-
『あなたの御心が成るように』ものみの塔 1959 | 6月1日
-
-
を行います。ダニエルは,そのことを予めに告げるように霊感を受けて,こう語りました,『それらの王たちの世に,天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく,その主権は他の民にわたされず,かえつてこれらのもろもろの国を打ち破つて滅ぼすでしよう。そしてこの国は立つて永遠に至るのです。』― ダニエル 2:44,新口。
29-31 なぜ人間の国の上に立てられる『人のうちの最も卑しい者』は,英米世界強国をも意味せず,また世界の共産主義をも意味しませんか。
29 いまから2500年以上のむかし,ダニエルはこのすばらしい変化を予めに告げました。今日,私たちはその真只中に生活しています。私たちの時代の中にヱホバは『人の中の最も卑しい者』と呼ばれる者を人々の国の上に立てます。この『人のうちの最も卑しい者』とは誰ですか。
30 現代,民主主義と共産主義はおたがいに熱い戦いをしています。民主主義は身分の低い一般人のものです。しかし,この『人のうちの最も卑しい者』は,民主主義の強力な擁護者である英米世界勢力ではあり得ません。歴史上,この第7番目の世界強国は『人のうちの最も卑しい者』ではないと,ヱホバの予言により削除されています。ヱホバの予言は,次のように述べていました,『彼はいと高き者に敵して言葉を出し,かつ,いと高き者の聖徒を悩ます。彼はまた時と律法とを変えようと望む。……(この世界強国は)みずから高ぶつて,(天の)その衆群の主に敵し,その常供の燔祭を取りのぞき,かつその聖所を倒した。』― ダニエル 7:25; 8:11,新口。
31 一方,ロシヤの共産主義はプロレタリア階級,つまり資産のない階級の支配と主張されています。しかし,『人のうちの最も卑しい者』は不敬虔な世界共産主義の制度でもあり得ません。世界支配をしつように狙うその政治運動は排斥されています。ヱホバ神の御使は,そのことについて次のように述べました,『(彼は)その心のままに事をおこない,すべての神を越えて,自分を高くし,自分を大いにし,神々の神たる者にむかつて,驚くべき事を語り。……彼はすべてにまさつて,自分を大いなる者とするからです。彼はこれらの者の代りに,要害の神をあがめ,金,銀,宝石,および宝物をもつて,その先祖たちの知らなかつた神をあがめ,異邦の神の助けによつて,最も強固な城にむかつて,事をなすでしよう。そして彼を認める者には,栄誉を増し加え。』(ダニエル 11:36-39,新口)それらの予言的な描写は,英米世界勢力にも,また現代の挑戦者である共産主義にも謙遜な心のないことを予めに告げました。
32,33 誰が真実に『人の中の最も卑しい者』ですか。この事実は,どのように証明されましたか。
32 真実のところ『人のうちの最も卑しい者』は,他のものと比較できないものです。彼は非常に卑しい者ですが,堕落した人ではありません。天にいる者でも,地上にいる者でも,神の栄光の為と人間の永遠の福利のために,この者ほど自分自身をいやしく低くすることはできません。なぜですか。なぜなら,自分の心がどれ程ひくいかを示す前に,彼は天の霊者として神のかたちで存在していたからです。彼は最初に生まれた神の子,独り子でした。そして,天にあるものも地にあるものも,他のすべてのものは彼を通してつくられました。
33 彼はヱホバ神のつくつたものの最初でしたが,神の地位を横領して,神と等しい振をしようなどと考えませんでした。彼は自分を高めて天の『衆群の主』になろうとせず,また『神々の神』ヱホバ『にむかつて驚くべき事を語り』ませんでした。それとは逆に,聖書は次のように述べています,『(彼は)自らを空しくし,僕のかたちをとられ,人間の様をなして生まれ給うた。そして,自らをひくくして人の像をもつて現われ,死にいたるまで,苦しみの杭の死にいたるまで従順であられた。』(ピリピ 2:5-8,新世)彼は,つかれて荷を負う人に,自分のところに来て休むようにと招待したとき,自分自身について正直に語りました。彼は強圧的で圧迫を加えるということとは全くちがい,『私は柔和で心のへりくだつた者である。』と言いました。(マタイ 11:28,29,新口)自分の神でもあり天的な御父であられる方の御心に謙遜に従つたイエスは,弟子たちに次のように祈れと教えました,『天にいますわれらの父よ,御名があがめられますように。御国が来ますように。みこころが天に行われるとおり,地にも行われますように。』― マタイ 6:9,10,新口。
-
-
神の御こころは天と地で成されるものみの塔 1959 | 6月1日
-
-
神の御こころは天と地で成される
1 イエスがその大工の店から出て洗礼者ヨハネのところに行つたのは,何によりましたか。
人々にさげすまれていたガリラヤ内の一地方にあつた辺鄙なナザレの町で,イエスは30歳まで大工をしていました。当時ローマは第6番目の世界強国として地を支配していました。イエスはその大工の仕事場,人目に立たない存在から出
-