男女が，人の心を慰める神の言葉の影響力に頼りながら愛と忍耐をもって援助すれば，その人たちが自分の問題を処理し，なおかつエホバへの奉仕に喜びを見いだすように助けられることが少なくありません。（ヤコブ 5:13-15）しかし，新秩序においては，『以前の苦難は実際に忘れられる』という約束があります。（イザヤ 65:16）ですから，神の僕は皆，神が『彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり，もはや死はなく，嘆きも叫びも苦痛ももはやなく，以前のものが過ぎ去る』時を，確信をもって待ち望むのです。（啓示 21:4）これこそ，感情的な傷をも含め，すべての病気の最終的ないやしなのです。

読者からの質問

■ ヨハネ 11章25，26節に述べられている，永遠の命に関するイエスの約束は油そそがれた者だけに当てはまるのですか。それとも，楽園の地での生活を待ち望む「大群衆」もその中に含まれていますか。

「ものみの塔」誌は，これまで折に触れ，この聖句の適用が天的な命を得るクリスチャンに限定されることを示唆してきました。このような見方がなされたのは，イエスがその時，後日天的な希望を与えられた人々に語っておられたからにほかなりません。しかし，これらの聖句を注意深く調べると，イエスがそのように限定しておられたわけではないことが分かります。「ものみの塔」誌の本号の研究記事が確証している通り，ヨハネ 11章25，26節に関しては見解を広げ，楽園の地で永遠に生きる希望を持つ人々もそこに含めなければなりません。なぜそう言えるのでしょうか。

ヨハネ 11章24節でマルタが，死んだラザロについて，「彼が終わりの日の復活の際によみがえることは知っております」と述べていることに注意してください。マルタはこの時どちらの復活のことを念頭に置いていたでしょうか。アブラハムや，忠誠を保った他のユダヤ人たちが信仰を持って待ち望んでいた復活，つまり地上での復活にほかなりません！ では，イエスのその次の言葉をマルタはどのように受け取ったでしょうか。マルタはそれを，地上での復活に関連した状況として受け取ったことでしょう。

イエスは次に，ご自分が死者をよみがえらせる者であることを明らかにされました。しかし，ご自分に信仰を働かせた死者のうちの限られた人々のことだけを述べているとは言われませんでした。イエスは，天においてであれ地においてであれ，永遠の命を得る人すべてにとって，「復活であり，命です」。25節と26節でイエスが続いて語られた事柄はみな，両方のグループに当てはまると考えられます。もっとも適用の方法は異なっています。油そそがれたクリスチャンは，不滅の天的な命によみがえらされるという方法で『生き返り』ます。死者の中の，地上で永遠に生きる人々は，復活させられてから徐々に完全にされていきます。―啓示 20:4と比較してください。

26節に述べられている通り，確かに油そそがれた者たちは復活後「決して死ぬことがありません」。その時彼らは『神のあるがままを見』，したがってもはや『信仰によって歩み』ません。（ヨハネ第一 3:2。コリント第二 5:7）ですから，イエスは，「生きていてわたしに信仰を働かせる者はみな決して死ぬことがありません」という言葉の中に，地上で永遠の命を得る希望を抱く今日の人々に関して特に意味のある要素を含めておられるのです。「大群衆」にはすでに義が帰せられています。なぜなら，「自分の長い衣を子羊の血で洗って白くした」からです。現に大患難を生き残る希望を持って生活しています。そして，彼らの命は，昔のアブラハムの命と同様，義にかなった生活とみなされています。「大群衆」も復活する人類も，人間として完全になって永遠の命を得るには，キリストの千年統治の間も引き続き信仰を働かせなければなりません。―啓示 7:9，10，14，15; 21:3，4。

実際のところ，これは全く新しい見解というわけではありません。長年の間に時折，ものみの塔協会の出版物はヨハネ 11章24-26節の広い適用を示唆してきました。例えば，1959年7月15日号の「ものみの塔」誌はその273ページで，あらゆる国民から集め出されたエホバの証人についてこう述べています。「この地上で生きつづけることを期待する人々は，この世の終りに生き残って新しい世で生きつづけ，決して死ぬことはないとも希望しています」。そして，その裏づけとしてヘブライ 11章1，6節とヨハネ 11章26節を挙げています。また，1976年4月15日号の「ものみの塔」誌もその243ページで同様に，「生きていてわたしに信仰を働かせる者はみな決して死ぬことがありません。あなたはこれを信じますか」というイエスの同じ言葉の中に，復活した人類とハルマゲドンを生き残った「大群衆」が含まれるとしています。

ところで，あなたは信じますか。