神にずっと愛される

1，2. 神にずっと愛されるために，どうすることが大切ですか。

私たちはみんな健康でいたいと思っています。元気でいるために，食事に気を付け，運動し，体調をしっかり管理します。簡単なことではありませんが，そうやって良い習慣を心掛けます。でも，他にも気を配りたいことがあります。

² それは，自分とエホバの絆がどうなっているかです。私たちはこれまでエホバのことを知って友情を育ててきました。でも，友情をもっともっとしっかりしたものにしていきたいと思います。ユダは，「神に愛され続けるため」にどうしたらよいかを教えました。「極めて聖なる信仰によって自分を力づけ……てください」と言っています。（ユダ 20，21）では，信仰を強くするにはどうしたらよいでしょうか。

3-5. （ア）サタンは，エホバの基準についてどう思わせようとしていますか。（イ）エホバが教えてくれていることについてあなたはどう思いますか。

³ エホバが教えてくれている通りにするのが一番良い，という確信はとても大切です。サタンは，「神の基準に合わせるのは難し過ぎる。自分の好きなように生きた方が幸せになれる」と思わせようとしています。エデンの園でエバに話し掛けた時から，サタンはずっとそう信じさせようとしています。（創世 3:1-6）今は特に力を入れてそうしています。

⁴ サタンが言うように，エホバの基準は厳しくて堅苦しいものなのでしょうか。例えで考えてみましょう。きれいな公園を歩いているとします。ある場所に高いフェンスがあるのに気付きます。どうしてこの先には行けないんだろうと思います。すると，フェンスの向こうからライオンのほえる声が聞こえてきます。これで分かりました。フェンスは，ライオンに襲われないようにするためのものだったのです。エホバが教えてくれている原則はこのフェンスに似ています。ほえるライオンのようなサタンから私たちを守ってくれます。「頭がさえた状態を保ち，油断なく見張ってください。敵である悪魔が，ほえるライオンのように歩き回って，誰かをむさぼり食おうとしています」と書かれています。（ペテロ第一 5:8）

⁵ エホバは私たちの幸せを願っています。サタンにだまされないでほしいと思っています。だからこそ，どうすべきかをはっきり教えてくれたり，判断に役立つ原則を教えてくれたりしています。私たちを守り，幸せにするためです。（エフェソス 6:11）「自由をもたらす完全な律法をじっくり見て守る人は……幸せになります」とあります。（ヤコブ 1:25）

 6. どうすれば，エホバが教えている通りにするのが一番良いということがはっきり分かりますか。

⁶ エホバが教えている通りにすると幸せになり，エホバとの友情も強くなります。例えば，エホバにたくさん祈ると，支えを感じられます。（マタイ 6:5-8。テサロニケ第一 5:17）仲間と集まってエホバを賛美したり励まし合ったりすると，うれしい気持ちになります。伝道したり，聖書について教えたりすると，楽しい気持ちになります。（マタイ 28:19，20。ガラテア 6:2。ヘブライ 10:24，25）こうしたことをじっくり考えると，エホバが教えている通りにするのが一番良い，ということがはっきり分かり，信仰が強くなっていきます。

7，8. 先のことを不安に思う時は，どんな聖書の言葉について考えるとよいですか。

⁷ この先，信仰が試されるような経験をしたら自分は大丈夫だろうか，と不安になるかもしれません。でも心配しないでください。エホバはこう言っています。「私エホバは，あなたの神である。あなたのためになる生き方を教え，あなたを導いて正しい道を歩ませる。あなたが私のおきてに注意を払いさえすれば！そうすれば，あなたの平和は川の流れのように豊かになり，あなたの正しい行いは海の波のように多くなる」。（イザヤ 48:17，18）

⁸ エホバの言う通りにすれば，川に豊かな水が流れ続けるように，平和で穏やかな気持ちが続きます。エホバの言う通りにすれば，砂浜に波が繰り返し打ち寄せるように，正しいことを行い続けられます。人生でどんなことがあっても，ずっとエホバに仕えられます。聖書にはこうあります。「重荷をエホバに委ねよ。そうすれば支えてくださる。神は正しい人が倒れることを決して許さない」。（詩編 55:22）

9，10. 「十分に成長する」とはどういうことですか。

⁹ エホバとの友情をもっとしっかりしたものにすることと，「十分に成長するように努力」することには，深いつながりがあります。（ヘブライ 6:1）「十分に成長する」とはどういうことでしょうか。

¹⁰ 年を重ねればクリスチャンとして十分に成長する，というわけではありません。十分に成長するには，エホバを一番の友達にして，エホバと同じ考え方をすることが大切です。（ヨハネ 4:23）パウロはこう書いています。「罪深い欲望に従って生きる人は，罪深い事柄を考え続けますが，聖なる力に導かれて生きる人は，聖なる力に関する事柄を考え続けます」。（ローマ 8:5）十分に成長した人は，遊びのことやお金や物のことばかり考えたりはしません。エホバに仕えることに心を向け，いつもエホバに喜ばれることをしようとします。（格言 27:11。ヤコブ 1:2，3を読む。）周りに流されて間違ったことをしたりはしません。どうするのが正しいかを見分けて，その通りにします。

11，12. （ア）クリスチャンの「識別力」について，パウロはどんなことを言っていますか。（イ）スポーツ選手になることと，十分に成長したクリスチャンになることは，どのように似ていますか。

¹¹ 十分に成長するためには努力が要ります。使徒パウロはこう書いています。「固い食物は，十分に成長した人のためのものです。そのような人は，使うことによって識別力を訓練したので，正しいことも悪いことも見分けることができます」。（ヘブライ 5:14）「訓練」と聞くと，スポーツ選手のトレーニングを思い浮かべるかもしれません。

¹² スポーツ選手に見事なパフォーマンスができるのは，長い時間をかけてトレーニングしてきたからです。生まれた時からできたわけではありません。生まれたばかりの赤ちゃんはうまく手足を使うことができません。でも，だんだんと手で物をつかんだり歩いたりできるようになります。大きくなってトレーニングを積めば，スポーツ選手になることもできます。同じように，クリスチャンとして十分に成長するためには，時間をかけてトレーニングすることが必要です。

13. エホバと同じ考え方ができるようになるために，どんなことを考えるとよいですか。

¹³ この本では，どうすればエホバと同じ考え方や見方ができるようになるかを学んできました。大切なのは，エホバの基準の素晴らしさを知って，その基準に合わせたいという気持ちになることでした。それで，何かを決めたり判断したりする時には，こう考えましょう。「聖書にはどうすべきかがはっきり書かれているだろうか。判断に役立つどんな原則があるだろうか。そこからすると，どうするのが良いだろう。エホバは私にどうしてほしいと思っているだろう」。（格言 3:5，6，ヤコブ 1:5を読む。）

14. エホバへの信仰を強くするには，どうすることが大切ですか。

¹⁴ エホバへの信仰を強くするには，時間をかけて取り組み続けることが大切です。しっかりした体づくりには，栄養をきちんと取ることが欠かせません。同じように，しっかりした信仰を持つには，エホバについてきちんと学ぶことが欠かせません。最初は，エホバやエホバが教えていることについて，基本的なことを学びました。でも，もっと詳しく，多くのことを学んでいきましょう。「固い食物は，十分に成長した人のためのものです」と書いたパウロは，そういうことを言おうとしていました。そして，学んだことを生活の中で役立てていきましょう。そうすれば，知恵が身に付きます。聖書は，「知恵は最も重要なもの」と言っています。（格言 4:5-7。ペテロ第一 2:2）

15. エホバと兄弟姉妹をもっと愛するようになることは，どれほど大切ですか。

¹⁵ 健康な人でも，ずっと元気でいるために体調管理に気を配ります。同じように，十分に成長したクリスチャンも，エホバとの固い絆を持ち続けるために努力しなければいけません。「自分がクリスチャンの信条の通りに生きているかどうか，いつも確かめてください。自分がどんな人かをいつも調べてください」とパウロは言っています。（コリント第二 13:5）強い信仰だけでなく愛も大切です。エホバをもっと愛し，兄弟姉妹をもっと愛せるようになりましょう。パウロはこう書いています。「たとえ……全ての知識を理解していても，また，たとえ山を動かすほどの強い信仰を持っていても，愛がなければ無価値です」。（コリント第一 13:1-3）

16. サタンは私たちにどう思わせようとしていますか。

¹⁶ サタンは私たちに，エホバに喜ばれる生き方なんてできない，と思い込ませようとしています。問題を乗り越えることはできない，もうだめだ，と思わせようとします。仲間のクリスチャンのことを嫌いにならせようとし，私たちをいらいらさせようとしています。（エフェソス 2:2）後ろ向きな考え方が私たちの力を奪い，神との友情を弱めさせることをサタンはよく知っています。でも，エホバはそういう考え方を打ち消すものを与えてくれています。それは希望です。

17. 希望はどれほど素晴らしいものですか。

¹⁷ テサロニケ第一 5章8節には，「救いの希望というかぶと」が出てきます。私たちの持っている希望が，戦場で兵士の頭を守るかぶとに例えられています。エホバの約束についての希望は，私たちの思考を守り，後ろ向きな考えを振り払うのに役立ちます。

18，19. イエスにとってどんな希望が力になりましたか。

¹⁸ イエスも希望を持っていたので，くじけることはありませんでした。亡くなる前の夜，つらい出来事が次々と起こりました。親しい友の1人に裏切られました。別の友は，イエスのことなんて知らないと言いました。他の友たちはイエスを見捨てて，逃げていきました。イエスと同じユダヤ人の群衆は味方をするどころか，処刑するようにと言いました。それほどの苦しい状況にイエスが耐えられたのはどうしてでしょうか。ヘブライ 12章2節にはこうあります。「イエスは，前途にある喜びのために，恥を物ともせず苦しみの杭に耐え，神の座の右に座りました」。

¹⁹ イエスは，最後まで諦めないなら，エホバがたたえられ，サタンがうそつきであることが証明される，ということを知っていました。その希望が力になりました。イエスは，もうすぐ天のお父さんと再会できるということも知っていました。その希望も力になりました。イエスのように，私たちも希望に目を向けましょう。そうすれば，どんなことが起きても諦めない力が湧いてきます。

20. 前向きな気持ちになるためにどんなことができますか。

²⁰ エホバは，信仰を持って頑張り続けるあなたのことを見ています。（イザヤ 30:18。マラキ 3:10を読む。）将来，「あなたの心の願いをかなえ」る，と約束しています。（詩編 37:4）ですから，希望に目を向け続けてください。サタンは希望を捨てさせようとします。エホバが約束した通りにはならない，と思わせようとします。後ろ向きな気持ちに負けないでください。希望がぼんやりしてきたと感じたら，エホバに助けを求めましょう。フィリピ 4章6，7節の言葉を忘れないでください。「何も心配せず，いつでも祈り，祈願を捧げ，感謝しつつ，願いを神に知っていただくようにしましょう。そうすれば，神からの平和が，キリスト･イエスを通して皆さんの心と考えを守ります。その平和は人間の理解をはるかに超えています」。

21，22. （ア）エホバは，世界をどんな所にしたいと思っていますか。（イ）この本を学び終えた今，あなたはどうしていきたいと思いますか。

²¹ 私たちを待っている素晴らしい未来について，時々思い描いてみましょう。もうすぐ，みんながエホバに仕えるようになる時が来ます。（啓示 7:9，14）新しい世界での暮らしはどうなるか，本当に楽しみです。サタンも邪悪な天使たちもいなくなり，悪いことは全部なくなります。病気になることはありません。いつまでも生きられます。毎朝，元気に目覚め，幸せいっぱいの一日を送れます。みんなで一緒に働いて地球を楽園に変えていきます。おいしい食べ物と居心地の良い家があります。怒りっぽい人や乱暴な人はもういません。親切な人ばかりです。やがて地球上のみんなが「神の子供の輝かしい自由を得る」ようになります。（ローマ 8:21）

²² エホバを一番の友達にすること。それが，エホバが私たちに願っていることです。ですから，大切な友エホバが教えてくれていることをその通りにやっていきましょう。エホバのことをもっともっと知り，もっともっと好きになっていってください。そうすれば，これからもずっと神に愛されます。あなたと神の友情は永遠に続いていきます。（ユダ 21）