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サーメ族はその名のとおりいつまでも変わらない民族か目ざめよ! 1972 | 9月8日
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使わないが,気げんがよいと歌を歌う。彼らのことばで言えば,「歌う」ということばはヨイカである。それはラップ族独特のたいへん珍しい形式の歌で,わずか四つか五つの単調な音で構成されているのだが,非常に旋律的に歌えるのである。歌詞はその場で即興的に作られるのが普通で,歌い手の深い感情が表現される。
サーメ族の宗教
ラップ族はたいへん宗教的な人々で,これまでに信仰をいくつか変えてきた。彼らはシャマニズムと呼ばれる一種の魔術を信じていた。まじない師,つまりシャマンは将来を予告しようとして太鼓をたたいたものだった。魔術の太鼓は,輪とか角の先その他のいわゆる「針」が,太鼓の皮に描かれたしるしの一つの近くで止まる仕かけになっている。つまり,「霊応」盤の一種であった。
異教の神々に対するその信仰は非常に根強かったので,ラップ族は名目上クリスチャンになってから相当後代になっても依然としてそれらの神々を崇拝していた。17世紀の末,ヨハンネス・シェフェルスという名の学者の伝えるところによれば,ラップ族は,「自分たちのにせの神々と,神とキリストとをいっしょにして,あたかも神と悪魔がラップ族の人々の信心にともにあやかることに同意でもしたかのように,それらを等しく敬い,崇拝するという罪を犯した」とされている。
彼らが,自分たちの好む異教の神々を表わす,木や石のさまざまな像に犠牲をささげることを完全にやめたのは ― 当時からでさえ ― ずっと後のことだった。そして,ついに祭壇の火の煙が静かな冷たい空に立ち上らなくなったのは比較的最近のことである。今日でさえサーメ族のあいだには昔の迷信の名残りが見られる。
過去数十年間,エホバの証人はラップ族に神の王国に関する真理を伝道してきたが,これまでにその真理を受け入れた人はほとんどいない。
今日のサーメ族は近代産業の発達した南部の社会と密接な結びつきを持ち,その産業技術の利器を多少生活に取り入れてはいるものの,自分たちの特色や言語,また考え方や活動を驚くべき仕方でそのまま保っている。そのうえ,サーメ族はそうした自分たちの特性を保持したいと考えているのである。基本的な点では変わらない特異なサーメ族 ― 英語流に言えば“Same”(「同じ」という意味)族,つまり常に変わらないサーメ族でありたいと願っているのである。
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第一次世界大戦目ざめよ! 1972 | 9月8日
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第一次世界大戦
◆ 聖書の資料と歴史の資料がいっしょになって示しているように,1914年には天で神の王国が立てられた。その一つの証拠は,1914年に第一次世界大戦がぼっ発して,イエスの預言が成就したことである。(マタイ 24:6,7)1967年に出版された,「第一次世界大戦の起源 ― 1871年から1914年」と題する本は,この戦争について次のように述べている。
「衝撃と恐怖を与えた点で第一次大戦に匹敵するでき事はない。第一次大戦は,バプスブルグとオットマン・トルコの2帝国を倒し,さらに,ホーエンツォレルン家とロマノフ家の二つの帝国を見る影もないものに変えた。さらにヨーロッパや他の土地に多数の新興国を作り,ロシアでは共産主義支配を生み,イタリアその他の国にはファシズムの原因を供給した。ナポレオン戦争とアメリカの南北戦争をも含め,その前の2世紀間に行なわれた全部の戦争で死んだ人よりもざっと2倍多くの人がこの戦争で死んだ。また,生残者の大半を身体的にも精神的にも不具にし,さらにいっそう破壊的な第二次大戦の基礎を置いた」― 5ページ。
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