その民とともにエホバを賛美しなさい
「わたしは生涯を通じてエホバに歌いましょう。生きているかぎり,わたしの神にほめ歌をうたいましょう」― 詩 104:33,新。
1,2 (イ)「新しい歌」とは何ですか。ある人びとはその歌にどのように答え応じてきましたか。(ロ)考慮に価する個人的な質問のいくつかを挙げなさい。
エホバは,今日全地で聞こえる歌の中で賛美されています。いいえ,レビ人がそれを歌っているのではありません。また,上なるいと高き所で神をほめたたえるみ使いたちの合唱が聞こえるわけでもありません。しかしわたしたちは,エホバの天の政府の将来の相続者たちの斉唱する「新しい歌」を聞くことができます。(黙示 14:1-4; 20:6; 22:5,新。詩 96:1,10)それは栄光を受けたイエス・キリストを王として載き,西暦1914年以来天で機能を果たしてきた樹立された神の王国にかんする感動的な国歌です。何千人もの人びとは,感銘を与えるその歌を深い認識をいだいて聞いてきました。
2 あなたは感謝して,その「新しい歌」に答え応じてきましたか。あなたは,その民とともにエホバを賛美していますか。また,「王国のこの良いたより」を全地に広く告げ知らせるために神が用いておられる組織と交わってきましたか。(マタイ 24:14,新)もしそうであれば,あなたはエホバの地上の組織をほんとうに正しく認識しておられますか。それを高く評価すべき理由は少なくありません。そのほんの幾つかを簡単に考慮してみましょう。
神の組織を認識すべき理由
3 イエスの油そそがれた追随者たちとその仲間は何を,まただれを代表する特権に恵まれていますか。
3 一つには,エホバの地上の組織の一部を成している,イエスの油そそがれた追随者たちは,「キリストの代理をする大使」なのです。地的希望をいだくその仲間たちもまた,王国の関心事のために仕えています。(コリント後 5:20,新)彼らは単なる人間の立てた政府や罪深い支配者の大使や公使ではないことを銘記してください。彼らはエホバとその高められた霊者である王イエス・キリストおよび神の強力な王国を代表しているのです。なんと計り知れないほど貴重な特権なのでしょう。いうまでもなく,宇宙の主権者に仕え,その方を賛美するには,人はエホバのクリスチャン証人の組織と交わらなければなりません。
4 エホバの地上の組織の中にいる人たちはどうして霊的な事がらを理解できるのですか。
4 また,全地でエホバの組織だけが神の聖霊つまり活動力によって導かれているという事実をも考慮してください。(ゼカリヤ 4:6)この組織だけがエホバの目的のために,またエホバに賛美を帰するために機能を果たしているのです。この組織にとってのみ,神の聖なるみことば,聖書は封じられた書物ではないのです。世の多くの人びとは非常に知的で,複雑な事がらを理解できます。彼らは聖書を読むことはできますが,しかしその深い意味を理解することはできません。ところが,神の民はそのような霊的な事がらを理会できるのです。なぜですか。それは彼らに特別の知能があるからではなくて,使徒パウロが言明したとおり,「神はそれを,ご自分の霊によって,このわたしたちに啓示されたのであり,霊がすべての事,神の奥深い事がらまでも究める」からなのです。(コリント前 2:10,新)イエス・キリストは,『こうした事がらを賢くて知能のたけた者たちから隠して,それをみどりごたちに啓示』される天の父を賛美しました。(マタイ 11:25,新)真のクリスチャンは,「神の奥深い事がら」を理解している地上の唯一の組織と交わることの価値をどれほど深く認識しているか知れません。
5 遠い昔,神の霊による導きを受けたエホバのしもべたちは,西暦1914年に関するどんな事がらを理解できましたか。
5 神の霊による導きがあるので,エホバのしもべたちは霊的な闇に包まれた世にあっても神からの光を持つことができます。(コリント後 4:4,新)たとえば,遠い昔,エホバのしもべたちは西暦1914年が異邦人の時もしくは「諸国民の定められた時」の終わりをしるしづける年になるであろうことを理解しました。その期間中,異邦諸国民は干渉を受けずに地に対する支配権を行使することが許されていました。(ルカ 21:24,新)その2,520年の期間は,西暦前7世紀の末,バビロニア人によってもたらされたエルサレムとその神殿の崩壊とともに始まりました。たとえば,「シオンのものみの塔」誌,1880年3月号はこう告げ知らせました。「『異邦人の時』は1914年に達するので,天の王国はそれまでは全面的支配を行なわないであろう」。真の神のみがご自分の聖霊によってはるか事前にこのことをそれら初期の聖書研究生に啓示しえたのです。
6 命に関して,キリスト教にのっとった真の組織はどんな見込みをわたしたちの前に置いていますか。
6 エホバのクリスチャン証人の組織を正しく認識すべき理由はほかにもあります。それは従順な人たちを祝福するための神の備えをわたしたちが理解し,次いで自分の生活を神の意志にかなうものにするよう,その組織はわたしたちを援助しているということです。(マタイ 24:45-47)このことは今,世界が暗やみに包まれているにもかかわらず,わたしたちに幸せをもたらします。なぜなら,自分が神を喜ばせているということを知るのは,ほんとうに満足のゆくことだからです。キリスト教にのっとった真の組織はその出版物や他の手段によって,神の王国の支配下で享受する限りない幸福な生活にかんする聖書の見込みをわたしたちの前に際立たせています。(黙示 21:3-5)なんという祝福でしょう。わたしたちは神の地上の組織と神の民とともにエホバを賛美する機会とをどれほど深く認識しているか知れません!
7 「人びとの賜物」はどんな目的のために仕えていますか。
7 そのうえ,神の民の霊的発展および霊的福祉に関連して神の目的にかなうよう仕える福音宣明者や牧者また教える者などの「人びとの賜物」を備えているのはこの組織だけです。(エペソ 4:7-16,新)任命された監督つまり長老および奉仕のしもべたちは,エホバの組織内で責任のある立場につくのに必要な聖書上の要求にかなっています。とりわけ,彼らは正直な心の人たちをクリスチャン会衆に歓迎し,エホバの道にかんする教育を受けられるよう,それらの人びとを助けます。(テモテ前 3:1-10,12,13。テトス 1:5-9)神の聖霊の影響のもとにあって,やがて仲間の賛美者としてエホバをたたえるようになる人たちを見いだし,歓迎し,教育するこのすばらしいわざに,あなたもあずかることができます。それはなんと祝福された特権でしょう。
8 エホバの地上の組織はどんな人びとで成り立っていますか。
8 エホバの地上の組織の一部となってエホバを賛美する人びとそのものについて考えてみてください。それらの人たちは確かに「すべての国々の望ましいもの」なのです。(ハガイ 2:7,新)真のクリスチャンには大勢の霊的な兄弟や姉妹や母や子供があります。(マルコ 10:29,30)聖書に従って生活している,そのような品行方正で敬虔な,エホバの賛美者と交わりを持つということは,正しく評価すべき重要な事がらです。
神の組織の一部であることに感謝する
9 15歳になるある人は,神の民との交わりに対する感謝の気持ちをどのように言い表わしましたか。
9 してみれば,エホバの地上の組織と交わり,その民とともに神を賛美できることを深く感謝している人びとが非常に多いのも不思議ではありません。15歳になるある人はこう述べました。
私はエホバの証人のひとりであることがどんなに幸せなことかについて,どうしてもお伝えしたくてペンを取りました。私は真理について私に教えてくれた両親に深く感謝しています。……世の腐敗を見るにつけ,私はその一部ではない,私はエホバの証人のひとりです,と言えることを誇りに思い,また感謝しています。
10 ある遺族にとってエホバの組織とその霊は何を意味しましたか。
10 不慮の事故で息子を失った,あるクリスチャンの家族は,信仰の仲間から示された愛について語り,また次のように書き送ってきました。
エホバがその愛を,つまり私たちの兄弟たちの愛,またご自分の組織の愛を私たちにとってほんとうに現実のものにしてくださったと私たちは心から確信しております。非劇を通して私たちは,エホバの霊が私たちの眼前で働くのを見てまいりました。私たちは,エホバが『諸国民からの望ましい者たち』と呼んでおられる人びとの中にいることを,このうえない謙虚な気持ちをいだいて感謝しております。……
私たちは,みなさんのような兄弟たちを持ち,エホバの組織の一部となり,神の霊の働きを感じ,また神からの慰めが得られることに対する深い感謝の気持ちを少しでも皆さまにお伝えできたことと願っております。この喜びは筆紙につくすことができません。
11 ベテルで多年奉仕してきたある人は,ベテルのことをどう見ていますか。
11 ニューヨーク,ブルックリンにあるエホバの証人の世界本部(ベテルと呼ばれる)で長年忠実に奉仕してきたある人はこう述べました。
妻が亡くなって以来これまでの何年間かに私はベテルに対する認識をなおいっそう深めることができました。……ベテルは一種の交差点,つまりエホバの民の行き交う交差点とみなせます。ここではあらゆる場所からやって来る人びと,またあらゆる場所に出かけてゆく人びとに絶えず会えます。年に2回……[宣教者のための]ギレアデ学校に出席するため,生徒たちがここにやって来ます。宣教者や協会の旅行する代表者たちも訪ねてきます。また,もちろん,[ベテル]家族そのものの成員たちも相会します。……ここで45年を経た後の今も私は,自分の知っている人びと,あるいは互いに知り合っている人びとといつも会っています。友人たちで成る私の家族は全地に広がっています。
12 クリスチャンが仲間の信者に対する感謝の気持ちを言い表わすのはふさわしいことですか。
12 全地にまたがる『友人たちで成る家族』を持っているのは,なんと喜ばしいことでしょう。神の組織の一部となっている人たちが,仲間の信者に対する感謝の気持ちをエホバに言い表わすのはもっともなことです。使徒パウロもそうしました。彼は同僚のクリスチャンであるテモテにかんして次のように書きました。「わたしは神に対し,すなわち,自分が清い良心をいだきつつ,父祖たちがしたと同じように神聖な奉仕をささげているかたに対して感謝しています。自分の祈願の中であなたについて思い出さないことは決してないからであり,あなたの涙を思い出すにつけ,あなたに会って自分が喜びに満たされるようにと,夜昼切望しているのです」。(テモテ後 1:3,4,新)また,ローマにいる仲間の信者についてパウロはこう述べました。「わたしは,あなたがたすべてに関し,イエス・キリストを通してわたしの神に感謝をささげます。それは,あなたがたの信仰のことが世界じゅうで語られているからです」。(ロマ 1:8,新)確かに,そうした優れた仲間のゆえに,また他の数多くの理由のゆえに,神の地上の組織の一部となっている人たちは,その民とともにエホバを賛美する自分たちの特権の価値を深く認識しているのです。
神の組織に対する自分の認識を表わす
13 聖書やクリスチャンの出版物を定期的に読んで研究すべきなのはなぜですか。
13 しかし,どうすればエホバの組織に対する真の認識を示すことができますか。それには,とりわけ,聖書および神がご自分の組織を通して備えてくださるクリスチャンの出版物を定期的に研究することができます。それらをなおざりにしてはなりません。この点,イスラエルの王に与えられた助言は考慮に価します。神はモーセを通してこう言われました。『彼その国の位に座するにいたらば祭司なるレビ人の前にある書よりしてこの律法を一つの書に書き写さしめ 世にながらうる間つねにこれを己のもとに置きて読み かくしてその神エホバを恐るることを学びこの律法のすべてのことばとこれらの法度を守りて行なうべし しかせば彼の心その兄弟の上に高ぶることなく またその誡命を離れて右にも左にもまがることなくしてその子女とともにその国においてイスラエルの中にその日を永うすることを得ん』。(申命 17:18-20)エホバのみことばと,クリスチャンの正しい出版物は,神の義の律法と原則を説き勧めています。ゆえに,それらを定期的に読んで研究してください。それら出版物が供する霊的な導きを大事にしてください。次のように語った詩篇作者のようであってください。「あなたはほむべきかな,〔エホバ〕よ,あなたの定めをわたしに教えてください。……わたしはあなたの定めを喜び,あなたのみ言葉を忘れません」― 詩 119:12-16,口語〔新〕。
14,15 もしエホバの地上の組織を正しく認識しているなら,わたしたちはクリスチャンの集会や大会をどう見ますか。そのような集まりからどのようにして益を得ますか。
14 エホバの組織と,その民とともに神を賛美する自分たちの特権とに対する認識を示す別の方法があります。それはクリスチャンの集会に定期的に出席することです。神の聖所でエホバの崇拝者たちの中にいることはダビデにとって大きな喜びでした。彼はこう言明しました。『われ一つの事をエホバにこえり我これをもとむ われエホバの美しきを仰ぎその宮をみんがためにわが世にあらん限りはエホバの家にすまんとこそ願うなれ』。(詩 27:4)もし,わたしたちがエホバの地上の組織をほんとうに正しく認識しているのであれば,クリスチャンの集会や大会に出席することを切望するはずです。―詩 84:1-4。
15 昔,イスラエル人は神の家をなおざりにすることによってではなく(ネヘミヤ 10:39),かえって感謝の気持ちをいだいて神の家を支持し,そこで行なわれる祭りに連なることによって,神の教えを生活に適用するよう助けられました。彼らは信仰の試練や誘惑に直面しなければなりませんでした。他の民族の場合と同様,確かに彼らはうそをついたり,盗んだり,姦淫を犯したり,その他の悪行に携わったりするように唆す誘惑に取り巻かれていました。しかし,たとえ試練が生じたにしても,自分たちの出席した集まりで読んで聞かされていた事がらを恐らく思いめぐらせたことでしょう。(申命 31:10-13)また,エホバの律法や約束を思い起こすこともできたでしょう。そうすれば試練に打ち勝って,神への忠誠を保てたでしょう。わたしたちも今日,クリスチャンの集会や大会に出席することによって同様の益を受けています。また,自分自身が出席することによって,互いに「愛とりっぱな業」を促しているのです。―ヘブル 10:24,25,新。
16 エホバの組織に対する忠節はどれほど重要な事がらですか。
16 もし,エホバの地上の組織をほんとうに正しく認識しているのであれば,わたしたちはその組織がエホバのものであることを知っており,その組織に対して忠節を保つはずです。いやしくもそれを捨てるとすれば,どこに行けるというのでしょうか。神の意志を行なっている組織,あるいは永遠の命を得られるよう人びとを教育している組織はほかにはありません。多くの人たちがイエス・キリストを見捨てたとき,彼はご自分の使徒たちに尋ねました。「あなたがたも去って行きたいと思っているわけではないでしょう」。するとペテロは答えました。「主よ,わたしたちはだれのところに行けばよいというのでしょう。あなたこそ永遠の命のことばを持っておられます。そしてわたしたちは,あなたが神の聖なるかたであることを信じかつ知るようになったのです」。(ヨハネ 6:66-69,新)忠実な初期のクリスチャンは熾烈な迫害に耐え,しかもなお神とその組織つまりクリスチャン会衆に対して忠節を保ちました。たとえば,迫害を受けたローマのクリスチャンは,同市のカタコームつまり地下墓地に避難しました。その中の家族用の埋葬室は小人数グループの集会のための場所となりました。初期のクリスチャンは自分たちの霊的必要を認識していました。また,励ましや教えを得るために集まるには,たとえ文字どおり地下に潜らねばならないにしても,集まることの必要性を認識していました。もし,わたしたちがクリスチャンとしての認識を持っているなら,わたしたちもまた,今日の種々の障害や迫害をものともせずにエホバの組織つまりそのクリスチャン会衆について行けるでしょう。
17 緊迫感をいだいてクリスチャンの奉仕の務めに携わるべきなのはなぜですか。
17 また,神のみことばを他の人びとのもとに携えて行ってクリスチャンの奉仕の務めに心をこめて加わることにより,神の地上の組織に対する認識を示すことができます。そうすれば,あなたはその組織が遂行している教育的なわざを促進させることになります。また,緊迫感をいだいてそのわざに携わる必要もあります。なぜなら,この邪悪な事物の体制の終わりが迫っているからです。時は縮まっています。収穫は大きく,働き人は少ないのです。(マタイ 9:37,38)熱心な現代の刈入れ人のひとりとなって,命を救う宣べ伝えるわざを行なうのは,なんという特権でしょう!「あなたがたの労が主にあってむだでないことを知っているのですから……主の業においてなすべき事を常にいっぱいに持ち」,ぜひクリスチャンの奉仕の務めに忙しく携わってください。―コリント前 15:58,新。
18 奉仕の務めをりっぱに果たすうえで,祈りと神の聖霊はどれほど重要ですか。
18 感謝の気持ちをいだく忠実な人たちは,りっぱな「賛美の犠牲」を神にささげたいと願います。(ヘブル 13:15,新)しかし,どうすればそうすることができるのでしょうか。祈りのうちにエホバの助けを求めてください。羊のような人たちを援助し,奉仕の務めの点で自己の最善をつくすには,エホバの聖霊による導きが必要です。ゆえに,自分の上に神の霊が留まるよう祈り求めてください。エホバは,そのように懇願する献身したご自分のしもべたちにご自身の霊をお与えになります。イエス・キリストは述べました。「それで,あなたがたが,邪悪な者でありながら,自分の子どもに良い贈り物を与えることを知っているのであれば,まして天の父は,ご自分に求めている者に聖霊を与えてくださるのです」― ルカ 11:13,新。
19,20 (イ)昔,神の霊および聖なるみ使いたちは,クリスチャンの奉仕の務めとどんな関係を持っていましたか。(ロ)神の聖霊とみ使いの導きはクリスチャンの宣べ伝える活動に今なお影響を及ぼしていますか。
19 聖なるみ使いたちもまた一役買っています。み使いの導きとエホバの聖霊の作用に応じた福音宣明者ピリポは,エチオピア人の宦官を見つけ,「イエスについての良いたよりを彼にはっきり伝え」ました。結果は直ちに現われ,そのエチオピア人はすぐにバプテスマを受けました。その後,「エホバの霊がピリポを急いで連れ去」ったので,ほどなくして彼はほかの奉仕の割当てを扱いました。(使行 8:26-40,新)また,神の聖霊とみ使いの導きは,異邦人コルネリオの家で使徒ペテロが行なった宣べ伝えるわざにおいても,やはり一役買いました。―使徒行伝 10章。
20 その同じ聖霊とみ使いの導きは今もなお,クリスチャン奉仕者たちの宣べ伝える活動に影響を及ぼしています。年老いた使徒ヨハネは,地の住民に告げ知らせるための「永遠の良いたより」を携えて「中天を飛んでいる」み使いを幻で見ました。(黙示 14:6,7)いいえ,そのようなみ使いが空を飛ぶのを見たり,あるいはみ使いが話すのを文字どおり聞いたりすることが今日できるわけではありません。が,その音信を聞くことはできます。というのは,エホバの崇拝者たちがそれを地上で伝えているからです。要するに,彼らはエホバについてこう言っています。「見よ,これはわれわれの神である。わたしたちは彼を待ち望んだ。彼はわたしたちを救われる。これは〔エホバ〕である。わたしたちは彼を待ち望んだ。わたしたちはその救を喜び楽しもう」。(イザヤ 25:9,口語〔新〕)エホバのクリスチャン証人のひとりとして,いと高き方のみ名を担い,その目的や賛辞を告げ知らせるとともに,神の聖霊の影響を受け,またみ使いの導きを得ているということは,なんと感謝すべきことでしょう。―イザヤ 43:10。
21 どうすれば効果的な再訪問を行なったり,良い家庭聖書研究を司会したりすることができますか。
21 畏敬の念を起こさせるこうした特権は,奉仕の務めの点で最善の努力をつくすことをクリスチャンに要求します。もし,あなたがクリスチャンの奉仕者でしたら,どうすればあなたは野外奉仕を効果的に行なえますか。一つには,奉仕活動にかんする記録をきちんとつけることが大切です。そうすれば,速やかに再訪問を行なうことができます。さらに,家の人の問題や関心事あるいは必要としている事がらについて事前に考えることによって,そうした再訪問を特に効果的に行なってください。個々の人を助けるのに役だつ聖句を探し出してください。それから,もしできれば家の人と良い家庭聖書研究を始め,それを司会してください。この点でエホバの聖霊の助けは不可欠ですし,またそれは明らかに示されるでしょう。とりわけ,それは,以前に研究した資料を思い起こさせてくれます。(マルコ 13:11)また,自分自身の脳裏にある資料を努めて簡潔なものにしてください。そうすれば,明快で正確な考えを相手に伝えて,それを理解するよう他の人たちを助けることができます。エルサレムに集まったイスラエル人に神の律法を読んで聞かせたエズラやその同僚のレビ人のようであってください。それらの教訓者は自分たちの話していることをわきまえていました。なぜなら,『彼らはその書につきて神の律法を朗らかに読みかつその意を解きあかしてその読むところをこれにさとらしむ』と記されているからです。彼らの努力は良い成果をもたらしましたか。確かにもたらしました。というのは,民は聞いたことを理解し,大いに喜び,そして仮庵の祭りを祝ったからです。―ネヘミヤ 8:8,12-18。
他の人びとの注意をエホバの組織に向けさせなさい
22 関心のある人たちの心の中に神のみことばと組織に対する認識を培うにはどうすればよいでしょうか。
22 関心のある人たちとの有益な聖書研究を司会するさい,そうした人びとの心の中に神のみことばとその組織つまりクリスチャン会衆に対する認識を培うよう努力してください。たとえば,問題が提起され,聖書に基づく解答がクリスチャンの出版物の中に見いだされる場合,聖書の研究生にこう尋ねることができるでしょう。『もし,エホバの組織がこうした問題に関する,聖書に基づく理解を与えていなかったとしたら,神を喜ばせるためにはどんな道を取るべきか,わたしたちにはわからなかったのではないでしょうか』。示唆に富むこうした質問を用いれば,著しい効果が得られるものです。それは聖書およびエホバの組織の価値や重要性を研究生に考えさせ,悟らせるものとなります。
23 どうすれば熱意をこめて他の人びとの注意を神の組織に向けさせることができますか。
23 もし,エホバの組織をほんとうに正しく認識しているなら,あなたは熱意をこめて他の人びとの注意をその組織に向けさせるでしょう。バプテスマのヨハネがふたりの弟子に,イエスが「神の子羊」であることを告げたとき,そのふたりはどのような反応を示しましたか。無とん着な,無関心な態度を取りましたか。アンデレが自分たちの知ったことをペテロに告げたとき,アンデレは単なるひそひそ声で静かに,「わたしたちはメシアを見つけた」と言ったなどと考えられますか。とてもそうは思えません。その声はかなり興奮した響きを帯びていたに違いありません。ちょっと考えてみてください! 彼らはメシア,神の油そそがれた者を見いだしたのです!(ヨハネ 1:35-41,新)そうです,もしあなたが真のキリスト教を実践しておられるのなら,あなたは永遠の命を得られるよう人びとを教育している組織,つまりメシアなる王のもとで地上でエホバ神に仕えている唯一の組織を見いだしたのです。ほんとうにそれは正しく認識すべき重要なものです。ですから,熱意をこめて他の人びとの注意を神の組織に向けさせてください。真のクリスチャン会衆とその現代の歴史について人びとに話してください。エホバの地上の組織と交わっている人たちがどのようにして霊的な光の中を歩み,神からの支えとその聖霊による導きを得,また神からの豊かな祝福を享受しているかを他の人びとに示してください。エホバのクリスチャン証人は神を賛美するために組織されていること,また有資格者にはその民とともにエホバを賛美する特権があることを説明してください。エホバと,永遠の命を得られるよう人びとを教育しているその組織とに対する認識を,あなたの聖書研究生の内に培ってください。
24 エホバとその組織に対する真の認識を持っている人は何を行ないますか。
24 悪魔サタンは悪霊と人間とで成る一つの組織を持っています。その組織はいまや,神と,イエス・キリストを筆頭とする刑執行に当たる神の軍勢とによってもたらされる決定的大敗北と永遠の破滅に向かって進んでいます。しかしエホバの組織は,驚嘆すべき前途の見込みをいだいて前進しています。それは速度を早めつつ前進しており,現代の窮境およびなお前途に控えている「大患難」を切り抜けて,まさしく神の約束の新秩序にはいるまで引き続き前進してゆきます。(マタイ 24:21,新。ペテロ後 3:13)あなたは神の過分の親切によって,その組織とともに忠実に前進すべく決心しましたか。あなたはエホバと,永遠の命を得るよう人びとを教育するためにエホバが用いておられる組織とに対するそれほどの深い認識を培ってきましたか。もしそうでしたら,エホバへの賛美の歌を口ずさみつつ,急ぎ前進してください。昔のレビ人の歌い手がしたように,また天のみ使いたちの大群のように,神をほめたたえなさい。次のように叫んだダビデのように決意を固めてください。「わたしは生涯を通じてエホバに歌いましょう。生きているかぎり,わたしの神にほめ歌をうたいましょう。彼を熟考するわたしの思いが喜ばれるものでありますように。わたし自身は,エホバを喜びましょう」― 詩 104:33,34,新。