将来を目ざして建てなさい
「正しい者の家には多くの宝がある,悪しき者の所得には煩いがある。」― 箴言 15:16 新口
1 (イ)建てることの分野において人間のなした業績のいくらかは何ですか。(ロ)このことは,人間が自分の業績を真実認識しているという意味ですか。
建てることはよろこびです ― 幾世紀ものあいだ人間は建てることに大進歩をとげました。そして,人間がいまつくっている新しいものはほんとうに驚嘆に値します。人間は安楽な家,巨大な工場,自動的に動く機械,大きな橋,独特な魔天楼,ジェット飛行機をつくりました。しかし,それでも満足をおぼえません。ある人々は宇宙空間で生活したいとのぞみます! しかし,人間はこれらの建設的な業績に深い認識をもっていますか。あるいは人間はこれらのものを滅ぼしたいとのぞみますか。毎日の新聞を開いてみると,その見出しのなかに,戦争という言葉が出ていたのは何度ぐらいありましたか。あなたは戦争について,いくつの写真を見ましたか。いくつの物語を読みましたか。そしていく冊の歴史の本を研究しましたか。ほんとうに,あなたは人間が自分自身のわざの上にもたらした滅びを見ました。人間は巨額の金と莫大な時間を使って,自分のたのしみのための仕事をします。すると,他の人々か,あるいは建てる人自身が自分の仕事を滅ぼしてしまいます。これは,将来を目ざして建てることですか。
2 今日の世界の状態に大きな憂慮が払われている理由を示しなさい。
2 過去数年のうちに多数の大都市は戦争のため灰燼に帰しました。今日の都市も,明日になると灰燼に帰してしまうということを知っている人はいません。建主である人間のどこに欠陥があるのですか。人間は良識あるいは理性を持たないのですか。全世界は気がくるったのですか。安全はどこにありますか。国際連合にあつまる世界の大政治家たちが,けんかし合うのを見ることは人々の憂慮の種になっています! いれかわり立ちかわり,人々は権力と世界支配を狙って争い合います。キリスト教国の大宗教制度も,一致することができません。ちがった国々の内部にある強力な政治制度は,たがいに同意見を持ちません。大商業は,あらゆるところで権力を利己的ににぎろうとしています。たしかに,彼らはみな建てます。しかし,彼らは滅ぼしてしまうために建てていますか。彼らは,支配か滅亡か,という政策にしたがっているのですか。なんとおろかなことでしょう! ソロモンは賢明にも次の言葉を書きました,「知恵はその家を建て,愚かさは自分の手でそれをこわす」。―箴言 14:1,新口。
3 (イ)イエスは,平和のためのどんな解決を与えましたか。(ロ)キリスト教国はこの解決に頼りますか。
3 キリスト教の指導者イエス・キリストは,平和と繁栄のためのただひとつの解決を与え,御自分の弟子たちにまず神の御国と神の義を求めよ,と告げられました。キリスト教国は,今日その御国を求めますか。すこしも求めていません! 彼らの大きな希望は国際連合にあります。しかし,イエスは最初のクリスチャンたちに,「御国がきますように,みこころが天に行なわれるとおり,地にも行なわれますように」祈れと教えました。しかし,キリスト教国の牧師は,人間のただひとつの希望としての国際連合のために祈ります。政治指導者や宗教指導者は,イエスが言われるごとくめくらの道案内です,「わたしの天の父がお植えにならなかったものは,みな抜き取られるであろう。彼らをそのままにしておけ。彼らは盲人を手引きする盲人である。もし盲人が盲人を手引きするなら,ふたりとも穴に落ち込むであろう」。(マタイ 15:13,14,新口)おろかな者たちはみな,ハルマゲドンの戦いのときその穴にいるでしょう。
4 安全な将来のためにこの世は何を必要としますか。神の御言葉は,そのような御準備をどのように保証していますか。
4 この世界に必要なものは,将来にむかって建てることができる人,そして建てつづけることのできる人です。過去6000年の間の地的な支配者たちで,永続するものを建てた者はひとりもいません。いま彼らの国はどこにありますか。1914年以来の変化を考えてごらんなさい! 人間は人間の意志を行なわず神のみこころを行なうことをのぞむ知恵のある正しい指導者を必要とします。事実はそのことを証明しています。人類の大多数は空腹を感じていて,まずしい家に住み,良い教育をうけていません。それで,人々をみちびくことのできる人は,いままでにいた人よりもすぐれた者でなければなりません。神の御言葉は,次のような招待の言葉のうちに,そのようなものがいると述べています,「耳を傾け,わたしにきて聞け。そうすれば,あなたがたは生きることができる。わたしは,あなたがたと,とこしえの契約を立てて,ダビデに約束した変らない確かな恵みを与える。見よ,わたしは彼を立てて,もろもろの民への証人とし,また,もろもろの民の君とし,命令する者とした」。(イザヤ 55:3,4,新口)その指導者はキリスト・イエスです。彼は地の全家族を祝福することができる,そして実際にそれを行なう約束された御方です。
クリスチャン会衆を建てること
5 イエスは1900年前にどんな建てるわざを始めましたか。
5 いままでこの地上をあるいた人のうちでもいちばん賢明な人であったこの方は,次のように言われました,「あなたがたのうちで,だれかが邸宅を建てようと思うなら,それを仕上げるのに足りるだけの金を持っているかどうかを見るため,まず,すわってその費用を計算しないだろうか。そうしないと,土台をすえただけで完成することができず,見ているみんなの人が,『あの人は建てかけたが,仕上げができなかった』と言ってあざ笑うようになろう」。(ルカ 14:28-30,新口)1900年のむかし,イエスは神の御国級であるクリスチャン会衆を建てはじめました。(マタイ 16:18)今日,彼は御自分とともに新しい世を支配させるため,それを天に設立しています。正義の新しい世を建てる仕事を終了するために,彼は間もないうちにこの悪い世の神である悪魔と,この地上にある悪魔の悪い組織制度を滅ぼさねばなりません。そのとき,楽園の新しい地が来るでしょう。しかし,この言葉を証明するものとして,キリストのみちびきのもとにどんな建築の仕事が行なわれてきましたか。
6 (イ)モーセはイエスの来ることをどのように預言しましたか。(ロ)建ておこすわざをされたイエスを援助するため,洗礼者ヨハネはなにをしましたか。
6 イスラエルの預言者モーセは,エホバを神とする一国民の大指導者で大組織者でした。しかし,モーセよりも偉大なかたがいました。「モーセは言った,『エホバ神は,わたしをお立てになったように,あなたがたの兄弟の中から,ひとりの預言者をおたてになるであろう。その預言者があなたがたに語ることには,ことごとく聞きしたがいなさい。彼に聞きしたがわない者は,みな民の中から滅ぼし去られるであろう』」。(使行 3:22,23,新世)そのものはキリスト・イエスでした。モーセはかつて幾百万人という一組織をエジプトの地からみちびき出しました。神はこの民を準備して,一国民にならせ,それから彼らの指導者および仲保者としてモーセを任命しました。しかし,イエスが地上に来たとき,彼は新しい一制度を建てはじめることが必要でした。彼はイスラエルの失われた羊のところにつかわされたのです。彼は,天の御国が近づいたと彼らに伝道しました。彼以前には,先駆者である洗礼者ヨハネは,「整えられた民をエホバに備え」ました。(ルカ 1:17,新世)イエス・キリストは,これらの者をみちびいて新しい制度を建てはじめました。彼は,クリスチャン宣教をはじめたとき,洗礼者ヨハネのところに行きました。ヨハネは,自分の弟子たちをイエスにみちびきました。イエスは新しいものを建てなければなりません。なぜなら古いものは新しいものを前もって示す影だったからです。イエスは真の神を信仰した者たちとともに霊的な家を建てねばなりません。彼は大きな仕事ととりくみました。彼は成功するでしょうか。成功は信仰を持った人々にとって生命を意味しました。
7 (イ)イエスは人々を御自分に集めるためどんな段階を経ましたか。(ロ)このことはミカ書 2章12節をどのように成就しましたか。
7 生命は興味深いもの,楽しむべきものです。人は生命を持ちつづけたいとのぞみます。生命がないなら,人はなにもすることができません。さてキリスト・イエスを通して永遠の生命の道は人類に開かれようとしていました。なぜなら神が御子を与えられたのは,「御子に信仰をはたらかす者がひとりも滅びないで,永遠の生命を得るためである」。(ヨハネ 3:16,新世)次の言葉を語られたのは,この神の御子でした,「わたしは道であり,真理であり,命である。だれでもわたしによらないでは,父のみもとに行くことはできない」。(ヨハネ 14:6,新口)イエスは,忠実な弟子たち全部のために生命の道を真実にひらきました。彼は12人を呼んで教え,それから,彼らをつかわしてイエスが行なったように伝道させました。彼は真理と正義を愛する人々をあつめて,新しい制度を建てはじめました。イエスの時代には,正義を愛したユダヤ人のうちの少数の者,すなわち残れる者がいました。彼らは永遠の生命を得させる神の道をうけいれました。それよりもずっと以前,神の代弁者なるミカは,次のように書きました,「私はかならずヤコブをことごとく集め,イスラエルの残れる者をたしかに集める。牧場の中の群れのように,おりの中の群れのように私は彼らを一致させよう。彼らは人のゆえに騒がしくなる」。(ミカ 2:12,新世)良い羊飼であるイエス・キリストは,信仰と知恵を持つ人々を集めて,「おりの中の群れのように」みちびきました。そのところで,彼らは主のみちびきをうけて,特に彼らの神エホバの保護をうけて安全を感ずるでしょう。彼はかれらを集めてから,教えることができました。また霊的な食物でもってやしなって建ておこすことができました。それは彼らも世界に出かけて行って,彼ら自身が奉仕者になり,しかも牧場の中の群れのように,おりの中の群れのように一致を保つことができるためです。各人はどこにいようと,彼らはいつも一つの群れです。
耐久力のある一致した制度
8,9 (イ)イエスが死んだという事実のためにイエスの建てるわざについてのどんな質問が生じますか。(ロ)彼の建てるわざには何が生じましたか。
8 イエスは彼の地的なわざを終えました。彼は,神の御国に反対した宗教的な支配者や政治的な支配者によって苦しみの杭にかけられて死にました。彼が死んで3日目に,彼はエホバの力によって死人の中からよみがえされ,不滅の天的な被造物になりました。彼がご自分のまわりに建てたこの新しい制度には何が生じますか。彼らは新しい契約にまねき入れられていました。彼らは,イエスが次のように語られた小さな群れの最初の者でありましょう,「恐れるな,小さい群れよ。御国を下さることは,あなたがの父のみこころなのである。」(ルカ 12:32,新口)彼らはおりの中にいるごとく,みないっしょにとどまるでしょうか。そして,キリスト・イエスがおられたときと同じように安全な感じを持ったでしょうか。彼らは,イエスのはじめたものを建てつづけますか。
9 五旬節<ペンテコスト>のとき,これら忠実なキリスト・イエスの弟子たちはいっしょにとどまっていたと事実は示しています。神の聖霊は彼らのうえにくだって,彼らは「いろいろの他国の言葉で語り出した」。そして,そのときから神の御国の良いたよりの伝道には,新しいはずみがつけられました。そのときペテロは大群衆に話して,「彼の勧めの言葉を受けいれた者たちは,バプテスマを受けたが,その日,仲間に加わったものが三千人ほどあった」と歴史家は語っています。(使行 2:41,新口)さて,これらの新しく改宗したユダヤ人たちは,神を崇拝するこのクリスチャンの道に献身したとき,なにをしましたか。「そして,一同はひたすら,使徒たちの教を守り,信徒の交わりをなしていた」。(使行 2:42,新口)この神の会衆,新しい霊的なイスラエルは,大きなわざをするために建ておこされ,訓練をうけました。
10 パウロは,イエスにしたがって建てるわざを行なったことをどのように示しましたか。新しい人々が神の建てたもうた会衆に加えられたことについて,彼は誰に誉を帰しましたか。
10 イエス・キリストの進取的な使徒パウロも偉大な建主で,主の忠実な真の弟子でした。彼はエホバの奉仕に献身した人々を集めて,彼らを会衆に組織しました。彼は次のように語りました,「神から賜わった恵みによって,わたしは熟練した建築師のように,土台をすえた。そして他の人がその上に家を建てるのである。しかし,どういうふうに建てるか,それぞれ気をつけるがよい。なぜなら,すでにすえられている土台以外のものをすえることは,だれにもできない。そして,この土台はイエス・キリストである」。(コリント前 3:10,11,新口)パウロは将来を目ざして建てました。しかし,彼は真の岩であるイエス・キリストのうえにいつも建てたのです。彼は新しいクリスチャンたちをクリスチャン制度内,エホバの神権制度内に建てていると知っていました。彼は自分を土台とするひとつの派を建てようと努力したのではありません。そうするなら分裂を生ぜしめ,悪い模範になるでしょう。そのわけで,彼はコリント人たちに次の言葉を積極的に告げたのです,「アポロは,いったい,何者か。また,パウロは何者か。あなたがたを信仰に導いた人にすぎない。しかもそれぞれ,主から与えられた分に応じて仕えているのである。わたしは植え,アポロは水をそそいだ。しかし成長させて下さるのは,神である。だから植える者も水をそそぐ者もともに取るに足りない。大事なのは,成長させて下さる神のみである。植える者と水をそそぐ者とは一つであって,それぞれの働きに応じて報酬を得るであろう。わたしたちは神の同労者である。あなたがたは神の畑であり,神の建物である」。―コリント前 3:5-9,新口。
11 その会衆に加えられた各成員にはどんな責任が課せられましたか。
11 神の会衆にはいるクリスチャンになるとはどういう意味を持つか,パウロは正しい認識を持っていました。霊的イスラエル人の全会衆は神のものでした。イエスが苦しみの杭の上で死んで後に行なわれる大きな集めるわざは,神に栄光をもたらすはずでありました。霊的なイスラエル人は新しい契約に入れられて,どこであっても神の御国を伝道するよう命ぜられました。それで彼らはあらゆる国の人々を弟子としました。あらゆる国々から来たこれらの人々は,父,御子そして聖霊の名によって洗礼をうけました。イエスはかつてエホバの特別な大使としてこの地上におられました。しかし,いまでは新しく献身したこれらのクリスチャンたちが大使になりました。そのわけで,パウロはコリント人に次の言葉を強調して告げたのです,「神がわたしたちをとおして勧めをなさるのであるから,わたしたちはキリストの使者なのである。そこで,キリストに代って願う。神の和解を受けなさい」。(コリント後 5:20,新口)和解の仕事はつづけられねばなりません! キリストが伝道するかわりに,彼の忠実な弟子はひとりのこらず奉仕をおこない。各人は大使でなければなりません,各人はキリストに代る者でした。数多くの会衆の任命された監督たちだけでなく,使徒や奉仕のしもべたちと交わりを持った他の者はみな,そのような代理者でした。
12 なにが神の霊的な家をつくりあげますか。彼らはどのように神の建物の一部としてのこりますか。
12 制度についてはペテロは,パウロと同意見でした。制度は,ただひとつだけ存在し得るはずです。その制度は,キリストのうえに建てられ,「神の建物」でなければなりません。神の聖霊によって産み出される信者の各人は,生ける石としてエホバの制度にはいります。各人は神の「霊的な家」の一部になります。パウロは,それを「神の建物」と呼びました。もちろん,キリスト・イエスは,この新しい建物である「霊的な家」の最初の真実の「生ける石」でありました。ペテロは次のように語りました,「主は,人には捨てられたが,神にとっては選ばれた尊い生ける石である。この主のみもとにきて,あなたがたも,それぞれ生ける石となって,霊の家に築き上げられ,聖なる祭司となって,イエス・キリストにより,神によろこばれる霊のいけにえを,ささげなさい」。(ペテロ前 2:4,5,新口)ペテロ,パウロそして他のすべての使徒たちや,第1世紀のクリスチャン教会を構成した他の幾千人という人々は,「神によろこばれる霊のいけにえを,ささげ」るため伝道しました。そして,神の建物,神のひとつの会衆内における生ける石であることを真実に証明しました。これらのクリスチャンたちはみな神の建物をつくりあげます。そして,将来を目ざして建てつづけました。彼らの決意は,この「霊の家」の内にとどまることであって,捨てられることではありません。この「霊の家」の内にとどまる道はただひとつだけです。それは,エホバ神の御こころを忠実に行なうことです。忠実を証明するひとつの道は,イエスの次のいましめにしたがうことです,「それゆえに,あなたがたは行って,すべての国民を弟子として……あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ」。―マタイ 28:19,20,新口。
13 なにが神の建物をいつもむすびつけていましたか。
13 各人はエホバの御霊を持ち,神の書かれた御言葉を確信していたため,初期の教会は一致の状態に保たれました。神の御霊と神の御言葉は,このクリスチャン会衆をひとつに結束させ,「神の建物」あるいは「霊の家」にならせました。ペテロは,クリスチャンに告げた言葉の中で,聖書の重要性を示しました,「語る者は,神の御言葉を語る者にふさわしく語り,奉仕する者は,神から賜わる力による者にふさわしく奉仕すべきである。それは,すべてのことにおいてイエス・キリストによって,神があがめられるためである」。(ペテロ前 4:11,新口)その日から今日にいたるまでこの聖書のさとしは変わりません。すなわち,聖書を用いなさい。「神の御言葉」を語りなさい。神の「霊の家」をつくりあげる者たちを最終的に集めることは,この末の日のいまおこなわれています。聖書の示すところによると,この「霊の家」の残れる者はいまでも地上におり,キリスト・イエスの始めた大きなわざをしています。彼らは一致しています。イエスの日のときと同じく,今日でもエホバは御自分の預言者をとおしてこう言われています,「牧場の中の群れのように,おりの中の群れのように私は彼らを一致させよう。彼らは人のゆえに騒がしくなる。」(ミカ 2:12,新世)全世界のあらゆる国々で,エホバの証者の声は聞かれます。しかし,それはいまでも神の御国の良いたよりを伝道するひとつの声です。
クリスチャン会衆とともに建てる
14 誰がいま多くの数で,神の霊的な建物に加わっていますか。そしてなぜ?
14 今日,この「小さな群れ」とともに集められている者たちは,同じよろこびにあふれるわざをしているクリスチャンの民の大いなる群衆です。どうしてこういうことが生じましたか。なぜなら,幾十万という人々は,今日神の御言葉の中に真理を見出し,その生命を神への奉仕にささげています。彼らは「小さな群れ」の残れる者とともに神の制度にきて,「おりの中の群れのように」安全の場所を見出しています。そのところで彼らは平和を見出します。また,その外では不安を感じても,そこでは安全であると見出しています。彼らは聖書を研究することにより,もしエホバを求めて御国の支配下にくるならエホバの怒りをうけずに安全であることを見出しています。彼らはエホバの次の言葉に耳を傾けました,「すべてエホバの律法を行なうこの地のへりくだるものよ汝らエホバを求め公義を求め謙遜を求めよさすれば汝らエホバのいかりの日に或はかくさるることあらん」。(ゼパニヤ 2:3)この大いなる群衆は,このことを信じています。そしてその強いクリスチャン制度内に安全を見出しているのです。それは最も満足をあたえるものです。彼らはエホバの証者の会衆と交わることによろこびを持っています。なぜなら,彼らは神の会衆にきたからです。
15 神の建物の「小さな群れ」と「大いなる群衆」の両方は,エホバと親しい関係をたもち,正しい基礎のうえに建てつづけるためなにをしますか。
15 全世界に存在している神の民の2万以上の会衆の,「小さな群れ」の残れる者とこの大きな群衆は,会衆の集会について述べたパウロの次の言葉をまったく信じています,「愛と善行とを励むように互に努め,ある人たちがいつもしているように,集会をやめることはしないで互に励まし,かの日が近づいているのを見て,ますます,そうしようではないか」。(ヘブル 10:24,25,新口)これらのクリスチャンたちは,会衆の集会が建ておこすものであると知っています。クリスチャンはそこで強められます。クリスチャンは制度と制度のはたらきを目のあたりに見ます。クリスチャンは,エホバ神への愛と隣人愛によって,制度がどのようにむすびつけられているかを見ます。さらに神の会衆内の各人には,他のひとを愛と良いわざにはげますため,自分の考えを発表する機会があります。それに加えて,会衆内の各人は神の御国の良いたよりをいそがしく伝道します。良いたよりを語りつげるというこの精神は,全制度にみちみちています。エホバの証者のこの大きな群れは,みな将来を目ざして建てています。その日常生活では,彼らは柔和と正義を求めていると示します。そして,クリスチャン制度内にとどまることにより彼らは,エホバの怒りの日のとき,全能の神の大いなる日の戦いのあいだかくされるでしょう。
16 私たちの時代におけるイザヤ書 2章2-4節の意味を示しなさい。
16 その「大いなる群衆」は,自分たちがイザヤの預言に述べられていることを知ります,「すゑの日にヱホバの家の山はもろもろの山のいただきにかたく立ち,もろもろの嶺よりもたかくあがり,すべての国は流のごとく之につかんおほくの民ゆきて相語りいはん,いざわれらヱホバの山に登りヤコブの神の家にゆかん,神われらにその道をおしへ給はん,われらその路をあゆむべしと,そは法律はシオンよりいでヱホバの言はヱルサレムより出べければなり,ヱホバはもろもろの国のあひだをさばき,おほくの民をせめたまはん,かくてかれらはその剣をうちかへて鋤となし,その鎗をうちかへて鎌となし国は国にむかひて剣をあげず,戦闘のことを再びまなばざるべし」。―イザヤ 2:2-4。
17,18 神の建物にむすびつきを持つ人はみな,どのように自分の安全を保ちますか。
17 「ヱホバの山に登」る人々は,この古い世とその不正からはなれ,エホバの家に来て「おりの中の群れのように」一致のうちに生活しなければなりません。彼らはその口から「怒り,憤り,悪意,そしり,恥ずべき言葉」を捨てたのでよろこんでいます。(コロサイ 3:8,9,新口)彼らは将来を目ざして建てたので,彼の道を教えられ,彼の道をあるくでしょう。そして,安全を楽しむでしょう。
18 この安全をどのように保つことができますか。エホバの証者の制度と交わるだけによりますか。そうではありません。各人は,特定な仕方で建てることをしなければならないのです。制度のつよさは,献身した各クリスチャンの力次第できまります。会衆は,その制度なり機構をつくりあげる各人にしたがって,その強さを保ちそのわざに専念することができます。すべての成員たちの考えと行動に一致がないなら,神のクリスチャン会衆はつぶれてしまうでしょう。エホバの会衆にいる各人は,めいめい自分自身に十分の注意をはらい,正しく建てなければなりません。彼は次のように述べたパウロの言葉に注意を払わねばなりません,「御霊の実は,愛,喜び,平和,寛容,親切,善,信仰,柔和,自制である」。(ガラテヤ 5:22,23,新世)クリスチャンであるあなたは,これらの性質を持つことに興味を持っていますか。もしそうであるなら,あなたはエホバ神の会衆と交わるだけでなく,あなたの心と思いの中に建ておこすことがなされるべきです。これらの性質あるいは実をむすぶことは,あなたが神の会衆内の一部であるということ以外に,ぜったいに必要です。あなたは,御霊の実をむすぶクリスチャンであることを証明しなさい。