増加する知識の永遠の利益
1 今正確な知識をたくわえることはなぜ重要ですか。
西暦1914年以来,ヱホバは,地上の生物がヱホバを知る知識を得て救われるように,彼らのためにその道を開いておられます。ヱホバはサタンに対する困難を短くして,霊的食物がゆたかに供給され得る期間を与えられました。しかし,その道が閉じられる時には,困難な期間が訪れるでしよう。(マタイ 24:20-22)この事を知るとき,この暗黒につつまれた世界の迷信から逃げて,より多くの正確な知識を採りいれることが,今すべての人々にとつていかに重要であるかが分ります。食物のゆたかな夏に食物を集めるアリのように,今は知識をとりいれるために働く時です。いま正確な知識をとりいれない愚か者は,ゆたかな時になまけて将来のことを考えなかつた諺に出てくるキリギリスのようです。不用意な者には冬とわざわいが突然にやつて来ます。『おこたる者よ蟻にゆきそのなすところを見て知恵を得よアリは……夏のうちに食を備え,収穫のときに糧をおさむ。おこたる者よ,汝いずれの時まで臥し休むや。』― シンゲン 6:6-9。
2 (イ)賢明な人はなぜ学ぶことをやめませんか。(ロ)真のクリスチャンは,他の人を援助するために,どのように増加した知識を用いますか。
2 ある人は聖書の知識をいくらか持つて,忠実に奉仕しているかも知れません。しかしそれでもヱホバの言葉を聞きつづけ,今もつている知識を増し加える時にのみその人は賢明です。聖書は『知恵ある者』が『これを聞きて学に進みさとき者』が『知略を』うるために書かれたのです。(シンゲン 1:5)クリスチャンは学ぶことに不足するようなことはなく,かえつて,『義者の途は旭光のごとし,いよいよ光輝をまして昼の正午にいたる。』(シンゲン 4:18)ヱホバに奉仕を捧げはじめたひとりびとりは,自分のためにまた自分が奉仕において援助する人々の利益のために,常によりよい円熟にむかつて進歩しつづける必要があります。この世には,世情に通じた人間によつてたてられた哲学や理論が沢山あります。クリスチャンはそれらと戦わなければなりません。何万という人々が,偽りや虚偽のとりこになり,霊的病気にかかつています。ヱホバの奉仕者は,いやしを与える霊的光を伝えるためつかわされました。そして彼らは正確な知識を増すに従つて,ますますそのわざに巧みになつてきます。彼らは融通性を持つようになり,多くの問題を討論することができ,また多くの障害を克服することができるようになります。すぐれた医者のように,彼らは人々をなやましている霊的病気を見つけて,適切な援助を与えることができます。どの薬でもすべての種類の病気,心臓の病気,ガンその他に処方できないのと同じように,経験のある奉仕者は,今日世界に存在する多くの宗教を持つ人々の邪魔をしている障害物を,どのように取り除くかを決定しなければなりません。ある主題に関する一つの説教は,ある一つのグループの苦悩を取り除くかも知れませんが,しかし進歩した奉仕者は,人間をとりこにしている種々の迷信的な考えに対処するよう準備をととのえます。そしてすべての人にすぐに答えることができます。―ペテロ前 3:15。シンゲン 9:9。
3 私たちは霊的戦いに関連してどのように知識を用いますか。
3 正確な知識を十分にとりいれるという賢明な道を歩むことは,私たちの霊的な戦いにおいて霊的保護を与えます。この正確な知識と霊的識別力を通して私たちは力を与えられ,喜びをもつて耐えることができます。正確な知識は力を意味します。『知恵ある者は強し,知識ある人は力をます。汝よき謀計をもて戦いをなせ,勝利は議者の多きによる。』(シンゲン 24:5,6)賢明な導きは神の御言葉から来ます。それにくわえてヱホバは,今日,神の御言葉の知識を持つ助言者である,組織内の円熟した僕たちを通して,賢明な導きを準備されました。あなたのすべての活動に関する知識を,兄弟に話すことによつて得て下さい。正しい種類の奉仕者は,良い助言を与えます。
4,5 賢明な忠告がいかに有益であるか,その実際的な例をいくつかあげなさい。
4 私たちは他の問題に関しても,知識の深い人に相談するのが賢明な道と考えませんか。病気や痛みを覚える時,自分より,体の機能についてよく知つている医師に相談して,容体を知ろうとしませんか。知識は満足を与え,心を休ませます。ある人々は知識を求めるかわりに,そのような事を心配して自分自身をきずつけます。体の働きに関する正確な知識は,そのような身体の恐れを克服するのを助けます。私たちは肉体的な欠陥を持つているかも知れません。しかしこの苦しみを持つていても,やはり奉仕のいずれかの部面でヱホバの役に立つことを知つています。
5 また法律問題に関しては,私たちは当然法律家から知識を得ようとするでしよう。たとえば,偽りの罪で告訴された人は,自分が法律上もつている権利を知らないため,言うに言われぬ心配をし,不安に思うでしよう。心がこのような状態の時には,人はあわてて事を行つて,自分自身を大きな危険にさらすかも知れません。しかし事実と法律に関する正しい知識は,自分を保護する力を与えます。
6,7 霊的事柄に関する正確な知識が,どのように守りであるかを示しなさい。
6 ですから神の御言葉は実際的です。多数の助言者の中には安全と援助があるということは,多くの事柄の場合真実です。それは霊的な事柄に関して特に真実です。霊的事柄に関する正確な知識は防禦です。ヱホバは全能の力をもつておられ,しかも御自分に属する者を愛されるということを知ることは,私たちになぐさめと力を与えます。それは,私たちの防禦力を弱める恐れを取り除きます。たとえば,人が悪鬼たちの存在に関する幾らかの知識をもつと,魔性が自分を支配するかどうかをいぶかつて,悪鬼のことを心配するでしよう。しかし正確な知識は心を楽にします。神の与えられる正確な知識に信仰を加えることによつて,防禦態勢がうち立てられるわけです。
7 ヱホバは強固な砦であり,防禦の岩です。ヨブをサタンから守るため,ヨブのまわりに保護の垣を設けられたように,ヱホバは今日地上にいる御自分の僕に対して同じことをされます。昔イスラエルの偽りの預言者バラムは,イスラエルを魔法にかけるようにたのまれました。しかしヱホバは御自分の選民をそれから保護されました。バラムでさえそれを知つていて言いました,『ヤコブには魔術なしイスラエルには占いあらず。』― 民数 23:23。
8 悪鬼崇拝から身を守るために,知識はどのように重要な役割を果しますか。
8 ヱホバは今でも御自身に属するものを保護されます。真理を知る前に,迷信や悪鬼に悩まされたことのある人々でさえ,正確な知識と信仰を通して安全になることができます。それには,悪魔崇拝の心を清め,悪鬼がまた帰つて来て,はいれるように心を開いておかないで,反対に,正確で保護になるヱホバの知識で満たしておく必要があります。その知識は目に見えない敵を妨ぎます。というのは,私たちは,それによつて,ヱホバにたよることができることを知り,またことある時はいつでもヱホバにたよるべきであること,さらに,この世で起る悪鬼の現われを恐れたり心配したりすべきではないことを知るからです。―ルカ 11:24-26。
9 真理に関する知識は,どのようにアフリカのヱホバの証者を自由にしましたか。
9 悪鬼崇拝を打ち破るという段になると,神の御言葉の真理と,キリスト教国の種々の宗派の教理には違いがあります。キリスト教国は,アフリカで多くの人を改宗させましたが,彼らはいまだに自分たちの異教の迷信を信じています。そして朝は教会に行き,夜は森に出かけて行つて物神崇拝に参加します。その反面,ヱホバの証者によつてもたらされた真理の光がアフリカ人の心に入り込むと,迷信や悪鬼崇拝は完全に消え去つてしまいます。一つの例を挙げると,ある村で,霊が住んでいるというので,いつも崇拝されていた,1本の大木の枝がいく本か強風に吹き折られてしまいました。そのため道はふさがつてしまいましたが,物神に打たれて死ぬのを恐れて,村人の誰ひとり,あえて枝にさわろうとするものはいませんでした。そこで彼らは一体何をしたでしようか。彼らは枝を片付けてもらうように,ヱホバの証者を呼びにやりました。物神はヱホバの証者には何の力もないことを知つていたからです。また物神の行列が,人々を恐れさせながら村を通る時でも同じことです。人々は恐れて家にとんで帰りますが,ヱホバの証者は静かにそのそばを通ります。物神が,ヱホバの証者に何の力もないということは,村中が認めています。イエスは言われました,『あなた方は真理を知るであろう。真理はあなた方を自由にする。』― ヨハネ 8:32,新世。
10 キリスト教国のどんな迷信的な実践によつて,彼らがこの世の神サタンの暗黒にとじこめられているかを証明しますか。
10 悪鬼を恐れる迷信的なアフリカ人は,悪霊を防いで幸運をもたらすように,魔よけや,物神もしくは護符を使うことが一般に知られています。キリスト教国の多くの人々は,そのような物は,未開人や野蛮人のしるしだと考えます。しかしそれと同時に,キリスト教国の迷信的な大衆の間には,いわゆる『奇蹟のメダル』とか,十字架,偶像,「聖画」などが,日毎に人気を増しています。これらのどれ一つとして,いかなる保護も幸運も与えるものではなく,それどころか実際には神の律法によつて禁じられているものです。これは彼らが神の真理によつて自由にされていない確実な証拠です。彼らもやはり,神の御言葉の正確な知識を得る必要があります。―詩 115:4-8。コリント前 10:7,14。
11 知識を用いなかつたイスラエル人は,どのように悪鬼崇拝にまきこまれましたか。
11 ヱホバの御言葉である聖書の中に,私たちは,自分を保護するために使わなければならない他の知識も見出します。バラムはヱホバの民に,真接に魔法を使うことができなかつたので,他の形の方法で攻撃しました。ヱホバは,不道徳に対する罰に関してすべてのイスラエルに,知識を与えられていました。ですからイスラエル人は,それが悪いことを知つていました。しかし知識を用いなかつた者たちは,悪魔的な性崇拝に負けてしまいました。彼らは,シンゲン 6章32節に述べられているように,理解が足らなかつたのです,『女と姦淫をおこなう者は知恵なきなりこれを行う者はおのれの魂を滅ぼす。』正確な知識に注意しなかつたため,何千というイスラエル人が死にました。―民数 25:1-9。
12 正確な知識を用いることは,どのように防禦となりますか。
12 正確な知識の使用に信仰が加わつて,防禦となります。ノアとその家族は,知識を持つていたので方船にはいり,洪水をのがれました。ロトは,ソドムに起る事柄に関して明確な知識を持つていました。彼はヱホバの言われたことを信じてソドムから逃げ去り,自分と家族を守りました。ラハブは,何が起るか,またどこが安全な場所かについて正確な知識を与えられました。彼女はそれに信仰を加え,家の中にとどまつたので,エリコにのぞんだ滅びをのがれました。初期クリスチャンは,真の預言に注意を払つたので,エルサレムに起る事柄について正確な知識を持つていました。彼らはそれに信仰を加え,西暦1世紀にエルサレムから逃げて,滅びから自分自身を守りました。現在私たちは,まじかに迫つているハルマゲドンの戦いに関する知識を持つています。そしてもし私たちが賢明ならば,自分を守るために正しい手段を講じているでしよう。
13,14 個人的な理由によつて知識を拒絶することは災をまねくことを,聖書のどの例が示していますか。
13 しかし,知識に利己主義を加えると,災におわります。バラムはモアブに行かないように教えられました。彼は,イスラエルをのろうことができないのを知つていたのです。しかしモアブの王が,わりのよい話を持ち出したので,バラムはこの問題についてもう一度ヱホバに尋ねました。謝礼金のことが,いつも利己的な彼の心の中にあつたのです。そしてモアブに行きましたが,その途中で彼は,彼の乗つていたろばほどの分別さえ持つていないことを示しました。そしてついに死という災を自分の身に受けたのです。―民数 22:12-35; 31:8。
14 知識に不従順がくわわるとそれも災におわります。列王紀略上 13章は,ユダから来た神の人のことを述べています。彼は,ベテルという場所で食べたり飲んだりすることを神に禁じられていたのを知つていました。しかしある人がやつて来て,神が言われたことと違うことを彼に告げた時,彼は愚かにもその偽りの知識を受けいれました。そして不従順にも,その禁じられた場所で食い飲みをしたため,ヱホバは彼をライオンに渡して彼を処刑されました。彼は罪の価を払つたのです。
15 知識に意識的に反抗することに関して,パウロはどんな警告を与えていますか。
15 今日でも,正確な知識に反する罪は災におわります。『もしわたしたちが,真理の知識を受けたのちにもなお,ことさら罪を犯しつづけるなら,罪のためのいけにえは,もはやあり得ない。ただ,さばきと,逆らう者たちを焼きつくす激しい火とを,恐れつつ待つことだけがある。』(ヘブル 10:26,27)ヱホバは,私たちが得ることのできる知識を使い,またそれを古い世の道に後もどりするのを防ぐ防禦とするよう期待されます。―ペテロ後 2:20,新口。
16 人が誤りを犯す時,どのようにヱホバのゆるしを得ることができますか。
16 これは間違いが決しておきないということではありません。しかしこれらの誤りは正確な知識に反して,意識的になされるものではありません。これらは,私たちが受けついだ不完全性と,恐らく知識の不足に原因する罪です。誰かこの不完全性のために失敗するならば,その人はただちに天の御父の前に行いをあらためるよう努力すべきです。ヱホバは私たちにあわれみを与えられます。私たちは,ヨハネ第一書 1章8,9節からなぐさめを得て神に行き,ゆるしを願うべきです。『もし,罪がないと言うなら,それは自分を欺くことであつて,真理はわたしたちのうちにない。もし,わたしたちが自分の罪を告白するならば,神は真実で正しいかたであるから,その罪をゆるし,すべての不義からわたしたちをきよめて下さる。』ヱホバはあわれみぶかい方であるというこの正確な知識は,私たちがヱホバへの奉仕を継続するにあたつて,意気銷沈しないように防禦となり,幸福な精神を保つように助けます。
17 (イ)もし人が間違いをしたならば,霊的病気を克服するためにその人は何をすべきですか。(ロ)なぜ私たちは,当然与えられるべき霊的こらしめを喜んで受けるべきですか。
17 私たちが誤りを犯す時,自分を調べてみるのは良いことですが,自分を責めることはいけません。というのは,それは霊的な病気をまねくかも知れないからです。しかし誰かが霊的病気にかかつたならば,ヤコブ書 5章13-20節に,いやしを求めることができます。ここにはその病気をいかに克服するかに関する正確な知識があります。進んで兄弟たちの助言を求め,彼らが聖書から与える良い忠告に従いなさい。ヱホバは御自分の僕たちが,再び強くなつて,奉仕に役立つ者となるようにこの御準備をされました。霊的病気になつたり,または誤りを犯した人は,時に,矯正されたり,こらしめを受けたりきまりのわるい思いをするのではないかということを恐れます。しかしこのこらしめは,彼のために役立つものです。そしてヱホバは御自分の愛する者をこらしめられるのだということを知つてそれを受けいれなければなりません。それは,誤りを犯した人の心を打ちくだくのが目的ではありません。その人はこらしめを受けたために,後にずつと強くなるでしよう。パウロは,そのようなこらしめを受けた人について書き,次のように言いました。『その人にとつては,多数の者から受けたあの処罰でもう十分なのだから,あなたがたはむしろ彼をゆるし,また慰めてやるべきである。そうしないと,その人はますます深い悲しみに沈むかも知れない。』(コリント後 2:6,7,新口)私たちは,どのように前進するかについて正確な知識をえ,それに従うことによつて,幸福をとりもどすことができ,再び同じような道に陥らないよう,自らを守ることができます。―シンゲン 12:1。ヘブル 12:6。
知識は有益なもの
18 ヱホバから来る知識は,現在私たちにどのように利益を与えますか。
18 ヱホバが備えられた知識は,多くの利益をもたらします。それは,啓発を受けた人々にとつて毎日の導きです。なぜなら,それによつて彼らがヱホバに受けいれられる奉仕を捧げることができるからです。彼らの歩みは,無知な人の歩みのように,不安定な,または恐れに満ちたものではありません。彼らは確信を持つて,着実に,円熟へむかつて進みます。自由は真のクリスチャンのものです。サタンの支配下で,恐怖と迷信の暗黒の中に住んでいる人々とは何という違いでしよう。彼らは非常に迷信的な人々の間に生れましたが,真理が彼らを自由にしたのです。従つて彼らはもう,偽りの宗教の魔法師や祭司などを恐れたり,また,魂は不滅であるという偽りの教理から生じた考えや,人間の死後,その魂は苦しめられたり,移転して動物や他の生物の体の中で生きつづけるという考えにおびやかされません。ヱホバは,悪鬼たちのことを暴露されましたから,啓発されたクリスチャンは,悪鬼がどのように働くか,また彼らが示す,不思議な現象から,ヱホバが御自分の僕たちをどのように保護されるかをよく知つています。またこの世の啓発を受けていない人々が,悪化しつつある世界の状態をみて恐れとおののきの中に生きているのに,クリスチャンは冷静で,ヱホバに確信をいだいています。それはヱホバ御自身が今行つておられることに関して,彼らに知識を与えられ,新しい世への道を照らしておられるからです。そして彼らは詩篇記者と共に次のように言うことができます,『なんぢの聖言はわがあしのともし火わが路のひかりなり。』― 詩 119:105。ルカ 21:26。
19,20 (イ)ヱホバからの正確な知識は,私たちにどんな影響を与えますか。(ロ)正確な知識が,物質的な持物よりずつと価値があるのはなぜですか。
19 神の真理の光が,このように明るく輝いている今日に生きている私たちは,かつて生存した人々の中で最も祝福されています。ヱホバは私たちに正確な知識を与えられましたから,私たちは,自分のしていること,言つていること,またどこに行きつつあるかを確信することができます。そして知識に満たされて忍耐することができます。ヱホバは私たちに偉大な愛を注いで下さいました。そして私たちが愛に富む方法を教えて下さいました。愛と正確な知識を持つことによつて,私たちの献身はきずのないものとなるでしよう。私たちは自分の行動や言葉によつて他の人をつまづかせることなく,かえつて舌を使つて知識を正しく示し,他の人も義の実に満たされて,私たちと共に神の栄光を賛美するのに加わるよう援助するでしよう。
20 正確な知識は私たちを堅実にします。私たちはヱホバの助けによつてしつかりと立ち,たやすく動揺したり,興奮したり,心配しないようにしましよう。私たちは知識に自制心をくわえます。そして知識を通して新しい人格を着ます。正確な知識を通して私たちは全世界の兄弟たちと一致するようになりました。私たちすべては,ヱホバの組織を通して霊的食物を与えられ,同じ考えを持つています。サタンは,この一致を破りたいことでしよう。しかし,ヱホバの助けがあるのと,ヱホバの僕たちは正確な知識に満たされているので,サタンは私たちの隊伍を乱すことはできません。光の中にとどまつて,サタンの暗黒を恐れないようにしましよう。私たちが,正確な知識を自分のものとし,自分の希望を知り,それを常に他の人に告げるようにすべき時は実際に来ました。ヱホバは私たちがヱホバの証者であると言われています。実際にヱホバの証者になるには,正確な知識が必要です。ヱホバは私たちにこの偉大な宝を与えて下さいました。これは誰も奪うことができない宝です。金銭はとぼしくなるかも知れません。せいぜいよくても価値を失つてしまいます。物質的な持物は私たちから取り去られてしまうかも知れません。またそれは多くの人から取り去られるでしよう。しかし私たちがヱホバの正確な知識を確かにもつならば,その知識と新しい世界の接近は,私たちから取り去られません。いかなる状態の下にあつても,知識は常に私たちを喜びで満たしてくれます。私たちは霊の戦いにおいて,この正確な知識と信仰により私たちの敵,特に霊的軍勢に大胆に向います。私たちは,冷静にヱホバに確信を持つて苦しい時でさえも実を結び,正確な知識を他の人に提供しながら,ヱホバの証者としてかたく立ちます。私たちはこれをすることができます。というのは私たちは決してひとりぼつちにならないことを知つているからです。ヱホバは,決して眠ることなく,御自分に属するものを見はつておられます。この知識は,私たちに強い防禦を備えてくれます。―詩 121:3-5。エペソ 6:12。
21 私たちの世代に起きた大きな試練の中で,正確な知識とそれに基づいた信仰は,ヱホバの僕をどのように支え通しましたか。
21 今世紀においても,多くの兄弟たちは,すでに大きなこころみを経てきました。彼らは,ヱホバから与えられた正確な知識と,それに基づいた信仰によつて試みに耐えてきたのです。彼らは,ヱホバを愛することを学んでいましたから,恐れることはありませんでした。(ヨハネ第一書 4:8)ヱホバを愛さず,ヱホバの霊を持たないこの世の人々は,ヱホバの僕たちが大きな試練にのぞんだ時に示す,確信と冷静と,喜びを深く理解することはできません。ヱホバの証者と一緒に,ドイツの強制収容所にはいつていた,ローマカトリック教徒の一医師は,自分の書いた本の中で次のように言つてこれを証明しました,『心理的に言つて,SS(迫害者の軍隊)は,ヱホバの証者の挑戦に処する力がなかつたという印象をまぬかれない。』(ユージン・コーゴン。「地獄の教理と実践」)ですから,歴史はナチの迫害者たちが,ヱホバの民の精神と信仰を理解することができなかつたことを示しています。兄弟たちは,真理であるヱホバの御言葉から,正確な知識をとりいれました。そしてどのような大きな迫害も,それを動かすことができなかつたのです。それより後になつて,共産主義者たちが,囚人たちの信念を変えるため,『洗脳』と呼ばれた方法を使つていることが公表されました。しかし,すでに強い確信を持つている人の見解を変えることはできません。共産圏内にいる私たちの兄弟は今日に至るまで,迫害者たちをはぎしりさせています。なぜなら,兄弟たちが心にたくわえた正確な知識が彼らを導きつづけ,またヱホバが彼らと共におられるからです。
22 霊的戦いを生き残るには何が必要ですか。
22 しかし戦いはまだ終つていません。サタンがヱホバに最後の抵抗をこころみる間,多くの国でさらに多くのヱホバの僕が,迫害に苦しむことは疑いありません。黙示録 12章17節は,龍が今地上にいるヱホバの僕たちと戦つていることを示しています。この戦いに生き残るためには,心を強く持たねばなりません。ですから,私たちは,御言葉からヱホバの知識を多くとりいれる機会があるうちに,正確な知識で自分を満たし,それをこの悪しき時代の防禦としましよう。
23 (イ)善意者は,今,正確な知識からどのように益を得ていますか。(ロ)現在とりいれられる正確な知識が,将来において非常に重要なのはなぜですか。
23 この世代の善意者たちも,ハルマゲドンを生き残つて新しい世にはいるには,ヱホバの正確な知識を得なければなりません。今ヱホバは,あらゆる種類の人が真理の正確な知識をえて救われるように,御自分の啓発された僕を使つて,その御旨を遂行されています。(テモテ前 2:4)多くの人々はすでにこの正確な知識を与えられて,新世社会の一部になつています。彼らはこの知識と信仰によつてハルマゲドンの戦いを通過するでしようが,知識を得ることはそれで終るわけではありません。それ以後,正確な知識はますます増加するでしよう。新しい世では,すべての人が,有害な迷信と恐怖から永久に解放されるでしよう。新しい世は,その中に住む者すべての興味を引きつけるでしよう。ヱホバの知識は無限ですから,その民が知識をとりいれることにもおわりがありません。ヱホバは正確な知識の偉大な源ですから,学ぶべき新しい事柄は永遠に存在するでしよう。前途にある事柄を悟つて,私たちは今できうる限り多くの知識をとりいれているべきです。正確な知識で満たされなさい。知識の良い基礎を置きなさい。そうすればイザヤが預言したような,『ヱホバをしるの知識地にみつ』神の新しい世において,その強い基礎の上にさらに知識を築きつづけることができます。―イザヤ 11:9。