イエスの生涯と宣教
イエスが地上に来られたのはなぜですか
この雑誌の前の号で学んだとおり,イエスが四人の弟子たちと一緒にカペルナウムで過ごされた一日は忙しい一日でした。まず会堂で悪霊につかれた男の人をいやし,それからペテロの家でペテロのしゅうとめをいやされました。そして,夜になってもカペルナウムの人々は,イエスに病気を治してもらおうと病人をみなイエスの所に連れて来ていました。独りになる時間は全くありませんでした。
さて,次の日の朝早く,まだ暗いうちに,イエスは起きて独りで外に出て行かれます。ひそかにみ父に祈ることのできる寂しい場所へ行かれるのです。しかし,長い時間独りでいることはできません。イエスのいないことに気づいたペテロや他の人々がイエスを捜しにやって来るからです。
イエスを見つけると,ペテロは「みんながあなたを捜しています」と言います。カペルナウムの人々はイエスが自分たちの所にとどまることを望みます。イエスが自分たちのためにしてくださったことを感謝しているのです。しかし,イエスは主に,奇跡的ないやしを行なうために地上へ来られたのでしょうか。イエスは何と言っておられるでしょうか。
聖書のある記録によると,イエスは弟子たちに「どこかほかの所,近くの田舎町に行きましょう。わたしがそこでも宣べ伝えるためです。わたしが出て来たのはそのためだからです」とお答えになります。人々はとどまるようにとイエスに強く勧めますが,イエスは彼らに,「わたしはほかの都市にも神の王国の良いたよりを宣明しなければなりません。わたしはそのために遣わされたからです」と言われます。
確かに,イエスが地上に来られたのは特に,み父のお名前を立証し,人間のあらゆる苦しみを永遠に取り除く神の王国について宣べ伝えるためなのです。そして,神から遣わされていることを証明するために,イエスは奇跡的ないやしを行なわれます。何世紀も昔,モーセも同様に,神の僕としての確かな信任状を示すために奇跡を行ないました。
さて,イエスがほかの都市で宣べ伝えるためにカペルナウムをあとにされると,四人の弟子たちも一緒に付いて行きます。その四人とは,ペテロおよびその兄弟のアンデレと,ヨハネおよびその兄弟のヤコブです。その四人は,前の週に,イエスと一緒に旅をしてイエスの同労者になるよう最初に招待されたばかりだったことをあなたは思い出すでしょう。
イエスが四人の弟子を伴って出かけた,ガリラヤの伝道旅行はすばらしい成功を収めます。実際,イエスの活動の評判はシリアじゅうに伝わります。そして,大群衆が,ガリラヤ,ユダヤ,またヨルダン川の向こう側から来てイエスとその弟子たちに従います。マルコ 1:35-39。ルカ 4:42,43。マタイ 4:23-25。出エジプト記 4:1-9,30,31。
◆ イエスがカペルナウムで忙しい一日を送られた次の日の朝にはどんなことが起きますか。
◆ イエスと一緒にガリラヤの伝道旅行に出かけたのはだれですか。また,イエスの活動にはどんな反応がありましたか。
◆ イエスが地上に遣わされたのはなぜですか。また,イエスの奇跡はどんな目的に役立ちましたか。