造主エホバにささげた祈りの中で,「あなたの御言は真理であります」と言われました。(ヨハネ 17:17,新口)多数の批評家,進化論者,無神論者,宗教家は,神の御言葉の真実性をくつがえそうと冷酷な努力をしてきましたが,キリスト・イエスのこの言葉に間違いはありません。記録された神の御言葉である聖書に書かれていることはみな真実です。神は聖書の中で,全地にわたる御国の支配を確立するという目的を明言されていますが,諸国家は,エホバによって任命された王キリスト・イエスに譲歩することをせず,だれも抵抗することのできない神の御旨の道に立ちはだかっているのです。全能の神を度外視して事を行なう諸国家は,完全に滅びてしまいます。「いかなればもろもろの国人はさわぎたち諸民はむなしきことを謀るや。地のもろもろの王はたちかまえへ群伯はともに議り,エホバとその受膏者とにさからひていう。……かくて主はいきどほりをもてものいひ大なる怒をもてかれらを怖ぢまどはしめて宣給ふ。然れども我わが王をわがきよきシオンの山にたてたりと」。―詩 2:1,2,5,6。
4 近ごろの諸国家間の混乱と不和をこんなにも正確に預言した聖書は,その著者であられるエホバの正確さをはっきりと反映しています。聖書の真実性を証明するのは,多数の預言だけではありません。人間の科学者が言うより何世紀も前に書かれた神の御言葉は,実証された科学の分野から見ても100パーセント正確なのです。およそ2700年昔,いわゆる学問のある人たちが地球は平たいと考えていたころ,エホバはご自分の言葉を次のように書かせました。「主は地球のはるか上に座して……」。(イザヤ 40:22,新口)預言者イザヤは地球を一周したわけではありません。また空間を飛ぶ乗り物に乗って空高く上がり,上から見おろして地球が丸いのを知ったのでもありません。天に住み,地球を創造されたエホバが,地球の形について事実を教えられたのです。
5 いま聖書を調べることはなぜ知恵の道といえますか。
5 神の創造による莫大な宝をもつ地球は,人間に多くの真理を教えます。地球は,エホバの知恵と能力をほめたたえる一つの大きな倉庫です。愚かな人間は,地球とその将来にかんする神の御言葉の真実性を否定しつづけるかも知れません。しかし彼らは失望に終る運命にあります。賢明な人はエホバの助言に従って,「俗悪なむだ話と,偽りの『知識』による反対論とを避け」ます。(テモテ前 6:20,新口)いまの時代の世界の出来事と,近い将来に起こる事柄とについての事実を探求する賢明な人は聖書を調べるでしょう。そして確かに報いを得るでしょう。イザヤ書 46章9,10節はその理由を告げています。「いにしえよりこのかたの事をおぼえよ。わたしは神である,わたしのほかに神はない。わたしは神である。わたしと等しい者はない。わたしは終りの事を初めから告げ,まだなされない事を昔から告げて言う。『わたしの計りごとは必ず成り,わが目的をことごとくなし遂げる』と」。真実を告げるように神から訓練された神の御子イエス・キリストは,信頼の置ける情報を提供し,この時代に起こる多くのことを告げられました。イエスは弟子たちに「今わたしは,そのことが起らない先にあなたがたに語った。それは,事が起った時にあなたがたが信じるためである」と言われています。―ヨハネ 14:29,新口。
6 どんな貴重な知識が聖書だけにのせられていますか。それをどのように用いるべきですか。
6 世界の指導者たちが神の真理を受け入れようと受け入れまいと,次のことはやはり真理です。それはつまり聖書が現存する最も重要な本であること,また聖書だけが一致といのちへの道を示しているということです。偉大な預言者モーセは,古代イスラエルの会衆に対する話を終えるに当って,こう述べています。「あなたがたはわたしが,きょう,あなたがたに命じるこのすべての言葉を心におさめ,子供たちにもこの律法のすべての言葉を守り行うことを命じなければならない。この言葉はあなたがたにとって,むなしい言葉ではない。これはあなたがたのいのちである。この言葉により,あなたがたはヨルダンを渡って行って取る地で,長く命を保つことができるであろう」。(申命 32:46,47,新口)イエス・キリストも神の御言葉の重要性を強調して,マタイ伝の4章4節でこう言われています。「『人はパンだけでなく,エホバの御口から出るすべての言葉によって生きなければならない』と書いてある」。使徒パウロは青年テモテに,エホバの御言葉が彼を命の道に歩みつづけさせたことを思い出させています。「また幼い時から,聖書に親しみ,それが,キリスト・イエスに対する信仰によって救いに至る知恵を,あなたに与えうる書物であることを知っている」。(テモテ後 3:15,新口)エホバは,御言葉の中に真理を豊かに盛られています。真理は,つきない水と同じく,人間が生きて行くためにはぜひとも必要なものです。真理探求者はそれを汲むことができ,また汲みつづけることができます。そうするときにその人は,あらゆる国のあらゆる人種の善意者と仲良く一致して行く生活の仕方を学びます。地上のすべての住民が神の御国の支配下で一致する終りのない平和と一致の時代が来るまで,自分の身を処する方法を学びまます。―イザヤ 12:3,4。
どのように真理を話すか
7 舌が真理を話すのはどんな状態のときですか。
7 健康な舌ははね回る馬のように精力的です。そして疲れることを知らないかのように働きつづけます。イエスはルカ伝 6章45節でこう言われています。「善人は良い心の倉から良い物を取り出し,悪人は悪い倉から悪い物を取り出す。心からあふれ出ることを,口が語るものである」。いつも建設的な会語が流れ出る舌を持つには,心が真理で満たされていなければなりません。賢明な人はこのことを考え,その必要を認めます。それは箴言 15章28節が,「正しい者の心は答えるべきことを考える」と指摘しているとおりです。舌を野馬のように解き放つよりもむしろ正しい心の手綱をかけねばなりません。そうすれば舌は真理を語ります。同じ箴言はさらにこう言葉をつづけています。「悪しき者の口は悪を吐き出す」。ですから真理を語る人々は,まず正しい原則に関する知識を得,一生懸命に真理を調べ,それを学ばねばなりません。
8 他人の益のために真理を話すことは,どのようにあらゆる国の人々を一致させますか。
8 隣人を助けるのは人のつとめです。「だから,あなたがたは,今しているように,互に慰め合い,相互の徳を高めなさい」。(テサロニケ前 5:11,新口)偉大な創造主の下に人間家族を一致させる基礎の役目を果すのは,学んだ真理です。真理が心のうちに増せば増すほど人は神の道を考えつづけます。そして真理はその人にとってもほかの人にとっても益となる行いをさせます。真理を語ることによって,あらゆる国の人々は一致できます。一致のための公式がこのように非常にかんたんなので,世界の指導者たちはそれを厳密に調べてみようともしません。しかし,新世社会として一致しているあらゆる国に住む何十万というエホバの証者は,それが一致への実際的かつ唯一の道であることを示す証拠です。エホバの証者は,神が命令されたとおり,互に助け合うことに純粋の関心を払っています。「愛にあって真理を語り,あらゆる点において成長し,かしらなるキリストに達するのである。また,キリストを基として,全身はすべての節々の助けにより,しっかりと組み合わされ結び合わされ,それぞれの部分に応じて働き,からだを成長させ,愛のうちに育てられていくのである。こういうわけだから,あなたがたは偽りを捨てて,おのおの隣り人に対して,真実を語りなさい。わたしたちは,お互に肢体なのであるから」。―エペソ 4:15,16,25,新口。
9 いま述べ伝えられているどんな偉大な真理が人々を一致させる主要な要素ですか。
9 今日の世界は,神の御言葉から学んだ真理を語る人々,人間の唯一の希望である全能の神の御国を宣べ伝える人々の数が常に増加しているのを見ています。この神の御国こそ地上に正義をもたらし,人間家族はその支配下で永遠の生命を得ます。人間がいまこの真理を知るのは神の御心です。「この御国の福音は,すべての民に対してあかしをするために,全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである」。(マタイ 24:14,新口)すでに設立されている神の御国と神が行なわれる事柄に関する真理は,あらゆる人種,あらゆる国籍の人々を,現在の新世社会のように実際に一致させます。この種の一致こそ人間家族が必要としているものです。したがって,人々を実際に一致させる真理を語ることこそ,今日の人類に対するすぐれた奉仕になります。
10 真理はどのように人を自由にしますか。
10 人が真理を聞いてそれを知るよ になれば真の自由を得ます。そういう人は恐怖や不安を持たず,また隣人や未知の人を憎むようなことをしません。「また真理を知るであろう。そして真理は,あなたがたに自由を得させるであろう」というキリスト・イエスの言葉は真実です。(ヨハネ 8:32,新口)神の真理にかんする知識は,間違った考えや不健全な政治哲学のどれいとなっている人を自由にします。また,刑務所のくさりのように人をしばりつける束縛的な伝統から人を解放します。真理は人々を偽りの宗教から自由へ導く光です。
11 必ずしももてはやされていない真理をなぜ明確に語るのですか。
11 真理は必ずしももてはやされるものではありませんが,真理を語ることは正しいことであり,またためになります。現在多くの人々は,設立された神の御国と永遠の生命についての真理をさがし求めています。ですからそのような音信をあいまいにすれば,人類に対する不親切な行為をしていることになります。真理は明確にしかも親切な態度で話されなければなりません。そうすれば,それが真理を求めている人々の耳にはいる時,彼らはそれを受け入れ,もっと望むようになるでしょう。神の真理はどんな会話においても目立ちます。キリストの時代にもそうでした。人々は「この人の語るように語った者は,これまでにありませんでした」と言っています。(ヨハネ 7:46,新口)キリスト・イエスと同じように真理に即した生活をし,また同じように真理を話す人は,すぐれた話をすることができるようになります。―使行 4:13。
12,13 (イ)神は真理を知っている者たちに,何を語る責任を負わせていますか。(ロ)伝道すること,教えることはなぜ急を要することですか。(ハ)だれがエホバの御霊をそそがれていることを示しますか。
12 エホバの王と御国にかんする真理を語るわざに参加するようにとの招待は,今日全世界の人々に差し延べられています。キリスト・イエスが命令されたように,世界中の人々が,神のみわざについて聞き神の御旨を行なうようになるのが神の御心です。イエスは言われました。「それゆえに,あなたがたは行って,すべての国民を弟子として,父と子と聖霊との名によって,彼らにバプテスマを施し,あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ,わたしは世の終りまで,いつもあなたがたと共にいるのである」。(マタイ 28:19,20,新口)そうしない人があっても,神は感謝の心をもつ献身したクリスチャンを用いてそれを成し遂げられます。エホバの民の歴史を見ればわかるとおり,これは今日実際に行なわれています。何十万の証者が全世界にわたって真理を広め,真理を知らせています。この真理は乾いた地にそそがれる水のように広がっています。今の救いの日に招待が差し延べられているのです。「御国も花嫁も言いつづける『来なさい』。」「また聞く者も『きたりませ』と言いなさい。かわいている者はここに来るがよい。いのちの水がほしい者は,価なしにそれを受けるがよい」。―黙示 22:17,新世,新口。
13 神はご自身の御霊をしもべたちの上にそそがれています。そしてイザヤ書 61章1,2節に述べられている使命にふさわしく,偉大なわざがいま行なわれています。「主エホバの霊われにのぞめり,こはエホバわれにあぶらをそそぎて貧しき者に福音をのべ伝ふることをゆだね,我を遣して心の傷める者をいやし,俘囚にゆるしをつげ縛められたるものに解放をつげ,エホバのめぐみの年とわれらの神の刑罰の日とを告しめ,又すべて哀しむ者をなぐさめ……」。真理は,エホバの刑罰の日が近いことを示し,また真理を熱心に研究してそれを全世界に伝える必要を強調しています。「御言葉を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても,それを励み,あくまでも寛容な心でよく教えて,責め,戒め,勧めなさい」。(テモテ後 4:2,新口)世界が災の多い時代にのぞんでいる現在,真理を伝道すること以上に重要な仕事はありません。これは火急の音信です。なぜなら人の命に関係しているからです。あす死ぬかもしれない人にとって,このニュースは今日緊急に必要です。伝道には教えることも含まれています。というのは真理を聞く人がみな,すぐにそれを受け入れるわけではないからです。ある人は異議を唱えます。しかし,たとえ精神的なつまずきの石を取り除くために何回も訪問しなければならなくても,「御霊の剣」を使う人はその反対を克服します。人が真理を多くたくわえていればいるほど,舌は良い事を話し,良い心の人に教えるよりよい備えをもっていることになります。「正しい者のくちびるは多くの人を養い,愚かな者は知恵がなくて死ぬ」。―箴言 10:21,新口。
言葉によって,生活によって
14 エホバに奉仕する人たちは,分裂の原因になるどんなこの世の行いを避けますか。
14 神の道は正しい道です。神はしもべたちに,ほかの人を助けるさいに徳を高める言葉を使い,真実を語るようにと,教えておられます。毎日真実を語るならそれはやさしくなってきます。生活のあらゆる面で真実を語ることは重要なことです。この世の外交官のすることは,クリスチャンの従うべき模範ではありません。イエスは言われました。「あなたがたが言葉を出すとき,然りはただ然りを意味し,否はただ否を意味するようにせよ。これより過ぎることは悪しき者から出るのである」。(マタイ 5:37,新口)これによると,へつらいや,心にもないもてなしの言葉とかほめ言葉は言うべきではありません。約束をしながらほかのことをするなら,一致は養われません。人の前ではその人のことを良く言い,陰では悪く言うなら,一致は強められません。不一致を生み出して死に導くものは偽りです。神のしもべである正義愛好者は,商取引においてであろうと,契約をする場合であろうと,あるいは家族関係においてであろうと,自分の生活に偽りが入りこむすきを与えません。神は人間にうそを言うよに教えてはおられず,偽りを言うものを憎まれます。「悪者を義しとし義者を悪しとするこの二つの者はエホバに悪まる」。(箴言 17:15,新口; 4:24; 3:29; 6:16-19; 11:1)世界は悪事を行ないつづけ,疑い,不信,虚偽を生み出しました。政府はあらゆる種類の検査官や役人を使って,詐欺や虚偽を最少限に食い止めようとしていますが,神の目から見れば今日の世界はやはり,小から大に至るまで,あまりほめられるような記録をもっていません。
15 (イ)家族は,あらゆる社会の一致の基礎である真理によって,どのように一致しますか。(ロ)真理はどのように会衆の一致を保ちますか。
15 エホバ神の真のしもべは,言葉と生活の仕方によって真実を語ります。そして真理のたくわえをふやすことに絶えず心を用います。神は家族のあいだに真理が広まるように準備されました。賢明な父親は自分の家をよく治め,神の真理を話すことを基礎にして家族の一致を保ちます。(テモテ前 3:4。申命 6:7)両親が子供たちを正しく制御し,子供のわがままを許さないなら,そこには家族の一致が生まれます。子供には勉強しなければならない時間があります。両親は,家庭で真理を学ぶ時間を設け,また子供がほかの人たちと一緒にもっと多くの真理を学ぶようにしむけなければなりません。神権的な会衆は神の備えられたものです。世界中で神のしもべがふえると,会衆の数もふえます。会衆の中では,真理を語り,愛とよきわざに互いに励まし合う機会がたくさんあります。それはすべて,会衆内で真理を公に述べることによって成し遂げられます。「愛と善行とを励むように互い努め,ある人たちがいつもしているように,集会をやめることはしないで互に励まし,かの日が近づいているのを見て,ますます,そうしようではないか」。(ヘブル 10:24,25,新口)真理をとおして一致をもたらすための仕組はここにあります。まず個人が真理を学んで,心を真理で満たします。家族の各メンバーは真理をとおして一致するようになります。一致した家族があつまって会衆を形成します。彼らはみな神の真理を中心にして一致します。社交的な集まりの機会があればいつでも,真理についての建設的な会話が行なわれて,非常によい結果が生じます。心に真理を満たすことを怠っている人たちがあるとすれば,会衆の組織を通してその人たちを援助する機会があります。またたとえ疎遠になりがちな人々がいても,その人たちを訪問するのはよいことです。そうすればその人たちはまた会衆と一致するようになります。
16 (イ)一般社会や国家では,一致を妨げるどんな勢力が働いていますか。(ロ)ではいったい一致した世界はどのようにしてきますか。
16 地上の人間がみな,神の御言葉の真理を受け入れて真理で心を満たし互に真理を語らないのは残念なことです。もし人々がそうするなら,一致は個人から家族へ,家族から会衆へ,会衆から社会全体へ国民全体へと拡大するでしょう。しかし悪の勢力,すなわち偽りの父であるサタン悪魔が働いています。(ヨハネ 8:44)サタンは人類の争いを引き起こすことに多忙です。サタンは人間の心をくらまし,また人類に,利己的になること,しっとすること,暴力を振うことを教えました。人間は権力欲にかられて偽りを語ることを覚えました。この悪影響は取り除かれねばなりませんが,神は近い将来にそれを実行されます。サタン悪魔とその配下にある者どもの滅びと共に,うそをつくこと,かけひき,偽善的な行いはなくなってしまいます。すべての人間が互いに真理を語るとき,そこには大きな喜びと平和があるでしょう。―コリント後 4:4。黙示 20:1-3。
17 いま他の人に真理を語ればどんな益がありますか。
17 しかしいまでも真理を話すことからしあわせが得られます。真理を愛する人々は,真理を話すので,意地悪をしたり,あらさがしをしたり,ねたむことをしなくてすみます。世界中のあらゆる場所の人々は,エホバの証者の新世社会が幸福であることを知っています。彼らが幸福なのには理由があるのです。彼らは自分たちの行くさき,自分たちの将来を知っているからです。神の御言葉の真理が,命への道を照らしているのです。「あなたのみ言葉はわが足のともしび,わが道の光です」。(詩 119:105,新口)真理は人の心を霊の事柄に向けさせ,将来と将来の御国による祝福を想像する力を与えます。永遠の生命の偉大な授与者であられるエホバ神の恵みはいまの時代にエホバ神をおそれて互いに真理を語る者の上にそそがれます。「その時エホバをおそるる者互に相かたりエホバ耳をかたむけてこれをききたまへり。またエホバを畏るる者およびその名を記憶る者のためにエホバの前に記念の書をかきしるせり,万軍のエホバいひたまふ我わが設くる日にかれらをもて我宝となすべしまた人の己につかふる子をあはれむがごとく我彼らをあはれまん。その時汝らは更にまた義者と悪きものと神に服事るものと事へざる者との区別をしらん」。(マラキ 3:16-18)エホバの証者たちと交わって,真理を語ることを楽しんでください。それはあなたの救いに通じ,またあなたから真理を聞く人の救いに通ずるものです―テモテ前 4:16。