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神が苦しみの存続を許された理由目ざめよ! 1990 | 10月8日
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「自分の歩みを導くことさえ,歩んでいるその人に属しているのではありません。エホバよ,わたしを正してください」― エレミヤ 10:23,24。
この言葉は,人間が創造された時から何千年も後に記されました。エレミヤは,人間の最初の両親が神から与えられた良い出発に比べ,当時までの人類史が一種の悲劇であったことを悟りました。
エレミヤの観察の正しさは,エレミヤの時代以後の2,500年余にわたる歴史の記録によって裏づけられています。人間の悲劇はいよいよ深刻なものになっています。
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神が苦しみの存続を許された理由目ざめよ! 1990 | 10月8日
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時が経過するにつれ,罪の荷を負った人間が互いに対し,いかに恐ろしい行動をするかということも明らかになりました。無数の残虐な戦争,民族・宗教間の憎しみ,異端審問,あらゆる種類の恐ろしい犯罪,利己的で貪欲な行為などがありました。加えて,貧困や飢餓の犠牲になった人たちも数知れません。
過去何千年かの間に,人間は考え得るありとあらゆる形態の政治を試みました。近年,共産主義政体は多くの国で放棄されるようになりました。民主主義国には,犯罪がはびこっており,貧困,経済の不安定,汚職などがあります。実際,人間によるどんな形態の政治にも欠陥のあることが証明されました。
さらに神は,人間が科学面や物質面で業績を上げ,それが最高度に達するまでの時をお許しになりました。しかし,弓矢に代わって核ミサイルが登場したことは真の進歩と言えるでしょうか。宇宙旅行はできても地上で仲よく生活できないとか,幾百万もの人が犯罪を恐れて夜間には外出しないといった状態は,本当の進歩でしょうか。
人間は食物や水や空気なしには生きてゆけませんが,それと同様に,「自分の歩みを[うまく]導く」ことはできないということを時の試験は物語っています。わたしたちは食物や水や空気に依存するものとして創造されていますが,それと同様に,造り主の導きに依存するものとして造られていることは間違いありません。―マタイ 4:4。
神は悪と苦しみの存続を許すことにより,自由意志の誤用の惨めな結果を一度限り永遠にお示しになりました。自由意志は極めて貴重な賜物なので,神はこれを人間から取り上げるよりもむしろ,それを誤用するとどういうことになるかを人間に見させてこられました。
自由意志に関して,「保守派ユダヤ教の原則の明細」という出版物はこう述べています。「人々が善と悪に直面した際に間違った選択をする可能性が実際にないのであれば,選択の概念は全く無意味になる。……世の苦しみの多くは,我々が与えられている自由意志を誤用した直接の結果である」。
「自分の歩みを導くことさえ,歩んでいるその人に属しているのではありません」と述べたエレミヤが正しかったことは確かです。「人が人を支配してこれに害を及ぼした」と述べたソロモンも正しかったと言えます。―伝道の書 8:9。
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