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二人の王の抗争ダニエルの預言に注意を払いなさい
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34,35 (イ)北の王はどんな「海沿いの地帯」に顔を向けましたか。(ロ)ローマは北の王からの「非難」をどのように終わらせましたか。(ハ)アンティオコス3世はどのようにして死にましたか。次に北の王となったのはだれですか。
34 み使いは北の王の敗退に言及し,こう付け加えました。「そして彼[アンティオコス3世]は顔を再び海沿いの地帯に向け,実際に多くのところを攻略する。だが,ひとりの司令者[ローマ]が自分[ローマ]のために彼からの非難を絶えさせることになる。そのため彼の非難[アンティオコス3世からのもの]はやむ。その者[ローマ]はそれを彼自身に帰させる。
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二人の王の抗争ダニエルの預言に注意を払いなさい
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35 この「海沿いの地帯」とは,マケドニア,ギリシャ,小アジアなどの海沿いの地域のことです。西暦前192年にギリシャで戦争が勃発し,アンティオコス3世はギリシャに遠征したくなります。その地域の領土をも獲得しようとするシリアの王に不満を抱いたローマは,正式に同王に宣戦を布告します。テルモピレーでローマに敗北を喫し,西暦前190年のマグネシアの戦いにも敗れてから約1年後,シリアの王はギリシャと小アジアの,次いでタウロス山脈以西の一切のものを放棄しなければなりませんでした。ローマは北のシリアの王に多額の罰金を科し,同王に対する覇権を確立しました。ギリシャからも小アジアからも追われ,艦隊のほとんどすべてを失ったアンティオコス3世は,「顔を再び自らの地[シリア]の要害に向け」ました。ローマはすでに『自分たちに対する彼からの非難を彼自身に帰させて』いました。
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