「これが神殿の律法である」

1，2. （ア）前の章では，エゼキエルが見た神殿の幻について何を学びましたか。（イ）この章では，どんな2つの点について考えますか。

前の章で学んだ通り，エゼキエルが幻の中で見た神殿は，ずっと後代に使徒パウロが説明した偉大な比喩的神殿ではありませんでした。エゼキエルが見た幻は，神が清い崇拝のために定めた基準の大切さを民に教えるものでした。人々は，その基準に従うことによってのみ，エホバとの新たな関係を楽しむことができました。ですから，エホバは1つの節の中で「これが神殿の律法」と2回も述べて，ご自分の基準を強調したのです。（エゼキエル 43:12を読む。）

² では，さらに2つの点について考えてみましょう。（1）エゼキエルの時代のユダヤ人たちは，この神殿の幻から，清い崇拝のためのエホバの基準に関するどんな教訓を学んだと考えられるでしょうか。（2）この幻は，問題の多い終わりの時代に生活している私たちにとってどういう意味を持つでしょうか。1つ目の点の答えが分かると，2つ目の点の答えも見えてきます。

 3. 幻の中の神殿が高い山の上にあるのを見て，誠実な人たちが恥じたと考えられるのはなぜですか。

³ 1つ目の点を考える上で，神殿の幻に出てきた幾つかの印象的なものに注目してみましょう。高い山。当時の人々は，エゼキエルが見た幻の情景を，イザヤが記した心温まる回復の預言と結び付けたことでしょう。（イザ 2:2）では，エホバの家が非常に高い山の上にあったことから何を学んだでしょうか。清い崇拝はほかのどんなものよりも上に高められた状態になるべきである，ということです。もちろん，清い崇拝はもともと非常に高いものです。「他のどの神よりもはるかに高い地位にいる」方によって定められたからです。（詩 97:9）しかし，人々は自分たちが行うべきことをしていませんでした。幾世紀もの間，繰り返し清い崇拝をおろそかにし，捨て去り，汚していました。誠実な人たちは，幻の中で神の神聖な家が高い所に置かれ，本来あるべき状態で栄光に輝いているのを見て，恥じたに違いありません。

4，5. 神殿の高い門についてエゼキエルから伝えられた人たちは，どんな教訓を学んだと考えられますか。

⁴ 高い門。幻の最初の方で，エゼキエルは案内してくれている天使が門を測るのを見ました。門は高さが31㍍もありました。（エゼ 40:14）門の入り口の所には守衛室がありました。こうした点から，神殿の設計を学んだ人たちは大切なことに気付いたでしょう。エホバはエゼキエルに，「神殿の入り口……に，よく注意を払いなさい」と告げました。なぜでしょうか。人々が，神を崇拝するための神聖な家に，「心にも体にも割礼を受けていない」人たちを入れていたからです。結果として，「彼らは私の神殿を汚す」とエホバは言いました。（エゼ 44:5，7）

⁵ 「体に……割礼を受けていない」人たちは，神から与えられた明確な命令に背いていました。アブラハムの時代からあった命令です。（創 17:9，10。レビ 12:1-3）しかし，「心に……割礼を受けていない」人たちはさらにひどいありさまでした。かたくなに反逆し，エホバからの指示や導きに応じようとしませんでした。ですから，エホバを崇拝するための神聖な家に入ることを許されるべきではなかったのです。エホバが偽善を憎んでいるにもかかわらず，民は神の家で偽善がはびこるままにしていました。幻の中の神殿の門や守衛室から学べる教訓は明快です。そうした悪事は許されない，ということです。人々は神の家に入るための高い基準を守らなければなりません。そうして初めて，崇拝をエホバに受け入れていただけます。

6，7. （ア）エホバは神殿の周囲全体を壁で囲むことによって，ご自分の民にどんなメッセージを伝えましたか。（イ）民は以前，エホバの家に対してどんなことを行いましたか。（脚注を参照。）

⁶ 周囲の壁。幻の中の神殿の周囲全体を囲んでいた壁も印象的です。エゼキエルによれば，四方の壁はそれぞれ長さが1.6㌔もありました。（エゼ 42:15-20）神殿の建物群や庭があった正方形の区画は一辺が260㍍しかなかったので，神殿の周りに広い土地があり，その土地が壁に囲まれていたことになります。a 壁は何のためにあったのでしょうか。

⁷ エホバはこう言いました。「彼らが売春と王たちの死体を私から遠ざけるなら，私は彼らの中に永遠に住む」。（エゼ 43:9。脚注を参照。）「王たちの死体」は偶像を指していたと思われます。ですからエホバは，エゼキエルが幻の中で見た神殿の周りを大きく壁で囲むことにより，「そうした汚れたもの全てを遠くに離しておきなさい。近づけてはいけない」と言っていたのです。もし人々がそのようにして崇拝を清い状態に保つなら，エホバはご自分の臨在によって彼らを祝福します。

8，9. 責任ある立場の人たちに対するエホバの厳しい助言から，人々はどんなことを学んだと考えられますか。

⁸ 責任ある立場の人たちに対する厳しい助言。エホバは，民の間で大きな責任を担っていた人たちに，厳しくも愛情深い助言を与えました。民が偶像崇拝に陥った時にご自分から遠く離れていったレビ族を，強い言葉で正しました。一方，ザドクの子孫を褒めて，「イスラエル人が私から離れた時に，私の聖なる所での務めを行った」と言いました。それぞれの行いに応じて，公正に，憐れみ深く扱ったのです。（エゼ 44:10，12-16）イスラエルの長たちも，強い矯正を受けました。（エゼ 45:9）

⁹ 権威を与えられて監督する立場の人たちは，務めをきちんと果たすかどうかについて責任を問われる，ということをエホバははっきりと示しました。彼らもほかの人々と同じように，助言や矯正を受け，正される必要があったのです。それだけでなく，エホバの基準を守る点で率先しなければなりませんでした。

10，11. 捕囚から帰還した人々の中に，エゼキエルが見た幻から教訓を学んだ人たちがいた，と言えるのはなぜですか。

¹⁰ 捕囚から帰還したユダヤ人たちは，エゼキエルが見た幻から得られる教訓を当てはめたでしょうか。当時の忠実な男女がこの注目に値する幻についてどう考えていたのか，はっきりとは分かりません。しかし，帰還した人々が何を行ったか，またエホバの清い崇拝をどう見なすようになったかについては，神の言葉から多くの点を知ることができます。では人々は，エゼキエルが見た幻の中で示された原則を当てはめましたか。バビロン捕囚以前の反逆的な先祖たちと比べると，ある程度はそうしたと言えます。

¹¹ 預言者のハガイとゼカリヤ，祭司で写字生のエズラ，総督ネヘミヤといった忠実な人たちは，エゼキエルが見た神殿の幻の中で示されたような原則を民に教えるために努力しました。（エズ 5:1，2）清い崇拝を極めて重要なものとする必要があり，お金や物を得ることや利己的な事柄を追い求めることよりも優先しなければならない，と教えました。（ハガ 1:3，4）また，清い崇拝を行うための基準を守るべきことを強調しました。例えば，エズラとネヘミヤは，人々を神から引き離していた外国人の妻たちを追放するよう，厳しく命じました。（エズラ 10:10，11を読む。ネヘ 13:23-27，30）偶像崇拝についてはどうでしょうか。イスラエルの歴史において繰り返されてきたその罪深い行いを，民は捕囚から帰還した後にようやく憎むようになったようです。祭司たちや，長つまり高官たちはどうなりましたか。エゼキエルが見た幻の中で示されたように，彼らもエホバから助言と矯正を受けました。（ネヘ 13:22，28）彼らの多くがその助言に謙遜に従いました。（エズ 10:7-9，12-14。ネヘ 9:1-3，38）

12. エホバは捕囚から帰還した人たちをどのように祝福しましたか。

¹² そうした様子を見たエホバは，ご自分の民を確かに祝福しました。人々はある程度，神との親しい関係を得て，健康に恵まれ，秩序を取り戻しました。イスラエルの土地で長い間見られなかった状態です。（エズ 6:19-22。ネヘ 8:9-12; 12:27-30，43）なぜそうなったのでしょうか。人々がようやく，清い崇拝のためにエホバが定めた正しい基準に従い始めたからです。神殿の幻が与える教訓は，多くの誠実な人の心に達したのです。ここまでをまとめると，エゼキエルが見た神殿の幻は，捕囚にされていたユダヤ人にとって2つの点でためになったと言えます。その幻は，（1）清い崇拝のための基準について教訓を与え，その基準をどのように守るべきかを示しました。（2）神からの保証を与えました。清い崇拝が回復されることや，人々が清い崇拝を行う限りエホバから祝福されることを予告したのです。では，この幻は現代にも当てはまるのでしょうか。

13，14. （ア）エゼキエルが見た神殿の幻が現代にも当てはまることはどうして分かりますか。（イ）その幻は，現代の私たちにとってどんな2つの点でためになりますか。（囲み13A，「異なる神殿，異なる教訓」も参照。）

¹³ エゼキエルが見た神殿の幻は，現代の私たちにも確かに当てはまります。すでに考えたように，エゼキエルが見た幻とイザヤの預言はよく似ています。エゼキエルが見た幻では，神の神聖な家が「非常に高い山」の上にあり，イザヤの預言では，「エホバの家の山」が「山々の頂より高くしっかりと据えられ」ます。イザヤの預言は「最後の日々」つまり「終わりの時代」に実現することになっていました。（エゼ 40:2。イザ 2:2-4，脚注。ミカ 4:1-4も参照。）これらの預言は，終わりの時代の1919年以降の期間に実現しています。その年に清い崇拝は回復され，高い山の上に置かれたかのように高められた状態になりました。b

¹⁴ ですから，エゼキエルが見た幻が現代の清い崇拝に当てはまることは明らかです。その幻は，捕囚にされていた古代のユダヤ人のためになったように，現代の私たちにとっても2つの点でためになります。（1）清い崇拝に関するエホバの基準をどのように守れるかを教えてくれます。（2）清い崇拝の回復とエホバの祝福について，神からの保証を与えてくれます。

15. エゼキエルが見た神殿の幻から教訓を得る上で，どんなことを覚えておくべきですか。

¹⁵ エゼキエルが見た幻の幾つかの点について考えてみましょう。自分がエゼキエルと一緒に壮大な神殿を見て回っているところを想像してみてください。覚えておきたいこととして，私たちは偉大な比喩的神殿を見ているのではありません。いま行っている崇拝に当てはまる教訓を得ようとしているのです。どんな教訓が学べるでしょうか。

16. エゼキエルが見た幻の中で多くの箇所が測られたことから，何を学べますか。（冒頭の挿絵を参照。）

¹⁶ 多くの箇所が測られた。エゼキエルが見ていると，姿が銅のように輝いている天使は，神殿の壁，門，守衛室，庭，祭壇などを細かく測りました。その記述を読むと，詳細な情報の多さに圧倒されるかもしれません。（エゼ 40:1–42:20; 43:13，14）しかし，そうした細かな点からどんな重要なことを学べるか考えてみてください。その情報により，エホバはご自分の基準がいかに重要であるかを強調しています。基準を定めるのはエホバであって，人間ではありません。神をどう崇拝しようが大した問題ではないと考える人は，ひどい思い違いをしています。エホバは神殿を細かく測らせることにより，清い崇拝は間違いなく回復するという保証も与えています。寸法が厳密で確かであるように，神の約束がその通り実現することは確かです。エゼキエルの記録から，終わりの時代に清い崇拝が確実に回復することが分かるのです。

17. 神殿の周囲の壁は現代の私たちにどんなことを思い起こさせますか。

¹⁷ 周囲の壁。すでに取り上げたように，エゼキエルは幻の中の神殿の周囲全体を囲む壁を見ました。その壁は神の民に，あらゆる宗教的な汚れを清い崇拝から遠くに離しておく必要があり，決して神の家を汚してはならない，ということをしっかりと思い起こさせました。（エゼキエル 43:7-9を読む。）現代の私たちも同じ助言を必要としています。神の民は長い間，比喩的な意味で大いなるバビロンに捕らわれた状態にありましたが，ついに解放され，1919年にキリストが忠実で思慮深い奴隷を任命しました。特にそれ以来，神の民は多大の努力を払い，間違った教理を退け，偶像崇拝や異教が絡んだ慣行を避けてきました。私たちは宗教的な汚れを清い崇拝から遠くに離しておくよう注意しなければなりません。また，王国会館でビジネスを行ったりはせず，そうした世俗的な事柄と神への崇拝との間に一線を引きます。（マル 11:15，16）

18，19. （ア）幻の中の神殿の高い門から何を学べますか。（イ）エホバの高い基準を軽視する人たちに対し，どのように応じるべきですか。どんな例が考えられますか。

¹⁸ 高い門。エゼキエルが見たそびえ立つ門について考えると，どんな教訓が得られるでしょうか。捕囚にされていたユダヤ人たちは，幻の中の神殿のその部分から，エホバの道徳基準が非常に高いことを学んだでしょう。古代においてその高い基準を守る必要があったのであれば，現代はどうでしょうか。私たちは偉大な比喩的神殿でエホバを崇拝しています。いま偽善のない正しい行いをすることは，なおさら重要ではないでしょうか。（ロマ 12:9。ペテ一 1:14，15）この終わりの時代に，エホバは民を段階的に導き，ご自分の道徳基準をしっかり守れるよう助けてきました。c 例えば，悪いことをして悔い改めない人は会衆から除かれます。（コリ一 5:11-13）門の入り口の所にある守衛室は，エホバから良いと認められない人はエホバを崇拝することを許されない，ということを思い起こさせます。一例として，裏表のある生活をしている人は，王国会館に入ることはできても，エホバとの関係を正さない限りエホバから良いと認められることはありません。（ヤコ 4:8）ますます悪くなるこの不道徳な時代にあって，清い崇拝は確かに守られているのです。

¹⁹ 聖書によれば，この世は終わりを迎える前に悪化の一途をたどります。こう予告されています。「邪悪な人々や詐欺師たちは，惑わしたり惑わされたりしながら，ますます悪くなっていきます」。（テモ二 3:13）現在ますます多くの人が惑わされて，エホバの高い基準は厳しすぎるとか，時代遅れだとか，間違っていると考えています。あなたも惑わされることがあり得るでしょうか。例えば，誰かが同性愛に関する神の基準は間違っていると説得しようとしてきたら，同意してしまいますか。それとも，同性愛行為をする人は「みだらなことを行って」いる，と聖書の中ではっきり述べているエホバ神を支持しますか。神は不道徳な行いを肯定しないようにと警告しています。（ロマ 1:24-27，32）そのような問題に直面した時には，エゼキエルが幻の中で見た神殿の高い門を思い描き，次のことを思い起こすとよいでしょう。この邪悪な世からのどんな圧力があろうとも，エホバがご自分の正しい基準を下げることは決してない，ということです。天の父を支持し，正しいことを擁護しましょう。

20. 「大群衆」は，エゼキエルの幻からどんな励みが得られますか。

²⁰ 庭。エゼキエルは神殿の広い外側の庭を見た時，エホバを崇拝する幸福な人たちが大勢集まれることを考えてうれしくなったに違いありません。現代のクリスチャンは，はるかに神聖な場所で神を崇拝しています。エホバの比喩的神殿の外側の庭にいる「大群衆」は，エゼキエルの幻から励みが得られます。（啓 7:9，10，14，15）エゼキエルが見た庭の横には食堂があり，崇拝者たちは持ってきた共食の犠牲をそこで食べることができました。（エゼ 40:17）平和な関係のしるしとして，いわばエホバ神と一緒に食事をすることができたのです。現代の私たちは，ユダヤ人がモーセの律法の下で捧げていたような犠牲を捧げることはしません。代わりに，清い崇拝の一環として集会でコメントしたり野外宣教で語ったりして信仰を表明することにより，「賛美の犠牲」を捧げます。（ヘブ 13:15）そして，エホバからの教えという食物で養われています。ですから，エホバに向かって次のように歌ったコラの子孫と同じように感じています。「あなたの庭での1日は，ほかのどんな場所での1000日よりも素晴らしい！」（詩 84:10）

21. 天に行くよう選ばれたクリスチャンは，エゼキエルが見た幻に出てくる祭司たちからどんなことを学べますか。

²¹ 祭司たち。エゼキエルが見たように，祭司やレビ族の人が内側の庭に入るには門を通る必要がありました。その門は，祭司ではない部族の人たちが外側の庭に入る時に通った門と同じ大きさでした。そのことは祭司たちに，清い崇拝のためにエホバが定めた基準を自分たちも守らなければならないということをしっかりと思い起こさせたでしょう。現代ではどうでしょうか。いま神に仕えている人たちの中に，代々祭司として奉仕している人はいません。しかし，天に行くよう選ばれたクリスチャンたちは，「選ばれた種族，王である祭司」と呼ばれています。（ペテ一 2:9）古代イスラエルの祭司たちは，他の人々とは別の庭で崇拝を行いました。現代では，天に行くクリスチャンたちは神を崇拝する仲間たちと物理的な意味で別にされてはいませんが，エホバの養子としてエホバと特別な関係にあります。（ガラ 4:4-6）そして，彼らもエゼキエルが見た幻から役立つ点を学べます。例えば，祭司たちも助言や矯正を受けたという点です。全てのクリスチャンは，自分たちが「1つの群れ」として「1人の羊飼い」の下で仕えているということを覚えておくべきです。（ヨハネ 10:16を読む。）

22，23. （ア）現代のクリスチャンの長老たちは，エゼキエルが見た幻に出てくる長たちからどんな教訓を学べますか。（イ）将来どんなことがあるかもしれませんか。

²² 長たち。エゼキエルが見た幻の中で，長たちはかなり目立つ存在でした。祭司の部族の一員ではなかったので，神殿では祭司たちの指示に従ったでしょう。しかし，民の間で監督として行動し，犠牲を捧げるのを助けました。（エゼ 44:2，3; 45:16，17; 46:2）ですから，現代において会衆内で幾らかの責任を担っているクリスチャン男子の手本です。旅行する監督を含むクリスチャンの長老たちは，選ばれた忠実な奴隷に従わなければなりません。（ヘブ 13:17）長老たちは，神の民がクリスチャンの集会や宣教で賛美の犠牲を捧げるのを助けるために努力を払います。（エフェ 4:11，12）イスラエルの長たちは，権力を乱用したためにエホバから叱責されました。（エゼ 45:9）そのことを心に留める現代の長老たちは，自分たちに助言や矯正は必要ないとは考えません。より良い牧者また監督になれるよう，エホバから訓練され正される機会を大切にします。（ペテロ第一 5:1-3を読む。）

²³ 将来，地上がパラダイスになってからも，エホバは有能で愛情深い監督たちがいるようにします。いま長老として仕えている大勢の人たちは，パラダイスで人を助ける有能な牧者になるための訓練を受けていると言えます。（詩 45:16）新しい世界でその人たちを通してたくさんの祝福がもたらされることを考えると，胸が躍るのではないでしょうか。エホバが定めた時が来たら，エゼキエルの幻や，回復に関する他の預言について，もっとよく理解できるようになるかもしれません。そうした預言の幾つかの面が，今は想像もつかないような仕方で実現することもあり得ます。いずれはっきり分かるでしょう。

24，25. エゼキエルが見た幻には，清い崇拝の基準に従う民にエホバの祝福があることを示す，どんな描写が出てきますか。

²⁴ 最後に，エゼキエルが見た幻の中で起きた重大な出来事について再び思い起こしましょう。エホバが幻の中の神殿に来て，清い崇拝に関するご自分の基準に民が忠実に従う限りそこにいると約束しました。（エゼ 43:4-9）エホバの臨在は，民と土地にどんな影響を及ぼすでしょうか。

²⁵ 幻には，神の祝福があることを示す預言的な描写が2つ出てきます。（1）神殿の聖なる所から川が流れ出て，土地に命と豊かな実りをもたらします。（2）土地がきちんと厳密に区分され，中心的な位置に神殿とその用地があります。これらの点は現代においてどのように理解したらよいでしょうか。というのは，今では崇拝のためのはるかに神聖な取り決め，つまり偉大な比喩的神殿があるからです。エホバはその神殿に入り，その取り決めをいわば精錬して，良いと認めました。（マラ 3:1-4）上記の2つの預言的な描写については，この本の第19章から第21章で取り上げます。