『忍耐した人たちは幸福です』
1 1914年以来,マタイ 24章3-8節の成就として,地上にはどんな状態が見られますか。国際連盟と国際連合のどんな主張は潰え去りましたか。
ロバート・ニズビットが書いた「現代」という本は,「1914年以来ほとんど途切れることなく続いてきた75年戦争」について述べています。確かにイエス・キリストは,この終わりの時に,世界戦争を含む『戦争,また戦争の知らせ』があることを予告しておられました。(マタイ 24:3-8)1920年には,「戦争を永久に防止する」目的で国際連盟が設立されました。その目的はみじめにも潰え去りました。1945年には「戦争の惨害から将来の世代を救(う)」ため,国際連合が組織されましたが,マックス・ハレルソンの著書「地平線に広がる火」によれば,「第二次世界大戦以後,どこにも戦争がなかった日はほとんどない」ということです。
2 ある人は,世界情勢について,どんなことを尋ねますか。しかし,わたしたちはどんな問いかけをすべきですか。
2 テロ行為や暴力,腐敗や貧困,麻薬や疫病 ― こうしたものによってその悲しむべき状態は一層悪化しています。ある人々は,『人間はどうすれば,この不穏な状況に耐えてゆけるのだろうか』と尋ねるかもしれません。しかしわたしたちは,それよりも重要なこととして,『神はどうして,ご自分の地上の創造物が破壊されるのを忍んでおられるのだろうか。神はいつまで,邪悪な者たちが地を破滅させ,ご自分の尊いみ名に数々のそしりを浴びせるのを許されるのだろうか』と問いかけるべきです。
3 (イ)預言者イザヤは,どんな問いを発しましたか。それはなぜですか。(ロ)エホバはどんな答えをお与えになりましたか。そのことは,わたしたちの時代に関して,何を示していますか。
3 預言者イザヤも同様の問いを発しています。イザヤは同国人にエホバからの音信を宣明する割り当てを受けました。しかしこの預言者は前もって,人々はイザヤにもイザヤを遣わした神にも注意を払わないであろうという警告を与えられていました。それでイザヤは,「エホバよ,いつまでですか」と尋ねます。そうです,イザヤはこの強情な民にいつまで宣べ伝えなければならないのでしょうか。また,エホバはいつまで,ご自分の音信を侮り拒絶する民を忍耐されるのでしょうか。エホバはこうお答えになります。「都市が実際に崩壊して廃虚となり,住む人もなく,家々に地の人が絶え,土地自体も損なわれて荒廃(するまで)」。(イザヤ 6:8-11)今日でも同様に,不忠実なキリスト教世界が主要な違犯者となっている世に裁きを執行する定めの時まで,神はそのようなそしりを忍耐されます。
4 ヨブの忍耐はどんな結末を迎えましたか。それは,今日のわたしたちにどんなことを約束していますか。
4 エホバは長い間,サタンの嘲弄を忍耐してこられました。今から3,600年ほど前,忠実なヨブも忍耐を示し,試練に遭えばヨブといえども忠誠を保つことはできないというサタンの挑戦が誤りであることを証明しました。そのことはエホバの心を大いに歓ばせました。(ヨブ 2:6-10; 27:5。箴言 27:11)後にイエスの異父兄弟ヤコブが述べたとおりです。「ご覧なさい,忍耐した人たちは幸福である,とわたしたちは言います。あなた方はヨブの忍耐について聞き,エホバがお与えになった結末を見ました。エホバは優しい愛情に富まれ,憐れみ深い方なのです」。同様に,今日エホバの側に立って忍耐する人たちには,幸福な結末が約束されています。―ヤコブ 5:11。
5 今日,神の民に忍耐が求められることを,イエスはどのように示されましたか。また,どんな業を行なうあいだ,耐え忍ぶことが必要になりますか。
5 イエスは,現代の神の民に忍耐が求められることを明示されました。「事物の体制の終結」のしるしについて予告した際,イエスは「終わりまで耐え忍んだ人が救われる者です」と言われました。何を行なうあいだ耐え忍ぶのですか。そのすぐあとのイエスの言葉が答えを与えています。「そして,王国のこの良いたよりは,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう」。(マタイ 24:3,13,14)そうして初めて「終わりが来る」のです。―マルコ 13:10,13; ルカ 21:17-19もご覧ください。
エホバが忍耐される理由
6 エホバが忍耐に関する際立った模範となっておられるのはなぜですか。そのようにエホバが耐え忍ばれた一つの理由は何ですか。
6 使徒パウロはこのように説明しています。『神は,ご自分の憤りを表明し,かつご自分の力を知らせようとの意志を持ちながらも,滅びのために整えられた憤りの器を,多大の辛抱強さをもって忍ばれた』。(ローマ 9:22)そういう憤りの器である邪悪な者たちが存在し続けるのをエホバが耐え忍んでこられたのはなぜですか。一つの理由は,人間の創造者から独立した人間の支配が必ず失敗することを実証するためです。(エレミヤ 10:23)間もなく,イエスの王国支配を通して,神のみが人類に平和と調和と幸福をもたらし得るということが証明されるとき,神の主権は立証されます。―詩編 37:9-11; 45:1,6,7。
7 エホバが忍耐してこられたことには,ほかにもどんな理由がありますか。その忍耐ゆえに,1930年代以降,幾百万もの人々にどんな益が及びましたか。
7 さらにエホバは,『憐れみの器に対するご自分の栄光の富を知らせるために』耐え忍んでこられました。(ローマ 9:23)それら憐れみの器とは,天の王国でキリスト・イエスと共に統治するため「人類の中から買い取られた」,忠誠を保つ油そそがれた者たちのことです。14万4,000人に証印を押すことは使徒時代から続けられてきましたが,今それは終わりに近づいています。(啓示 7:3; 14:1,4)そして,ご覧ください! 1930年代以降もエホバが忍耐し続けられたために,他の幾百万もの人たち,つまり「すべての国民……の中から来た……大群衆」が集められることになりました。彼らは最後の患難を生き残り,地上の楽園で永遠の命を受け継ぐ見込みがあることを歓んでいます。(啓示 7:4,9,10,13-17)あなたはその大群衆の一人ですか。もしそうであるなら,エホバが今に至るまで憤りの器の存在を耐え忍んでこられたことを喜んでいるのではないでしょうか。しかし,あなたもエホバと同じように,忍耐し続けなければなりません。
忍耐は報われる
8 わたしたちすべてに忍耐が必要なのはなぜですか。忍耐に関するどんな模範について一心に考慮すべきですか。
8 約束にあずかりたいなら,わたしたちは皆,忍耐する必要があります。使徒パウロはヘブライ 10章36節でこの基本的な真理について述べてから,古代の大勢の「雲のような証人たち」の立派な信仰と忍耐について詳しく述べています。次にパウロは,「自分たちの前に置かれた競走を忍耐して走ろうではありませんか。わたしたちの信仰の主要な代理者また完成者であるイエスを一心に見つめながら」と訓戒しています。イエスは「自分の前に置かれた喜びのために」忍耐して心のこもった奉仕を行ない,報いを見失うことが決してありませんでした。イエスの模範から,わたしたちも忍耐するよう力づけられます。―ヘブライ 12:1,2。
9 忍耐に関する現代の模範から,どんな結果が生じていますか。
9 忍耐に関する現代の模範もたくさんあります。忍耐において際立った兄弟姉妹たちを,あるいはそのような兄弟姉妹たちがいたことをあなたもご存じでしょう。わたしたちは彼らの忠実さにどれだけ励まされてきたことでしょう。それに,エホバの証人は毎年,世界的な活動をものみの塔協会に報告しますが,その際,忍耐と忠誠を保ったことに関するさらに多くの感動的な記録が寄せられてきます。4ページにわたって掲載されている前記の表には,それらの証人たちが『信仰に忍耐を加えて』,1989年に成し遂げた壮大な業の概略が示されています。―ペテロ第二 1:5,6。
これまでで最高の年
10 (イ)1989年には,どれほどの国や地域や群島で,王国の良いたよりを宣べ伝える業が行なわれましたか。どれほどの人がその業に参加しましたか。(ロ)開拓者の最高数を記録した月には,何人の開拓者が報告しましたか。野外奉仕には合計何時間が費やされましたか。
10 この表に示されているように,212の国や地域や群島で,エホバの来たるべき王国を宣べ伝える業が行なわれています。親愛なる「ものみの塔」誌の読者の皆さん,皆さんはこの壮大な業に参加した378万7,188人の一人となる特権にあずかりましたか。あなたは,開拓者が最高数に達した月に,それら開拓者として報告した80万8,184人の一人でしたか。1989年に野外奉仕に費やされた時間は世界全体で合計8億3,542万6,538時間でしたが,この数字にどのような形で貢献したにしても,あなたには歓ぶべき理由があります。―詩編 104:33,34。フィリピ 4:4。
11 (イ)歓ぶべき一つの理由として,昨年の3月22日に行なわれた記念式には何人が出席しましたか。これを歓ぶべきなのはなぜですか。(ロ)バプテスマを受けた人は何人でしたか。この点に関して,表の中で際立っているのはどの国ですか。
11 さらに,昨年の3月22日に全世界で行なわれたイエスの死を記念する式典の出席者が全部で947万9,064人というすばらしい数であったことも,大きな歓びです。この数字は,さらに569万1,876人が,王国宣明者になる可能性があることを示しています。定期的にエホバに奉仕するよう,それら関心ある羊のような人たちを愛のうちに牧して羊の囲いに入れることさえできれば,それが実現するのです。そのように彼らを助けることができるでしょうか。(ヨハネ 10:16。啓示 7:9,15)1989奉仕年度にバプテスマを受けた26万3,855人という,新しい証人の総計に示されているように,大勢の人たちがすでにこたえ応じています。
12 表には表われていませんが,(イ)ものみの塔協会の工場について,(ロ)雑誌配布と予約について,どんな際立った点が見られますか。
12 この表には表われていない際立った点も幾つかあります。聖書,書籍,ブロシュアー,雑誌など,出版物を渇望する傾向は強く,衰えることを知りません。例えば,ブルックリンのものみの塔の工場は,約1万5,000㌧の紙を用いて,聖書や書籍を3,581万1,000冊印刷しました。これは1988年の101%増に当たります。ものみの塔協会の他の大きな工場,特にドイツやイタリアや日本の工場では交替制で働き,『時に応じた[霊的な]食物』を与える「忠実で思慮深い奴隷」を支えました。(マタイ 24:45)4月と5月には,「大いなるバビロン」に関する「ものみの塔」誌の配布が特に強調され,幾つかの国からは,雑誌配布と予約のとりわけ優れた成果が報告されています。(啓示 17:5)来たる4月には,補助開拓者や他の証人たちが世界の畑に群れをなして出かけてゆき証言することになりますが,それは1990奉仕年度で最も優れた証言活動となるに違いありません。―イザヤ 40:31; ローマ 12:11,12と比較してください。
13 表には,昨年は名前の挙がっていなかったどんな国が載せられていますか。説明してください。
13 もう一度表をご覧ください。昨年は名前の挙がっていなかった国が幾つかあることに気づきましたか。そうです,ハンガリーとポーランドがあります。これらの国では,つい先ごろ業が合法化されました。わたしたちは,それらの国の政府がエホバの証人にそうした配慮を示していることを感謝しています。この点について言えば,「わたしたちが,敬虔な専心を全うし,まじめさを保ちつつ,平穏で静かな生活をしてゆくため」にささげた,世界中の兄弟仲間の祈りが聞き届けられてきたということです。―テモテ第一 2:1,2。
14 ポーランドにおける「敬虔な専心」地域大会での際立った点を幾つか挙げてください。
14 「敬虔な専心」! そうです,8月にはポーランドでも「敬虔な専心」地域大会を3か所で開くことができました。9万1,024人のポーランドの兄弟たちは,何と見事に主人役を務めたのでしょう。(ヘブライ 13:1,2,16)まるで奇跡が起きたかのように,チェコスロバキア人,ドイツ人,ロシア人など,幾万もの兄弟たちがビザを手に入れ,バスや列車でやってきました。徒歩で来る人たちさえいました。そのほか,南北アメリカや西ヨーロッパ,はるか遠方の太平洋の島々や日本からも,幾千人もの人々が飛行機でやって来ました。兄弟たちが掃除したちり一つない巨大な競技場も,聴衆をかろうじて収容できる程度でした。ホジュフでは6万5,710人,ポズナニでは4万442人,ワルシャワでは6万366人が出席し,出席者の数は総計16万6,518人になりました。どの会場でも,バプテスマの光景は喜びの涙を誘いました。三つの大会で合計6,093人の人が浸礼を受けましたが,ポズナニでは9歳の子供が一人,90歳の人が一人含まれていました。浸礼を受けた人の中には十代の若者が大勢いましたが,宗教は老齢者と共に死滅してしまうと言われていた国々の人たちも少なくありませんでした。神のみ言葉に基づいた真の宗教はそのようにはなりません。(詩編 148:12,13; 使徒 2:41; 4:4と比較してください。)東ヨーロッパの兄弟たちの忍耐は何とすばらしく報われたのでしょう。
試練の下で引き続き忠実を保つ
15 レバノンの証人たちはどのように忍耐と確固たる態度を示してきましたか。どんな優れた結果が生み出されましたか。
15 エホバの証人は使徒パウロと同じように,様々に異なる状況のもとで忍耐するよう求められています。(コリント第二 11:24-27)レバノンでは激しい内乱が続いています。兄弟たちはどのように対応しているでしょうか。確固たる態度と決意で臨んでいます。1989年には非常に激しい砲撃や爆撃がありましたが,それが熾烈を極めた場所においてさえ,兄弟たちは手をゆるめない決意を抱いていました。ベイルートの一会衆からは次のような報告が寄せられています。「毎日夕方には,野外奉仕のためのグループがきちんと取り決められました。治安がよくなかったにもかかわらず,兄弟たちはひるみませんでした。以前よりも多くの区域を網羅しました。4月には開拓者の最高数を記録しました。新しい聖書研究も始まり,以前よりも多くの雑誌と書籍が配布されました」。
16 コロンビアの兄弟たちは,証人たちのいない町に良いたよりをもたらすことによって,どのように忍耐を示してきましたか。
16 コロンビアは麻薬の取り引きや暴力行為でニュースになっている国です。しかし,この国のクリスチャンの忠実な忍耐もニュースになっています。最近,人口が1万人以上でも証人たちのいない31の町に一時的な特別開拓者が派遣されました。ある町では,関心のある新しい人たちが,それらの開拓者が数か月しかそこにいないことを知り,開拓者に是非とどまってほしいと頼みました。別の町では,開拓者たちが滞在していた3か月間の霊的な援助を感謝する手紙に,関心を持った18人が署名し,さらに多くの援助を求めました。「これは真剣なお願いです」とその人たちは語りました。言うまでもなく,どちらの場合にも,関心を引き続き高めるための取り決めが設けられました。そのような遠方の区域を耕すには忍耐がいりますが,そのように耕す開拓者たちの骨折りは豊かに報われます。
17,18 (イ)イタリアのエホバの証人たちは,どんな状況の下で忍耐してきましたか。(ロ)エホバの証人は,自分たちに関する偽りが広がっているにもかかわらず,それをどのように切り抜けてきましたか。
17 イタリアのエホバの証人は僧職者からの強い反対に直面していますが,エホバの力により耐え忍んできました。僧職者はさまざまな教区で,教区民の家の戸口に貼る,エホバの証人は呼びりんを押してはならない,と書いたステッカーを配りました。大勢の司祭が少年たちを募り,特定の区域のすべての戸口に,しかも証人たちの家族の家にさえそのステッカーを貼らせました。しかし,証人たちはおいそれとおじけづいたりしません。しばしばそのステッカーを話の糸口にします。さらには,新聞と全国ネットのテレビ番組がその問題について広く知らせ,その宗教上の偏狭さを非難し,そのような策略は実際のところカトリック教会の弱さを示すしるしであるという点を強調しました。ある大学教授は,エホバの証人に反対する,論議の的になったそのステッカーにひどく腹を立て,「ものみの塔」と「目ざめよ!」の両誌を予約しました。
18 イタリアのカトリック教会はエホバの民に関する偽りを広めるため,背教者を利用することさえしています。しかしそれも成功しません。17万2,382人の伝道者たちはよく知られ,尊敬されているからです。ある男の人は,訪問していた証人たちに,自分は元エホバの証人の書いた文書を読んで,エホバの証人の悪いところを知ったと言いました。それでその人は,自分の兄弟がエホバの証人になった時に強く反対しましたが,しばらくして,宗教を変えたことがその兄弟に良い影響を及ぼしていることに気づき,『そんなに悪いものがどうしてこれほど良いものを生み出せるだろうか』と考えました。そこでこの人は,訪ねて来た証人たちと聖書を研究することを願い出ました。―コロサイ 3:8-10と比較してください。
無関心に対処する
19,20 (イ)フィンランドでは,どんな状況のために,エホバの証人に忍耐が求められますか。教会が行なった世論調査のどんな点は実際に意味深いものですか。(ロ)良いたよりを宣べ伝える際に忍耐が重要であることは,どんな経験から分かりますか。
19 証人たちが頻繁に訪問する国では,大抵の場合,良いたよりに対する無関心が広まっています。フィンランドでも確かにそうした状況が見られます。この国の教会は世論調査を行ない,人口の70%は,証人たちが家を訪ねることに好感を抱いていないことを知りました。ところが,30%の人たちは強く反対せず,そのうち4%は,実際にはエホバの証人が好きだと答えました。これは意味深い数字です。フィンランドの人口の4%は20万人に相当します。その数字を,現在の伝道者数,1万7,303人と比較してください。
20 一人の伝道者は,野外奉仕でこの世論調査を指摘され,「国民の70%があなた方のことを好ましく思っていないことを知らないのですか。どうして戸別訪問をやめないのですか」と尋ねられました。伝道者はこう答えました。「確かにそうですが,その調査は4%の人々が私たちに好感を抱いていることを示しています。私たちはそういう人たちを捜したいのです。もしその数がわずか1%だったとしても,戸別訪問をして,その人たちを捜す努力をするでしょう」。家の人はしばらく考えてから,「あなた方が伝えている音信は,その人たちにとってそんなに重要なものなのですか」と言いました。伝道者はそれに答え,「お聞きになりたいですか」と質問しました。間もなくこの家の人は良いたよりに関心を示しました。
将来に起こる事柄
21 (イ)この体制の下で,わたしたちはどんな戦いをしなければなりませんか。それはなぜですか。(ロ)わたしたちはどんなことで忍耐しなければならないかもしれませんか。ハバククの預言はわたしたちに何を保証していますか。
21 今日のわたしたちの場合はどうでしょうか。エホバやイエス・キリストの側に立って終わりまで忍耐する覚悟を抱いていますか。その時まで長い時は残されていないかもしれませんが,忍耐しなければなりません。サタンの体制下では,信仰のために厳しい戦いをしなければなりません。世の不道徳,腐敗,憎しみなどがわたしたちを取り囲んでいるからです。(ユダ 3,20,21)何らかの迫害を耐え忍ばなければならないかもしれません。今でさえ,幾千人もの兄弟たちが刑務所で苦しみに遭っていますし,中には残酷に殴打される人もいます。それらの人たちはわたしたちの祈りを感謝しています。(テサロニケ第二 3:1,2)ごく近い将来,現在の体制はもはやなくなります。ハバククが述べているとおりです。「この幻はなお定めの時のためのものであり,終わりに向かって息をはずませてゆくからである。それは偽ることはない。たとえ遅れようとも,それを待ちつづけよ。それは必ず起きるからである。遅くなることはない」― ハバクク 2:3。
22 もしわたしたちが預言者たちのような辛抱と,ヨブのような忍耐を働かせるなら,どんな結末を確信をもって待ち望むことができますか。
22 弟子ヤコブは愛を込めて,「兄弟たち,苦しみを忍び,辛抱する点で,エホバの名によって語った預言者たちを模範としなさい」と告げています。今日エホバの名によって語るわたしたちは,イザヤ,エレミヤ,ダニエルなどのように,厳しい試練に遭っても,忠誠を保つ者になれます。ヨブのように耐え忍ぶことができます。ヨブはその忍耐ゆえに,何とすばらしい報いを受けたのでしょう。わたしたちも終わりまで耐え忍ぶなら,エホバの憐れみと愛ある親切により,それに匹敵する報いにあずかれます。それで,次のヤコブの言葉がわたしたち一人一人に成就しますように。「ご覧なさい,忍耐した人たちは幸福である,とわたしたちは言います」。―ヤコブ 5:10,11。ヨブ 42:10-13。
どのように答えますか
□ イエスは,何を行なう際に忍耐する必要があることを強調されましたか
□ エホバはどんな理由で忍耐してこられましたか
□ 1989年に成し遂げられた壮大な業には,どんな際立った点がありますか
□ ポーランドの兄弟たちの忍耐は,どのように報われましたか
□ レバノン,コロンビア,イタリアの証人たちは,試練の下でどのように忠実さを示してきましたか
[20-23ページの図表]
全世界のエホバの証人の1989奉仕年度の報告
(製本した雑誌を参照)