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「真理を買え。それを売ってはならない」ものみの塔(研究用)2018 | 11月
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「真理を買え。それを売ってはならない」
「真理を買え。それを売ってはならない ― 知恵と懲らしめと理解を」。箴言 23:23
1,2. (イ)わたしたちにとって一番大切なのは何ですか。(ロ)どんな真理を大切にしていますか。なぜですか。(冒頭の写真と挿絵を参照。)
あなたにとって一番大切なものは何ですか。それを何かと交換したいと思いますか。エホバに献身したわたしたちにとって,一番大切なのはエホバとの関係です。他のどんなものとも交換したいとは思いません。聖書の真理も大切です。それによって,天の父エホバとの友情を築けたからです。(コロ 1:9,10)
2 偉大な教訓者エホバは聖書を通してどんなことを教えてくださいましたか。ご自分の意味深い名前や素晴らしい特質を明らかにされました。人類を深く愛し,イエスを贖いとして地に遣わしたことも教えてくださいました。メシアの王国についても知らせ,油そそがれた人たちには天的な希望を,「ほかの羊」には地上のパラダイスで生きる希望を与えておられます。(ヨハ 10:16)クリスチャンとしてどのように行動すべきかも教えてくださっています。わたしたちはこうした真理を大切にしています。創造者との親しい関係を築き,充実した生活を送ることができるからです。
3. エホバは真理と引き換えにお金を求めますか。
3 エホバは,真理を求める人に良いものを惜しみなく与えてくださいます。愛する子イエスの命をさえ無償で与えてくださいました。神は真理と引き換えにお金を求めたりはされません。他の人に聖霊を与える権威を手に入れたかったシモンは,使徒ペテロにお金を渡そうとしました。その時,ペテロはシモンを叱責し,こう述べました。「あなたの銀はあなたと共に滅びてしまうように。あなたは神の無償の賜物を金銭によって手に入れようと考えたからです」。(使徒 8:18-20)
真理を「買[う]」とはどういう意味か
4. この記事ではどんなことを学びますか。
4 箴言 23:23を読む。聖書の真理を知るには努力が必要です。どんな犠牲でも進んで払う気持ちがなければなりません。箴言の筆者は,「真理」をひとたび「買[った]」なら,「売ってはならない」,つまり手離してはならないと述べています。では,真理を「買[う]」とはどういう意味か,何を支払う必要があるかを考えましょう。そうすれば,真理の大切さがいっそうよく分かり,決して「売っ[たり]」しないという決意が強まります。真理を買うことには,犠牲をはるかに上回る価値があることも学べます。
5,6. (イ)真理を買うのにお金は要りませんが,何は必要ですか。例えで説明してください。(ロ)真理を買うなら,どんな良い結果が得られますか。
5 箴言 23章23節の「買[う]」というヘブライ語には「手に入れる」という意味もあります。これらの言葉には,価値のある物を得るために努力したり,代わりに何かを渡したりするという意味合いがあります。ただの物を手に入れるのにも努力が必要です。例えば,ある店が「バナナ無料」と宣伝したとします。でも,そのバナナは自動的に食卓に届くわけではありません。バナナはただですが,時間を取って店に取りに行かなければならないのです。真理を買うのにもお金は要りません。でも,手に入れるためには努力が必要です。
6 イザヤ 55:1-3を読む。この聖句を読むと,真理を買うとはどういうことかがよく分かります。エホバは,ご自分の言葉を水や乳やぶどう酒に例えておられます。エホバの言葉は,きれいな冷たい飲み水のように,人をさわやかにします。また,栄養豊かで子どもを成長させる乳のように,わたしたちの信仰を養い,成長させます。エホバの言葉はぶどう酒にも似ています。聖書はぶどう酒を喜びと結びつけています。(詩 104:15)エホバは「ぶどう酒……を買え」と述べることにより,ご自分の言葉に従って生活するなら喜びが得られると保証しておられます。(詩 19:8)神の言葉の真理を学び,当てはめるなら,素晴らしい結果が得られるのです。必要なのは努力です。では,真理を買うためにどんな努力が必要でしょうか。5つの点を取り上げましょう。
真理を買うために必要なこと
7,8. (イ)真理を買うために時間が必要なのはなぜですか。(ロ)ある女性はどんな犠牲を進んで払いましたか。どんな結果になりましたか。
7 時間。真理を買う人は皆,時間を費やさなければなりません。王国のメッセージを聞き,聖書や出版物を読み,個人研究を行ない,予習をして集会に出席するには,時間がかかります。あまり重要ではない事柄から時間を「買い取[る]」必要があります。(エフェソス 5:15,16を読む。)聖書の基本的な教えについての正確な知識を得るのに,どれくらいの時間が必要でしょうか。比較的短期間で学べる人もいれば,もっと多くの時間がかかる人もいるでしょう。でも,エホバの知恵や道や行ないについて学べることには限りがありません。(ロマ 11:33)「ものみの塔」の創刊号は,真理を「一輪の目立たない小さな花」に例え,こう述べています。「ただ一輪の真理の花に満足してはならない。満足してしまうなら,それ以上のものを得ることはできない。さらに集め,さらに多くを求めよ」。こう自問してください。「わたしの真理の花束はどれほど大きなものだろうか」。時間がいくらあっても,エホバについて学ぶことには終わりがありません。大切なのは,今ある時間を賢く使い,状況の許す限り多くの真理を買うことです。では,実際にそのようにした人の例を考えましょう。
8 日本の真理子aという若い女性は米国ニューヨーク市の学校に留学していた時,家から家の奉仕で訪ねて来た姉妹に会いました。真理子は宗教を持っていましたが,聖書の真理を知ってとてもうれしくなり,週に2回レッスンしてもらうことにしました。学校は忙しく,パートタイムの仕事もしていましたが,すぐに集会に出席し始めました。真理を学ぶ時間を買い取るため,友人との付き合いも減らしました。そのような犠牲を払った結果,信仰がどんどん強まり,1年足らずでバプテスマを受けました。半年後の2006年には開拓奉仕を始めました。今も開拓者として熱心に奉仕しています。
9,10. (イ)真理を買うためには,お金や物に対してどんな見方をする必要がありますか。(ロ)ある若い女性はどんな夢を捨てましたか。そのことについてどう感じていますか。
9 お金や物。真理を買うために,お金になる仕事をやめた人もいます。漁師のペテロとアンデレはイエスから「人をすなどる者」になるよう勧められた時,「網を捨て」ました。(マタ 4:18-20)もちろん,真理を学ぶ人が皆,すぐに仕事をやめるわけではありません。家族を養うという聖書的な責任があるからです。(テモ一 5:8)しかし,お金や物に対する見方を変え,優先順位を見直す必要があるかもしれません。イエスもこう述べました。「自分のために地上に宝を蓄えるのをやめなさい。……むしろ,自分のために天に宝を蓄えなさい」。(マタ 6:19,20)ある若い女性の例を考えましょう。
10 マリアは小学校に入る前からゴルフをして遊んでいました。高校時代にはみるみる腕を上げ,大学の奨学金をもらえることになりました。マリアにとってゴルフは人生であり,プロゴルファーになってお金を稼ぐことが夢でした。そんな時,聖書を学び始め,素晴らしい真理だと思いました。生き方を変え,深い喜びを味わいました。こう言います。「自分の見方や生き方を聖書の規準に合わせれば合わせるほど幸せになれました」。マリアは,お金や物を追求しながらエホバに仕えることはできない,ということにも気づきました。(マタ 6:24)プロゴルファーになってお金や名声を得るという夢を捨て,真理を買うことを選び,今では開拓奉仕をしています。「最高に幸せで充実した生き方をしています」と述べています。
11. 真理を買うと,友人や親族との関係はどうなるかもしれませんか。
11 友人や親族との関係。聖書の真理に従って生きることを選ぶと,友人や親族との関係が変化するかもしれません。なぜでしょうか。イエスは弟子たちについてこう祈りました。「真理によって彼らを神聖なものとしてください。あなたのみ言葉は真理です」。(ヨハ 17:17)「神聖なものと[する]」という表現には,「取り分ける」という意味もあります。真理を受け入れると,世から取り分けられます。世の型に合わせることをやめるからです。人々は,価値観が変化したわたしたちを以前とは異なる目で見るかもしれません。わたしたちは聖書の真理という規準に従って生きているのであり,分裂を引き起こそうとしているわけではありません。でも,友人や親族の中には,距離を置いたり反対したりする人がいるかもしれません。これは驚くには当たりません。イエスは「実際,人の敵は自分の家の者たちでしょう」と述べました。(マタ 10:36)そして,どんな犠牲を払うとしても,真理を買うならはるかに大きな報いが得られるとも保証しました。(マルコ 10:28-30を読む。)
12. あるユダヤ人の男性は,真理を買うためにどんな犠牲を払いましたか。
12 アーロンというユダヤ人のビジネスマンは若いころ,神の名前を口にすべきではないと教えられました。でも,真理を知りたいと思っていました。ある時,エホバの証人から,神の名前を表わすヘブライ語の4つの子音を母音符号と組み合わせると「エホバ」と発音できる,と聞きました。驚いたアーロンは,はやる気持ちでユダヤ教の会堂に行き,ラビにそのことを話しました。でも,期待したような反応は返ってきませんでした。一緒に喜んでくれるどころか,つばをかけられ,追い出されたのです。家族からも反対されました。それでも恐れずに真理を買い,生涯エホバの証人として奉仕しました。アーロンのように真理に従って歩もうとすると,社会的な立場を失ったり,家族関係にひびが入ったりするかもしれません。あなたはそのような犠牲を進んで払いますか。
13,14. 真理を買うためには,どのように考え方や行ないを変える必要がありますか。例を挙げてください。
13 神に喜ばれない考えや行ない。真理を受け入れ,聖書の道徳規準に従って生きるには,考え方や行ないを変えなければなりません。ペテロはこう述べています。「あなた方は従順な子供として,以前無知であったために抱いた欲望にそって形作られるのをやめ,……すべての行状において聖なる者となりなさい」。(ペテ一 1:14,15)不道徳な都市コリントの人々にとって,真理を買うことは,生き方を大きく変えることを意味していました。(コリ一 6:9-11)今日でも多くの人は,真理を買うために,神に喜ばれない行ないをやめました。ペテロは当時のクリスチャンにこうも述べました。「過ぎ去った時の間,あなた方は,みだらな行ない,欲情,過度の飲酒,浮かれ騒ぎ,飲みくらべ,無法な偶像礼拝に傾いていましたが,諸国民の欲するところを行なうのはそれで十分……です」。(ペテ一 4:3)
14 デビンとジャスミンは長年,酒浸りの生活をしていました。デビンは簿記の仕事をしていましたが,お酒の問題のために長続きしませんでした。ジャスミンは気性が荒く,乱暴なことで知られていました。ある日,ジャスミンが酔って町を歩いていると,2人のエホバの証人の宣教者に会い,聖書レッスンを勧められました。翌週,宣教者たちが約束どおりデビンの家に行くと,デビンもジャスミンも酔っ払っていました。まさか本当に家に来るとは思っていなかったのです。その後,2人は心を入れ替え,まじめに聖書を勉強し,学んだことを当てはめるようになりました。3か月でお酒をやめ,正式に結婚しました。2人の変化は村の人たちに知れ渡り,多くの人が聖書を学ぶようになりました。
15. 真理を買ううえで特に難しいのはどんなことですか。なぜですか。
15 聖書に反する慣行。真理を買ううえで特に難しいのは,聖書に反する慣行をやめることです。聖書を学び,そうした慣行が正しくないことをすぐに認める人もいます。でも,家族や同僚や友人からの反対を恐れ,聖書に反すると分かってはいてもやめられないと感じる人は少なくありません。特に,亡くなった親族のための儀式や慣行の場合,周りの人は感情的になるかもしれません。(申 14:1)勇気を示して変化した人の手本は励みになります。1世紀のエフェソスの人たちについて考えましょう。
16. エフェソスには,真理を買うためにどんなことをした人がいましたか。
16 エフェソスでは多くの人が魔術を行なっていました。真理を買うため,以前に行なっていた魔術をやめ,改宗した人たちもいました。どんなことをしたでしょうか。聖書にはこうあります。「魔術を行なっていたかなり大勢の者が自分たちの本を持ち寄って,みんなの前で燃やした。そして,それらの値を計算してみると,合わせて銀五万枚になることが分かった。このようにして,エホバの言葉は力強く伸張し,また行き渡っていった」。(使徒 19:19,20)彼らは大きな犠牲を払いましたが,豊かな祝福を得ました。
17. (イ)真理を買うために,どんな努力を払う必要がありますか。(ロ)次の記事ではどんなことを考えますか。
17 あなたは真理を買うために,どんな努力を払いましたか。わたしたちは皆,真理という花を集めるために時間を費やしています。お金や物を犠牲にする人もいます。真理に従うことを選んだために,友人や親族との関係が変化した人もいます。多くの人は考え方や行ないを変え,聖書に反する慣行をやめなければなりません。どんな犠牲を払うとしても,聖書の真理にはずっと大きな価値があります。エホバとの親しい関係という一番大切なものを得られるからです。真理を知ることによって得られる祝福について考えると,それを売ろうとする人がいるのが不思議に思えます。なぜそのようなことをするのでしょうか。どうすればそのような大きな間違いを避けられますか。次の記事で考えましょう。
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「わたしはあなたの真理によって歩みます」ものみの塔(研究用)2018 | 11月
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「わたしはあなたの真理によって歩みます」
「エホバよ,あなたの道をわたしに教え諭してください。わたしはあなたの真理によって歩みます」。詩編 86:11
1-3. (イ)聖書の真理をどれほど大切にすべきですか。例えで説明してください。(冒頭の写真と挿絵を参照。)(ロ)この記事ではどんな点を考えますか。
あなたは購入した物を返品したことがありますか。ある調査によると,店舗での購入品の9%近く,オンラインでの購入品の30%以上が返品されています。購入した人は,品物が期待外れだった,欠陥品だった,気に入らなかったという理由で,交換や返金を求めます。
2 商品を返品することはあるとしても,自分の「買[った]」聖書の真理の「正確な知識」を返品したり「売っ[たり]」したいとは思いません。(箴言 23:23を読む。テモ一 2:4)前の記事で学んだように,わたしたちは多くの時間を費やして真理を手に入れました。お金になる仕事をやめたり,考え方や行ないを変えたり,聖書に反する慣行をやめたりしたかもしれません。友人や親族との関係が変化した人もいます。でも,犠牲をはるかに上回る祝福を得ることができました。
3 イエスはりっぱな真珠を探し求める旅商人の例えを話しました。旅商人はとても価値のある真珠を見つけると,自分の持つすべてのものを「即座に売り」,それを買いました。イエスはこの例えで,神の王国の真理が,それを探し求める人にとってどれほど貴重かを教えました。(マタ 13:45,46)わたしたちも神の王国や他の素晴らしい事柄に関する真理を学んだ時,進んで犠牲を払ってそれを手に入れました。真理の価値を認めている人は,それを「売っ[たり]」しません。しかし残念なことに,クリスチャンの中には,せっかく手に入れた真理の価値を見失い,売ってしまった人がいます。そのようなことは決してしたくありません。「真理のうちを歩みつづけ……る」必要があります。(ヨハネ第三 2-4を読む。)真理のうちを歩むとは,真理に沿って生きることです。生活の中で真理を第一にし,真理に調和して行動しなければなりません。では,これから3つの点を考えましょう。ある人たちはなぜ,どのように真理を「売って」しまいますか。どうすればそのような間違いをしないですみますか。「真理のうちを歩みつづけ……る」決意をどのように強めることができますか。
なぜ,どのように真理を「売って」しまうか
4. 西暦1世紀,ある人たちが真理を「売って」しまったのはなぜですか。
4 西暦1世紀,イエスの教えに最初は良い反応を示したものの,真理のうちを歩み続けなかった人たちがいました。例えば,イエスから奇跡的に食べ物を与えられた大勢の人は,ガリラヤの海の向こう岸までイエスに付いて行きました。イエスはそこで彼らが驚くようなことを言います。「人の子の肉を食べず,その血を飲まないかぎり,あなた方は自分のうちに命を持てません」。彼らはイエスにその意味を説明してほしいとお願いすることもなく,気分を害してこう言います。「この話はひどい。だれがこれを聴いていられようか」。その結果,「弟子のうち多くの者が後ろのものに戻って行き,もはや彼と共に歩もうとはし[ません]」でした。(ヨハ 6:53-66)
5,6. (イ)ある人たちが真理を手離してしまったのはなぜですか。(ロ)どのように真理から漂い出る人もいますか。
5 残念ですが,今日でもある人たちは真理を手離してしまいました。聖句についての新しい理解を受け入れられなかった人や,重い責任を持つ兄弟の言動につまずいた人がいます。聖書に基づく助言を受けて気分を害した人もいます。兄弟姉妹との不和が原因で真理を離れた人もいます。背教者や反対者の教えを受け入れた人もいます。理由は様々ですが,ある人たちはエホバと会衆から自分の意志で「離れ」ていきました。(ヘブ 3:12-14)そうした人たちはペテロのような信仰と確信を保つべきでした。イエスから,去って行きたいと思っているのか尋ねられた時,ペテロはすぐにこう答えました。「主よ,わたしたちはだれのところに行けばよいというのでしょう。あなたこそ永遠の命のことばを持っておられます」。(ヨハ 6:67-69)
6 真理から徐々に離れていった人もいます。知らず知らずのうちに離れてしまったのかもしれません。その人は岸からゆっくり離れていくボートのようです。「流され」て,真理から漂い出てしまうのです。(ヘブ 2:1)真理から漂い出る人は,自分の意志で真理から離れるわけではありません。でも,エホバとの関係が弱まり,やがて失われてしまいます。どうすればそうしたことを避けられるでしょうか。
真理を売らない
7. どうすれば,真理を売らないようにすることができますか。
7 真理のうちを歩むには,エホバの言葉をすべて受け入れなければなりません。真理を生活の中で第一にし,聖書の教えに従って生活する必要があります。ダビデ王はエホバへの祈りの中で,「わたしはあなたの真理によって歩みます」と述べました。(詩 86:11)ダビデは強い決意を抱いていました。わたしたちも真理のうちを歩み続けることを固く決意すべきです。そのような決意がないと,真理のために手離したものが惜しくなり,その幾らかでも取り戻したいと思うかもしれません。でも,真理のある部分を受け入れ,ある部分を無視することなどできません。「真理の全体」のうちに歩まなければならないのです。(ヨハ 16:13)前の記事では,真理を買うために様々な犠牲を払う必要があることを学びました。この記事でも5つの点を取り上げ,どうすれば逆戻りしないようにできるかを考えましょう。(マタ 6:19)
8. 真理から漂い出ないために,時間を賢く使うことが大切なのはなぜですか。例を挙げてください。
8 時間。真理から漂い出ないためには,時間を賢く使うことが大切です。注意しないと,趣味や遊びやインターネットやテレビにかなりの時間を費やしてしまうかもしれません。それ自体悪いものではなくても,個人研究や宣教の時間が減ってしまいます。エマという姉妹の例を考えましょう。a エマは若いころから馬が大好きで,時間を見つけては乗馬をしていました。でもそのうちに,趣味ばかりに時間を使っていてはいけない,と思うようになりました。スケジュールを見直し,趣味に使う時間を減らしました。以前にロデオをしていたコリー・ウェルズの経験も励みになりました。b 今ではもっと多くの時間をクリスチャンの活動に充て,家族や会衆の兄弟姉妹と過ごしています。エホバとの関係も深まったと感じ,時間を賢く使っていることをうれしく思っています。
9. お金や物に対するバランスの取れた見方が大切なのはなぜですか。
9 お金や物。真理のうちを歩み続けるには,お金や物に対するバランスの取れた見方が必要です。わたしたちは真理を学び,エホバへの奉仕がお金や物よりもずっと大切であることを知りました。真理のうちを歩むため,お金や物を進んで犠牲にしました。しかし,時たつうちに,他の人が最新の電子機器などを買っているのを見て,自分が損をしていると感じるようになるかもしれません。必要物で満足せず,エホバに仕えることより物を買うことに一生懸命になるかもしれません。1世紀のデマスは「事物の体制」を愛し,使徒パウロと共に奉仕するのをやめてしまいました。(テモ二 4:10)神への奉仕よりもお金や物を愛するようになったのでしょうか。パウロと奉仕するためにいろいろな犠牲を払いたくないと思ったのでしょうか。聖書には述べられていません。いずれにせよ,わたしたちは,お金や物に対する欲望を募らせて真理への愛を失うことのないようにしましょう。
10. 真理のうちを歩み続けるには,どんな圧力に抵抗しなければなりませんか。
10 友人や親族との関係。真理のうちを歩み続けるには,周囲からの圧力に負けないようにしなければなりません。真理のうちを歩み始めた時,エホバの証人ではない友人や家族との関係は変化しました。信仰を尊重してくれた人もいれば,あからさまに反対した人もいるでしょう。(ペテ一 4:4)わたしたちは,家族と良い関係を保ち,親切に接するよう努力しますが,家族を喜ばせるためにエホバの規準を無視したりはしません。また,コリント第一 15章33節のアドバイスに従い,エホバを愛する人とだけ親しい友情を築きます。
11. どうすれば神に喜ばれない考えや行ないを避けられますか。
11 神に喜ばれない考えや行ない。真理のうちを歩む人は皆,聖なる者でなければなりません。(イザ 35:8。ペテロ第一 1:14-16を読む。)真理を学んだ時,わたしたちは聖書の規準に従うために変化を遂げる必要がありました。非常に大きな変化を遂げなければならなかった人もいます。わたしたちは,清い生き方を捨てて不道徳な生き方をしたいとは思いません。どうすれば不道徳な行ないを避けられるでしょうか。エホバがわたしたちを聖なる者とするために払われた大きな犠牲について考えるとよいでしょう。ご自分の子イエス・キリストの貴重な血を与えてくださったのです。(ペテ一 1:18,19)エホバの前で清い立場を保つため,イエスの贖いの犠牲の価値を決して忘れないようにしましょう。
12,13. (イ)祝祭日についてエホバと同じ見方をすることが大切なのはなぜですか。(ロ)これからどんなことを考えますか。
12 聖書に反する慣行。家族や同僚やクラスメートから,誕生日のパーティーや祝祭日の行事に参加するよう誘われることがあるかもしれません。どうすれば,そのような圧力に抵抗できるでしょうか。エホバがそうした慣行をどうご覧になるかをよく理解することが大切です。祝祭日の起源を説明した出版物を調べるとよいでしょう。参加しない聖書的な理由をよく考えてください。そうすれば,「主に受け入れられる」歩みをしているという確信を抱けます。(エフェ 5:10)エホバと聖書を信頼するなら,「人に対するおののき」に負けることはないでしょう。(箴 29:25)
13 真理のうちを歩むことは,永遠に続く継続的な過程です。どうすれば真理のうちを歩み続ける決意を強められるでしょうか。3つの方法を考えましょう。
真理のうちを歩み続ける決意を強める
14. (イ)聖書の真理を学び続けるなら,真理を売ったりしないという決意が強まります。なぜそう言えますか。(ロ)知恵と懲らしめと理解が大切なのはなぜですか。
14 第1に,聖書の貴重な真理を学び続け,黙想することです。定期的に時間を取って学ぶことにより,真理を買いましょう。真理に対する愛が深まり,決して売ったりしないという決意が強まるでしょう。箴言 23章23節によると,真理に加え「知恵と懲らしめと理解」を買うことも大切です。聖書の真理を知っているだけでは不十分です。生活に当てはめなければなりません。理解があれば,学んでいる事柄をすでに知っている事柄と結びつけることができます。知恵があれば,知っている事柄に基づいて行動することができます。真理によって懲らしめ,つまり矯正を受け,どんな変化を遂げるべきかを教えられることもあります。そうした矯正をすぐに受け入れましょう。それは銀よりもずっと大きな価値があります。(箴 8:10)
15. 真理のベルトはわたしたちをどのように保護しますか。
15 第2に,毎日真理に調和して生活するよう固く決意することです。真理の帯つまりベルトを腰に巻きましょう。(エフェ 6:14)聖書時代,兵士のベルトは腰や内臓を支え,守りました。ベルトはしっかり締めなければなりませんでした。緩んでいては保護にならなかったからです。真理のベルトもわたしたちを保護します。しっかり締めていれば,誤った考え方を避け,良い決定を下すことができます。誘惑や試練に遭う時,正しいことを行なう決意を強めてくれます。兵士は必ずベルトを付けて戦いに出かけました。わたしたちも,真理のベルトを緩めたり外したりしないよう,固く決意する必要があります。しっかりと身に着け,真理に調和した生活をしなければなりません。また,兵士のベルトのホルダーには剣が差し込まれていました。これは次の点と関係があります。
16. 他の人に真理を教えると,自分が真理のうちに歩み続ける決意も強まります。なぜですか。
16 第3に,聖書の真理を他の人に教えるためにベストを尽くすことです。真理の剣である「神の言葉」をしっかりつかんでください。(エフェ 6:17)わたしたちは皆,「真理の言葉を正しく扱う」ために,教えるスキルを向上させる必要があります。(テモ二 2:15)聖書を使って教えるなら,自分の心にも神の言葉が刻まれ,真理への愛が深まります。真理のうちに歩み続けたいという決意も強まります。
17. 真理があなたにとって大切なのはなぜですか。
17 真理はエホバからの貴重な贈り物です。この贈り物のおかげで,天の父エホバとの親しい関係という一番大切なものを得ることができます。エホバがこれまで教えてくださったことは,ほんの始まりにすぎません。神はこれからも永遠に真理を教えると約束しておられます。真理をりっぱな真珠のように大切にしましょう。「真理を買え。それを売ってはならない」というアドバイスに従い続けてください。そうすればダビデのように,「わたしはあなたの真理によって歩みます」という約束を果たせるでしょう。(詩 86:11)
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