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ただ一つの言語がどのようにして人類に一致をもたらすかものみの塔 1974 | 4月15日
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宗教・国家・社会・人種上の障壁はすべて過去のものとなり,そのうえ,すべての人は単一の語彙を用いて自分の考えを十分に言い表わし,正確に理解してもらうことができるのです。それに,考えてもみてください。ヘブライ人の預言者たちが ― それも彼ら自身の言語で書いたものをわたしたちが何と自分自身で正確に読むことができるのです。以前神を知らなかった復活させられる多くの人びとは,霊感を受けた聖書が人類の歴史を預言者マラキの時代に至るまで正確に記した記述であることを知るでしょう。その時,心の正直な人たちは,使徒パウロが述べたように,「あらゆる人を偽り者としても,神を真実なものとすべきである」と言うことができるでしょう。―ローマ 3:4,口語。
真理の「清い言語」を今学びなさい
そのような世界で生活するのはほんとうに喜ばしいことでしょう。あなたはその喜びを今事前に味わうことができます。というのは,そのための主要な要求を今満たすことができるからです。その要求とは,聖書から得られる真理の「清い言語」を今学ぶことです。この「清い言語」は社会的・人種的また国家的障壁をすべて拭い去ってしまいます。今日,何十万もの人びとがこの「言語」を学び,話しており,そして彼らは預言者イザヤが霊感を受けて次のように予告したとおり一致しています。
『すえの日にエホバの家の山[その真の崇拝]はもろもろの山のいただきに堅く立ち もろもろの嶺よりもたかくあがり すべての国は流れのごとくこれにつかん おおくの民ゆきて相語りいわん いざわれらエホバの山にのぼりヤコブの神の家にゆかん 神われらにその道をおしえ給わん われらその路をあゆむべしと……かくてかれらはその剣をうちかえて鋤となし その槍をうちかえて鎌となし 国は国にむかいて剣をあげず 戦いのことを再びまなばざるべし』― イザヤ 2:2-4。
王国政府はキリストの千年統治期間中,ただ一つの国語が全地で話されるようにしますが,あなたは今でさえその「清い言語」を利用することができます。エホバの証人は自分たちの考えを推奨するためではなく,その王国政府の大使また公使としてお宅を訪ねるのです。神が彼らのわざをほんとうに支持しておられること,また聖書の「清い言語」が大きな力を持っていることは明白な事実です。それはどうしてですか。
それはあらゆる言語のうちから,百六十万人以上の人びとがその生活を変化させ,清め,また喜ばしい一致を生み出していることに見られます。その一致や和やかさ,また相互の愛は観察者を驚嘆させるものとなってきました。アメリカ,デトロイト市のタイガー・スタジアムにおけるエホバの証人の大会について評した1973年6月21日付,デトロイト・ニュース紙の次のような言葉は,聖書に従う証人たちの結ぶ実を示しています。
「それは……警官が見回っても何らなすべき事がないのに気づき,もっと重要な仕事をすべく立ち去るといった種類の大会である」。
また,多くの国々から多数の出席者が集まった西ドイツ,ジュッセルドルフの大会について,1973年7月28日付,ジュートドイッチェ・ツァイトゥンク紙はこう評しました。
「水曜日以来およそ6万人もの人びとが集まっているが,これは催し物の多いジュッセルドルフ市でこれまでに開かれた最大の大会である。しかもそれは独自の法に従う人びとの一大集会である。これほど秩序整然とした,これほど品行方正な,これほど規律正しい人びとがこれほど大勢集まった集いをわれわれはかつて一度も見たことがない」。
エホバの証人は自分たちの愛を自分たちの仲間に局限してはいません。一致を阻むいっさいの障壁が一掃される,メシアによる神の王国の義の支配下で生活したいと願う人びとすべてを助けたいと考えています。その「清い言語」を学びたい方は,証人たちの援助を得てそうすることができます。―啓示 22:17。
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ニュースの内面を見るものみの塔 1974 | 4月15日
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ニュースの内面を見る
コホーテクはしるし?
● 昨年の12月半ばころから,地球の住民は,めったに現われないすい星コホーテクに魅せられている。多くの人にとって,それは畏怖の念をいだかせる天体の美を示すものである。かと思うと,それは「事物の体制の終結の時」に,「恐ろしい光景や天からの大いなるしるしがある」とイエスが預言している,ルカによる書 21章11節の成就である,と見る人たちもいる。そうした人たちは,西暦70年にユダヤ人の事物の体制が終わる前,「1つの星が,幅の広い剣のようなかたちで[エルサレム]の上にとどまり,すい星が1年間とどまっていた」という,ユダヤの歴史家ヨセファスの報告を思い出している。コホーテクは,わたしたちの時代のしるしだろうか。
すべてのすい星を「凶兆」とみる人びとは,コホーテクに恐れをいだいているかもしれない。しかしたいていの人は天文学を通して,このすい星が地球を脅やかすものでも,76年ごとに地球の周辺を訪れるハレーすい星以上の意義を持つものでもないことを知っている。
では,「恐ろしい光景や天からの大いなるしるし」にかんするイエスのことばにはどんな意味があるのだろう。諸事に通じた人びとは,彼らが現在天に見ているもののゆえに恐れを感じているだろうか。確かに感じている。その恐怖を起こさせるものは,人工衛星が暗示する潜在戦力である。打ち上げられた衛星の50%近くは,軍事目的のためのものである。
そのような「恐ろしい光景」は「宇宙空間」のみならず,わたしたちのすぐ頭上にある,地球の大気圏の「天」にも見られる。そこでは現代の軍事専門家たちが,大陸間弾道ミサイルを飛ばしている。これらが核弾頭をつけるなら,何百万という人びとの上に即時死の雨を降らすことができるのである。イエスの預言の一部を成就するのは,恐怖を引き起こすこうしたものである。
法律による平和
● ここ10年ほどの間,冷戦の「雪どけ」,国際関係の緊張緩和,軍備競争停止協定などについて耳にすることが多かった。真の平和への動きは実際にどれほど強力なものだろうか。ロンドンにある戦略研究所は,最近のある報告の中で,兵器の製造は減少するどころかふえていると述べている。法律による世界平和にかんする世界会議で,講演者のC・S・リンは,国際連合が存在していながら「われわれには平和がない」と述べた。その原因はどこにあるだろうか。彼はこう答えた。「諸君,われわれに平和がないのは,形と構造は実質に代わるものではないからである。平和への道を歩む意志がなければ,世界のすべての制度や機関も無益である」。
「法律による世界平和」― それもよい。しかし,だれの法律をどの政府が施行するのだろう。ほとんどの国は今日,強制的に軍事教練を施している。平和教練を施している国はひとつもない。
しかしながら,イザヤ書 2章の2節から4節は,多くの人が神の政府に心を向け,彼らに対して神の「律法」が出る,と預言している。それが彼らに及ぼす影響は,『国は国にむかいて剣をあげず戦闘のことを再びまなばざるべし』である。その律法を地球全体に施行する手段は,神のみ子の王国である。神の律法によらずに偽善的に平和を求める者は,近い将来,その王国によって除かれることになっている。―テサロニケ第一 5:3。
飢きんの脅威
● 農業分析者たちは,世界的規模の深刻な食糧不足が到来することをますます強く警告している。飢きんを逃れうるどんな見込みがあるだろうか。
多くの人は,いくつかの主要生産国で最近穀物が豊作だったことに慰めを見いだしている。しかし一度くらいの豊作では十分とは言えない。世界最大の食糧生産国であるアメリカでも,穀物の備蓄は底をついている。食品科学の教授,ジョージ・ボーグストロムは,「人びとはいまだに,何か偉大な科学技術によって問題は解決されると考えている」と言っている。しかし「緑の革命」,「奇跡の米」,「不思議な小麦」なども解決をもたらさなかった。
将来くるかもしれぬ飢きんに備えて食料を貯蔵し,個人的に飢きんに対処しようとする人もあるだろう。これはどれほどの安全を保証するだろうか。停電になれば冷凍食品はどうなるだろう。事態がひどく深刻になれば,食糧を大量に貯蔵している者は,飢えに狂った人びとの主要な攻撃目標にならないだろうか。
聖書は,この時代のしるしのひとつとして食糧不足を預言していた。(マタイ 24:3,7,21。啓示 6:1-8)そればかりではない。きたる「大患難」においては,神の王国に反対する者たちは,神のしもべたちを飢餓状態に落し入れようとするかもしれない。真のクリスチャンの安全は食糧の貯蔵にあるのではなくて神のご配慮にある。彼らは確信をいだいて,預言者の次のことばに和することができる。『田畑は実際に食糧を産出しなくとも,わたしはわたしの救いの神によって喜ぶ』― ハバクク 3:17,18,新。啓示 7:9,10,14。
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