-
聖書の時間表はわたしたちの時代を明確に指摘するものみの塔 1974 | 6月15日
-
-
預言的な七つの時
ネブカデネザルは,自分が夢の中で見た木と同じように,世界支配者としての地位から『七つの時』の間,つまり七年のあいだ切り倒されました。預言上の一年はひと月を30日とする12か月から成るとみなされましたから,その『七つの時』つまり七年は2,520日間でした。a その期間ネブカデネザルは正気を奪われ,獣のように草を食べる者となりました。その期間が終わると,彼は正気を取り戻して王位に復しました。夢の中で見た木がいわば芽を吹き,それを抑えていたたがが除かれたのはその時です。―ダニエル 4:20-37。
ネブカデネザルは神の許しのもとに世界支配者としての地位を占めていましたから,彼がその地位を奪われたことは,神の主権の行使と関係を持つ何かを象徴していたに違いありません。『エルサレムが踏みにじられる』というイエスのことばにも同様の意味が含まれています。どうしてですか。かつてエルサレムは神権政府の所在地であり,ダビデの王統の王たちが支配を行なう首都であったからです。それらの王は,「エホバの王座」に座る者と呼ばれました。(歴代上 29:23,新)したがって,西暦前607年bにエルサレムが壊滅し,その君主が流刑になったことは,神の主権を表象するエルサレムが踏みにじられることの始まりとなりました。
これは,象徴的な『七つの時』が終わるとダビデ王の子孫が王座に就く神権的な王国がエルサレム市に復興されるという意味ですか。そうではありません。バビロニア人の手でエルサレムが壊滅して以来,ダビデの系統を引く王がエルサレムで王として支配の座に就いたことはありません。ダビデ王の永遠の相続者であるイエス・キリストは,「天の王国は近づいた」と述べて,自分の王国が天のものであることを示しました。(マタイ 4:17)イエスは地上のエルサレムから支配するというような考えはいだかず,むしろ,この都市がエホバ神から特別に認められた存在ではなくなることを示しました。―マタイ 23:37,38をご覧ください。
したがって,「諸国民の定められた時」が終わったときに,イエス・キリストは,エルサレム市の地上の王座にすわる王としてではなく,天的な王として,人類世界に対する王権を受けることになっていました。
それはいつでしたか。西暦前607年におけるエルサレムの壊滅から,『七つの時』である預言上の2,520日が経過した時です。イエス・キリストが未即位の王として地上舞台に登場したのは,そのエルサレム市の最初の壊滅から六世紀以上もたってからのことでした。したがって,預言上の2,520日は,実際には幾世紀もの期間に及ぶことになります。聖書自身も,『一日を一年とする』と述べて,その正確な長さを決めるかぎを提出しています。(民数 14:34。エゼキエル 4:6)つまり,預言上の2,520日は,西暦前607年におけるエルサレムの荒廃から文字どおりの2,520年が経過した時に終わったことになります。それはいつですか。
西暦前607年の10月から西暦前1年の10月までは満606年です。西暦前1年の10月から西暦1年の10月までは満1年です。そして,西暦1年の10月から1914年の10月までは1913年です。これらの数を足すと(606+1+1913),全部で2,520年間になります。したがって,『七つの時』は西暦1914年の10月に終わりました。人間の目に見えなかったとはいえ,イエス・キリストが人類世界に対する支配権を受けたのはその時です。
-
-
聖書の時間表はわたしたちの時代を明確に指摘するものみの塔 1974 | 6月15日
-
-
a この点の確証は聖書の他の部分からも得られます。啓示 11章2,3節は,「四十二か月」が「千二百六十日」であることを示しています。つまり,一か月は30日にあたります。(1,260÷42)また,啓示 12章6,14節は,1,260日が「一時と二時と半時」(三時半),もしくは「三年半」(新英語聖書)に相当することを示しています。したがって,『七つの時』もしくは七年は,1,260日の二倍,つまり2,520日になります。
b エルサレムの壊滅に関するこの年代の信頼性については,「聖書理解の助け」(英文)の339,348ページをご覧ください。
[355ページのグラフ]
(正式に組んだものについては出版物を参照)
預言的な七つの時
2520年
1年
606年 1913年
西暦前607年 西暦前1年 西暦1年 西暦1914年
一つの世代のうちに
この体制が終わる
-