-
れいよう聖書に対する洞察,第2巻
-
-
れいよう
(Antelope)[ヘ語,ディーショーン]
ひづめが分かれていて,反すうする動物の一つ。この動物に関するただ一度の言及は申命記 14章5節にあり,そこでは,イスラエル人が食物としてよい動物の中に含まれています。ヘブライ語のディーショーンがどの動物を指しているかについては明確でない面があります。
北アフリカの砂漠地帯に今も生息しているアダックス・レイヨウ(Addax nasomaculatus)が,ヘブライ語聖書のディーショーンに該当するのではないかとしばしば考えられています。このレイヨウは肩の高さが約1㍍あります。先が分かれて広がったひづめを持っているため,このレイヨウは砂漠の乾いた砂の上を難なく移動することができ,非常に長い期間水なしでも生きてゆけます。この動物の広く伸びた角はねじのようになって,1回半から3回近くねじれており,角の曲線の長さは約1㍍ほどあります。1年を通じて白いままの腹部,尾,臀部,顔のしまを除いて,アダックス・レイヨウは冬には色が濃くなり,薄茶色から褐色になります。やはり砂漠性のレイヨウであるアラビア・オリックス(Oryx leucoryx)が,もう一つの可能性とされています。
-
-
シャモア聖書に対する洞察,第1巻
-
-
シャモア
(Chamois)[ヘ語,ゼメル]
やぎに似た小型のレイヨウで,先端が鉤型になった角を特徴とし,目のくらむような高所でも敏しょうに動き回り,足元の確かさで知られています。雄の成獣は肩の高さが80㌢に達し,体重が30㌔を超えることもあります。シャモアの体皮は夏は黄褐色ですが,冬の季節が来るとその色は深みを帯びます。律法の要求下で,シャモアは食物に適した動物の中に挙げられています。―申 14:5。
ヘブライ語のゼメルが意味する動物に関しては不確かな面もあるため,この語は「シャモア」(欽定,ア標,英改,新世,ヤング),「山やぎ」(mountain goat,ラムサ),「オオツノヒツジ」(mountain sheep,聖ア,エルサレム,モファット,ロザハム),「れいよう」(antelope,リーサー)と訳され,単に「ゼメル」(zemer,ノックス)と翻字している例もあります。ゼメルという語が由来したヘブライ語の語根は,アラビア語のザマラ(跳ねる; 逃げる)に関係があると考えられ,跳ねたり飛び上がったりする動物を連想させるので,ガゼルに似た動物ではないかと考えられています。シャモア(Rupicapra rupicapra)はパレスチナには全く生息しなかったとする動物学者もいます。しかし,注目できる点として,カルパティア山脈やコーカサス山脈にはこの動物の地方種が見られるので,レバノン山脈にかつてシャモアの変種の一つが生息した可能性も考えられます。
-
-
やぎ聖書に対する洞察,第2巻
-
-
食用にできる動物に言及した申命記 14章4,5節では,ヘブライ語のアッコーという語が「野やぎ」と訳されています。(ア標,欽定,新世,改標)アッコーがエエーリーム,つまりヌビア・アイベックスと同じ動物を指しているかもしれないと考える学者は少なくありません。
-