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箴言 ― わずかな言葉で言い表わされた豊かな知恵ものみの塔 1980 | 5月15日
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いうのに。それは自らのために必ず鷲のような翼を生じ,天へ飛び去って行く」。(箴 23:4,5,新)ばく大な財産も,つたない管理や予見できない情勢などによって瞬く間に失われてしまうので,聖書は富の追求よりも信頼の置けるものに努力を向けるよう強く勧めています。次の諭しを注意深く読んでみてください。
「あなたは羊の群れの有様をはっきり知っているべきである。あなたの家畜の群れに心を留めよ。宝は定めなく保つことなく,王冠もすべての世代にわたることがないからである。青草は去り,新しい草が現われ,山々の草木は集められた。若い雄羊はあなたの衣のためであり,雄やぎはあなたの畑の代価となる。また,やぎの乳もあなたの食物,あなたの家の者たちの食物のために十分あり,あなたの娘たちの命を養うものとなる」― 箴 27:23-27,新。
物質の富(「宝」)も,目立った地位(「王冠」)も,真の安全を保証するものにはなりません。商取引につぎ込まれた時間と労力とお金は,思わくが外れたために失われてしまうことがよくあります。予期しなかった出来事によって,富と,人々から尊ばれる地位とを同時に失うこともあります。他方,家畜を世話することに労力をつぎ込むなら,それは減収をもたらすことなく,普通,所有者に増収をもたらします。神は家畜を飼うための「草木」を十分に備えてくださいます。人類史上どの時期においても,勤勉に家畜の世話をすることは,衣食や収入を得る面で富や名声よりも常に信頼の置ける手段となってきました。ですから,「あなたは羊の群れの有様をはっきり知っているべきである」という言葉は賢明な諭しと言えるのです。この言葉に含まれる原則は,今日,雇用という信頼関係に基づくどんな分野においても,勤勉な労働を勧めるものと解することができます。
箴言は幾千年も前に書き記された書物ではありますが,今日生きている人々にとって比類のない導きを含んでいます。その霊感による言葉を定期的に読むようにしましょう。そこに含まれる教訓について黙想するのです。一つ一つの箴言はほんのわずかな言葉から成ってはいますが,その豊かな知恵はあなたの生活をいつまでも安全で幸福なものにするでしょう。
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「雪花石こうの容器」とはどんなもの?ものみの塔 1980 | 5月15日
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「雪花石こうの容器」とはどんなもの?
イエス・キリストは香油を塗ってもらったことが二度ありました。一度はガリラヤのあるパリサイ人の家で(ルカ 7:37,38),もう一度はベタニヤのらい病人シモンの家でそのことが起きました。(マタイ 26:6,7。マルコ 14:3)いずれの場合にも,高価な油が雪花石こうの容器から注ぎ出されました。
びんの形をしたこうした小さな香油入れは,元来,エジプトのアラバストロン付近にある石から作られました。その石そのものは炭酸カルシウムの一種です(現代の雪花石こうは水酸化硫酸カルシウムなので混同してはならない)。本来,雪花石こうは白色をしていますが,それは石筍として形成されるので,ほかの色が入って縞模様を成すことがあります。
上に描かれているのは,エジプトで出土した古代ヘレニズム時代のびんです。前述の出来事の際にイエスに油を塗った女性たちは各々,高価な香油の入った「雪花石こうの容器」を手にしていました。花びんにも似たそれらの容器は,上の絵の容器に似たものだったことでしょう。上の絵の容器には“シナモン”という文字が刻まれています。
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