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師が伝道したときの宗教家の態度ものみの塔 1960 | 7月15日
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事柄を行うことだけに興味を持ち,エホバ神の認める崇拝を行なわなかつたのです。もちろん,私たちは病気をなおしたり,死人をよみがえらせたイエスの奇跡を真似て行なうことはできません。しかし,私たちは霊的ないやしのわざに参加することができます。私たちは,受け入れる人の心に聖書の真理を入れて,印象づけます。入れ替えられた心は,その人の足を神の奉仕にみちびくでしよう。神と共に歩むということに関しては,その人の足はかつてはびつこのものでした。かつて神の真理が見えなかつた目は見えるようになり,神の音信が聞えなかつた耳は聞えるようになり,かつて霊的な病気で癩病であつた体は清められます。そして,罪と処罰の中に死んでいる者たちは,霊的な生命と活動によみがえされます。彼らの得る信仰は,もはや死んだものでなく,エホバの奉仕活動とわざによつて生命を持つものです。
21 私たちは,イエスの残した模範にしつかり従うため,どのように努力するべきですか。
21 イエスは,「御足の跡を踏み従うようにと,模範を残された」。(ペテロ前 2:21,新口)建築家が,図面のこまかいところ全部をくわしく調べるように,私たちはイエスの宣教を研究して,それにしつかり従わなければなりません。私たちは,証言を聞く人々を理解し,彼らの必要をさとり,適当な譬を用いて音信を強力なもの,明白なものにし,そしてイエスの行なつたごとく羊に対する深い愛を示さねばなりません。恐れずにすべての人に対して真理を語り,謙遜な人々を忍耐づよく援助しなければなりません。私たち自身と私たちの教えの両方に絶えず注意を払うなら,私たち自身および私たちの言葉を聞く者の両方を救うことになるでしよう。―テモテ前 4:16。
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「御心が地に成るように」(その38)ものみの塔 1960 | 7月15日
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「御心が地に成るように」(その38)
天の御父,エホバ神の御心が地上に行なわれるとき,すばらしい地的な祝福が人類に与えられます。西暦1914年以来,人類はこの悪い世界の組織制度の「終りの時」に生活しています。創造の日以来,人類がいままでに経験したことのないような苦しみの時に,終りは来ます。その近づきつつある終りについての警告を与えるため,めぐみ深いエホバ神は霊的な子どもの残れる者を地上に起こしました。それらの者たちは,エホバの聖所級です。なぜなら,エホバは聖所すなわち宮である彼らの中に,聖霊によつて住まわれるからです。エホバはこの残れる者をノアのごとき正義の伝道者にしました。ノアは,いまから4000年以上のむかし,当時の洪水前の悪い世が世界的な洪水で滅ぼされる,と警告しました。ノアとその妻,および彼らの3人の息子とその妻たちは,神の指示に従つてつくつた箱舟により,その洪水に生き残りました。
10,11 (イ)誰が,「他の羊」の大いなる群衆と共にハルマゲドンを生き残るよう期待しますか。(ロ)この期待を支持するものとして,彼らはペテロのどんな慰めの言葉に留意しますか。
10 息子とその妻たちと共に生き残つたノアの妻のごとく,聖所級の残れる者はエホバ神を崇拝する羊のごとき大いなる群衆と共に,洪水のごときハルマゲドンの滅びに生き残ることを期待しています。その群衆は,大いなるノア,イエス・キリストを通してエホバ神に全く献身しているのです。彼らは,使徒ペテロの慰めの言葉に留意しています。ペテロは,古い世の終りを述べて,それから悪魔の制度の天と地が火によつて焼き滅ぼされてしまうことになぞらえました。ペテロは次のごとく語りました,「その時の世界は,御言により水で,おおわれて滅んでしまつた。しかし,今の天と地とは,同じ御言によつて保存され,不信仰な人々がさばかれ,滅ぼさるべき日に火で焼かれる時まで,そのまま保たれているのである」。聖所級は,不敬虔にならず,聖所としての清さと神聖さを保つので,生き残ります。ペテロは,そのことを示すために,次の言葉をつけ加えました。
11 「天は燃えくずれ,天体は焼けうせてしまう。しかし,わたしたちは,神の約束に従つて,義の住む新しい天と新しい地とを待ち望んでいる。愛する者たちよ。それだから,この日を待つているあなたがたは,しみもなくきずもなく,安らかな心で,神のみまえに出られるように励みなさい。また,わたしたちの主の寛容は救のためであると思いなさい」。―ペテロ後 3:6,7,12-15,新口。
12 そのような仲間の生存者と共々に,大いなる群衆は,ノアとその家族が洪水直後に行なつたごとく,どんなことをすることができますか。
12 聖所級のこの残れる者と共々に生き残る「他の羊」の大いなる群衆は,清められた地上でエホバの崇拝を更新するすばらしい立場にいるでしよう。ちようど,ノアの息子たちとその妻たちが,洪水の直後,父母と共々にエホバ神に感謝と賛美を捧げたのと同じようです。
13 (イ)御心が天のごとく地にも行われるため,エホバは何を創造して設立しますか。(ロ)彼らはハルマゲドンを生き残りますが,どのように神の御座のまわりの「二十四人の長老」の一部になることを期待しますか。
13 天の御父の御心が,天のごとくこの地上でも行なわれるために,彼は約束し給うた新しい天と新しい地を創造して設立します。イエスが弟子たちに祈るようにと教えた天の御国は,約束された新しい天です。それは,イエス・キリストと聖所級に属する14万4000人の他の成員で構成されているものです。たしかに,「霊的な家」の残れる者は,ハルマゲドンに生き残つて,古い世が滅んだ後に「新しい地」をエホバの崇拝にささげると期待しています。しかし,彼らはまた新しい世でその地的な生涯を終え,神にささげる賛美と立証の犠牲として死ぬことを待ちのぞんでいます。彼らは死の眠りにつくことを期待せず,むしろ天の不滅の生命によみがえされる霊的の復活を直ちに受けて長なる共同相続者,イエス・キリストと共になることを期待しています。そこで彼らは,白い衣をつけ,王冠をかぶつて,エホバの御座のまわりにある王座にすわる「二十四人の長老」の中にはいります。(黙示 2:10,11; 20:6; 4:4。コリント前 15:42-54)彼らは,神の御心が成される「新しい地」を去ります。
14,15 ハルマゲドンを生き残る大いなる群衆だけが,この地上にいる「他の羊」ですか。正しい羊飼によるどんな取極めは,どう示していますか。
14 新しい地は,献身した「他の羊」で構成されます。正しい羊飼は,彼らのために犠牲の死を遂げました。(ヨハネ 10:14-16)古い世とその悪い天および悪い地の終りに生き残る他の羊は,ハルマゲドン後のこの新しい地の成員です。王国なる新しい天に変らぬ従順を保ちつづける彼らは,この地上で終りのない生命の権利を受け,決して死なないでしよう。
15 ハルマゲドンを生き残るこれらの人々が,「他の羊」の全部であるというわけではありません。これらの他の羊の中の多数の者は,ハルマゲドン前に死んでおり,記憶の墓の中で休んでいます。そのような他の羊の中には,ダニエルとか,キリスト教前の他のエホバの証者のような正しい人々が入つています。洗礼者ヨハネから,最初の殉教者アベルにいたるまでのエホバの証者が入つているのです。これらのすべての者のためにも,正しい羊飼はその魂を捨てられました。すなわちその生命を捨てたのです。御国の支配の下にあつて,予定の時が来ると彼らは地的な生命に回復されます。そのとき,「正しい者も正しくない者も,やがてよみがえる」からです。(使行 24:15,新口)ダニエル,ダビデそしてアベルのような正しい人々は,神の新しい世における新しい地の献身した一部にすぐなるでしよう。
16,17 (イ)どんな象徴により,使徒ヨハネは新しい世の設立を見ましたか。(ロ)「海もなくなつてしまつた」という彼の言葉を,どのように理解すべきですか。
16 使徒ヨハネは,恍惚とした象徴のうちに,新しい世の設立と,霊的な花婿なるキリストの支配する首都についての幻を見ました。ヨハネは,次のように述べています。「わたしはまた,新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り,海もなくなつてしまつた。また,聖なる都,新しいエルサレムが,夫のために着飾つた花嫁のように用意をととのえて,神のもとを出て,天から下つて来るのを見た」。(黙示 21:1,2,新口)天の御父の御心が地上で行なわれるためには,「海もなくなつてしまつた」。
17 この言葉から,生物の生命に肝要であるばかりでなく,この地球を太陽系の他の遊星と異ならせている大海がなくなつてしまい,7つの海に生殖繁茂している興味深いいろいろの植物や動物がなくなつてしまう,などと誤解すべきではありません! そのようなことはないのです。むしろ,人類の悪い要素は,もはやなくなつてしまうという意味です。この悪い要素から,ダニエルの見た4匹の獣は出てきて人類を掠奪しました。また,そこのところから7つの頭と10の角を持つ獣が出て,サタン悪魔の力をうけた目に見える支配制度としての働きもしました。(ダニエル 7:2,3。黙示 13:1,2)悪魔の制度バビロンによつて商業化され,海草とか泥のようなきたない物を出す,平和を持たぬ人々の群れは存在しません!―イザヤ 57:20,21。黙示 17:1,2,15。
18 なぜ新しい地は平和に満ちますか。
18 象徴的な「新しい地」は,神の是認をうける故に,平和です。「地の上では,み心にかなう人々に平和があるように」。(ルカ 2:14,新口)平和の君は,14万4000人の平和な者と共に新しい天で支配して,地上の平和を維持します。ハルマゲドンの最高潮のとき,彼はもとの蛇,サタン悪魔を砕いてしまいます。彼はサタンと悪鬼共を底のない所に1000年間投げこんでしまい,平和をかきみだして,滅びをもたらす悪行を禁じます。
19 (イ)この地に対する神の最初の目的は何でしたか。(ロ)これはハルマゲドンの後,誰の支配下でどのように遂行されますか。
19 それでは,この地に対する神の最初の目的は何でしたか。神の地的な子供たち ― その当時はアダムとエバ ― が完全な人類で地をみたし,地を治めてすべての下等動物を支配するということでした。(創世 1:26,28)神の御国がつくられて後は,神の御心のこの変らぬ部分も地上で成されねばなりません。ハルマゲドンの戦争を生き残る「他の羊」の大いなる群衆を用いることにより,神は正義の人種でこの地上をみたし始めます。ハルマゲドンを生き残る夫婦も,またハルマゲドンに生き残つてから結婚する独身者も,正義の子供を産みます。これらの子供たちは産まれて死ぬということはなく,御国の提供する地上での永遠の生命という機会を持つのです。「新しい地」で正義の心を持つ子供たちを産むことは,「永遠の父」の指導の下に行なわれます。彼は「最後のアダム」であり,栄光をうけた人の子です。「きたるべき世界」は,彼に従います。(イザヤ 9:6。コリント前 15:45。ヘブル 2:5。詩 8:4-8,新口)彼は大いなるノアです。人類家族の三大支脈から来る「他の羊」の大いなる群衆は,彼の象徴的な箱舟によつて,この悪い世の終りに生き残ります。―ペテロ前 3:20,21。
20,21 (イ)ハルマゲドンを生き残る大いなる群衆はどのようにこの地を治めますか。(ロ)御心が地上で行なわれるため,昔のどんな人々の場合と同じく,エホバは彼らのためにしますか。
20 地上のあらゆる場所には,「他の羊」および彼らによつて正しく訓練される子孫たちが存在します。彼らは神の御心を行ない,地を治め,そして下等動物を支配し始めます。最初の人類アダムとエバは,彼らの楽園,エデンの園を起点として,外部の全地を治め,楽園の状態,楽園の美をもたらすはずでした。ハルマゲドン後に「地を滅ぼす」者はみな滅ぼされます。地を建て直して,「これを耕させ,これを守る」ことを熱心にする人々だけが,残るでしよう。(黙示 11:18。創世 2:15,新口)他の羊と,羊のような性質を持つ彼らの子供たちは,天にいる「最後のアダム」の支配をうけ,「全地の君たち」と協同しながら,地を治める仕事をいたします。
21 時が経過するにつれて,全地は神の御国の祝福と導きの下に「エデンのように」「エホバの園」のようになります。(詩 45:16。イザヤ 51:3)昔のイスラエルがイスラエルの王であるエホバに従うなら,エホバは彼らのために次のことを行なうと同意いたしました。神は献身したこれらの羊のためにそのことを行なうでしよう,「ヱホバが汝に与へんと汝の先祖たちに誓ひたまひし地においてヱホバの汝の佳物すなはち汝の身の産と汝の家畜の産と汝の地の産とをゆたかにしたまふべしヱホバその宝の蔵なる天をひらき雨をその時にしたがひて汝の地にくだし汝の手のもろもろのわざにめぐみを給はん」(申命 28:11,12)エホバの御心は,全地が楽園となつたこの地上で必ず行なわれます。
22 エジプト内で215年にわたるイスラエル人のどんな経験から照らして見るとき,なぜハルマゲドンを生き残る「他の羊」は,多くの時間を要せずに増加して幾百万人にも達すると期待することができますか。
22 ずつと昔,忠実なヤコブとその家族70人は,エジプトにしばらくのあいだ滞在しました。215年間の年月中,後日のパロの圧制を受けたにもかかわらず,イスラエルの人々の数は幾百万にも達し,「こどもの外に徒にて歩める男六十万人ありき」(創世 46:26,27。出エジプト 1:1-5,12; 12:37)ハルマゲドンの後には,70人だけでなく,幾十万人という「他の羊」がおそらく生き残るでしよう。これらの者たちは,正義の子孫で地をみたし始めます。パロの行なつたような悪魔的な圧制もなく,神の御国の祝福をうける70人以上の「他の羊」の生残者は,多くの時間を要せずに子孫をふやして幾百万人という数になるでしよう。従順な者はひとりとして死なないでしよう。
23 (イ)どのように,そしてなぜ「終りのアダム」は,生き残る「他の羊」をして,人口が過剰になるとか,地上の人口を十分一杯にすることをゆるしませんか。(ロ)いつ正しいことを行なつた昔の人々は出てきますか。正しくない者は,何をうけるために出てきますか。
23 適当な時がくると,栄光をうけた人の子,「最後のアダム」は,出生を中止させます。ハルマゲドン生存者たちによつて地上の人口が過剰になる,ということを彼はゆるしません。人口が十分一杯になるということも彼はゆるしません。なぜですか。なぜなら,彼は御自分の次の言葉を成就するからです,「死んだ人たちが,神の子の声を聞く時が来る。…そして聞く人は生きるであろう。記憶の墓にいる者がみな彼の声を聞いて出て来る時がくる。善を行なつた者は,生命に復活し,悪を行なつた者は裁きに復活するであろう」。(ヨハネ 5:25,28,29,新世)ダニエル,アブラハム,イサク,ヤコブ,モーセそしてダビデ王のように,善いことを行なつた昔の人々,およびハルマゲドン前のいま死ぬ羊のような人々は,記憶の墓から出てくるでしよう。それは,恐らく144,000人の共同相続者とともに行なうイエス・キリストの千年統治期間中の初期になされます。(ルカ 20:35-38。ヘブル 11:2,39,40)使徒パウロは,このことと一致調和する次の言葉を語りました,「正しい者も正しくない者も,やがてよみがえる」(使行 24:15,新口)正しくない者たち,すなち以前に悪いことを行なつた者たちは,さばきをうけるために復活させられます。それらの人々は御国の支配する地上の永遠の生命という機会を持つためにきます。これらの者たちが地上で住むのに十分な余地が設けられねばなりません。こうすることによつて,地上の人口はいつぱいになり,その人口の稠密さとひろがりは快い適当なものとなります。
24 キリストの千年統治はどんな種類の日ですか。なぜ詩編 96篇と98篇は,それがそのような日である故によろこべと,私たちに告げていますか。
24 キリストの千年統治は,さばきの日です。(ペテロ後 3:7,8。使行 17:30,31)しかし,詩篇 96篇12,13節および98篇8,9節は,エホバが正義と忠節をもつて人々をさばくために来るゆえ,よろこびのうちに叫び呼ばわれと地に命じています。エホバがイスラエルの王であつた昔,エホバは必要に応じてさばき人を起こしました。さばき人は,イスラエル人を敵から救い,彼らを偽りの崇拝から引き戻して王なる神の真の崇拝に復興させました。(シシ 2:18)それで,エホバは王なるイエス・キリストをさばき人にし,地上の全住民が受けついできた弱さと不完全さという状態から彼らを救い出します。彼は従順な信者たちに御自分の完全な人間としての犠牲の価値を適用し,彼らが身体的にも,精神的にも,また霊的にも完全になるように取りはからいます。悪を行なつても復活をうける幾十億という人々が「海」を形成して,地上の悪い制度を発展させることは,彼の許し給うところではありません。彼は,彼らが進歩して人間としての完全さに達するよう裁きます。かくして,彼らは地的楽園で全き幸福のうちに永久に住むにふさわしい者と証明するでしよう。―イザヤ 11:1-9。
25 向上をはかる裁きに反抗する者たちには,何が為されますか。それで,1000年が終るまでには,地上に生きているすべての人の状態は,どのようなものですか。
25 1000年の「裁きの日」の期間中,向上をはかるさばきに反抗し,そして心かたくなにも神の御心に従つて行なうことを拒絶する正しくない者は,それからの機会を持つにはふさわしくない者として主イエス・キリストにより処刑されてしまうでしよう。それらの者は,正義の心を持つ「他の羊」に反対するつまづきの石であつて,聖なる楽園,エデンのごとき聖所を汚すことはゆるされません。彼らは,永遠の完全な滅びである「第二の死」の罰をうけます。それで1000年の終りまでには,全地の楽園に住むすべての者は,アダムとエバが創造されてエデンの園に置かれたときと同じように完全な人間となります。その時までには黙示録 21章3,4節(新口)の預言は実現します,「神自ら人と共にいまして,人の目から涙を全くぬぐいとつて下さる。もはや,死もなく,悲しみも,叫びも,痛みもない。先のものが,すでに過ぎ去つたからである」。
26 そのときには,その御国について何が為されますか。同時に誰が現われますか。
26 そのときキリストの千年統治は終り,「キリストは…国を父なる神に渡されるのである。なぜなら,キリストはあらゆる敵をその足もとに置く時までは,支配を続けることになつているからである。最後の敵として滅ぼされるのが,死である」。神に国を渡すということは,「神がすべての者にあつて,すべてとなられるため」であります。(コリント前 15:24-28,新口)しかし,人間が完全になつて完全な楽園が実現するとき,サタン悪魔と悪鬼共は現われてきます。底のないところで過した1000年の終りになつて,悪魔が「しばらくの間だけ解放される」のは神の御心です。(黙示 20:1-3,7)それで,これらの悪い霊者たちが解放されるのは,その時に行なわれるにちがいありません。なぜ? びつくりしてそう尋ねられるでしよう。
27 エデンでの人間の始まりのとき,何がゆるされましたか。復興した園内の完全な人間について,いま何が決定されねばなりませんか。
27 人類の始まりであるアダムとエバは,もとの蛇,サタン悪魔によつて試験されました。それと同様に,将来の地的な楽園聖所に住む完全な全人類は,最終の決定的な試験をうけねばなりません。楽園内での永遠の生命という贈物をうけるすべての人が,上の天にいる忠実な御使たちが成しているように,この地上で神の御心を永久に行なうことをたしかめるため,永遠の王は完全になつたこれらの人々を決定的な試験にかけねばなりません。彼らはいま直接彼の手中にあります。
28 サタンはどんな疑問を論争点としますか。各人はそれぞれどんな決定を下しますか。
28 そのわけで,「サタンはその獄から解放される。そして,出て行き,地の四方にいる諸国民…を惑わし」彼は地上を支配するエホバ神の御国に敵対して戦います。彼が論争点とならせる疑問は,エホバの宇宙主権がこの楽園の地に及ぶかどうか,という点に関連します。彼と悪鬼共が,完全な人間をどのように惑わすかは,知らされていません。彼がどんな試みをなそうとも,各人はいつでもエホバの宇宙主権に全く従つているかどうかを決定しなければなりません。各人はキリストを通し,神に対するその献身を永遠に守りますか。
29 どの位の数の者が惑わされますか。彼らには何が生じますか。またサタンと悪鬼共には何が生じますか。
29 利己的な気持から惑わされる人の数は,海辺の砂のごとく不定のものです。そのようなものはみんな完全に滅ぼされてしまい,火と硫黄の池に投げこまれるのと同じようになります。かつて天からの火が,ソドムとゴモラに降つて復旧不可能までに滅ぼしたのと同様です。彼らは「第二の死」をうけます。それは,イエス・キリストが滅ぼさない死です。(黙示 20:7-9,14,15)それから,「しばらくのあいだ」ゆるされたことの目的を果したサタン悪魔と悪鬼共は,同じ火と硫黄の池「悪魔とその使たちとのために用意されている永遠の火」で永久に消えうせてしまいます。(黙示 20:10。マタイ 25:41,新口)ハレルヤ! 蛇とその目に見えるすえ,および目に見えないすえは,ついにその頭が砕かれて永遠の滅亡をうけます。それらのものは天と地から,永久にいなくなるのです!
30 誰がこの最終の試験を通過しますか。最高の裁き主は,どのように是認を示しますか。是認をうけた者には,どんな結果が生じますか。
30 その心を全き状態に保つ者たちは,このきびしい試験を通過します。これらの者たちが朽ちることのない忠節と専心の献身を捧げる,ということは十分に証明されました。それで,最高の裁き主エホバは,忠実を保つこれらの者に対してよろこびの是認を与えます。エホバは彼らを義とされます。すなわち彼らを完全に正義な者と述べられます。これらの者は,「最初の人アダム」の例に従わず,「最後のアダム」すなわち愛された「永遠の父」イエス・キリストの模範に従いました。エホバ神は彼らを正しい者と言明すると共に,永遠の生命の賜物およびその権利を与えます。彼らはエホバの新しい世でその楽園を永遠に楽しむでしよう。そして,天で行なわれるように,この地上でエホバの御心を行ないます。―ロマ 8:33; 6:23。
31 それで,神の御子の教えたどんな祈りは,あますところなく答えられますか。
31 最初からのエホバの変らぬ目的によると,彼の聖にして愛にみちる完全な御心は,「天に行われるとおり,地にも行われ」ます。神の愛する御子が,祈るようにと私たちに教えた祈りは,あますところなく答えられます。
(次号につづく)
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英領ホンジュラスで忠実は勝利を得るものみの塔 1960 | 7月15日
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英領ホンジュラスで忠実は勝利を得る
ひとりの若いカトリックの婦人は,「目ざめよ!」の記事を読んで興味を感じ,「失楽園から復楽園まで」の本で聖書研究の取極めを設けました。いちばん初めから注意深く研究することは,それから後のつらい試練を乗り切る際にたいへん役立ちました。第1に,その人と許婚の関係であつた男の人は,結婚かこの宗教かそのどちらかを得ばねばならないと告げました。この婦人は,自分の学んでいることが永遠の生命を意味するものであると知つたので研究をつづけました。次に彼女の両親は,家から追い出すと脅しました。次には修道院に呼び出されて,尼僧たちは彼女の研究をさんざんに嘲笑しました。この後,牧師が彼の家に来て,勇気をくじこうとしました。しかし,この婦人は研究を良くして,あらゆる攻撃にもしつかり耐え忍びました。地域大会が発表されたとき,彼女は出席を計画しました。そのところで,失なつた古い世の友のかわりに多数の新しい友を得ました。―1960年度のエホバの証者の年鑑(英文)から
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